今回紹介するのはRollei 35です。 ローライと言えば戦前から二眼レフで有名ですがそのローライ社が
1960年代に製造した35mmフィルムを使用する小型カメラです。 実際小型で30年以上前に35mmフィルムを
使用するカメラでこのサイズを実現したことは立派であると思います。 そしてこのRollei 35はかなり長期
に渡って製造され多くのバリエーションがあります。 このページで紹介したカメラはその最初のタイプで
1966年に発表されたものでテッサーが装着されCds連動露出計が内蔵されています。 そして1983年まで各種
タイプが製造されたそうですが主な相違はレンズにゾナーを装着したり、後年は露出計の表示がLEDになり
ファインダー内に表示されました。 ローライ社はこのカメラシリーズの生産を主にシンガポールで行って
いたようですが初期の物とかプロトタイプは西ドイツで製造されたようです。 ライカについてもそうですが
どうもクラシックカメラユーザー(コレクター)は原産国にこだわるようで中古カメラ界の相場では同じタイプの物でも西ドイツ製はかなり高い値段がついているようです。 ちなみにこのカメラはシンガポール製です。 ところでRollei 35には各種のタイプがあるということをいいましたがすべてのタイプに距離計は付いて
いません。 つまり目測でピントを合わせることになります。 さすがにこのサイズのボディーに連動距離計
を内蔵することは難しかったのだと思います。 じつはこのことが私自身Rollei 35を購入することを躊躇させていた理由でした。 しかしながらLeica Ifなどの距離計の無い機種を使用した経験で我々素人でも慣れると
意外とピントを外さないということがわかってくるとそれ程大きな障害では無いと考えられるようになりました。 かえって距離計の調整だとか二重像の見え具合などを気にしなくても良いというメリットがあります。 実際オートフォーカスカメラで中抜けなどのミスをした場合のほうが大きくピントを外してしまいます。
撮影の操作ですがシャッタースピードと絞りはボディー前面レンズの左右にあるダイヤルで設定します。 フィルムの巻き上げは左手親指で行うようになっています。 この点通常右手の親指での巻き上げに慣れている感覚からすると違和感があります。 露出計の指針はボディー上面にありシャッタースピードと絞りのダイヤルを動かして固定指針とメーターの針を合わせます。 どうもこの操作はボディーが小さいせいもありあまり快適ではありません。 私自身は他のクラシックカメラの場合も同様ですがシャッタースピードは固定にして絞りだけを勘で適当に合わせています。 現在の高性能なフィルム(主にネガフィルムを使用)のおかげでよほど極端な場合をのぞいてこのやり方で露出についてはほとんど失敗したことはありません。 クラシックカメラといっても1960年代以降のカメラですし安心して使用できます。 最後にこのカメラに関する思い出として印象に残っている遭遇として、北アルプスの奥穂高岳(日本で3番目に高い山です)の山頂で撮影を頼まれて渡されたのがRollei 35でした。 このカメラのことは知っていましたが渋いカメラを持ってくる人だなと思い印象に残っています。
|