第59回(2008年)雑記


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雑記
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歌合戦の感想
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かっこ内はおおよその歌唱時間です。

 見間違い、聞き違い、勘違いによる誤記や誤植もあると思いますが、発見し次第修正しますので暖かく見守っていただけるとありがたいです。

オープニング
 紅白両軍司会者と一緒に登場した大橋のぞみちゃんが、なぜかアカペラで「切手のないおくりもの」の一節を披露してからコーラス隊の合唱へ。

Mirrorcle World/浜崎あゆみ(10) [3:34]
 歌合戦で久々に歌うアップテンポなナンバー。 第55回(2004年、平成16年)「Moments」以来の早がわりあり。 手首の大けが報道に仮病説といろいろあったけど、ごく普通のステージ。 いや、今までの歌合戦でのパフォーマンスと比べると、ねじが1本外れたくらいの激しさ。
 彼女はこの年からしばらく紅組のトップバッターを務めることになります。

君は薔薇より美しい/布施明(24) [2:35]
 前回(2007年)も歌ってたね。 前回との違いは、アレンジに若干ジャズっぽさが加わったところだろうか。 いや、前回もアレンジがジャジーになったと書いていたっけ。 気のせいかもしれないけど、キーが下がってる? それでも、高音は相変わらず高いし、声を伸ばしてもいつまでも声量が落ちない肺活量はさすが。
 今後、この曲を歌うなら、テンポが早くてもいいから、2コーラス歌ってほしい。 でもそれよりは他の曲を歌ってー。

偶然の確率/GIRL NEXT DOOR(初) [1:53]
 大橋のぞみも加わったPerfumeが曲紹介に参加。 でも「4人合わせてパフュームです」の後にガルネクの応援まで言う予定が、仲間由紀恵はさっさと進行してしまう。
 ボーカルの千紗がダンサー出身という説明があっても、ダンスを前面に押し出した曲じゃないし、大きな旗の後ろに隠れて登場、という演出も、曲紹介のときに本人がテレビに映っているから、髪型や衣装に意外性がないし、大人数のダンサーがバックを固めている割には印象が薄いし、ちょっとずつ残念な感じ。
 そして、歌唱時間が短かかったね。 昔なら、普通のテレビ番組では1コーラスしか歌えない新人であっても、歌合戦では少し長めに時間をもらっていたのに。 扱いの差が激しい「FNS歌謡祭」みたい。
 次回はもっと長い時間歌えるといいね。

さそり座の女 2008/美川憲一(25) [2:30]
 3年連続の歌唱。 2年前はオペラバージョン、昨年はパラパラバージョン、そして今年はアゲアゲバージョンと称したサンババージョン。
 曲前の応援にIKKO(会場の雰囲気そっちのけのテンションの高さ)、曲中の応援には、はるな愛が登場。 この年も桃色に近い趣向で、曲の後に白組司会の中居正広が「まさかの白組」と言って笑いを誘っていました。

ゲスト審査員紹介
 北京オリンピックで活躍した方が3名。

髭男爵登場
 今が旬の髭男爵のおなじみの芸に対して、白組司会の中居正広が「来年はもういないかもね」とチクリと口撃。

京都二年坂/伍代夏子(15) [2:33]
 京都にちなんで、京都と島根を舞台にした朝の連続テレビ小説「だんだん」主演の三倉茉奈・佳奈が花柳糸之社中とともにバックに登場。 夏子よりも茉奈佳奈のアップを抜く回数の方が多く感じたのは気のせいか。
 かつて、紅組トリの前で歌ったこともある、夏子くらいのキャリアと出場回数を持つ人が、このような位置で、2コーラスより短い歌唱となるのはどうなんだろう。
 またヒット曲を出して、番組後半に登場して欲しい。

希望の詩(うた)/北山たけし(4) [2:23]
 この年の12月、出場歌手の発表後に作曲家の遠藤実が死去。 ゆかりの歌手を特別に出場させることはできないからどうなるかと思ったら、偶然にもたけしが遠藤実作品を歌っていた。 よって、ここで遠藤実追悼。
 曲前はに遠藤実作品を歌った北島三郎小林幸子がエピソードを披露。 その他、紅白両軍の演歌歌手(伍代夏子中村美律子天童よしみ森進一五木ひろし石川さゆり前川清坂本冬美。 みんな遠藤実作品を歌った人達?)がバックに付く演出で、予想外にスポットライトが当たったたけし
 今後歌合戦に出場しても「この人は北島音楽事務所枠ね」と言われないよう、更なる活躍を。

