NO.13


2004年4月6日〜15日まで10日間

ミラノ・コモ湖・ヴェローナ・ヴェネツィア・ラベンナ・サンマリノ共和国・フィレンツェ
ピサ・シエナ・アッシジ・ローマ・カプリ島・ナポリ・ポンペイ・ヴァチカン市国 

14世紀のヨーロッパはペストの大流行により人口が減るくらい暗い時代でした。
15〜16世紀にイタリアを中心としてヨーロッパ一帯に、生き残った人々は
人間が人間的だった時代に戻ろうと人間中心の考え方に基づいて
著しい文化の発展が見られました。
ルネッサンスはそれらの文化運動およびその時代の人間再生・文芸復興と言われています。
3度目のイタリア旅行はルネッサンスの一大中心地として繁栄したフィレンツェや
ヴェネツィア、ローマを訪れ、ルネッサンス絵画の数々も鑑賞しました。





商業・経済都市ミラノは、何百年もの歴史に培われてきた建築物や芸術作品群が数多くあり、そのスケールの大きさには感動します。

ドゥオーモ(大聖堂)の上部スカラ座

世界最大のゴシック建築の傑作でミラノのシンボルです。鉄筋は入っておらず白い大理石を積み木重ねのように積み重ね、500年もかけて完成しました。外観の天を刺すように伸びている135本の尖塔には圧倒されます。巨大な内部は美しいステンドグラスに彩られ荘厳な雰囲気が漂い、床は白・黒・茶の三色の大理石でモザイク模様となっています。 ミラノといえば世界的に有名なオペラの殿堂スカラ座がありますが、2002年1月よりお化粧直し中です。今年12月のオペラシーズンより再オープン予定で、現在は新しくて近代的なアルチンボルディ劇場で公演中です。スカラ座の前の広場にはレオナルド・ダ・ビンチの像があり(写真右端の像)、すぐそばにはガッレリアやドゥオーモもあります。

レオナルド・ダ・ヴィンチ作「最 後 の 晩 餐」

サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会は15世紀後半に建てられた修道院で、華麗で軽やかな印象を与えるドームはまさにルネッサンス期のものです。この修道院の食堂の壁にレオナルド・ダ・ヴィンチの最高傑作「最後の晩餐」が描かれています。12人の使徒に向かい「汝らのひとり、我を売らん」というイエス・キリストの言葉が発せられた瞬間の印象がドラマチックに描かれています。この夜イエスは逮捕され翌日ゴルゴの丘の十字架上で刑死したと伝えられています。一回25人づつ、15分間だけの短い見学でしたが、人物表現の豊かさにしばし見とれてしまいました。少し離れてみると色彩も鮮明に見え遠近感が見事に浮かび上がってきます。写真撮影は禁止されていますので、絵葉書ですがご覧ください。(白く残っているところは食堂の通路になっていたようで、キリストの足元だけが見えません…)

★★★ イースター(復活祭)…イエス・キリストが復活した日でキリスト教の祝日になっています。春分ののち最初の満月後の日曜日と決められ、今年は4月11日でした。丁度イタリア旅行中にイースターがあり、クリスマスに並ぶ祝日で各地の教会や観光地は大勢の人出で混雑していました。またイースターエッグというそうですが、美しく彩色された卵が目につきました。





ミラノから北へちょっと足を延ばせばアルプスの南山麓に散らばる湖水地方があります。中でもコモ湖は風光明媚なところとして有名で、ヨーロッパ最深の湖といわれています。1時間ほど遊覧船に乗りイタリア政財界、芸能界、芸術家の人々の瀟洒な別荘を見ながら深いブルーの湖水と周囲の美しい景観を満喫しました。ここから2qでスイスの領地になり、夏には避暑地としてスイスからもたくさんの人が訪れるそうです。

美しいコモ湖と湖畔の別荘






ヴェローナはシェイクスピアの「ロミオとジュリエット」の舞台となった街で有名です。ジュリエットの家の蔦のからまる中庭に面したバルコニーを見ていると、悲恋に終わってしまった物語の舞台が思い出されます。庭にあるジュリエット像の胸にさわるとよい事があるといわれています。家の壁にはたくさんの落書きやシールがありちょっと驚いてしまいました。

