NO.14


2004年6月27日から4日間

4つの世界遺産を訪ねながら
釜山・慶州・テグ・儒城・清州・鎮川・水原・ソウル・オドゥサン統一展望台へ

今日本では韓国のテレビドラマ「冬のソナタ」が放映されており、「韓流」がもてはやされ、韓国文化ブームになっています。
今回の初めての韓国の旅は、
4つの世界遺産を訪ねながら韓国の文化・歴史の一端に触れられたら…
そして本場のキムチの味やおいしいと評判の韓国料理を味わいに…
北海道の約1.2倍の広さに人口は約4852万人、そのうち約1200万人が首都ソウルに集中しているそうです。
関空から釜山の金海国際空港まで1時間半、韓国第2の都市釜山から旅の一歩が始まりました。
はじめて見るお隣の国韓国はどんなところでしょうか。





龍頭山公園

人口400万人、韓国第2の都市釜山は活気と明るさに満ちた港町です。釜山は東西に長く一方が山、一方が海になっており山すそには高層マンションんがたくさん建っています。市中央部にある龍頭山公園は小高い山全体が公園となっており、晴れていると対馬がまっすぐ向こうに見えます。救国の海将・李舜臣将軍像が日本を見すえて建っています。釜山を一望できる「釜山タワー」もあり、日曜日で家族連れやお年寄りなど大勢の市民が憩いの場として親しんでいました。

屋台街チャガルチ市場

龍頭山公園を下ると衣類やアクセサリー、韓国土産品、電気製品、屋台などにぎやかな路地があちらこちらにあります。1時間ほど歩いて回りましたが、路地の中央で韓国の食べ物を作って売っている女性たちはとても明るく元気でエネルギッシュなパワーを感じます。釜山は地理的にも日本と近いからでしょうか、いなり寿司や手巻き寿司に似たようなものも作られていました。 港のすぐそばにある魚市場チャガルチ。たくさんのお店が軒を連ね、活きのいいとれとれの魚を安くたくさん売っています。日本と同じような魚が多いですが全体に大ぶりですね。チャガルチ市場は釜山市民の台所としてにぎわい、元気な呼び込みの声があちらこちらから聞こえてきます。買った魚を調理してもらいすぐ食べられるようにもなっています。港町でみんな魚が大好きなようです。





韓国の世界遺産は全部で7つあります。慶州は山に囲まれた盆地で2000年の歴史を誇る古都です。仏国寺と石窟庵がユネスコ世界遺産に登録されているほか、近年では慶州全体も加わっています。町全体が桜並木で埋まっており、桜の花の咲く頃はそれはそれは最高にきれいだそうです。どこを歩いても新羅の遺跡に会えます。次回はぜひ桜の花の美しい頃に訪れてみたいものです。

石窟庵と釈迦如来像

石窟庵は最高峰の新羅仏教彫像があり、仏国寺とともに金大城によって創建されたといわれています。庵は人工のドームを築き土をかぶせて天然の洞窟のように見せかけています。釈迦如来像は真っ白い石で作られ仏教美術の最高傑作といわれ、座っている高さは3.58mあり、ほんのり赤い唇が印象的です。785mの山の上にある山門そばの広場に立つと、稜線の上に船が浮かぶ景色がみられます。

仏国寺の仏国へ上る階段と多宝塔

仏国寺は統一新羅時代を代表する名刹。境内全体が石組みの上に建てられ、下は普通の人が住む世界、上が仏国という具合に寺全体が仏の世界を表した造りになっています。写真の石段は仏国へと上る階段で33段あります。ユニークな形をした多宝塔は高さ10.4m。木彫り物を見ているようで、斬新な形をしています。





テグは釜山から北へ約120qの所にある中規模都市で交通の要所となっているところです。車窓からもりんご畑がたくさん見えましたが、生産高は全国一だそうです。

世界遺産 海印寺の山門と経が納められている蔵経閣

世界遺産の高麗八万大蔵経で名高い海印寺は、大蔵経が納められていることから「法の寺」と呼ばれています。8万枚以上の木版で、板の裏表に仏教の経典や論書などの文字を彫って保存されています。高麗八万大蔵経は現存するものの中で最高峰のものとされています。


テグから大田市郊外儒城へ…韓国は高速道路が整備され、バスの移動もラクラクです。儒城へ向かう途中の風景はハングル語がないと日本にいるような錯覚を起こします。田んぼには稲がたくさん植えてありますが、日本より苗稲を密植しています。大田(テジョン)は韓国の中央部にあり人口150万人の大都市です。今年の4月より韓国高速鉄道KTX(フランスが工事落札した新幹線)が開通し、地下鉄も工事中でますます発展していくでしょう。テジョン郊外にある儒城は温泉で有名です。宿泊した大型ホテルには大浴場の温泉があり、しばし旅の疲れを癒しました。





青南台の地図と大統領の別荘

清州郊外にある青南台は南にある青瓦台(ソウルにある大統領府がある所が青瓦台)という意味で1983年から昨年の3月まで20年間大韓民国の大統領の休養地として利用されていました。大清湖畔にあり、なだらかな山や美しい風景が見られます。国政運営の重大な節目や構想などもここ青南台で思索されたようです。現在は忠清北道に管理を移して一般に開放されています。約1時間別荘内部や敷地を見学しましたが内部の写真撮影は禁止され、今もセキュリティが厳しいようです。

