伸ちゃんのクラシックカメラページ


VOL.2


最終更新日 : 1997年9月2日




KONICA III (HEXANON 48mm F2)


今回は国産カメラを紹介します。 現在はコニカとなっている小西六写真工業から 昭和32年に発売されたKONICA IIIです。 連動距離計を内臓したレンズシャッターカメラですが 実は約1年後に発売された"KONICA IIIA"の名声が轟いています。 レンズは同じHEXANON 48mm F2ですがパララックス補正フレームをファインダーに組み込み当時の広告のキャッチ コピーに”生きているファインダー”と謳っています。 III型及びIIIA型の外見上の特徴 はなんといってもレンズ鏡筒向かって右側にある巻き上げレバーであると思います。 現在の カメラの機構と比較するととんでもないところにあるような気がしますが、右利きの人間が 撮影後に左手親指で巻き上げ操作を行う場合以外に気持ちよく巻き上げることができます。 巻き上げ操作は2ストロークでシャッターのチャージも同時に行います。 発売時の定価は 牛革ケース付34、500円でやや高級な大衆機というところでしょうか。
写真のカメラは中古カメラ店の店頭では”程度上”というタグを付けられると思いますが、 実は父親が昭和32年5月に購入したもので元箱付という状態で現在に至っています。 アクセサリーとして折畳み式のフラッシュガンもほとんど新品の状態で残っています。 箱の中には説明書はもちろん3年間の保証書と定価で購入したことを示す店の領収書 が入っていました。 34、500円のカメラを買うということは20代後半の普通の勤め人 であった父親にとっては一大事業であったろうと思われます。 現代のサラリーマンが 初めての子どもが生まれたときに20万円の8mmビデオを買う以上の決心だったに 違いありません。 そうまでして買ったカメラですが我が家のアルバムをめくってみると どうもうまく写っている写真が少ないようです。 特に虎の子の(?)フラッシュを焚いて 家のなかで撮影したものはほとんどまともなのがありません。 しかしそのあまりうまく 写っていないけれども年に何枚も撮らない貴重な写真を丹念にアルバムに貼り付けています。 そんなKONICA IIIですがだんだん出番も少なくなり買った時からの保管場所である桐のたんす の中でここ20何年かは日の目を見る機会もなく眠っていました。 現在シャッターが少し 粘っていますが当時に比べると格段に性能の良くなったフィルムを入れて時々外に連れ出して いますがとてもきれいな写真を撮ってくれます。


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