ジュリエットの家のバルコニーとジュリエット像






「イタリアの宝石」「アドリア海の花嫁」と賞される水の都、水上都市ヴェネツィア。120を超える小島を約400の橋がつなぎ、その下をくぐる170以上の運河にゴンドラが行き交うヴェネツィアは町並みの美しさから世界文化遺産に登録されています。ルネッサンスの一大中心地として、商業都市として最も隆盛を誇った15〜16世紀。このころ美しいヴェネツィアングラスの傑作が次々と生まれています。

サンマルコ運河と鐘楼サンマルコ広場

ヴェネツィアは道路が狭く車が入らないので水上バスに乗って大運河から入りましたが、まず水量の多さに驚かされます。大運河沿いには豪壮な建物が並び、その中に高くそびえひときわ目を引く鐘楼は、町の中心地サンマルコ広場にあります。 ヴェネツィアで一番賑やかな中心部がサンマルコ広場。政治、宗教、文化の中心としてコの字型にサンマルコ大聖堂やドゥカーレ宮殿など主要な建物が集まり、内部にはビサンチン工芸やヴェネツィア派画家の絵画が見られます。

ヴェネツイアの風物詩・ゴンドラに乗って

憧れのゴンドラに乗り小さな運河を巡りヴェネツイアの風情を楽しみました。アーチ型の橋をくぐるとそこは別の島になり、運河の上は町の喧騒とはがらりと変わってその静けさに驚かされます。運河そばの建物の一階部分は地盤沈下もあって波で侵食され腐食が目立ち、住民は2階以上に住んでいるそうです。絶対に訪れてみたかったヴェネツイアに行き、写真や絵画でよく見る運河とゴンドラを自分の目で見ることができました。絵を描きたかったのですが、時間がありませんでした。





世界遺産 ピサの斜塔と斜塔のアップ

トスカーナ地方のピサは斜塔の町として有名です。ドゥオーモに付属する鐘楼として1173年から200年の歳月をかけて建設されたピサの斜塔は、ガリレオ・ガリレイが「落下の法則」の実験をし「振り子の等時性」を発見したと言われています。(実際は作られた話のようですが…)
3000年前は海で地盤がゆるく川が運んできた砂地の土台で、塔の3層目まで工事が終わった時に傾き始め、4層目からは少しづつ直しながら最上階まで建設されました。3年前まで12年間にわたり倒壊を防ぐ工事が行われ閉鎖されていましたが最上部で4.5mから40cmほど戻されたそうです。180本の柱は1500tの大理石で作られ中は294段のらせん状の階段で屋上まで上ることができます。斜塔の隣のドゥオーモと一緒に見ると傾きがよくわかります。





「花の都」「芸術の都」フィレンツェ。山あいの地方都市だったフィレンェはルネッサンスといわれる新しい文化で花開きました。小高い丘の上にあるミケランジェロ広場から美しいフィレンツェの町並みを一望しました。3万人が一堂に会することができる大きさでフィレンツェを代表する花の聖母教会・ドゥオーモは、色大理石で装飾された外観が華やかでひときわ目を引きます。

ルネッサンスの花・ドゥオーモフィレンツェの町並みを一望



メディチ家所有の美術品が数多くあり、なかでもルネッサンス期の絵画芸術の最高傑作を集めたウフィツィ美術館は世界でも有数の美術館でもあります。膨大な展示作品がありますので、今回はボッティチェッリ、ラファエロ、レオナルド・ダ・ビンチの作品群に的を絞って鑑賞しました。全員ボディチェックと手荷物検査を受けてやっと入館できます。イースター中でもあり大変混雑していました。

ウフィツィ美術館
ボッティチェッリ作「ヴィーナスの誕生」





中世そのままに落ち着いたたたずまいを感じさせるアッシジは有名なキリスト教の聖者フランチェスコゆかりの地であり、数々の貴重な宗教芸術の宝庫でもあります。フレスコ画の傑作が数多くあるサン・フランチェスコ聖堂ではちょうどミサが始まり荘厳な雰囲気でした。小さな町は歩いても20分ほどですが、お店の下などにはローマ時代の数多くの遺跡が残っており、見えるようにところどころガラス張りにしてあります。

