伸ちゃんのクラシックカメラページ

VOL.41

VOL.1 LEICA DII(8/4/97)
VOL.2 KONICA III(9/2/97)
VOL.3 VITO BL(9/9/97)
VOL.4 NO.3A FPK(9/15/97)
VOL.5 CANONET G-III QL17(11/30/97)
VOL.6 SPECIAL RUBY REFLEX(1/11/98)
VOL.7 FT-2(3/22/98)
VOL.8 PACEMAKER CROWN GRAPHIC(3/29/98)
VOL.9 NIKON EL2(4/26/98)
VOL.10 NIKON F(6/7/98)
VOL.11 LEICA IIIf(7/2/98)
VOL.12 VULGA(7/26/98)
VOL.13 NETTAR(2/15/16)
VOL.14 MAKINA67(10/17/98)
VOL.15 KONICA FTA(1/2/99)
VOL.16 LORD IVB(2/7/99)
VOL.17 SAMOCA35 Super(2/28/99)
VOL.18 RICOH 35(4/18/99)
VOL.19 CANON IIIA(6/13/99)
VOL.20 KONICA II-Bm(9/12/99)
VOL.21 leica If(10/13/99)
VOL.22 Retina IIa(1/1/00)
VOL.23 leica M2(6/17/00)
VOL.24 Autocord(7/2/00)
VOL.25 Rollei 35(7/23/00)
VOL.26 Petri V6II(9/23/00)
VOL.27 PENTAX MX(11/25/00)
VOL.28 NIKON F3(1/1/01)
VOL.29 HORSEMAN 970(12/31/01)
VOL.30 NIKON F2 PHOTOMIC(2/17/02)
VOL.31 LEICA CL(6/9/02)
VOL.32 OLYMPUS OM2-N(9/15/02)
VOL.33 KONICA I(8/10/03)
VOL.34 VITESSA I(9/17/03)
VOL.35 Yashica Flex S(2/27/05)
VOL.36 Asahi Pentax SL(1/13/07)
VOL.37 Nikonos II(9/24/07)
VOL.38 Oproduct(2/24/08)
VOL.39 EOS RT(12/24/08)
VOL.40 HASSELBLAD 503CX(9/26/09)
最終更新日 : 2009年9月27日

EXAKTA VarexIIa TESSAR 50mm F2.8

作例


 今回はEXAKTA VarexIIaです。 ドイツ製のちょっと面白いカメラです。 クラシックカメラ界では ライカとコンタックスがメジャーな存在ですがそれらに次ぐブランドとして面白いカメラの一台です。  製造したのはイハゲー社で初代EXAKTAは戦前の1933年に発売されました。 そのカメラは金属製として 初の一眼レフという栄誉を担っています。 フィルムはベスト版を使用するものでした。 戦後になって イハゲー社の所在地ドレスデンは東ドイツとなりましたが1950年にファインダー交換式のEXAKTA Varexに 進化させました。 ちなみにこのカメラはヒッチコックの「裏窓」で主人公のジェームズ・スチュアートが 望遠鏡代わりに覗いていたカメラです。 そして1933年以来のデザインの最終形として1957年に発売されたの がEXAKTA VarexIIaとなります。 EXAKTAというカメラはデザインのみならず機構的にも現在から観るととても 変わったカメラです。 まず始めに違和感を感じるのはシャッターボタン及びフィルム巻き上げレバーが正面 から見てレンズの右側にあることです。 つまり撮影者はシャッターレリーズ及びフィルム巻き上げを左手で 行うことになります。 これについては単なる設計者の趣味ではなくちゃんとした理由があったようです。  一眼レフという方式は顕微鏡撮影あるいは複写などの視差が無いという特長を活かした撮影に向いています。  そのような撮影でスタンドにレンズを下に向けて固定した場合撮影者はウェストレベルファインダーに正対して 画像を観察することになります。 そしてこの状態では右手でフィルムを巻き上げ、右手でシャッターをレリーズ する形になります。 つまりこの配置は通常撮影の構え方で使用するよりも特殊撮影での使用状況を優先して デザインされたということになります。 そしてシャッターダイヤルも正面から見てレンズの右側にあります。  レンズの左側軍艦部に大きなダイヤルがありますがこれは二つの機能がありスローシャッターの時間設定と遅延後の スローシャッター時間設定を行えます。 スローシャッターを使用するにはメインシャッターダイヤルをBに合わせ スローシャッターダイヤルで時間を設定します。 スローシャッターの時間は1/5秒から12秒まで設定できます。  最大12秒のスローシャッターというのは驚きですが天体写真などに使用したようです。 最後にEXAKTA特有の有名な 機構ですが装填したフィルムを切断する通称ギロチンカッターと呼ばれるものです。 ボディー底部の小さなノブを 引き出すことによりノブに接続したシャフトの先端についた小さな刃がパトローネの直前でフィルムを切断します。  全てのコマを撮影するのを待たずにすでに撮影済みのフィルムを取り出して現像したいという要求に適うものの ようです。 もちろん撮影済みの切り離したフィルムは暗室で取り出す必要があります。 フィルムが貴重品である という時代の発想でしょうか。 現在デジカメの時代になりこの感覚は理解しにくいものとなりました。
 実は上に示した作例は中古カメラフェア2009で購入後すぐにフィルムを入れて銀座で撮影したものです。  購入後いきなりフィルムを装填しての撮影であったので何らかの失敗を覚悟しましたが操作上の失敗によりダメ になったコマはありませんでした。 シャッタースピードは全て1/100秒で撮影しましたがネガフィルムという こともあり大きな露出ミスもありませんでした。 またブレたコマもなく左手によるシャッターレリーズでも ホールドは安定しているようでした。 ただ左手によるフィルム巻き上げ及びシャッターレリーズに慣れて おらず軽快なスナップという訳にはいきませんでした。 クラシックカメラ界ではEXAKTAマウントのレンズが 数多く流通しており、同じブランドのレンズでも他のマウントのレンズと比較してEXAKTAマウントのレンズは 一般に安価であるので唯一のEXAKTAマウントレンズのボディーとして重宝しそうです。
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