次に進む

1つ戻る

サードレールの活用

広く利用されています

はじめに

線路上空に架線を張らない第三軌条式鉄道は、電力はあまり送れませんが建設コスト低下になるため、主に地下鉄線は第三軌条式(サードレール)で建設されています。

日本の場合には、地下鉄線と民鉄線/JR線との相互直通運転が昭和40年代から積極的に行われてきましたので、地下鉄内も架空給電方式が使われていることが多いです。

駅部での違い

プラットホームに立ってみると、架線が無く、ホームの反対側(図1のように、稀にですがホーム側にある場合もあります。危険な気がしますが・・・?)線路をみると碍子で浮いたレールを見ることができる場合、サードレール式の鉄道です。

駅では感電事故防止上、プラスチックの保護カバーをかぶせてある場合も多いとは思いますが、「ああ、サードレールだ」とすぐ分かる形態をしていますので、接近する列車に気を付けつつ見てください。

【図1】帯電部がプラットホーム側の駅(パリ6号線)

 

装荷方式の違い

サードレール式鉄道のパンタグラフにあたるものが、集電靴です。図2、図3は日本の東京メトロさんの銀座線(直流600V)です。
 銀座線は第三軌条に対してその上面を擦っていく上面接触式で、集電靴(図2の赤いひらべったい部分)は軸箱から装荷されて、振動があってもサードレールに追随していける小型タイプです。

図4はイギリスのClass376/0です(直流750V)。これは国鉄系の車両ではありますが、台車から外につり出して装荷されており、電圧は少し高めです。同じく上面接触式ですが、銀座線よりもずっと大型のばねが見えています。

サードレールから離線してしまうと動けなくなってしまいますからね。

【図2】銀座線
【図3】銀座線の集電靴(軸箱に設置)
【図4】イギリスの車両(国鉄系)

図5は分岐器部のサードレールの様子を撮影したものです(丸の内線、直流600Vです)。他線を支障してしまう部分は、サードレールが一旦切れています。この部分は編成内のもう一つの集電靴で集電することで走行しています。

【図5】丸の内線

図6は、ロンドン西部です。ロンドン市交通局の地下鉄路線部分は第四軌条式になっています。軌道外側がプラス、軌道内側がマイナス極となる独特な設計となっています。この4線軌条同士が交差すると、図6のような、目で追うのも大変な感じになります。

【図6】
【図7】ロンドン  District線

まとめ

海外で必ず見かけると思われる、サードレール式の鉄道(主に地下鉄)について紹介しました。集電靴の取り付け方はパンタグラフ同様に多種多様ですが、日本のものほどの小型でコンパクトなものは無い・・と思います


以下の写真は在来線用の脱線防止ガードです。車輪が落輪しても、左右に大きく逸脱しないようにするもので、2004年の新潟県中越地震対策の一つです。停車していても脱線するときは脱線しますので、残念ながらいつかは必ず役立つ日本の技術です。