2004年5月
帰りにKちゃんと待ち合わせをして、日伊会館で「幸せになるためのイタリア語講座」を見ました。いやあー、週の始めの平日だけあって、ガラガラというか客は約5名(我々を含む)。で、その映画だけど、とっても暗ーく始まる。かなり暗い。すごく暗い。これでもかっていうくらい暗いのよ。
デンマークの低所得者層のあまりにやりきれない日常がそりゃもーリアルに描かれている。「生き方上手」ならぬ「生き方下手」の方々のオンパレード。偏屈な親父さん(途中で死ぬ)やら、アル中でボテボテにむくんだオカン(やっぱり途中で死ぬ)が演技が上手。偏屈な親父さんの死に様なんて、演技とは思えないくらい。アル中のオカンの娘(セクシー、むんむん、狂い咲き)は田中真紀子そっくり。これも他人とは思えないくらい。ちょっと怖い。
見ていてもう(この映画)一体どうなっちゃうんだろうって不安になるくらいの閉塞状況。
でも、最後にはそれぞれそれなりに幸せな感じ(あくまでも「感じ」)になるってスジなのですが、、、 個人的には良かったけど、人に勧めるかどうかは微妙。Kちゃんはラヴ・アクチュアリーよりは高得点をつけていました。
夜のお仕事でした、、、
I-O-DATAのIEEE802.11a,g,b 同時対応無線ルータ(WN-APG/BBR
)が壊れた。POWERランプが消えて(他のランプは点いている)機能しなくなる。電源を入れなおすと10分くらいは機能する。ファームを最新版にアップデートしてもダメ。あーあ、暑さでいかれたか? こりゃ、修理かなあー。
かつて大学でマルクスの「資本制生産様式に先行する諸形態」の原書購読の研究会に参加していた4名が、10余年ぶりに恩師の葬式で合い、その研究会に参加していて不審な死をとげた仲間の死の原因について、4名がそれぞれ全く異なる解釈を行うという筋。4名がそれぞれ己のバイアスのかかった仮説を華麗な衒学ぶりで主張する。まさに衒学四重奏曲。最後の場面にはグールドの演奏するシューマンの47番←四重奏曲ね。
ノヴァーリスの絡ませ方も巧み。私は青臭い若書きの本が好みなものなので、とても楽しめる構成の小説でした。
でも、なにかが足りない。なにが足りないのかわからない、、、 うーむ。よく出来た「サイコドラマ」みたいなんだよね、、、エンターテイメントって感じで、、、 同じような、大学時代を過ごした私にとっては、結構「怖い」内容なんだけどね。
夕方にふらふらとネズミに会いにゆく。
こういう映画って好きだわ。
参考までに私の送ったメールは(前後省略)
P75にある「アポリネールがシュールリアリズムの本質を表現しようとしていたあの『手術台の上でのミシンとコウモリ傘との出会い』になぞらえて、、、」とあるアポリネールの著作はなんでしょうか?