宮崎アニメの音楽メドレー [5:10]
 次の曲に先駆け、宮崎アニメの音楽を数多く手がけた久石譲のテーマ音楽が披露されました。 「となりのトトロ」から「さんぽ」(羞恥心Pabo)~「風のとおり道」(久石譲のピアノ)~「天空の城ラピュタ」から「君をのせて」(平原綾香青山テルマ吉岡聖恵
 「君をのせて」はオリジナルよりも高いキー。 聴かせどころとなるサビはあり得ないくらいの高い音になり、吉岡聖恵は全部オクターブ下げて野太いボーカル、青山テルマは前半オクターブ下げて、後半は下げずに歌唱。 平原綾香なら、オクターブ下げずにファルセットで歌いきったんじゃないかと思うが、平原綾香は別パート担当。 ちょっと残念。それならオリジナルの井上あずみを招いてください。

崖の上のポニョ/藤岡藤巻と大橋のぞみ(初) [2:48]
 オーケストラとコーラスをバックに歌うという贅沢な演出。 藤岡藤巻のどっちかが体調不良で活動を自粛している間に、国内では最後のパフォーマンス。

ブルーマン・グループのパフォーマンス
 一瞬で終わりました。 ポニョ関係の人がステージからはける間のつなぎでしかないのでしょうが、翌年日本公演を行う彼らとしては、この程度の扱いでもよかったのでしょうか。 一時期の細川たかし前川清あたりが2時間かけてメイクして曲紹介に登場し、10秒ほどで登場シーンおしまい、というシーンを思い出しました。

Purple Line~どうして君を好きになってしまったんだろう?/東方神起(初) [2:32]
 前年まで出場していたBoAがアメリカ進出へ向けて日本での活動を控えたためか、彼女のポジションを引き継ぐ形で韓国からの人気歌手の登場。 この頃は、まだ「K-POP」なんて言葉はあまり使われていなかったね。
 紅白応援隊でもあり、「MUSIC JAPAN」ナビゲーターとして何度も彼らと共演している関根麻里が登場し、メンバーひとりひとりが自己紹介するという時間のかけよう。 アップテンポで、バックダンサーもついた「Purple Line」は一瞬で終わり、メインはバラードの「どうして君を好きになってしまったんだろう?」。
 東方神起の歌と聞かれても即答できないが、聴いてみると「どこかで聴いた」という2曲。

輪島朝市/水森かおり(6) [2:42]
 彼女の代表曲である「鳥取砂丘」を手がけた作詞家の木下龍太郎がこの年亡くなったことを曲前で話したこともあり、涙を一筋流してからの歌唱。
 この年一番売れた女性演歌だというのに、また前半戦の登場だし、2コーラス歌えてないよ。 もっと扱いをよくしなさい、NHK。

虹/Aqua Timez(2) [2:23]
 2年ぶりの出場。 ドラマ「ごくせん」主題歌ということで、「ごくせん」でヤンクミを演じた紅組司会の仲間由紀恵とWaTが曲紹介に参加。 の方は「ごくせん」に生徒役で出演していたのは有名な話だけど、の方も出演経験があるらしい。 でも仲間由紀恵の記憶にはない、というオチ(台本)。 曲紹介の後、間髪入れないタイミングで歌がスタート。
 アウトロがまったくなかったのでやや尻切れトンボぎみ。

home/木山裕策(初) [2:51]
 客席にご家族(きれいな奥様と、お父さん似な4人の子供)。
 舞台上にはバックコーラスも務めると思われるギターを引く人が一人いるだけであとはライトのみの演出。
 曲の後に白組司会の中居正広が、「拍手が一番多かったのではないでしょうか」とコメント。

愛のままで…/秋元順子(初) [2:53]
 当時としては歌合戦史上最年長となる61歳での歌合戦初出場。 個人的には後半戦での出演がよかった。
歌手デビューを後押ししたという娘さんからの手紙をゴローちゃんが朗読。
 もともとロングセールスを記録していたこの曲、歌合戦出場が決まった年末にオリコンシングルチャートにTOP10入りし、年明けに1位を獲得。 オリコンシングルチャートにおける、最年長1位記録らしいです。
 曲は、サビが大橋純子の「シルエット・ロマンス」に似てるんじゃないの?とか、その「シルエット・ロマンス」のベースになったとされるBarbra Streisandの"Woman in Love"に似てるんじゃないの?と言われますが、メロディーそっくりというわけではありません。

LIFE/キマグレン(初) [2:37]
 ダンサーに囲まれての歌唱。 GIRL NEXT DOOR同様、日本レコード大賞の新人賞を受賞して歌合戦に初出場。
 CMでよく聴いた曲。 でも新人(2008年メジャーデビュー)でよく出場できたね、というのが正直な感想。
 あと、個人的に残念だったのが演出。 キマグレンの周りを若者(ダンサー)が取り囲んでいたんだけど、自然にリズム取るならいいけど、変な振りがつくし、広いステージのわりにダンサーの数が少なくて、逆にこじんまりとした印象になっていました。

