NO.24

2007年07月08日(日)〜11日(水)まで4日間



中国の国旗 五星紅旗

香港、北京そして3度目の中国は一番大きな国際都市上海へ。居住人口1800万人、中国随一の経済都市は活気があふれる最先端の街。新しい高層ビルや高層マンションが林立し、夜間のライトアップはまずその規模の大きさと半端でない美しさに驚き、もはや私の想像以上のものであった。
世界最速列車としてギネスブックにも認定されている上海リニアモーターカーは、美しい車体がすべるように発車し、たちまち最高速度は時速431kmに達しビックリ! 揺れもなく静かな走行。
きれいに磨かれた高級車が道路にあふれ、違法駐車がなく、ゴミのないきれいな街は人々のマナーの良さがうかがえる。
梅雨の日本をしばし忘れて、カラッとしているはずの上海へと・・・雨にあわず天気には恵まれたが、なんとこの季節の上海はじっとしていても汗が噴き出す日本以上の蒸し暑さとは・・・、唯一想定外の出来事であった。ベストシーズンは春か秋のようだ。

関西国際空港から快適なANA直行便で約2時間、中国で一番大きな上海浦東国際空港に到着する。
日々発展し続ける街・上海、長い歴史を持ち、観光都市として大勢の観光客が訪れる杭州、別名「東洋のベニス」と呼ばれている水郷の街・蘇州。
旅の思い出を写真でご覧下さい。



【S h a n g h a i】


テレビや雑誌などのメディアに登場する上海はただ高層ビルが立ち並ぶ巨大な都市というイメージであった。その中に入ってみるとまた違った発見がある。想像していた自転車やバイクなどは少なくなって道路は車の洪水。市民の足としてバスもよく走っている。目の前には超高層ビルが林立し、その屋上に見るデザインの美しさ等には、最先端の技術と頭脳の素晴らしさを実感し、振り返れば戦前の洋館が建つ旧居留地が美しく当時のままに残っている。初めての上海でまず訪れたのが外灘(Waitan)と豫園。上海の観光ポイントである。

【W a i t a n】

外灘はもと中国にあった外国人の居留地。主権は中国にあったが行政権、警察権は外国にあったところで「祖界地」という。19世紀後半から20世紀前半にかけて建てられたヨーロッパの石造ビルディングがたくさん残されている。夜間にはその欧風建築の一帯がライトアップされ、昼間とは違った美しさが見られる。
外灘の昼間の風景を車窓から

ライトアップされた外灘の夜景

【H o t o u】

外灘が古き良き上海とすると黄浦江を挟んで対岸には新しい上海、浦東が眺められる。そこにはテレビ塔や多くのホテル、公共施設、オフィスなどの新しい超高層ビルが建ち並び、夜間にはそれはそれは美しい、それぞれのビルの大規模なライトアップが見られる。高層ビルの壁面全体が刻々と変る画像のイルミネーションなど、どのようにして出来るのかナ・・・
とても美しい浦東の高層ビルのライトアップを外灘エリアから眺める

【Y o e n】

名園「豫園」は明代の1577年に完成した古い時代の上海を代表する庭園である。それほど広くはないのだが、風景や多くの建築物を見ながら巡ると複雑な構造で迷子になりそう。入り口には元上海の市長で国家主席だった江沢民氏の揮毫の石碑がある。
1999年5月18日 「江澤民」氏の揮毫の石碑明代の面影を今に伝える精美な造園

1866年創建の2層の楼閣龍が上部で泳いでいる龍壁という壁


豫園の西側にある一大マーケットが豫園商場。商場内にはデパートや伝統的上海料理店やレストラン、あらゆる中国製品のお土産物ショップなどがひしめき、私達は点心の老舗「新緑波廊」で点心フルコースを賞味する。ここは上海の人々の生活を支えている場であるが、独特の伝統的デザインの建築様式は一見の価値ありで、観光客は必ず訪れる所であり、昼も夜も平日ながら大変な賑わいであった。
多くの観光客で賑わう豫園商場

夜の豫園商場は目も覚める電飾がいっぱい

【T o u r o n r o】

近代的上海の中に古きよき時代の面影を残す「多倫路」。道の両側には骨董屋さん、印章屋さんなどが店を構え、上には窓から突き出した棒に洗濯物が干してあり、人々の暮らしが息づいている。
「多倫路文化名人街」は昔の景観を復活させ、上海の歴史の足跡と文化の縮図を一つの側面から表現している。通りには過去に活躍した著名人たち・・・日本に留学し政治家・文学者で奥様は日本人の「郭沫若」や書店経営の「内山完造」、文学者であり精神の医者でもある「魯迅」などの像が飾られている。このすぐ近くには日本租界といわれ多くの日本人が暮らしていたところもあり、年配の人々の中には日本語を話す人も大勢いるようだ。

上海の中でもおしゃれなレストラン、カフェ、バー、中国茶や茶器専門店、モダンなデザインの中国雑貨、インテリアなどのお店がある「新天地」。石畳に200mほどの短い通りだがしゃれた高級品店が多いので、お茶を飲んだりそれぞれのお店を覗きながらの散策は楽しいひとときである。



【H a n g z h o u】

杭州、蘇州、桂林、黄山と中国には4つの観光都市がある。中国版新幹線に乗りその一つ杭州を訪れる。2千有余年の歴史を誇る古都であり、呉越国と南宋の首都であった杭州はこの街独特の文化をはぐくんできた。最も有名な西湖は「地上の楽園」と言われ、中国のお茶を展示する博物館で中国茶の作法実演見学、河坊街で太極茶道の世界を垣間見たり、篆刻研究施設を訪れる。

