1998年12月
本の話をしていると、かわまたが以前、須賀敦子の本を博美ちゃんに貸すと約束していながら履行していないことが発覚。ばれては仕方ないので、近くのかわまたの下宿によってもらい、約束の本を持っていってもらう。
不運な博美ちゃんは、本棚を整理中のかわまたからこれ幸いと(古本屋から引き取りを拒否された)大量の下らない小説本、マンガを無理矢理押しつけられる。はては、(やはり以前古物商から引き取りを拒否された)アンティーク(単に古い)のアイロンまで持っていかされる(でも、これは気に入ったみたい)。大量の本を荷台に積んで、背中のリュックにアイロンを入れて、博美ちゃん、自転車に乗って、ふらふらと師走の京都の町に消えていきました。
夕方から町で歳末の買い出し。「1月のセールまで、待つんだ!」と唱えながら物欲を押さえて歩く。途中、三条でかわいいピングーのぬいぐるみをあやうく買いそうになる。でも、こらえた。(ピングーと見つめ合っているうちに店が閉まってしまった)
研究室に行く。ともちゃんと徹也くんがいた。徹也くんは、明日に奥様が帰ってくるかもしれないから、掃除、掃除、と言いながら帰っていった(いったい、どんな部屋になっていたのかしら?ちなみに研究室で一番汚い机は徹也くん、2番目がかわまた)。美紀さん、今度こそ戻ってくると良いね。
夕方から、年末の買い出し。白菜が少し安くなっていた。でも、野菜、相変わらず高い!なんと、私のお気に入りのゴマの和風ドレッシングが売り切れていた(みんな狙うものは一緒)。これなしには、年を越せないのに。
本屋で「恋愛的瞬間」3,4,5巻を買う。うーん、これで完結なのか??釈然としない。
人気がなくて連載をうち切られたのかな?
帰りに本屋で、吉野朔美の「恋愛的瞬間」を見つける。なんと、私の知らない間に、すでに1巻から5巻まで出ている。とりあえず、1,2巻を買って帰る。いつもの調子を保っていて、おもしろかった。続きも買わなきゃ。
その後、ちょっと寺町でMくんを道連れに洗濯機の下見(Mくんは、オムツの洗濯もしなきゃいけなくなるかもしれないので大きい洗濯機にしろ等、現実味のないアドバイスを繰り返す)をしたあと、Aちゃんと待ち合わせ。3人で、A「アー」で飲む。Aちゃん、会社に不満があり、いろいろ喋りたいみたいだけど、Mくんとかわまた、めんどくさがって聞く耳持たず、ガツガツ食べ、かつ飲む(Mくん、ダイエットのはずでは??)。3人で下宿に流れて、Aちゃんのバースデーとちょっと早いクリスマスを祝う(ダイエット中のMくん、ここでもケーキを食べる)。でも、Aちゃんって、一体いくつになったんだろう??
夜、メールを開けると、久しく音信不通になっていたYちゃんからメールが来てた。生きてたか!Yちゃん。でも、ちょっと暗いぞ。
たけしくん経由で、あさ子さんからお手紙をもらう。ありがとー、またお世話になりますね。
Mくんととくらで夕飯。Mくん、高らかにダイエットを宣言する。かわまた、「ハイハイ」と受け流す。
夜、とうとう洗濯機がこわれる。16年のご奉公に感謝。実は5年前にも修理しているのだか、そのとき日立のサービスマンに、「おきゃくさん、(いい加減に)買い換えたらどうですか?」と言われたので、さすがに今回は買い換えか、、ちょっとさびしいな。
二次会に残ったのは、理想の結婚相手最下位を競う6名。当然その中には徹也くん、ボス、かわまたが含まれる。でも、今回は翌日が楽だったわ。
まーちゃんは産婦人科の女医さんなんだけど、ずっごく忙しそう。手帳を見せてもらうと、なんと月に20日くらい夜勤のアルバイトしてる!もちろん昼間はちゃんと病院に勤めてる。なにも、そんなに働かなくても、、、全く色気のない手帳(薬屋さんが年末に配るやつ)なんだけど、ついに!日付の横に矢印と「どんちゃん」という書き込みを見つける!
「飲んでどんちゃんしたの?それとも彼氏の名前?!」と聞くと、まーちゃん「あー、それね。その日のバイトをどんちゃんに回したの」だって。ダメだよー、まーちゃん、そんなんじゃあ、、、
ちなみに結婚相手として見たときの研究室員のランキングでは、私は徹也くんと共に最下位にランキングされてしまった。なぜ?なぜ?なぜ?
