NO.21

2006年7月2日(日)〜11日(火)まで10日間

26年前にはじめてギリシャに行き、エギナ島、ボロス島、イドラ島の3島を一日で周遊するサロニコス湾クルーズを楽しみました。紺碧の海に映える白い建物、まぶしく降り注ぐ太陽、カラッとした空気、エギナ島で買って食べたオレンジの美味しかったことなど今も鮮明に思い出される。いつかまたギリシャを訪れる機会があれば、島に泊まりながらゆっくりと雰囲気や風情を楽しみたいと思っていた。そして実現した2度目のギリシャ旅行ではエーゲ海に浮かぶ人気の高いミコノス島とサントリーニ島で各2連泊する。
関西国際空港から搭乗する飛行機は中東の国際ビジネス都市、観光リゾート地でもあるアラブ首長国連邦のドバイを拠点とする今人気のエミレーツ航空。ギリシャへは直行便がないのでまずドバイへ、ドバイで乗り継ぎギリシャのアテネへと向かう。久しぶりのアテネ、はじめて訪れる奇岩の上に佇むメテオラの修道院、エーゲ海の宝石ミコノス島・サントリーニ島、ギリシャ周遊10日間の旅の始まりです。
「Sailing」の音楽と共にどうぞご覧下さい。



エーゲ海の真ん中に輪を描くようにひとかたまりになっているキクラデス諸島。
その一番南にあるサントリーニ島は紀元前1500年頃に起こった火山爆発により島の中心部が沈み三日月の形をしている。火山島の赤茶けた断崖の上に白い壁の建物、その中に点在するセルリアンブルーの青いドームの教会。緑といえば少しの街路樹と、美味しいと評判のサントリーニワインを造る背丈の低いブドウの木くらいで、その情景にまず驚かされる。
島の中心にある町はフィラで、お店がたくさんあり観光客で賑わっている。島の北端には、「沈む夕日とその光が白い建物に反射して町中を美しいピンク色に染める」といわれる有名なイアの町があり、展望台から見る夕日はピカイチだと。残念ながら夕日を見に行けなかったが、イアの町のたっぷりの日中観光でその美しい情景に思いを馳せた。

美しい景色と澄んだ水のレッドビーチイアの展望台から見る夕日は有名

イアの青いドームの教会と紺碧のエーゲ海イアのスクエアにある教会は絵に描きたい景色

絶壁の上にびっしりと建つイアの真っ白い家ブーゲンビリアと白い建物がまぶしい〜〜

フィラの町でゆっくりお買い物フィラの眺望抜群のカフェレストランで:眼下は港


サントリーニ島から高速船に乗り北へ約3時間、ミコノス島に到着する。アテネの南東95kmにあるミコノス島はサントリーニ島とは違った穏やかな海岸線と砂浜が私達を迎えてくれた。ミコノス・タウンや海辺では島のシンボルとなっている可愛いペリカンのペトロスが遊んでいる。人々に可愛がられ写真にも驚かない。小高い丘の上には島のランドマークの6つの風車が並んでのどかな風景だ。美しいビーチでは寝そべって肌を焼いている人たちがいる。帽子をかぶり手袋もして日よけに必死の私とは大違いだ。港のそばのミコノス・タウンのメインを歩くとみやげ物のお店やブティック、レストランなどがあり、白く舗装された細い道が迷路のように交錯していた。

サントリーニ島から高速船でミコノス島へ穏やかな海岸線と白い町並み

6つの風車はミコノス島のシンボルホテルからの眺望:前方に6つの風車が見える

今やミコノス島のシンボル:ペリカンのペトロスホテルからみたミコノスの夕日:日没は20時40分


ミコノス島から船で1時間(南西に約4km)、太陽の神アポロンが生まれたとされるデロス島遺跡を訪ねる。野生の花が咲き、とげのある草が足元に生えたデコボコ道を通りながら約2時間、ガイドの説明を聞きながら見学する。紀元前7世紀のナクソス人からの奉納品と言われるディロス遺跡のシンボル・ライオン像が海側から聖域を守るように並んでいる。でもこれはレプリカで本物はデロス博物館に保存されている。島には遺跡のほかに唯一博物館があるのみで人は住んでおらず、宿泊施設もない。かっては3万人もの人たちが住み、古代信仰の聖地でもあったそうだが、アポロン神殿の台座、劇場、住居、富豪たちの邸宅跡など、今はその面影を残すばかりで無人島だ。遺跡発掘は現在も続けられ、島全体が世界遺産に登録されている。

