伸ちゃんのクラシックカメラページ


VOL.8


VOL.1 LEICA DII(8/4/97)
VOL.2 KONICA III(9/2/97)
VOL.3 VITO BL(9/9/97)
VOL.4 NO.3A FPK(9/15/97)
VOL.5 CANONET G-III QL17(11/30/97)
VOL.6 SPECIAL RUBY REFLEX(1/11/98)
VOL.7 FT-2(3/22/98)

最終更新日 : 1998年3月29日




PACEMAKER CROWN GRAPHIC/OPTAR 135mm F4.7


前回旧ソ連製のカメラを紹介したからというわけではありませんが今回はアメリカ製のカメラを 紹介します。 GRAFLEX社のCROWN GRAPHICという4X5インチ版フィルムを使用するカメラです。 これは 日本でもスピグラという愛称で呼ばれたSPEED GRAPHICの姉妹機です。 スピグラとの違いはフォーカル プレーンシャッターを装備していないということです。 従ってレンズシャッターのみを使用することに なりますが通常われわれアマチュアが使用する分には速写性が要求されるわけではないので実用上は 十分です。 また現在では当然中古品を求めることになるわけですが年数が経過するとフォーカルプレーン シャッターの調子を維持するのは難しいようです。 レンズはここで紹介したカメラにはWOLLENSAK社の OPTARがついていますがKODAK社のEKTARが人気のようです。 ボディー上部の丸窓が二つ付いた箱が 距離計になっておりレンズボードの動きに連動し、二重像を合せることによりピントを合せることが できます。 この距離計には面白い仕掛けがあります。 豆電球と電池を内蔵してスイッチを押すと 二つの対物窓から光線が照射され被写体上でこの二本の光線が一点に交わればその被写体にピント が合っていることがわかるという仕掛けです。 これは暗い場所でピントが合わせづらい場合に使用 するためのもので理屈は通っていますが豆電球の光程度でこのようなことができるとは思いませんでした。 しかし古いカタログに距離計の窓から二本の光線が照射している様子を描いてある絵がありますので 冗談ではなかったようです。 どの程度実用になったのでしょうか。 たしかに暗いところでは距離計 は暗くて非常にピントが合わせづらく、この方式ならば距離計を覗く必要もありません。 現在では レーザー光が簡単に使用できますので半信半疑でしたが実験してみました。 レーザー光は市販の レーザーポインターの赤い光を使用しました。 接眼窓からレーザー光を入れると二つの対物窓から 二本の光が伸び被写体の上でくっきりと二つの輝点となります。 ピントノブをまわして簡単に一点 に合わせることができました。 暗いところでは二重像を合わせるよりはるかに快適にピントをあわせる ことができます。 当時レーザー光が簡単に利用することができたら迷うことなく使用していたと おもいます。 いずれ距離計ボックスの内部にレーザーを組み込もうと思います。
スピグラというカメラですが戦前から昭和30年代ぐらいまでは新聞社、通信社などで報道写真 用カメラとして広く使用されていたようです。 昔の映画などでスピグラにラッパ型の大きなフラッシュ ガンを付けたのを構えるカメラマンが登場していたのを観たことがあるとおもいます。 まず疑問に思うのは 少なくとも戦後になれば35mm判、ブローニー判のカメラが数多くあったと思いますがなぜ4x5のシートフィルム を使用するスピグラを主に使用していたのかということです。 つまりもっとも速写性を要求されるはずの 報道カメラとして最適な選択だったのでしょうか。 また夜間はもちろん昼間でも屋内での記者会見などの 場所ではフラッシュを使用することも多かったはずです。 このフラッシュも今のストロボと違い 一発ごとに閃光電球なるものを付け替えていたわけです。 せめてロールフィルムを使用するカメラの 方が便利だったのではないでしょうか。 その後はご存知のように怒涛の勢いでモータードライブを 装着した一眼レフそれも日本製のカメラにとって代わられました。 現代のスピグラ(私の場合CROWN GRAPHICですが)の使い方ですが大判カメラとして捉えると軽量 でよいのですがアオリに制限があり物撮り風景写真には使い勝手がよくありません。 そこでポラロイド バックを付けてちょっとハデですがポラロイドカメラとして主に使用しています。


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