NO.8

ポ ル ト ガ ル 共 和 国



2002年11月15日からポルトガル周遊8日間

ボタン・カルタ・パン・タバコ・コップ・ビードロ・カステラ・コンペイトウなど今も日本語として使われているポルトガル語。
アジアのはずれの小さな国とヨーロッパ大陸さいはての国。
日本が一番最初に触れたヨーロッパは……ポルトガル
遠くにありながらつながりが深く南蛮文化は日本社会に大きな影響を与えました。そんな東西の国の出会いに触れてみたくて訪れたポルトガル。どうぞ旅の写真でご覧下さい。



大西洋の日の出

KLMオランダ航空でアムステルダムまで11時間20分。乗り換えて(日本からの直行便はありません)アムステルダムから3時間でユーラシア大陸の西の端に位置するポルトガルのリスボンに到着しました。

翌朝ホテルの窓の外を見ると、楽しみにしていた初めて見る大西洋は穏やかで美しくゆったりしており、日の出が明るくまぶしいくらいに輝いていていました。








巨大なユーラシア大陸の最西端をめざして訪れたロカ岬。先端に立つと風がきつく吹き飛ばされそうです。ロカ岬から大西洋を見れば西の果てにたどり着いたと言う実感が沸き、ローマ字の名前をきれいな花文字で書いてくれる最西端到達証明書をもらいました。


AQUI…ONDE A TERRA SE ACABA E O MAR COMECA
…… ここに地果て、海始まる ……
北緯38度47分、東経9度30分、高さ140mのロカ岬の断崖絶壁の上にポルトガルの詩人Camoes(カモンエス)が詠んだ詩の一節を刻んだ石碑が立っています。







発見のモニュメント

輝かしい大left航海時代の幕開けとなった16世紀初め。
エンリケ(英語でヘンリー)航海王子は海洋国ポルトガルの創始者となり敢然と未知の海へと乗り出しました。
リスボンにあるこの発見のモニュメントは1960年にエンリケ航海王子の500回忌を記念して作られました。先頭にエンリケ王子、そしてこの時代に活躍した人々が続き最後は父母となっています。

モニュメント前の広場には"日本発見"の年号も記されており、1541年ポルトガル船が豊後に漂着した年となっています。(種子島漂着は1543年)


世界遺産べレンの塔

16世紀初めに船の出入りを監視する要塞として建てられ、大航海時代に未知の海へと旅立つ船乗りたちを見送った建物です。
司馬遼太郎は"街道を行く"で「テージョ川の貴婦人」と言いました。


世界遺産ジェロニモス修道院

大航海時代の栄光を伝えるジェロニモス修道院は16世紀初めに建造。ポルトガルが独創した様式で王室のシンボルをちりばめ、キリストの神話と海・船・インドからのコショウ、海藻や果物、にんにく、綱などを織り込んだマヌエル様式の傑作と言われています。中にはインド航路を発見したバスコ・ダ・ガマのお墓が安置されています。写真の南門はレース細工のように繊細な彫刻が美しく上部にはエンリケ王子の像が置かれています。

とても大きくて立派で中の修道院や中庭を囲む回廊も圧巻です。繊細優美な感じがこの写真だけではちょっと表現不足ですが・・・。







1582年(天正10年)2月、伊東マンショ・千々石(ちぢわ)ミゲル・中浦ジュリアン・原マルチノら13歳前後の少年4名がローマ法王・イスパニア国王への使者として長崎を出発しました。


世界遺産シントラの王宮

日本初の欧州親善使節として、4人の少年たちはインドからポルトガル・リスボンのカスカイスの港に着きました。そしてシントラの王宮でマヌエル一世に接見しています。シントラからエヴォラ・イスパニア(スペイン)を経てローマに向かいました。
王宮の絢爛豪華な室内装飾は当時海外へ向けて躍進していたポルトガルの栄華を反映しています。


世界遺産エヴォラのカテドラル

1584年にエヴォラを訪れた伊東マンショと千々石ミゲルは歴史地区の中央に建つこのカテドラルでパイプオルガンの腕前を披露しました。 そのパイプオルガンが今なお現存して見る事が出来ます。
重厚な黒い色をしていました。

この大聖堂は1200年代の建築で、右側は窓の少ないロマネスク様式、左側は窓が多いゴシック様式で二つの様式の過渡期の時代に建てられました。
エヴォラの歴史地区は町じゅうが世界遺産で博物館のようです。