ソウルにある大統領府「青瓦台」の前を通り車窓観光しましたが、立派な建物に青い屋根の瓦が印象的でした。周りは多くの警備員が厳重な警備をし、道を歩いている人は関係者だけとか。車は止まれないそうです。



原 華城

世界遺産 水原の華城 東将台(左)と蒼竜門(右)

水原華城は、李朝時代に持ち上がった遷都計画で造られた城郭都市です。城郭の長さ5.7km、面積は130haあり築城の動機が軍事的、政治、経済的側面に親孝行心によって築かれました。築造には石材やレンガが使用され、東西南北には関門が、要所ごとには楼閣があり城の内外が見渡せます。結局遷都は中止されました。現在城郭内は市街地化していますので、内部に城郭と調和をなす伝統民族村を造成する計画もあるようです。




ソウル 宗

世界遺産 宗廟の入り口と正殿

宗廟は儒学を統治思想として建国した朝鮮王朝が歴代王と王妃、死後王号を贈られた王族を祭る施設です。正殿の写真は右側のほんの一部ですが、水平に空の果てまで広がるかのような屋根は無限を象徴しており、19代の国王と王妃が祀られています。ソウル中心部にありながら一歩門の中に入ると、広い庭には多くの樹木が自然のままに植栽され美しく大変荘厳な感じがします。現在も毎年5月に雅楽が響く中、厳かな儀式が執り行われており、宗廟と宗廟祭礼楽はともに世界遺産に登録されています。





統一展望台の全景統一地形図(手前が韓国)

1992年統一展望台はオドゥサンという小さな山の海抜118mのところに、800万人にも上る失郷民の念願の下に建てられました。南北朝鮮が臨津江を境に対峙している南北分断の現場でもあります。1階から4階までの観覧施設には南北分断の悲劇的な現実を映像や歴史資料の展示により理解できるようになっていますし、北朝鮮の関連情報や実態、商品の販売もあります。肉眼でも川をへだてて北朝鮮側が見えますが、屋外望遠鏡では北朝鮮の建物なども見ることが出来ます。ガイドさんの説明によると望遠鏡から見える建物は学校や農村文化住宅で人はほとんどいないそうです。多くの山に木がないのは、燃料に使ったり住民がよく見えるようにしているそうです。

統一展望台から見える川のそばの見張り台

ソウル市内から車で約40分、周りに民間の建物が何もなく広くてまっすぐに伸びる「統一路」という高速道路を北へ向かうと、要所要所に警備の施設があったり途中ガイドさんの身分証明書を検閲されたり、ちょっと違った雰囲気を感じます。駐車場から展望台にはいるとなぜか私はジーンと胸が締め付けられるような気分になりました。南北に分断されいまだに家族と会えない多くの人たち…映像や資料…、展望台からみた広いところで3.2km、狭いところで460mの臨津江をはさんですぐ目の前に広がる北朝鮮の国をみると7000万人同胞の夢の切実さを強く感じました。



韓 国 料 理

カニ入り海鮮鍋
カルビ湯定食


参 鶏 湯
シャブシャブ


韓国朝定食
鎮川郷土料理ミニ韓定食


冷 麺
石焼ビビンバ

本場韓国のキムチを楽しみにしていましたが、朝・昼・夕と3食に必ずいろいろな種類のキムチが出てきました。無くなるとすぐ追加してくださいます。やはり本場のキムチは大変おいしいですね。大統領賞受賞3回と全国初品質認証した鎮川郷土料理のミニ韓定食は多すぎて写真は一部です。網の上で店の人が手際よくハサミで食べやすいサイズに切って下さり炭火焼した骨付きカルビの肉は最高においしいですね。帰国の日の最後の昼食はキムチ鍋でした。すっかりキムチのとりこになって、とてもおいしくてたまらない辛さが韓国の印象になってずっと残る一品になりました。肉、鍋、スープ、麺、粉料理と韓国料理はおいしいです。体の芯からぽかぽかです。



★★★旅行後記 …4つの世界遺産を訪ねながら釜山からソウルまでの旅。4日間という駆け足の旅でしたが、訪れてみて初めて韓国という国が身近に感じられる印象深い旅になりました。ソウルでは8車線と日本では考えられないような広い道路や、車の多さ(日本車は全然走っていません。)、多くのオフィスビルやお店、上へ上へと伸びるマンションの建物(韓国の人はマンションが広く一軒で150坪ほどあるそうです。で上へ上へと高層マンションに・・・)、新しくきれいで関空の何倍もあり大勢の人で賑わっている仁川国際空港。ワールドカップ共同開催を経て日韓の幅広い交流、そして現在の日本の「韓流ブーム」、来年で日韓国交正常化40周年になりますし、私の中の韓国がずっとずっと近い国になりました。4日間とおして案内してくださった現地の韓国女性ガイドさんは美しい日本語で話され、親切でやさしくて行き届いたガイドに大満足の韓国旅行でした。

旅の撮影:カシオ EXILM−Z40デジタルカメラ
sound:朝鮮民謡 「トラジ」

(update:2004/07/23)

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