歌合戦:出場歌手 森口博子


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森口博子:平成3~8年

 昭和60年歌手デビュー。 デビュー前に博多でスクールメイツとして活動していたので、九州地方で収録された歌番組の映像にはピンボケながらもアイドルのバックで踊り狂う彼女の姿がある。

 デビュー曲は当時人気のあったテレビアニメ「機動戦士Z(ゼータ)ガンダム」の主題歌。 作曲はアメリカの往年の人気アイドル、ニール・セダカ。 当時のアニメファンかつオリコンの順位を気にしている人なら知っているかもしれないが、オリコン・シングルチャートのTOP 20に入るヒットを記録している。

 その後はヒットに恵まれず、堀越学園芸能コースなのに遅れて参加、早めに帰京が当たり前の修学旅行は全日程参加できたほど仕事がなかったらしい。

 時代が昭和から平成に移ったあたりから、歌ではなく天然ボケのキャラクターがバラエティ番組で重宝されるようになり、井森美幸、山瀬まみなどが先頭を走っていたバラドルブームの波に乗る。

 バラドルとしての仕事はなかなか歌には結びつかなかったが、平成2年に曲調もバラドル路線にした「恋はタヒチでアレアレア!」を発売。 デビュー曲以来5年ぶりにヒットチャートのTOP 50に入る。 その年の第41回歌合戦には応援ゲストとして出演。 翌年に発表されたNHKの「好きなタレント」調査ではいきなり女性タレントのTOP 5に食い込む。

 平成3年、デビュー曲以来となる「機動戦士ガンダム」シリーズの映画版主題歌「ETERNAL WIND~ほほえみは光る風の中」を歌い、これが初のTOP 10に入るヒットとなる。 決して大ヒットではないが、抜群の知名度と平尾昌晃ミュージックスクールで鍛えたそれなりの歌唱力を後ろ盾に、この年の第42回歌合戦に堂々の初出場。 アニメの舞台となった宇宙をイメージしたという衣装は当時見ても、今見ても「がんばりすぎちゃったね」と思う微妙なデザイン。
 間奏ではボリュームのある純白のドレスのスカート部分に仕込んだ電飾を淡く光らせ、銀河のように見せる演出。 このため、普段のテレビバージョンでは短くされていた間奏をカットせず、代わりにアウトロがほとんどなく尻切れトンボな印象になっているのが残念。

 その後も大ヒットには恵まれなかったが、レギュラー出演していた人気番組「夢がMORI MORI」のテーマソングを歌えるという強みを活かし、かろうじて10万枚を超えるヒットで出場を重ねる。 その縁があってか、同じく「夢がMORI MORI」にレギュラー出演していたSMAPと第43回(平成4年)、第45回(平成6年)に対戦している。 第43回はトップバッター対決で森口博子が歌い始め。 「夢がMORI MORI」と言えば、出演者の多くが名前に「森」の字を持つ人で占められていた。 そう、あの頃はSMAPにも「森」のつくメンバーがいた。 オートレーサーになるためにSMAPを脱退した森且行である。

 平成6年からはNHKの歌番組の司会を務め、もはやCDが少々売れれば歌合戦出場は安泰という地位を確立。

 当然、曲は世間に浸透していないため、第43回の「スピード」、第44回(平成5年)の「ホイッスル」はバックにダンサーがつき、衣装の早がわりも加えて、曲の知名度のなさとソロ歌手としてのパフォーマンスの地味さをカバーしている。 第44回では古巣のスクールメイツの他、当時森口博子が司会をしていた歌番組にレギュラー出演していたSUPER MONKEY'S 4(テロップは「スーパーモンキーズ」)がバックダンサーを務めていた。 SUPER MONKEY'S 4と言えば、安室奈美恵MAXのメンバー2人(NANAMINA)が在籍していたグループである。

 第45回(平成6年)は、「森口博子 with Dual Dream」名義でリリースした「Let's Go!」を歌唱。 「Micky Mouse Our Shining Star~輝くスター ミッキー・マウス~」というディズニー・リゾートのショーをそのまま持ってきただけのようなアトラクションの後、「ディズニーが大好き」と紹介されて登場している。 Dual Dreamは当時人気のあった男性2人組ユニットだったが、歌合戦には森口博子だけが登場した。 Dual Dreamと思われる歌声もあったが、森口博子のボーカル抜きのカラオケを使ったのかな。 この時の衣装が、髪からグラスからコートから中の服まで全部白。 君は紅組だよ。

 平成7年にはCMソングとなった「もっとうまく好きと言えたなら」が20万枚を突破するが、この年の第46回歌合戦では歌われず、いつも通りかろうじて10万枚を突破した「あなたといた時間」を歌う。 ステージ中央にあった大きな風船が割れると、その中から彼女が登場するという演出だったが、出てきた彼女は髪、ドレスと真っ黒。 だからあなたは紅組だと…。 もちろん紅組だから赤い衣装にしないといけない規則はない。

 売り上げが10万枚を超えるヒット曲は平成7年で途絶えたが、歌合戦には翌年の第47回(平成8年)まで出場する。 最後の歌合戦では、美川憲一の対戦相手として大がかりなセットから登場、ダンサーを従え久々の衣装早がわり、さらには歌合戦では最初で最後の「寄せて上げる」衣装を披露した。

 今のところ、彼女の歌手としての出場は6回。 歌唱時間は「スピード」が2分30秒くらい、「ホイッスル」が2分50秒くらい。 あとは3分から3分10秒くらいである。 彼女を「アイドル」という枠に入れるなら、当時のアイドルとしてはよい扱いを受けていた。

 歌合戦から姿を消した後、歌番組で彼女が歌う場面に出くわすと「あれ?こんなに下手だったっけ?」と思うことが何度かあったものの、デビューから35年を経てガンダム主題歌をカバーしたアルバムをヒットさせ、再び歌手としての森口博子が脚光を浴びた際には、ヒット曲を出していた頃と変わらぬ歌唱力に感心する声が多く聞かれた。
 そう、歌手としてまた一花咲かせたので、もう一回くらい歌合戦に出ないかな、と思っている歌手の1人である。

最終更新 2023年5月14日