今回始めて二眼レフの紹介となります。 1955年に発売されたミノルタオートコードです。
この当時二眼レフカメラの名前の頭文字がAからZまであるといわれたほど多くのカメラが作られていたそうです。 そのなかでも理研光学工業のリコーフレックスが1950年代前半に大ヒットしたということが伝えられています。 35mmレンジファインダーカメラではライカがトップブランドとすれば二眼レフカメラではローライフレックスがその位置にあったであろうと思われます。 そしてどちらのタイプのカメラも多くの国産機が製造され国内の需要を満たすことはもちろん海外に輸出されていました。 1960年代以降35mmフィルムを使用して簡単に撮影できるカメラが数多く登場して気軽に写真が楽しめるようになりました。 私自身写真というと35mmフィルムを使用して所謂サービス版といわれるサイズに引き伸ばされたものを第一に連想します。 ところが二眼レフが大ヒットしていた1950年代の一般の写真の楽しみ方というのはフィルム現像後同時にすべてのコマを引き伸ばすのではなく、まず密着印画を作ってもらうとのことです。 そしてここ一番というコマのみをあとで引き伸ばしてもらっていたようです。 その場合35mm版の密着では小さすぎて観賞することができずブローニーフィルムを使用する二眼レフで撮影すれば密着でもなんとか楽しめるということも二眼レフが普及した理由の一つであろうと思います。 私自身の体験では小学生であった1960年代後半に修学旅行などにカメラを持参するクラスメートの中に一人か二人二眼レフを持ってくる友人がいたのを覚えています。 現在では二眼レフというスタイルはいかにも古臭い感じがしますがシンプルな構成でピント合わせと構図の確認を行うことができ、従って低価格で製造できるという利点はいろいろな面で当時の要求に適っていたのだと改めて思います。
前述のように多くのブランド名で製造された二眼レフですが現在まで使用に耐える状態で残っているものはそんなに多くないと思います。 その点さすがはミノルタ(当時は千代田光学精工)と言うべきか比較的良い状態で残っていると思います。 そしてありがたいことに現在のクラシックカメラ界ではあまり人気がないせいか安価に手に入れることができます。 実際の使用感ですが左右逆像のピントグラスでの構図合わせには馴れが必要です。 特に垂直を合わせることに非常にまごついてしまいました。 あと二眼レフの通常の構え方というのは臍の前に構えて真上からピントグラスを覗き込む形になりますので人物撮影の時に被撮影者にとってはカメラを向けられているという感覚が薄くなるという利点があります。 操作の上でもオートコードと言うとおりフィルム巻き上げと同時にシャッターはチャージされますし自動巻き止めとなっていますので赤窓式のカメラよりはるかに使いやすくなっています。 数少ない所有二眼レフのうちの1台ですので時々遊び気分で使用しています。
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