伸ちゃんのクラシックカメラページ


SPECIAL EDITION

VOL.6


最終更新日 : 1998年1月11日




SPECIAL RUBY REFLEX(T.T.&H COOKE ANASTIGMAT 5 3/4")






今回もVOL.4に続きクラシックなカメラを紹介します。 イギリスのTHORNTON PICKARD社製で9X12cmの乾板を使用する一眼レフタイプのカメラです。 レンズは有名なテイラー、テイラー&ホブソンのクックアナスティグマット 5 3/4インチがついています。 このカメラは昨年10月にクリスティーズのカメラ及び光学玩具部門で競り落としたものです。 カタログには写真は載っておらず他に2台のカメラとセットになっていました。 そのうちの1台は今回紹介したものと同じ形式の一眼レフで、もう1台はツァイスイコンのポケットカメラです。 ただ3台とも乾板使用のカメラで程度もかなり悪い状態でした。 2台の一眼レフタイプカメラはフォーカルプレーンシャッターですが2台ともシャッター幕がボロボロになって崩れ落ちていました。 またポケットカメラも蛇腹はボロボロでレンズシャッターもまったく動きませんでした。 写真ではピントグラスを覗くフードを立てた状態を示しています。
ということでこのカメラで直接写真を撮るまでにはいたっていませんがこのままでは悔しいので、せめてレンズだけでも流用できないかと考えました。 前述のようにフォーカルプレーンシャッターなのでレンズ自体は絞り機構が付いているだけでしかも前板にねじ込んであるだけですので簡単に取り外せます。 ただこのままでは他のカメラに直接装着できるわけではなくまたピント調節ヘリコイドも付いていませんのでピント合せもできません。 できるだけ手持ちのパーツ及び市販品を使用するというコンセプトで各社のマウントコンバーター、ヘリコイドなどを組み合わせてNIKON F3に装着することができました。 無限遠にもピントを合せることができます。 元々9X12cmというフォーマット用に使用していたものなので35mm版では中心部のみを使用することになるので、少なくともサービスサイズで見る限り画質的にはまったく問題ありませんでした。
お気づきのように今回のカメラGETについては実用という観点からは、乾板使用カメラということと肝心のシャッターの破損ということで成功とはいえませんでした。 ところが一緒に届いた乾板ホルダーの何枚かに乾板が装填されたままのものがあることに気づきました。 まあダメもとという気持ちで現像してみるとなにやら像が写っているものが2枚ありました。 このカメラを最後に使った人は現像することなくカメラと一緒に撮影済みの乾板も手放してしまったようです。 つまり撮影者も自分の撮った写真を見ることがなかったということになります。 そして私自身が図らずもその栄誉を賜ることになってしまいました。 上の2枚の写真がそうですが、これだけでは撮影年代も撮影場所も特定することができませんでした。 尚、この写真は乾板から密着プリントを作成しフラットベッドスキャナーで取り込みました。 またコントラストが極端に低かったのでフォトレタッチソフトでコントラストのみ上げています。


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