![]() |
---|
ランド・オブ・プレンティ | ![]() |
---|
2004年作品。アメリカ・ドイツ合作。124 分。配給=アスミック・エース。監督=ヴィム・ヴェンダース(Wim Wenders)。原案=ヴィム・ヴェンダース(Wim Wenders)、スコット・デリクソン(Scott Derrickson)。脚本=ヴィム・ヴェンダース(Wim Wenders)、マイケル・メレディス(Michael Meredith)。撮影=フランツ・ラスティグ(Franz Lustig)。音楽=トム&ナクト(Thom & Nackt)。ラナ=ミシェル・ウィリアムズ(Michelle Williams)、ポール=ジョン・ディール(John Diehl)、ヘンリー=ウェンデル・ピアース(Wendell Pierce)、ジミー=リチャード・エドソン(Richard Edson)、シャーマン=バート・ヤング(Burt Young)、ハッサン=ショーン・トーブ(Shaun Toub)
9.11以降戦争へと向かったアメリカという国に対する大きな怒りと、そこに住む傷ついた人々に対する深い愛情。しかし国への怒りは敵意ではなく、静かな祈りにつながっている。底辺からアメリカを見つめること。違いを超えて対話すること。沈黙して他者の声を聞くこと。そこに痛切な監督のメッセージが込められている。その思いは、アメリカの人々に届いただろうか。
空中庭園 | ![]() |
---|
2005年作品。日本映画。114 分。配給=アスミック・エース。監督=豊田利晃。プロデューサー=菊地美世志。企画=孫家邦、森恭一。原作=角田光代『空中庭園』(文藝春秋刊)。脚本=豊田利晃。撮影=藤澤順一。美術=原田満生。衣装=宮本まさ江。編集=日下部元孝。主題歌=UA『この坂道の途中で』。ヘアメイク=小沼みどり、徳田芳昌。照明=上田なりゆき。録音=柿澤潔。京橋絵里子=小泉今日子、京橋マナ=鈴木杏、京橋貴史=板尾創路、京橋コウ=広田雅裕、京橋絵里子の兄=國村隼、テヅカ=瑛太、サッチン=今宿麻美、森崎=勝地涼、ミーナ=ソニン、飯塚麻子=永作博美(特別出演)、木ノ崎さと子=大楠道代
崩壊しかけた現代家族の虚構をコミカルに暴きつつ、血なまぐさい心の闇も描く。そして「学芸会」の淡い絆に家族の可能性を託す。偽善すれすれのラストシーンは素敵だ。小泉今日子が、トラウマを抱え、キレて豹変する絵里子を、不思議な自然体で演じる。柔らかくて、凄みさえある演技は怖いほど。そして「春の雪」に続き、大楠道代の自在でありながら迫力ある演技にうなった。
ALWAYS 三丁目の夕日 | ![]() |
---|
2005年作品。日本映画。133 分。配給=東宝。監督=山崎貴。製作=高田真治、亀井修、島谷能成、平井文宏、島本雄二、西垣慎一郎、中村仁、島村達雄、高野力。プロデューサー=安藤親広、高橋望、守屋圭一郎。エグゼクティブプロデューサー=阿部秀司、奥田誠治。原作=西岸良平 『三丁目の夕日』(小学館ビッグコミックオリジナル連載)。脚本=山崎貴、古沢良太。撮影=柴崎幸三。美術=上條安里。編集=宮島竜治。音楽=佐藤直紀。主題歌=D-51『ALWAYS』。VFX=山崎貴。VFXディレクター=渋谷紀世子。音響効果=柴崎憲治。照明=水野研一。装飾=龍田哲児。録音=鶴巻仁。茶川竜之介=吉岡秀隆、鈴木則文=堤真一、石崎ヒロミ=小雪、星野六子=堀北真希、宅間史郎=三浦友和、大田キン=もたいまさこ、鈴木トモエ=薬師丸ひろ子、古行淳之介=須賀健太、鈴木一平=小清水一揮、精肉店・丸山=マギー、自転車屋・吉田=温水洋一、川渕康成=小日向文世、電気屋=木村祐一 、氷屋=ピエール瀧、郵便配達=神戸浩、中島巡査=飯田基祐、宅間の妻=麻木久仁子、古行和子=奥貫薫、静夫=石丸謙二郎、不動産屋=松尾貴史、秘書・佐竹=小木茂光、劇場支配人=益岡徹
素晴らしいのは脚本、セット、CGだけではない。俳優が素晴らしい。茶川竜之介を演じた吉岡秀隆のうまさは別格として、堤真一、薬師丸ひろ子、もたいまさこ、三浦友和、小雪らが、胸に響く演技をみせる。そして、子役がまた泣かせる。憎めないワンパク坊主・鈴木一平役の小清水一揮、次第に輝きはじめる古行淳之介役の須賀健太、さらに鈴木オートに集団就職した愛くるしい星野六子役の堀北真希。みな抱き締めたくなる。2005年の邦画を代表する傑作のひとつだ。
親切なクムジャさん | ![]() |
---|
2005年作品。韓国映画。114 分。配給=東芝エンタテインメント。監督=パク・チャヌク。製作=イ・チュニョン。脚本=パク・チャヌク。撮影=チョン・ジョンフン。音楽=チョ・ヨンウク。クムジャさん=イ・ヨンエ(I Yeong-Ae)、ペク先生=チェ・ミンシク(Choi Min-sik)、ジェニー=クォン・イェヨン、チャン=オ・ダルス、クンシク=キム・シフ、パク・イジョン=イ・スンシン、ウ・ソヨン=キム・ブソン、オ・スヒ=ラ・ミラン、キム・ヤンヒ=ソ・ヨンジュ、コ・ソンスク=キム・ジング、魔女=コ・スヒ、伝道師=キム・ビョンオク、チェ班長=ナム・イル
