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1997年7月16日(水)

長い1日だった。
昨夜、C先生との電話で再発とのことだったが、やはり間違いない・・・。

朝 、幼稚園へ連れて行き、お友達とお別れ。先生にさよならのうめジュースをご馳走になった。
駅前からタクシーに乗ろうとしたが、なかなか来ないので電車とバスを乗り継いで病院へ向かう。

O先生の診察の後、入院手続きをする。これが11時すぎのこと。 それからずいぶん待たされて1時半頃琴ちゃんはボンマール(髄液検査、注:正しくはルンバール。この頃は間違って覚えていたよう)をする。待合室まで泣き声が聞こえるかと思ったが、琴ちゃんは少しも泣かなかったそうだ。

しばらくしてC先生、O先生から説明を受ける。抹消血中に幼芽細胞が出ているとのこと(15%位)。マルクの結果80〜90%芽球が占めており、残念だが再発。O先生は低リスク群でも20〜30%は再発しているといわれていた。13次案(注:TCCSGのプロトコール)では再発が多いとC先生もおっしゃる。最初の治療の時できるだけ後に残る薬を使わない方式のプトコールだったとのこと。今さら言われてもしょうがない・・・。

錠剤がうまく飲めれば、点滴がなくて、骨髄抑制が少ない時は外泊をできるだけ多く取り入れましょうとのことで、さっそく今日は外泊できることになった。

家についたらすでに3時。朋生、瑞生も学校から帰っていたので、5人で近所のガスト(ファミレス)へ。ボンマール(注:ルンバールの事)があるというので、父、母、琴ちゃんの3人はお昼抜きだった。

ガストから帰って、いよいよ薬を飲む。病院では元気に「錠剤も飲める!」、と言っていたそうだが、全然だめ。いきなりお昼に食べたものを戻してしまった。もし錠剤が飲めなければ病院に帰って点滴になってしまい、外泊どころではない。

それから約2時間なだめたりすかしたりしながら薬を飲ませようとママと二人で。もう、目の前が真っ暗になるような気持ちだ。

それでもなんとか3粒のプレドニンをクリア。ホッ。薬を飲んだ後はケロッとして”たまごっち”や兄のポケットボーイで遊んでいる。

薬を飲ませている時、琴ちゃんが「なんでムシムシがまた来たの?先生もう薬飲まなくていいって言ったよ。」などとこぼし母しばらく涙する。琴ちゃんと母の二人しばらく大泣きで薬どころではない。

答えにつまる質問だ。父も言いたい「なんでなんだ!」悔しい気持ちと切ない気持ちが入り交じってくる。70%はうまくいくはずだったのに・・・・・・。

夕食はコンビニのお弁当。こんなとき料理のできない自分が情けない。(注:ママは琴ちゃんに薬を飲ませるので精一杯で、夕食の支度どころではなかった。) 琴ちゃんは割子そばにした。昼食を戻したのでお腹が減っていたのだろうが、半分くらい残した。

そして、また薬。まずバクトラミンから試してみる。1錠を1/4に割って小さくして飲ませる。1回め、だめ。でも、2回めのトライで、「今だ!」と飲み込むタイミングに声をかけてやったらうまく飲み込むことができた。その調子で3回め、4回めをクリア。3/4を飲んだ。

次はプレドニン。さっきの調子で飲んでくれると思ったのだが、1粒を半分にしたものを飲むのに失敗。「もう飲めない」と言い出す。「じゃあ、明日の朝病院だからね。」としばらくほっておいた。「やっぱり飲む」と再度チャレンジ。「今だ!」に加えて飲み込んだ後水をゴクゴクを飲ませることでなんとか1.5錠まではいけたのだが・・・。

次の半錠で失敗。薬が出てきてしまった。それを母が無理やり口に押し込んだら、夕食のおそばまで戻してしまった。 今夜はもうあきらめて明朝またチャレンジすることにする。明日だめなら病院へ行くしかないか・・・。


エピソード1:

病院から帰ってきて、朝(幼稚園への途中まで)乗っていった自転車を朋生と取りに行った。道すがら今日朋生が行ってきたプラネタリウムの話をしたり、将棋の話をしたりした。最後に「琴ちゃん、また白血病になったからね。」と一言。 朋生は急に無口になった。やはりショックなのだろう。「みんなでがんばって治してやろうな」と元気?づける。

夕方新聞の集金のおばさんが来ている時、朋生が母に「ねえ、琴ちゃんなんの病気?白血病なの?」と急に聞いたそうで、他人の前でそのような病名を出したことに母はえらく立腹。朋生はしばらく泣いていた。「人前で言わなくてもいいからね。もし聞かれたら『僕はわからない』って言っときな。」とフォローしておく。(注:フォローになってるのかなぁ・・・??)


エピソード2:

夕方、朋生と瑞生が外で遊んでいてボールをなくしたのなくさないのでケンカをして瑞生が泣きながら帰ってきた。ちょうど琴ちゃんが薬を飲まなくて母と二人で泣いていた時だったので、思わず怒鳴ってしまう。 本当は瑞生もどこかで我慢しているのに悪いことをしてしまった。このときは母がフォローしてくれた。


エピソード3:

母は最近いろいろな役を引き受けているので、今後のこと(代役の依頼など)で電話をかけまくっていた(琴ちゃんが薬を飲んだ後)。電話をしている時は元気な声(それでも近しい人に電話をしている時は涙声になっている)で話していたが、電話をしたあとはしばらく涙ぐむ。 ”再発”は前回以上に母にショックを与えているようだ。


エピソード4:

父は大事な会議をすっぽかしてしまった。教育も迫っていてその準備もしなければならないのだが、とてもそんな気になれない・・・。(注:受講側ではなくて、教育の企画側だった。)
明日も会社へ行けるかどうか・・・。今はとりあえず行こうと思っている。琴ちゃんが朝の薬を飲むのを見届けた後に・・・・・・。

仕事なんてどうでもいいって感じだ。でも収入は・・・、生活は・・・・。


今日の薬:

オンコビン(手の甲に注射)
プレドニン(黄色い小粒の錠剤)
バクトラミン(白い大粒の錠剤)


病院へはお気に入りのポポちゃん人形を持って行った。
待ち時間に琴ちゃんと外の駐車場へ行ったり、新しくできた通路やエレベータまで散歩をしたりした。かけっこをしたりして元気そのものなのに・・・。

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