P181では原典にあたる重要性を強調されているのに私も強く同意します。それゆえに上記の原典を読んでみたいのですが、、、
アポリネールの言葉として紹介されていた「手術台の上でのミシンとコウモリ傘との出会い」は、実はロートレアモンの言葉でした。
先生のうっかりミスで、ご迷惑をおかけしてしまいました。申し訳ございません。言葉の出典は『マルドロールの歌』だそうです。ちなみに、アポリネールは「シュルレアリスム」の命名者とされているそうです。
はたして加賀野井先生は「マルドロールの歌」を(日本語訳だろうと原典だろうと)読んだことあるのかなあ? 読んでいたら決してアポリネールと間違えないと思うんだけどなあー。(1500円出費したのだからこれくらい言わせて。前著も読んだし。)
あ、でもこの本は後ろについているソシュールを読むためのブックガイドは便利です。それにしても前著と内容がダブり過ぎのような、、、
なんばの松竹に行って、武田鉄也のお芝居「母に捧げるバラード」を見てきましたですよー。私の美意識を強く揺さぶる問題作でした!!! (客層もスゴイぞ! 私もその一人だが。Kちゃんも怯えていたぞ)
究極のマザコン劇、それも武田鉄也が自分の母も演じてしまう強烈さ。私にはわからない世界です。
その後、キタへ移動して、芝居に出ていた伯母と飲みました。伯母には彼女の兄について辻邦生が書いたエッセーが出ている本「風雅集」をあげました。そのエッセーを知らなかったようで、喜んでいました。
「そこに書いてあるようなおかしな人だったのか?」と聞くと、そうだと答えていました。伯父に憑いていたと辻が書いているデーモンは今、誰に憑いているのかという話になりました。私に回ってくる前にいろいろ寄り道をしているようです。
伯母には、知り合いのオカルトマニアの京都在住の美人女流画家(TOMさま)がたまたま?伯母のファンでしたのでした、って話しておきました。あのテレビドラマは「怖くて眠れなくなった」などと評判が良かったそうです。
彼のHPには↓の中には「美術史ミステリー」があって、やけに肌つやのよい美青年の昂尊純君も登場する。いやあ、、、
http://www3.plala.or.jp/kaorupig/
午前中は勉強会。
昼から部屋の掃除。あまりに物(主に本と書類と変な金物)が多すぎる、、、 2倍の広さが欲しい、、、 貧乏がにくい(それより自分がだらしないだけ?)、、、
それでもどうにか一年ぶりに私の蛸部屋に掃除機を入れて床を掃除できました(これまでは床は見えなかったのでした)。
書類の山の下からは iBook の延長保証書(5年間)まで出てきました。そうだった、、、、Macは故障が多くて修理代が高いから購入時に延長保証に入ったのでした、、、
実際に(当初の予想通り)購入後1年のメーカー保証が切れた直後にLANカードが壊れたのですが、その時には(当初は予想していなかったことには)私は延長保証に入っていたことをコロリと忘れていて、無線LANにしてしまったのでした。そんな記憶力のない自分って、、、
中身は先日スウェーデンの古本屋に注文した、アンドレイ・タルコフスキーの「サクリファイス」の中で主人公に贈られたイコンの画集、Alpatov 著の Ryskt Ikonmaleri (スウェーデン語・ロシア語併記、1984年)なのでした。全てに徹底的にこだわるタルコフスキーが選んだだけあってなかなか美しい本です。20年前の本ですが、保存状態も完璧なものでした。映画の中で画集をめくりながらみるシーンがあるのだけれど、DVDで見ながら、それにあわせてめくってみたりして。頬擦り、頬擦りなのでした。←愚か
主人公の娘が窓際でこの本を持っているシーンもある。
で、わかったのですが、本をめくるシーンでは本のダストカバーは暗めのオレンジ色なのだけど(ダストカバーをはずしてもやはりオレンジのカバー)、映画のなかでは黒く修正されているのです。オレンジだと映画全体の色調からずれるから、黒いお手製のダストカバーを代わりにかぶせて撮影したのかな?
タルコフスキーって、ホントに細かいことまでこだわっているにゃー、って改めて思いました。この画集の中で、あのページから始めて、プルコフ派の聖パラスケヴァ・ピャートニツァのアップを経て、あのページ(北方派による「キリストの埋葬」)で終えているのはなぜか、これらのシーケンスを選んだ理由は?などなど興味は尽きないのでした。普通の画集よりアップの図版が多いのでメリハリがあるのが、あの画集を選んだ理由のひとつだろうなあ、とも思ったのでした。
夕方から、某研究所に行って、ネズミの世話。
夜から蛸部屋の掃除を始める。あまりの状態にどこから手を付けて良いかわからない、、、
その後、引き続き学会。3日目は招待講演がメイン。演者は、10日に京都で(なぜか人が足りず、私まで参加)一緒にテーブルを囲んだ某教授。この手の講演では珍しく、講演者の人柄の良さがでた講演でした。
その後、昼休みに四谷に出てKちゃん親子の招待(おごり)で「オテル・ドゥ・ミクニ」でランチを食べました。かなり高級な感じのお店で、原色のリュックを背負った私は明らかに場違いでした。お食事はとてもおいしかったです。
午後に再び学会に出てから、夜に新幹線に乗って京都に帰ってきました。落ち着くにゃ、京都。
午後は発表もしました。
東京は人が密集していてビルも密集していて、京都に慣れた私には、なんかシュールリアルな世界に映りました。私が予備校に通っていた頃の東京のイメージ(主に今は無き名画座と神田の古本屋などで形成されている)が、私の中で固定されてしまっているため、21世紀の現実の東京がなんか現実感がなくて、、、 ←単に時代に取り残されているだけ?