ポセイドンの柱廊デロス遺跡とエーゲ海

古代劇場跡デロスのシンボル・ライオン像、本物は博物館で

聖なる道今もなお変らず美しい大理石モザイクの床


高速船で約3時間半、ミコノス島からアテネに戻る。

デルフィはアテネから北西へ約170km、古代には世界の中心と考えられていたところだ。パルナッソス連山の中腹の斜面にデルフィ遺跡が残り、世界遺産になっている。デロス島で誕生したアポロンが神託していたと言う巨大な石で造られた神殿や、アテネ人の宝庫、円形劇場、古代スタジアムのトラックなどが造られ、古代の人々がいかに神託の力を信じていたかが想像できる。デルフィの神域は山の懐に抱かれ、荘厳な景色と共に神秘的である。彫刻や神託が行われたという石「大地のヘソ」、発見された古代遺跡品などが近くにあるきれいなデルフィ博物館に展示されている。遺跡からの眺めは、眼下に一面にオリーブ畑、遠くにコリンティアコス湾が見えとても美しい。

デルフィ遺跡のアポロン神殿跡古代劇場は現在も使われている

神託のお礼として献上されたアテネ人の宝庫山の斜面にあるデルフィの町


テッサリア平原の中にそびえ立つ険しい巨大な岩々の頂きに、ギリシャ正教の聖地として建てられたメテオラの修道院群。岩の塔は低いもので20〜30m、高いものでは400mもある。のびやかに広がる平野と対照的にそそり立つ巨石群、その上に修道院が建っているので驚いてしまう。不便な岩山になぜ・・・外敵を防ぐため? 雑念に惑わされず祈りに集中できるから?・・・修道士達は俗世間から離れ、天空に近い岩山の上で厳しい戒律を守りながら暮らしている。14世紀に建てられたといわれ、その中で一番大きくメテオラの行政を司るメガロ・メテオロン修道院を案内していただく。15〜16世紀には24の修道院があったそうだが、修道士の人たちが少なくなるにつれ、現在は6つしかない。

アギオス・ニコラオス修道院内部見学をしたメガロ・メテオロン修道院


ヴァルラーム修道院アギア・トリアダ修道院 裾野にカランバカの町

アギオス・ステファノス修道院(尼僧院)ルサヌー修道院(尼僧院)
メテオラには宿はないのでメテオラ観光の拠点となるカランバカの町で宿泊する。案内してもらった400mの岩の上に建つメガロ・メテオロン修道院に最初に上った人々は、岩の割れ目に木版を打ち込み、それをクサビで止めて足場を作っていたそうだ。その後、網の中に入った人を巻き上げ機で約半時間もかけ吊り上げるようになり、歩いて上れるようになったのは20世紀になってから、1922年に岩の表面を削って146段の階段が作られている。現在も当時の網袋は残され、食糧や修道院で必要なものを引き上げる時に使われているそうだ。修道院内部には教会、壁画やイコン、診療所、食堂、パン焼き小屋、食糧貯蔵所などがあり見学できる。床板の間から覗く下界はのどかで穏やかな景色であり、反対にこの地で厳しい暮らしに耐え続けてきた修道士達の苦行が思われた。


ギリシャの首都アテネ。ギリシャ総人口の3分の1弱、340万人余りが暮らす政治、文化、経済の中心地である。エーゲ海の島でのんびり過ごして来ると、車や人の多さ、にぎやかさに驚かされる。2004年に開催されたオリンピックを期に街が整備され、ヴェニゼロス新国際空港や高速道路ができ、ますます観光客が増えているようだ。年間1000万人、日本からも8万人の人が訪れると聞く。久しぶりのアテネ市内観光に出かけてみる。