またカゼをひいた。今年は私、カゼの当たり年。私の身体はインフルエンザ銀座。
お上品な路線と言われる東横線だけど、さすがに終電になると、「トラ箱電車」。まるで阪神電鉄みたいになってた。やっぱ、終電の一本まえで帰ろ、今度から。
朝飯の後、3人で伊豆観光へと出発する。 土地っ子のMくんの運転で(私は後部座席に逃げ込んだ)、富士山がよく見える所までくねくねと道を上がる。突然、右手に雪化粧した素晴らしい富士山が現れる。感激。アンナもよろこんでいる。山の中腹にあるキャンプ場に駐車して、皆で記念写真を撮る。
さて、再び車に戻り、山道に戻ったのだが、Mくんの運転が変だ。最初対向二車線の中央部をとろとろと走り出したかと思うと、やおら右側の車線に入るのだ!私、唖然。「あっ、あっ、車線が反対」と私が後部座席からうわずった声で言うが、Mくんは「??」。そのとき、山のカーブの死角から対向車が突然目の前に!!危うく正面衝突しかける。死ぬかと思った、、、3年間のヨーロッパ暮らしでMくんボケボケ。しばらくして私がやっと喋れるようになって「はああー、しかし、対向車はびっくりしたでしょうねー」と言うと、Mくん笑いながら「いやあ、僕の方もびっくりしましたよ」だって!やっぱり後部座席で正解だった。
その後、大瀬崎に行く。ここは、天然記念物の植生のある、風光明媚な土地としてMくんがお奨めの所。行ってびっくり。浜は大発生したダイバーのウェットスーツで真っ黒に見える。リヤカーでダイビング用のボンベを運ぶにわかダイバーで、いつもは静かな浜辺も、神社のお祭りのような騒ぎ。ダイバー達は、どうやら大学などのダイビングサークルの連中で、この浜は初心者訓練のメッカになっている様子。したがって、やたらうるさい。それに岬にある保存地域まで、あやつらは侵食しているのだ。怒りのあまり、このFrogmen(Frogpersonと言うべき?)はNastyでStupidな連中だとアンナにわめいていたかわまただが、やがて気を取り直し、「ここは貴重なアシカの繁殖地なのだ」と思いこむことにする。少し気が落ち着く。帰りは富士山をバックに、このおばかなアシカ達の写真をとって帰る。
その後は、あわしまマリンパーク(駿河湾に浮かぶ淡島全部が公園になってる)に行ってアシカのショーを見て、幸せな気持ちになる。やっぱりアシカは本物に限る。そこには私の熱愛するアザラシも2頭いて、その美しい姿、つぶらな瞳、華麗な泳ぎで私の心を虜にする。猫マニアとしてならしているMくんとアンナは、ドックショーで犬たちに囲まれて、不快そうに眉をひそめている(なかなか笑える風景だった)。島巡りの散歩もしたのだけど、Mくん、相変わらず「ああ、このモニュメントは私にフランスのXXXを思い出させる」とか言っている。もしや、本気で言っているのでは、、、ちょっぴり不安になる。
それにしてもアザラシを見た後で、沼津で食べた寿司のうまかったこと。Mくん、ごちそーさま。
夜になって、一ヶ月振りに実家に戻る。
「かわいー」と思って買った赤いブルゾンを家族全員に「センスがない。似合わない。欲求不満じゃない?」とボロクソに言われ、一人泣く(T_T)。なんて人たちだ。
途中で、なんちゃら川の源泉と言う湧き水のある所に寄る。Mくんは「ここに食事をするのに良い所があるんだ」と言って駐車場に車を入れる。目の前には「クレソン」なんていうオチャラケタ名前のフランスレストラン。その隣に良さそうな蕎麦屋を見つけてた私は「蕎麦屋!蕎麦屋!」と叫ぶが、Mくん「あー、もうこのレストランの割り当て駐車場に止めちゃったよ」とうれしそう。やれやれ、、、
静岡弁に囲まれながらフランス料理を食べた後、修善寺に向かう。私が寝ているうちに着く。
桂川に面した旅館の駐車場でふと対岸を見ると、美しい紅葉の木々の下、旅館街を背景に、アンナが巨体を揺すって手を振っている。なんか、不思議な風景だ。最後にアンナを見たのはアレキサンドリアだったからなあ。
アンナと再会。巨体と抱き合って三回キスをする。修善寺でやるとなんか変だなあ。アンナからアライグマのぬいぐるみをもらう。これが似てるんだな、Pちゃんに。ちなみにMくんには熊のぬいぐるみ。
夕方に、町を散策する。Mくん、町並みを見ながら、「ああ、ここは私にイタリアのサンタ・マッジョーレXXXを思い出させる」とか言っている。Mくん、地元静岡の出身でしょ! 故郷を見て、なんでイタリアを思い出すんだ??
夜、2年ぶりにAちゃんに(帰国報告を兼ねて)電話をいれる。ちゃんと就職して、元気に働いているとのこと。えらいぞ、Aちゃん。
夕飯を奥様に逃げられた徹也くん(実名)と一緒に丸三食堂で食べる。今日はブタ汁がなかったので、かわまた少し不機嫌になる。新聞のテレビ欄を見ながらトレンディドラマについてあれこれ喋っていると、徹也くんが急に笑い出す。「かわまたさん、ほんとに外国に2年いたんですか?その辺に隠れて住んでてテレビ見てたんじゃなの?」だって。
PちゃんとMくんは初対面なので、紹介を兼ねて、私が「いやあー、このMくんは京都に半年前に来たんだけど、京都を外国と思っているらしくて、いつもウエストポーチにパスポート入れてるんだよ。はは。」とPちゃんに言うと、Pちゃん一笑いした後、「私も持ち歩いてます」と自分のパスポートを取り出して見せた。Pちゃんも最近東京から関西に越して来たんだけど、東京での経験を関西の人に話す時「私がニホンにいた時に、、」って無意識に言っちゃうそうです(嫌われるぞー)。わたしゃ、嫌だよ、、こんな変な人達と食事するの、、、
ところでPちゃんは新婚さん。食事中も何度も何度も旦那さんから携帯に電話が入る。幸せそうな会話。ごちそうさまでした。
すぐに、やはりキムタクファンの叔母に電話をかける。なんと、彼女はこともあろうに録画していない!ファンとして嘆かわしい限りだ!かわまた、ちょっと荒れる。