夜は家族と共に、母の知り合いの方がやっている桜木町の「武蔵屋」さんに行ってきました。私は初めて行ったのですが、知る人ぞ知る名店だそうです。
写真のように、お店は看板もないし、のれんもない、一見ただの民家。中に入ると、何十年も前からのなじみのお客さんで鮨詰め状態でした。切り盛りしているのは、80代のマドンナ二人。なかなか良い呑み屋さんでした。リピーターになるのもわかるにゃー。
セミナーの後に、夕飯は事情があって彩ちゃんのボストン留学時代のボスと横メシでした。疲れる、、、
移動の電車の中でヴァレリーを読んでいると、怒号が。見ると同じ車両で老人同士がケンカしてます。すぐそばで、傘を振り回して大変でした。電車も数分止まりました。
学会前なので、乗り継ぎ駅にある子羊美容院で髪を切りました。アーニーになりました。
やっと、「ムシュー・テスト」(岩波文庫)読み終わりました。単行本の「テスト氏」の方は姉妹編の「未完の物語」も入っている。これも読まんと、、、
サンシャインカフェでお昼。隣の席に若いカップルが座った。女性が彼氏(学生と思われる)に、”読みかけで預けていた本を渡して”と仕草で示す。彼はボロボロのバッグから、文庫を取り出して机の上に置く。見るとカントの「純粋理性批判」の上巻(岩波文庫)。
間。
すぐに彼はバッグからもう一冊、同じくらいの厚さの文庫を出して、カントの上に重ねて積みました。見ると村上春樹の「ダンス・ダンス・ダンス」。
このカップル、うまくゆくのかなあー、って思いました。彼氏はちょんまげみたいな髪型だったし。カント、下巻だったらにゃー。多分、上巻の途中でストップだにゃ。←自分がそうだったからって、、、
最近、以文社から新訳が出たけど、あれって読みやすいのかしら?
昨夜はあまりの悪夢に途中で目が覚めました、、、 悪夢があまりに近未来の自分の状況だったので、もはや「夢」とは言いがたく、一層恐怖なのでした、、、 その後、寝付いたけれども再び悪夢、、、 休日なのにいつになく早起きしてしまいました、、、
昼にネズミと遊ぶ。
夕にハマムラで広東麺を食べてから、「パッション」をレイトショーで観て来ました。これまでのイエスを描いた映画とは一線を画す映画でしたよ。クリスチャン相手の映画なので、説明過多にならないように描いている場面は聖書になじんでいないとわかりにくいかも、、、(ユダヤ人たちが投げようとしていた石を落としてゆくシーンとか、ペテロ(ケパ)が途中から出てこなくなることとか、、、)ついでに聖書にはない伝承まで織り込んでいたり、、、
良い映画だと思いますよ。何度も見るのは精神的につらいけど。
お昼は、二条の「川とも」で食事。このお店は人気が出てきてからも味が落ちない。偉いなあー。ちと高いけど、、、
夕方、19個目の本棚が届く。もうすでに狭い部屋には本棚を置く場所がないので、古い本棚が一つ押し入れに入ることに。
夕食は御池の The Hill of Tara で軽く食べる。残念ながら、今日の料理はどれも味がイマイチ。前はおいしかったのに、、、 アイルランドから来ていた料理人さん(この雑誌の表紙を飾っていた)が帰国してしまったのかしらん。
古本屋から先日注文した高橋紳吾著「きつねつきの科学―そのとき何が起こっている?」(ブルーバックス、199−年)が届いた。
夕方から某所でお店番。阪神、勝ったにゃ。
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