2004年アテネオリンピック
マラソンのゴールとなったパナシナイコ・スタジアム
今日も大変な暑さだ。2004年8月に開催されたアテネオリンピックでの女子マラソン。夕方6時スタートでも相当の暑さの中、アップダウンの多い難コースと戦いながら42.195qを走りぬき、最初に飛び込んできたのは日本の野口みずき選手、ゴールはこのパナシナイコ・スタジアムであった。自宅のテレビの前で必死で応援したことが思い出される。現在パナシナイコ・スタジアムの中には入れないのだが、前に立ってみると金メダルに輝く野口みずき選手の姿がだぶって見え、再び感動してしまった。

首相官邸前を警護する衛兵

アテネの象徴:アクロポリスのパルテノン神殿市内から見上げると見えたパルテノン神殿

エレクティオン神殿ディオニソス劇場
パルテノン神殿がそびえるアクロポリスの丘は大勢の観光客で賑わっていた。久しぶりのパルテノン神殿は修復中であったが、紀元前438年に完成したという古代アテネの守護神、女神アテナを祀る巨大神殿の美しさにはますます圧倒される。白い大理石の石柱が並び、近くに寄るとものすごく大きい。丘の上に立ち周りを見渡すと眼下に市街地が一望され、印象に残っているアテネの街が当時と同じ色彩で目に映った。もう一度これてとても嬉しい。

変らず白く輝いていたアテネ市街古代アゴラ:政治、宗教、文化施設が集中





ギリシャは地中海をはさんでイタリアに近くイタリア料理のパスタ類もあるが、スブラキという名前の肉の串焼きはトルコで食べたシシケバブと同じだし、もともとはトルコのたべものだったギロもあり、トルコ料理の影響も大きいようだ。カラマラキアという熱々のイカの空揚げにレモンをキュッと絞って食べる料理は新鮮でとてもおいしかった。ライスをブドウの葉で包んだ料理は珍しく、少し酸味がする。太陽をいっぱいに浴びて育ったトマトをくり貫いて中に調味したライスを詰めてオーブンで焼いてあるスタッフド・トマトもぴか一の美味しさ。旅行中ギリシャならではのお料理をたくさん楽しむ。ギリシャ人の夕食は21時〜22時頃と遅く、美味しいワインやお酒をいただきながら夜が更けるまでゆっくり食事を楽しむそう。高級なレストランと比べ伝統的なギリシャ料理のお店を「タベルナ」という。レストランとタベルナの違いをみるとレストランはテーブルクロスが布製であるが、タベルナでは大きな紙製クロスがかけてある。

スズカキヤ(肉団子のトマト煮)
スブラキ(肉の串焼き)
カラマラキア(イカの空揚げ)

ムール貝のリゾット
ドグマ(ライスをブドウの葉で包む)
ムサカ(なすと挽肉の重ね焼き)





アラブ首長国連邦のドバイを拠点とする国際航空会社・エミレーツ航空。数々の国際的な賞に輝き、今人気の航空会社である。日本発着路線は4年前から関西国際空港/ドバイ、今年6月からは名古屋/ドバイが就航を始めたばかりだ。
日本から西へ7500km、アラビア半島の南東部・アラブ首長国連邦の中の一つドバイは世界のセレブが集う楽園、超リゾート地でもある。第二の香港、第二のシンガポールを目指して至る所でビッグプロジェクトが進行中である。オイルマネーのおかげとはいえこれからは観光で世界どこにもないリゾート地を作っていこうと・・・

エミレーツ航空の飛行機消灯後、機内の天上には満天の星が輝いて

客室乗務員は美人で感じがいい!!(関空と機内で)
エミレーツ航空の客室乗務員の女性達は美人で、赤い帽子、明るい品のいいベージュの制服姿がとても美しく感じがいい。アラブの宗教により女性は顔を隠すという風習から、帽子にはうすくてやわらかい白いスカーフで顔の右半分を隠すようにデザインされている。最新鋭の飛行機、行き届いたサービス、消灯後は見上げると天井に満点の星が輝いてとても美しい。関西国際空港深夜23時15分発ドバイへ。10時間のフライトで到着したドバイ国際空港はとても大きく広く、超近代的な空港ビルに大勢の人たちが行き交い活気にあふれていた。

ドバイ国際空港の免税店街、金製品が一番有名

(update:2006/08/08)
旅の撮影:CASIO EXCILIM-Z40 デジタルカメラ
bgsound : sailing



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