今回はLEICA Ifです。 写真のように距離計もファインダーも組み込まれておらず
通常距離計が組み込まれている場所にはシューが2つ取り付けられているだけです。
バルナックタイプでは最も人気があるIIIf型のファインダーなしモデルです。 ライカ
には距離計を載せたモデルが作られるようになってからも、ファインダーを必要としない用途向けにファインダーなしモデルがありました。 それはM型になっても同種のモデル
が製造されていました。 もともとファインダーなしモデルというのはコピーマシンが無かった時代に書類等の複写を行うために作られたようです。 資料を見ると複写を行うためのアクセサリーもいろいろあったようです。 一方で二つあるシューの片方にファインダーをもう一方に距離計を装着しての使い方もあります。 わざわざファインダーも距離計も付いていないカメラにあとづけでそれらを装着して普通の撮影を行うというのはひねくれていますが人とは違うのだぞというささやかな自己主張をこのカメラの所有者は意識している筈です。 ただ上部のファインダー構造物があるのと無いのとではカメラの大きさの感じ方がまるでことなります。 文字通りフィルムを装てんしている箱にシャッターを取り付けただけのものという感じです。
使用感についてよく言われることですが本当にf型の操作感はすばらしいものです。フィルム巻き上げのテンションが絶妙であるとかシャッター音が良いなどということはもちろんですが金属製の工作物として安っぽいところがまったくありません。 40年以上前に作られたカメラですが現役そのものという感じです。 肝心の撮影感覚ですが不思議なことにはじめからファインダーの付いたカメラで撮影するのと何もついていないカメラにファインダーを取り付けて撮影するのとでは微妙に感覚が違います。これは写真を撮ることよりもカメラその物の方に興味の比重が偏っているせいかもしれませんがあとづけファインダーを覗くほうが被写体に集中できるような気がするのです。 特に写真にあるライツの50mmのファインダーの見え方はとてもすばらしいものでほんとうに吸い込まれるようです。 後半になっても撮影の話よりも”モノ”の話に落ちてしまいましたが非常に気に入っている一台であるのは間違いありません。 もうひとつこのカメラに対する思い入れが深くなってしまう理由があります。 それは自分が生まれたのと同じ年に製造されたボデイーであるということです。 購入したときにはまったく意識していませんでした。今回はいつになく興奮気味ですがさすがにライツ社が一番輝いていたいた時代のカメラであることは十分に感じることのできる一台です。
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