SAKURA/いきものがかり(初) [2:38]
 前年に発売されたデビュー曲を歌唱。
 初出場が決まってのエピソードを一人一人に聞く時間のかけかた。 その代わり、曲は短め? サポートバンドに弦楽器がつくアレンジ。
 今は歌詞に「小田急線」なんて入っても歌えるんですな。 34年前なら「私鉄」だったんだろうか、と考える私はおっさん。
 このグループ、翌年以降紅組ポップス歌手として重要なポジションを築いていきます。

飛行船からの中継
 六本木上空から見た東京タワーの映像。 昨年も東京タワーからの中継があったし、東京タワー好きね。

東京砂漠/前川清(29) [3:02]
 飛行船に乗っている小野文惠アナウンサーの曲紹介。
 なんやかんや言って、3年連続のクール・ファイブとの共演。 白組司会の中居正広も「もう再結成はない、とおっしゃっていたんですけど、また再結成してくださいました」とチクリ。 ナイス。

NHK506スタジオからの中継
 歌合戦で伴奏(「はんそう」じゃなくて、「ばんそう」です。中居さん)を担当している三原綱木とニューブリードが演奏しているNHK506スタジオへ香取君が取材。

二輪草/川中美幸(21) [2:56]
 珍しく髪を下ろしている。
 この年「木曽川しぐれ」というヒット曲がありながら、なつメロ(もちろん、「木曽川しぐれ」と比べたら、断然の大ヒットですが)を披露。 ヒットして歌合戦に返り咲いた第49回(1998年、平成10年)、紅組トップバッターを務めた第56回(2005年、平成17年)に続いて3回目の歌唱。 ヒット当時の歌合戦では短くカットされた間奏やアウトロが長め。 そして花柳糸之社中のダンサーが大挙して踊る豪勢な演出。
 最後には社中の人達の着物の色で人文字のように二輪草を表現。

「島唄~ブラジル移民100周年 紅白スペシャル・バージョン/宮沢和史 in ガンガ・ズンバ&ザ・ブーム [3:55]
 ブラジルからの中継を交えて。
 「足跡のない道」と「島唄」のメドレー。 「島唄」は歌合戦で3回目の歌唱。 歌合戦に初出場した第44回(1993年、平成5年)は歌詞がウチナーグチバージョン、第53回(2002年、平成14年)はアルゼンチンの芸人とのジョイント、そして今回はブラジルからの中継。 沖縄を飛び出して世界各国に広まっているスタンダートナンバーへ。

紅い糸/藤あや子(16) [2:37]
 紅白応援隊の一員であるテリー伊藤が藤あや子の大ファンというテリーの兄の等身大パネルとともに曲紹介。
 やはりあや子、前半戦の歌唱でも他の歌手との違いを見せつける演出と歌唱。 大衆演劇の星、早乙女太一(2年連続の出演)と橘大五郎の舞いがついたよ。 同じ年に流行ったのケータイ小説「赤い糸」とは違う、深くどろどろした「紅い糸」を想像してしまった。
 彼女は、昔で言うところの青江三奈のような、お色気枠なんやろうな。

36℃/WaT(4) [2:53]
 世界のナベアツが曲紹介に登場。
 演出はシンプルにライトのみ。
 歌い出しを聴いて「もう少し、お歌が上手くならんかな。」と思ったけど、今の歌合戦では数少ないハーモニーありの歌唱ができるユニットの一組。
 歌唱時間も、これまでの出場で一番長くなりました。

ステージ裏からの中継
 巨大スクリーンを使っているので、例年よりもセットの数が少なくて環境にやさしいらしい(「飛行船は環境に冷たくない?」というつっこみ多数)。
 なぜかさかなクンが屋台を出して、羞恥心Paboに寿司を振る舞っている。 このシーンは、リアルな舞台裏ではなく、「歌合戦の舞台裏に潜入」という企画のためだけのネタなんやろな。

河内おとこ節/中村美律子(13) [2:43]
 白組のTOKIOジェロ、そして世界のナベアツが声援と踊りで参加。
 こいつは、とりあえずこの曲だけ歌えばいいと思っているらしい。 やけに女性の歓声が大きいと思ったら、仕込みの女性ダンサーの声。 映像によるかに道楽の大きなカニ、くいだおれ人形の応援も加わり、本人が小さい。

