我が家の“漫画今昔物語”

第7部 2000年代後半の我が家(作者60〜64才)
昨年5月、満60歳の誕生日を迎えた。「還暦」という人生の暦が一回りしてしまったかのような何やらおどろおどろしい響きをもつ年齢を迎えてしまった。
 還暦という自分にはおよそ無縁と思っていた言葉が、定年という日本的慣習とともに俄かに襲ってくるわけである。賀状のテーマを考えながら、あらためて我が身の60歳を振り返ってみた。
 定年問題は、勤務先の企業グループで再雇用制度が発足したことで急展開した。転籍先の子会社での再雇用の選択肢が与えられ、6月以降、派遣社員の立場で勤務継続となった。
 4月には在住の新興住宅街の自治会副会長という役回りが巡ってきた。「還暦からの地域デビュー」だった。
 そのほか異業種交流会への9年来の参加、イタリアとカナダの2回もの海外旅行、個人ホームページの更新と執筆、一昨年の10月から始めたウォーキングと結構多岐にわたるエリアで棲息している。
 「慌しくも穏やかな60歳・・・感謝」の言葉を賀状に添えた。
■2月、郷土紹介サイトにしのみや 山口風土記 北六甲台物語
■4月、40年ぶりの再会中学同窓会・思春期のときめき
■6月、 出雲の旅路 blog 明日香亮・残日録 東京お上り観光
■7月、旅日記「鹿児島!幕末テーマ館」
■9月、ドイツ&スイス紀行
昨年9月に、10日間をかけてドイツとスイスを旅した。家族3人の個人旅行だった。多くの思い出の中でもひときわ印象深かったのがスイスアルプスの一角の標高2300mのスネガからツェルマットまでのハイキングだった。
 中腹頃から家族3人の足並みに乱れが生じてきた。ハイキングを嫌がり最も足手まといになると思われた家内がずんずん先を歩むという意表を突いた展開だった。娘の遅れが目につきだした。新調したシューズの靴擦れが酷くなっているようだ。こうなれば家長である私のポジションは自ずと真中の位置になる。
 こんな光景をテーマに今年の賀状を作成した。背景は中腹のフィンデルンの村のデジカメ画像である。小雨模様の天候の中で写っている筈のマッターホルンの雄姿はない。残念!
■1月、 繁昌亭で寄席を楽しむ
■4月、闘病記 病の移ろい 病棟の風景
■6月、さくら会「患者の達人=老後の達人」
■9月、 国鉄有馬線
■10月、九条下町ウォーク直木賞作家の級友に捧げる詩第二部
■11月、となり街・風土記福知山線廃線跡ハイキング
■12月、北六甲台「ゑびす寄席」旅日記「土佐くろしお鉄道の旅」
一昨年の12月20日、右手親指爪の悪性黒色腫といわれる皮膚癌の発症が判明した。1月下旬に検査を重ね、2月13日から4月2日までの50日間の入院生活を過ごした。右手親指切除という代償を払ったものの無事生還した。
 家族の絆をあらためて思い知らされた闘病生活だった。ブログの毎日更新や1日1万歩の館内ウォーク等を通して自分を見つめなおし、入院患者たちの人生を思った。「禍福はあざなえる縄の如し」の実感が身に沁みた。
5月に40年の現役生活に別れを告げ、リタイヤ生活に入った。

■2月、屋形船で落語と南京玉簾を愉しんだ
■4月、廃線跡ハイキング大学同窓会・繁昌亭の落語&会食
■5月、伊豆・箱根 家族旅行
■6月、古都・鎌倉〜下町・浅草日光満喫・現地ツアー
■7月、真言密教の霊場・高野山散策
■8月、山口の仏閣山口の竹篭船坂の寒天山口音頭の伝承
■10月、火の国・熊本に遊ぶギリシャ紀行妻籠宿&昼神温泉
■12月、近江八幡寸又峡温泉とSL列車の旅妻籠宿&昼神温泉
毎年の年賀状には「我が家の近況」を漫画イラストにして発信している。ところが昨年末に家内の母が亡くなったので、今年の賀状は喪中挨拶で代替された。
 とはいえ昨年私は大きな節目を迎えた。40年のビジネス人生を卒業し、いよいよリタイヤ生活に入ったのだ。そして6月のリタイヤ生活以降、髭を伸ばし始めた。家内や娘の評判はすこぶる悪いが、あえて無視することにした。既に8ヶ月に及ぶ既成事実が家族たちの抵抗を突破した。
 来年の賀状では「髭面の私」の漫画がデビューすることになる。暇にまかせてその試作品を描いてみた。

■2月、有馬路の街道・道場の街道
■3月、吉備津神社と足守の町並み
4月、トルコ周遊朝来山荘と竹田城址篠山の山菜採り
■5月、播磨四カ寺巡り大岩岳ハイキング京都に遊ぶ山口不思議発見西国巡礼街道
■6月、鬼ノ城&円城寺の吉備路
■7月、備中高松城址と国分寺跡山口古民家生き物たち
樹の里
■8月、山口散策史跡と寺社四季の詩
■9月、歴史人物列伝
■10月、黒川&由布院湯煙ツアー山口散策モデルコース
■11月、山口イベント報告
■12月、沖縄・宮古島の異文化体験 
2009前年2月に義母が亡くなり、賀状は控えました。
     ブログに下記の漫画イラストを掲載しました。
昨年の賀状は喪中挨拶で代替されたため、2年ぶりの賀状となった。2年前のリタイヤ以降、髭を伸ばしている。今回は髭面とリタイヤ生活がテーマとなる。家族の抵抗を押し切って髭はすっかり定着した。民生委員や労働委員会委員の業務への懸念もあったが問題なさそうだ。ブログの毎日更新や1日1万歩以上のウォーキングも欠かしたことがない。ライフワークの地域紹介サイト「にしのみや山口風土記」も徐々に地域に浸透してきている。我がリタイヤ生活は満足すべきものといえよう。一方家内は、亭主のリタイヤ生活で恐らくストレスが溜まっているに違いない。パート勤務だけでなく買物好きに拍車がかかり外出三昧の日々である。一向に嫁に行く気配のないパラサイト娘は、大阪の専門商社での勤務も安定してきたようで、年末は恒例の海外旅行を楽しんでいる。

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