欧州の鉄道技術・日本の鉄道技術
【鉄道旅行等】1-フリーきっぷ、途中下車


鉄道運行事業者

その他、日欧の鉄道に関する雑多なことを記述していきます。旧サイトの旅行関係情報もここに入れていきます。

フリーきっぷがお得な距離

ドイツ

運賃の廉価化

オープンアクセス政策と、コンピューターを使った空席状況に応じた柔軟な運賃設定が促進されたため、列車ごとのきっぷ価格の変動幅が大きくなりました。そのため、ユーレイルパスのようなフリーきっぷがお得かどうかは、かつてほど一概には言えなくなりました。列車が1本違うだけで違うだけで倍以上違うこともありますからね。

 そんな状況下ではありますが、フリーきっぷがどのくらいお得なのかを知りたく、調べてみました。6.運送約款も参照下さい。

ドイツ

ドイツには、以下のフリーきっぷがあります。

  • German Rail Pass(価格は下表)
  • Quer-durchs-Land-Ticket・・・優等列車以外のみ(1人用44ユーロ(15歳以下の同行は無料)、2人用で52ユーロ)
【表】ジャーマンレールパス 大人1人あたり価格(2019年1月)

単位はユーロ

German rail pass 大人1人用÷3日 大人2人用÷2÷3日 Youth(12〜27歳)用÷3日
連続3日用
consecutive days
260÷3≒ 87 385÷2÷3≒ 65 210÷3= 70
同上 190÷3≒ 64 290÷2÷3≒ 49 155÷3≒ 52
非連続3日用
Flexible days
270÷3= 90 400÷2÷3≒ 67 215÷3≒ 72
同上 200÷3≒ 67 292÷2÷3≒ 49 160÷3≒ 54

ドイツは毎年のように運賃が上昇する一方、ドイツ居住者向けには[BahnCard]という1年間有効の割引カードが発行されています。発行まで日数がかかり旅行者向けではないため、ここでは、BahnCardは使用せず、片道のきっぷを購入する場合と、ジャーマンレールパスの比較をしてみます。

 

ジャーマンレールパスは利用日数とその日が連続するかしないかの別や、利用できる車種(1stクラス、2ndクラス)により価格が異なります。割安な、2人用「Twin」も発売されております。上表に載せていませんが、利用日数は3日が最短で、4日、5日、7日、10日、15日間タイプがあります。最も割引率の低い3日用(非連続)の場合(網掛け部)、大人一人・一日あたり、90ユーロとなります。

ドイツの鉄道路線図はこのページに掲載しています。

図1 フランクフルト中央駅発

  

図1中の「st」とある場所がフランクフルトです。私が調べた日(4日後の平日)についての最安値〜定価(割引がない運賃:Flexpreis)を記載しています。傾向としてはフランクフルトから、西方向のケルン、オランダ、あるいはスイスに向かう方向については距離に関係なく割高になっているようです。乗客が多いからでしょうか。

同じく国際空港のあるミュンヘン発からのスタートについては、図2のようになっています。いずれも、最安値は距離と無関係に40ユーロ近くとなっておりますが、このような最安値の列車に乗車する場合でも、2〜3回乗車すれば元が取れると言えそうです。フリーきっぷではなく普通にきっぷを買う場合には、途中下車(stopover)をすると、最安値の列車同士を組み合わせられなくなることが多いため、途中下車をしていくつかの列車に乗車する場合には、大概の場合はジャーマンレールパスが割安になるのではないか、と思われます。もっとも、列車次第です。

図2 ミュンヘン中央駅発

途中下車きっぷの価格


追記

 2022年2月にDBさんの入力システムが仕様変更されており、途中下車駅の入力は「Weiteren Optionen」から行うようになっています。やはり2駅入力できるようですが、以下の記事はその前に行った(2018年12月、2019年12月)の記事です。今後下記の記述を見直します。


前項では、3日使うならばジャーマンレールパスが割安ではないか、というあいまいな結論でした。次に、同じ目的地駅に対して、1列車で直行する場合と、途中駅で数時間下車(stopover)して、別の列車に乗車して到着する場合で、きっぷの値段がどう変わるのかを調べてみました。結果について、途中下車駅の概要を図3〜図5と、細かい金額を表1に示します。

図3 フランクフルトからハノーファー

図4 フランクフルトからアムステルダム

図5 ミュンヘンからニュルンベルク

【表1】途中下車あり・なしでの運賃の違い   上段1st class 下段2nd class(いずれも自由席)

比較してみても、共通点を見出せませんでした。出発−到着駅とも利用客の多い駅のため、価格競争が激しい駅間だからなのか、途中下車しないほうが安い列車が多数見つかりました。途中下車すると、とたんに割引率が下がるように見えます。

結論としては、途中下車すると安い列車同士を選べなくなり、割引率が悪くなるが、定価で比較すると途中下車したほうが安い場合もある・・・というところでしょうか。結局結論は出せません。なぜこうなるのか不明です。

他の国

このページが長く更新できずすみません。

ドイツとは異なる事情の国について注意事項のみ記載します。

フランス

フランスは、高速鉄道で1時間かかるくらいの都市間なら2〜3回使えばユーレールパス(フランス)のほうがお得なのですが、上述のドイツよりユーレールパスの使用条件の制約が大きく、追加的な費用がかかることについて申し上げます。

2005年頃から、高速鉄道についてはユーレールパスで乗車できる座席数が限定されています(パス使用者が多すぎた)。そのため、パスホルダー用の座席指定券を購入しなければならない(リンク先はユーレールパス販売元のRail Europe SAS(フランス)のサイトの、この件の説明ページ)のですが、列車によって価格が違います。

現状では1列車当たり10ユーロくらいはしますので、ユーレールパスがお得かどうかは予約を試行してみるまでは分からないです。

ドイツやベルギー、オランダではこのようなパスホルダー用座席数の限定条件は現状(2022年12月時点)ではありません。