一泊二日の懇親ツアー
 地域の知人グループの懇親ツアーがあった。信州の妻籠宿と昼神温泉の1泊2日の今月3度目の旅である。
 朝8時、出発30分前の集合地には既にバスが到着し、同じ幹事役の何人かが待ち受けている。二階建て大型バスに26名の乗客を乗せて定刻に出発。3回のトイレ休憩を挟み11時30分に一宮IC近くで昼食。昼食後の車中では、後部座席のテーブルを挟んだサロンシートに移り、数人の男性グループとビールやワイン片手に懇談する。この会の新参の身には貴重な情報交換の機会だった。
妻籠宿の風情
 2時30分に今回のツアーで最も楽しみにしていた妻籠宿に到着した。
 日曜日の午後、この有数の観光地の駐車場は、大型観光バスで埋められていた。駐車場からの小径を中仙道の旧街道に出ると、一気に観光客の人波の狭間に入ることになった。旅籠や本陣跡などの昔の宿場町の風情を色濃く残した町並みが街道の左右を埋めている。
 グループの集合写真を撮った後、自由行動となる。今は多くが土産物屋に衣替えしたかっての旅籠を覗きながら、一人で片道10分ばかりの宿場町の端から端までを散策する。  
木曽路の匠の技
 10月下旬の木曽路の山道を、ようやく色づき始めた山並みを車窓に見ながらバスは宿泊地に向かう。途中の清内路峠を越えてまもなく「木地師の里」に到着した。ここで休憩がてらに木曽の匠の手になる木のロクロ工芸品の数々を目にする。17時前に宿泊地・昼神温泉「ユルイの宿・恵山」に到着。出湯35年という歴史の浅い温泉郷である。ホテルの建物もまだ新しく、不便な山中の温泉地ながら高層の堂々たる建物だ。  
昼神温泉の宴席懇親
 同行の4名の同室男性たちと部屋に入る。しばらく雑談して一緒に大浴場に行き汗を流す。ぬめりのある硫黄泉の湯に浸かり、メイン浴槽やジャグジーや露天風呂を往来しながらいで湯を愉しむ。
 6時30分からは夕食懇親会となる。一通り料理を味わった後、宴席回りをする。初めて個人的に言葉を交わすメンバーも多い。同世代の女性陣のグループの輪に割り込む。聞けば私の娘の小・中学時代の同学年の母親たちだ。「○○さんのご主人でしょう。奥さんをよく知ってますから」。地域での主婦ネットワークの強さには敵わない。地域活動では家内の配偶者としての認知が出発点となる。お決まりのカラオケタイムとなる。私の所属する地区の出番では、7人全員で「二人の大阪」「高校三年生」を羞恥心を忘れて熱唱した。
 二次会のカラオケでもメンバーたちの知られざる一面を晒し合いながら大いに盛り上がった。旅の疲れと心地よい酔いに包まれて部屋の布団を被った。

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