ポルトガルの旅は別名アズレージョの旅と言ってもいいように至るところで色鮮やかなアズレージョ Azulejo(装飾タイル)に出会います。修道院や教会、王宮などはもちろんの事、一般の建物や民家の壁にもしばしば見られそれは見事です。
15世紀にアラブ人の残して行った装飾タイルは16世紀になってポルトガル独特のアズレージョとしてきれいな絵タイルになりました。アズレージョの作業は大変手間がかかるそうです。黄・緑・青・セピア色の4色が使われ、暖かみと輝きがあります。日常のもので、トレーや鍋敷き・まな板などに加工されたものもありました。








ポルトガル人の心の歌 ファド のディナーショーに行きました。ファドは人生の悲しみやつらさ、やるせなさを歌ったものが多く、日本でいえば演歌に似ています。ファドシンガーとして有名なアマリア・ロドリゲスの「暗いはしけ」は実らぬ恋の悲しみ、人生の苦しみなどを憂愁と愛惜に満ちた声で歌っています。ファドの心は「サウダーデ」と言う言葉で表現されるそうですが、哀愁を誘うポルトガル人にしか理解できない感情だそうです。ギターラというポルトガル独特の丸いギターとヴィオーラと言う通常のギターで演奏され、歌い手をファディスタといいます。女性は黒いショールを肩にかけ、男性は伝統の黒マントに身をつつみ片手をポケットに入れポルトガル人の心を切々と歌いました。







コルク樫の木


ポルトガルのシンボル雄鶏がデザインされた鍋敷きです。まわりにはコルクが使われています。 25cm×20cm

ポルトガルのコルク生産量は世界の約90%を占めています。
リスボンから南のエヴォラへ行く途中のアレンテージョ地方には至る所にたくさんのコルク樫の木が植えられています。
コルク樫の幹の少し茶色に写っている個所は皮をはいだあとですが、はがしたところが再生するのに10年以上を要すると言われています。ポルトガルでは壁掛けや人形、鍋敷き、壷などたくさんのコルク細工のお土産がありました。


ヴィンテージ・ポートVintage Port

ドウロ河畔にあるワイン工場のSANDEMAN(サンデマン)で味わったヴィンテージ・ポートのワインはとてもおいしくて、ポルトの思い出の品となりました。
「液体の宝石」とも呼ばれるポルトワイン。中でもヴィンテージは特に良質のぶどうがとれた年にしか産出できない最高級のポートワイン。ぶどうを2年間貯蔵したあとビン詰めし、最低10年はねかせるという長い年月の熟成を経た魅惑的なポートとしてえもいえぬ味わいがします。ヴィンテージ・ポートは特にブルーチーズとよく合います。


リスボンの北300kmにあるポルト。ドウロ河に浮かぶバルコ・ラベーロと呼ばれる帆船はワイン樽を運ぶ船です。ドウロ河をはさんだ街並みは世界遺産に登録されています。





ポルトガルを訪れて・・・ポルトガルは共和制で北海道くらいの面積に人口1000万人、90%がカトリック教を信仰し言語はポルトガル語です。黒い目に黒い髪、身長は私たちと同じくらいで、食べ物も魚貝類やお米を多く使い、ヨーロッパの日本人と言われるくらい日本とよく似ています。魚は日本ほど種類は多くありませんが、タラ・タコ・イカ・貝・海老・アジ・いわしなどを食べ、リゾットやブイヤベースは意外なくらいあっさりしてとてもおいしく野菜もあり食べ物はいいですね。パンも田舎パンのようでとてもおいしいです。
街の中はどこに行っても石畳の道で、人々はのんびりおおらかで温かい笑顔がありゆったりとした時間の中で生活をしている・・・という感じがします。気候は春と秋が極端に短く夏は一滴の雨も降らず暑く、冬は雨季に入り日本に比べると温暖で雪は降りませんが、晴れ曇り雨とめまぐるしく変わりますので傘は必ずいります。

今までヨーロッパのいろいろな国を訪れましたが、ポルトガルはゆったりのんびりとした気分で心が癒される旅でした。


旅の撮影:OLYMPUS CAMEDIA デジタルカメラ
sound:フォスター 夢見る人々(夢路より)
(update:2002/12/10)


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