サン・フランチェスコ聖堂コムーネ広場のミネルヴァ神殿






★★★青の洞窟★★★
美しく神秘的なブルーは感動の連続!!
イタリアへ行くのなら絶対に訪れてください。

手漕ぎのボートに乗り換え順番待ち
昨年2月の南イタリア旅行では晴天で波静かでしたが潮位が高く入れませんでした。今回は少し風が吹いて波もあったのですが洞窟に入ることができました。ナポリの港から高速艇で1時間でカプリ島へ。カプリ島の港マリーナ・グランデで船に乗り換え、もう一度洞窟の入り口で手こぎの5人乗りのボートに乗り移ります。(とてもスリリング)
洞窟の入り口は高さ1mと低いので頭をぶつけないようにボートに伏せてくぐります。奥行き54m高さ15mの洞窟の中に、エメラルド色の水の色と屈折した光が織り成す幻想的な青の美しさは、言葉では言い表せないほど感動しました。3〜4分のあっという間の出来事は夢のような美しさで心にはしっかり残りましたが、写真には実際の色彩が出なくて…。







サン・ピエトロ広場(手前)と大聖堂(後ろ) ローマ法王お出ましの部屋

世界最小の独立国ヴァチカン市国は44haの広さに900人が住んでおり800人が神父、100人がスイス人の兵隊です。サンピエトロ大聖堂は世界最大のキリスト教教会であり、荘厳なカトリックの総本山です。現ローマ法王であるヨハネ・パウロ2世のミサが行われる大きな祭典の際は、サンピエトロ広場には30万人もの信者でぎっしりと埋め尽くされます。 サン・ピエトロ大聖堂に向かって右側の建物には法王の書斎があます。最上階の右からふたつめの窓から毎日曜正午、法王がお出ましになり広場に集まった人たちを祝福されるそうです。最初に訪れたときには、法王がおられるときは目印として窓が開いて旗が立っていると聞きました。

★★★ ヴァチカン宮殿は世界有数の美術・博物館…まず入り口でボディチェックと手荷物検査、服装チェックを受けて入ります。古代ギリシャ美術からさまざまな時代の美術的価値の高いものばかり数多くあります。2時間余りの駆け足の見学でした。システィーナ礼拝堂では絵画史上の大傑作、ミケランジェロの「最後の審判」を鑑賞しましたが劇的な構成には想像を絶するものがあります。






円形闘技場コロッセオ

古代ローマ最大の記念物コロッセオ。コロッセオは約2000年の歴史の経過に地震や資材の略奪など大損害を受けていますが、堂々とした姿は変わっていません。高さ50m4階建てで収容人員は5万人だったそうです。


トレヴィの泉

25年前に始めてイタリアに行きました。トレヴィの泉で後ろ向きに一枚のコインを投げると再びローマを訪れることができるというエピソードを聞きコインを投げ入れました。そして今回そのエピソード通りローマに来ました。今も大勢の観光客がコインを投げ入れています。3度目のイタリアでまた一枚投げてきましたが、イタリアは歴史があり趣があって美しいし、食べ物がおいしいので4度目があるかも…


スペイン階段は花ざかり

スペイン広場…トレビの泉から歩いて7〜8分でスペイン広場に着きます。映画「ローマの休日」のワンシーンで有名なスペイン階段は大勢の観光客で賑わい、腰を下ろす場所もないくらいでした。スペイン広場の周りには一流ブランドショップがずらりと並びショッピング天国となっていますし、スペイン広場の賑わいを眺めながらの素敵なバールもあります。


★★★旅行後記 …10日間のイタリア旅行もあっという間に終わってしまいました。25年前は階段に腰かけ「ローマの休日」の場面を思い出したスペイン広場をはじめイースター中ということもあったのでしょうが、どこも大勢の人出でした。
憧れのベニスでゴンドラに乗り、美しく感動したカプリ島の「青の洞窟」、ピサの斜塔を両手で支えての写真は思い出になります。ルネッサンス芸術の多くの絵画を鑑賞しダビンチの「最後の晩餐」、ウフィツィ美術館の「ビーナス誕生」や「春」、システィーナ礼拝堂の「最後の審判」は特に心に残りました。イタリア・ルネッサンス紀行はイタリアの歴史に触れ、ますますイタリア大好きになりました。

旅の撮影:OLYMPUS CAMEDIA デジタルカメラ
sound:イタリア民謡 「サンタ ルチア」

(update:2004/05/13)


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