「娘を殺すぞ」と脅され、身代金誘拐殺人事件の犯人と名乗り出て13年の刑期を終え、自分を陥れたペクへの復讐を実行するイ・クムジャ。たしかに過酷な設定ではあるが、思わず笑ってしまう場面が多い。「オールド・ボーイ」に潜んでいたどぎついギャグが、前面に躍り出ている。シリアスさよりもギャグのテイストが濃い。ラストの親切は、まさに親切にも程があるという展開。血みどろの人間喜劇が描かれる。怖い。
ハリー・ポッター 炎のゴブレット | ![]() |
---|
2005年作品。アメリカ映画。157 分。配給=ワーナー。監督=マイク・ニューウェル(Mike Newell)。製作=デヴィッド・ハイマン(David Heyman)。製作総指揮=クリス・コロンバス(Chris Columbus)、デヴィッド・バロン(David Barron)、マーク・ラドクリフ(Mark Radcliffe)、ターニャ・セガッチアン(Tanya Seghatchian)。原作=J・K・ローリング(J.K. Rowling)。脚本=スティーヴ・クローヴス(Steve Kloves)。撮影=ロジャー・プラット(Roger Pratt)。美術=スチュアート・クレイグ(Stuart Craig)。衣装=ジェイニー・ティーマイム(Jany Temime)。編集=ミック・オーズリー(Mick Audsley)。音楽=パトリック・ドイル(Patrick Doyle)。ハリー・ポッター=ダニエル・ラドクリフ(Daniel Radcliffe)、ロン・ウィーズリー=ルパート・グリント(Rupert Grint)、ハーマイオニー・グレンジャー=エマ・ワトソン(Emma Watson)、ドラコ・マルフォイ=トム・フェルトン(Tom Felton)、ビクトール・クラム=スターニスラフ・イワネフスキー(Stanislav Ianevski)、チョウ・チャン=ケイティ・リューング(Katie Leung)、ネビル・ロングボトム=マシュー・ルイス(Matthew Lewis)、セドリック・ディゴリー=ロバート・パティンソン(Robert Pattinson)、フラー・デラクール=クレマンス・ポエジー(Clemence Poesy)、ルビウス・ハグリッド=ロビー・コルトレーン(Robbie Coltrane)、ヴォルデモート卿=レイフ・ファインズ(Ralph Fiennes)、アルバス・ダンブルドア=マイケル・ガンボン(Michael Gambon)、マッドアイ・ムーディ=ブレンダン・グリーソン(Brendan Gleeson)、ルシウス・マルフォイ=ジェイソン・アイザックス(Jason Isaacs)、シリウス・ブラック=ゲイリー・オールドマン(Gary Oldman)、セブルス・スネイプ先生=アラン・リックマン(Alan Rickman )、ミネルバ・マクゴナガル先生=マギー・スミス(Maggie Smith)、ピーター・ペティグリュー/ワームテール=ティモシー・スポール(Timothy Spall)、イゴール・カルカロフ=プレドラグ・ビエラク(Predrag Bjelac)、マダム・マクシーム=フランシス・デ・ラ・トゥーア(Frances de la Tour)、バーティ・クラウチ=ロジャー・ロイド=パック(Roger Lloyd-Pack)、リータ・スキーター=ミランダ・リチャードソン(Miranda Richardson)、バーティ・クラウチJr.=デヴィッド・テナント(David Tennant)、アーサー・ウィーズリー=マーク・ウィリアムズ(Mark Williams)
映像のクオリティに関しては、かなり「ロード・オブ・ザ・リング」を意識したように思う。景観の俯瞰シーンが美しく、アクション場面も迫力がある。100年ぶりに開かれた3大魔法学校対抗試合が物語の中心。最初に派手な場面を置いて、観客を引き込む常とう手段が、少し鼻につくが、展開のペースは悪くない。ただ157 分という長さは、そろそろ限界に来ていると思う。
1996年 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1997年 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
1998年 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
1999年 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
2000年 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
2001年 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
2002年 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
2003年 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
2004年 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
2005年 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 |