どうも紹介するカメラが同じような毛色の器械に偏ってしまうようです。 今回も1950年代の35mm国産普及機となってしまいました。 このカメラの名称をはじめて聞いたときはカメラの名前だとはまったく思いませんでした。また国産なのか外国製なのかの連想も湧きませんでした。 製造メーカーはそのものズバリサモカカメラ株式会社ですがこのカメラ発売のちょっと前に三栄産業株式会社から改称したようです。 尚、当時の発売元は服部時計店となっていました。 このメーカーは珍しい35mm版の二眼レフカメラも製造しています。 そして1960年代前半にEEタイプのコンパクトカメラを発売していますが他の多くの中小カメラメーカー同様経営に生き詰まったようです。 ここで紹介した機種は以前から発売されているサモカ35シリーズで最初の距離計連動機でデザインは以前のカメラから踏襲しています。 つまりボディー前面から一段高いレンズボードにレンズが装着されているという形式です。 レンズと距離計の連動はレンズの真上にある歯車でレンズヘリコイドの回転をボディー内の距離計機構に導いています。 そしてフィルム巻上げも自動巻き止めでシャッターのチャージも行われます。 フィルムカウンターもライカと同じように巻上げノブに同軸についている円盤上に刻まれた目盛りで読み取ります。 シャッターダイヤルはカメラに向かってレンズ右下に付いています。 最高速度は1/200秒です。 ご覧のようにいかにも1950年代の普及型というデザインですがなかなかガッチリ作られていて巻上げノブなどの削り出しの部品も精密感を感じさせます。 使用感ですがファインダーも意外と見やすく距離計の二重像も比較的はっきりしていると思いました。 ただこのカメラだけのことかもしれませんがピント合わせのヘリコイドはやたらに重く指が痛くなってしまいました。 写りは例によって何の不満もありません。 フィルムの進歩のおかげで特にネガカラーであれば気軽に撮影を楽しむことができます。 ボディーサイズはコンパクトですが重量がズッシリと感じられますので持ち歩いているとその存在感はかなりのものです。 テスト撮影のときに4コマほどシャッター羽の粘りのせいか真っ黒に露光してしまったコマがありました。 しかしこのカメラの年齢を考えればその程度の不具合は当然でいつかちゃんとメンテナンスしようと思っています。 |
最新ページへ | 前ページへ | 次ページへ |