広くてきれいで新しい「上海南駅」から「杭州駅」まで中国版新幹線に乗車。最高速度171km/h、車窓からの眺めを楽しみながら75分の快適な列車の旅。
杭州駅に降り立つと9時過ぎでまだ33℃だが湿気が多く暑い。

【S e i k o】

西湖は東西3.3km、南北2.8km、周囲15km、水深2m、貯水量930万g。春夏秋冬、雨でも晴れでもいつでもきれいと言われている杭州を代表する観光ポイントである。湖には山が一つ、ダムが二つ、島が三つあり、杭州の地図を見ると杭州の目のようだ。湖岸の柳の木や桃の木などが風情を増し、観光船に乗ってゆったりと広くて美しい西湖でのひとときを過ごした。



西冷印社は2000年近く前に彫られた碑文も残る金石篆刻の研究施設。毎年、有名な金石家や書家との交流会も開催され、日本では榊莫山先生の名前も言われていた。書道や墨絵、篆刻をされる方にはきっと興味深々の施設でしょう。私はいま描いている10号の日本画用に英子の篆刻をお願いした。いい思い出になります。

【R i k u w a t o u】

ゆるやかな階段を上ると高さ60m、7層8角の塔で川の氾濫を鎮めるために建てられた六和塔がある。塔の最上階まで登ることが出来るがあまりに暑いので木陰から見上げるのみに。

【K a b o u g a i】

河坊街は宋代の頃の街並を再現した杭州の歴史上最も有名な商店街。漢方薬、雑貨、茶館、食べ物屋、民族衣装、書道道具屋さんなどが多く軒を連ねている。
6月10日にテレビ「世界ウルルン滞在記」で放送された「太極茶道苑」がありびっくり。若手芸能人が、南宋時代の服装で太極茶道の技でお茶を入れてくれる所に住み込み、その技を体得するものだったが、杭州の河坊街であったとは・・・
長〜い、長〜い、注ぎ口の茶器を回したリ背中の方においたり、いろいろな太極の技を使う茶道の世界へ・・・
つい先日見たばかりのテレビの場面に出会い感激!
中国最高級緑茶「龍井茶(ロンジンちゃ)」の故郷は杭州、4月上旬に収穫した茶葉が最も美味しいという。



【S u z h o u】

上海から西へバスで約1時間半。蘇州の街は運河に囲まれ、中には細い運河がたくさんあり、「東洋のベニス」と呼ばれる水郷の街である。また庭園都市として世界的に有名な蘇州の庭園は世界遺産に登録された古典庭園がたくさんあり、中国4大庭園の内2つ「留園」と「拙政園(せっせいえん)」が蘇州にある。その一つ「留園」を訪れ静かな佇まいと造形美を鑑賞する。中国のピサの斜塔とも言われている「虎丘」や漢詩「楓橋夜泊(ふうきょうやはく)」に詠まれた寺「寒山寺」も訪れる。

蘇州の街にはたくさんの運河が

虎丘に、宋王朝961年に建てられた呉王の墓陵。8角形・7層の煉瓦造りの建物で、400年前から地盤沈下のため傾き始め、中国版ピサの斜塔と言われている。現在は5度傾いており、中には入れないようロープが張ってある。左の写真の手前には千人岩と呼ばれ、千人が一度に乗れるという大きな大きな一枚岩がある。

漢詩 「楓橋夜泊」 張継

月落ち鳥啼いて霜天に満つ 
江楓漁火愁眠に対す
姑蘇城外の寒山寺
夜半の鐘声客船に至る

船で旅をしたその旅情、感慨を詠った詩で有名な寒山寺は禅寺寺院である。

【R y u e n】

清時代を代表する留園は中国4大名園のひとつでもあり、世界遺産に指定されている。園内の楼閣は長い回廊で結ばれ、廊壁には歴代の有名な書家の墨跡がたくさんかけられている。私の周りには書道に励んでいる人がたくさんいらっしゃるが、書道をたしなむ人達にはとてもいい勉強になるでしょう。庭園には太湖石という珍しいぼこぼことした石がたくさんあり、窓越しに見る庭園もまた素晴らしい。清代の衣装をまとった女性が民族楽器の演奏をしており、当時にタイムスリップしたようだ。





2005年から運行開始されたリニアモーターカーは上海龍陽路駅⇔上海浦東国際空港間をわずか7分20秒で結ぶ世界最速列車である。
最高速度は時速431km。バスでは1時間半は十分かかるところだ。
新しくきれいな車体に、広くてゆったりしている座席に座るとまもなくリニアモーターカーは音もなくすべるように発車する。駅を出ると100q/h、200q/h、300km/hとぐんぐんスピードを上げる。全く揺れがない。車両の天井近くに設置された時刻とスピードが表示されるボードを見ていると、あっという間に最高速度の431km/hを記録し、それはわずか10秒ほどの出来事。その瞬間をカメラに収めると今度はスピードがどんどん落ちてもうまもなく上海浦東国際空港駅に到着だ。出発してすぐ窓の外には、30数階の新しい高層マンションがたくさん見えた。世界最速のリニアモーターカーは上海で一度は体験してみたい乗り物だった。嬉しいあっという間の出来事・・・

2007.07.11(水)17:03:48 最高時速431km体感!! 



各地の名物料理を味わいましたが、その中のほんの一部を紹介します。


海老すり身ダンゴ
豚トロトロ




赤唐辛子と海老のピリピリ
チンゲンサイと椎茸




なすび
汁そば




くずきり炒め
おこげ


(update:2007/08/03)
旅の撮影:CASIO EXCILIM-Z40 デジタルカメラ




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