ゲスト審査員とのトーク
 姜尚中と。 淡々と。

ギフト/ポルノグラフィティ(7) [2:49]
 同じ広島県出身ということで、紅組のPerfumeが曲紹介。
 出場回数の割に、あっさりしたパフォーマンスと地味な演出のグループ。 今回もあまり記憶に残らず。

愛/大塚愛(5) [2:46]
 やはり、スローナンバーだと前半戦終盤での登場。 バンドと弦楽団がバックを固める落ち着いた演出。
 シングル曲ではなく、アルバム「LOVE LETTER」収録曲。 でも年末にテレビCMで年末によく流れていた曲。
 前年は、なんでそこまで歌詞がわからないような歌い方をするかな、と思ったけど、今年はやや聞き取りやすく。

ゲスト審査員とのトーク
 吉田沙保里と。 次に登場する歌手と同じ、三重県出身なんだそうだ。

いつか離れる日が来ても/平井堅(6) [3:41]
 舞台上には弦楽器を演奏する人のみ、その代わり、客席の観客に白いペンライトを振らせてスケール感を出す演出。
 おそらくはオーダーメイドで高いんだろうけど、金がかかってないような衣装を着るね、この人。 そして、出演する場所は年によって前後するけど、長めの歌唱時間を確保する歌手。

ゲスト審査員とのトーク
 ゲスト審査員席の上野由紀子投手と。 坂本冬美も中学・高校とソフトボール部だったということで、着物姿の冬美が上野由岐子投手からボールを投げてもらう趣向あり。

風に立つ/坂本冬美(20) [3:02]
 前回に引き続き、紅組前半戦のトリ。
 演出は風をイメージした青い照明のみ。 間奏で北京オリンピックの女子ソフトボール優勝シーンも。

久石譲が再び登場
 紅白両軍司会者が主演した映画の音楽を手がけたんだね。 久石譲のピアノをバックに、中居正広と仲間由紀恵が平和へのメッセージを伝えて、前半戦の大トリへ。

千の風になって/秋川雅史(3) [3:18]
 初出場から3年連続で同じ曲の歌唱。 前半戦登場は初めて。 「当日にリハーサルするのは初めて」と本番前にコメント。 そうなのよ、前半戦に登場する歌手の中には、カメラリハーサルが当日になる人もいるのよ。 クラシック歌手にとっては、こんなタイトスケジュールありえんのやろうか。
 過去2回と違うのは、今回はコーラス隊との共演だったこと。 そして、少し歌唱時間が短かったこと?

【SAVE THE FUTURE】エンヤ「オリノコ・フロウ~ありふれた奇跡」 [4:10]
 前年はゲスト審査員を務めた藤原紀香が登場。 そうか、NHKの「SAVE THE FUTURE」のパーソナリティなのか。
 エンヤ本人はアイルランドからの中継。 パフォーマンスは生放送ではないように思っていたけど、「オリノコ・フロウ」がフェイド・アウトしてカメラも建物の外から引きの映像になったときに、建物内のカメラマンが大急ぎで移動していたので、生演奏や生歌ではなかっただけかな

審査の中間発表
 いつもどおり白組優勢。

ポリリズム/Perfume(初) [2:57]
 後半戦トップ。 前半戦で既に2回も曲紹介に参加。
 紅組司会の仲間由紀恵が「昨年(2007年)発表した『ポリリズム』が大ヒット」と説明していたけど、だったら2007年に出場させろと。
 いつも通りではあるが、伴奏(つまりはダンスの)時間が長い構成。
 歌合戦は歌唱時間が短いので、「ひょっとして歌はワンフレーズであとはずっとダンスという大胆な構成?」という不安もよぎったものの、3分近い歌唱時間。
 2007年発売の曲ながら、年明けのチャートに返り咲き。

海雪/ジェロ(初) [2:32]
 日本レコード大賞で最優秀新人賞を受賞曲ながら、そんなことには触れられないのが最近の歌合戦。
 母親が観客席に。 演歌を志すきっかけとなった亡き祖母の姿は衣装に。
 パフォーマンスはよくNHKの歌番組で見かけたダンサーがつかないバージョン。 アウトロがカットされてたかな。

White Love(ReTrack)/SPEED(4) [3:33]
 解散を翌年に控えた第50回(1999年、平成11年)以来9年ぶりの歌合戦。 前回の出場時はみんな10代でしたが、今はみんな20代。 今井絵里子はシングル・マザーに。
 パフォーマンスの方は、初出場の第48回(1997年、平成9年)と同じ、2番をカットしたバージョン。 前回はカットされた2番の後の間奏はカットされず。 さらには曲の前にはSPEEDを紹介する映像、曲の後にはメンバーのメッセージもあり、第50回に次ぐ長い持ち時間。
 邪推なんですけど、NHKとしては、まずこの年シングル「60s 70s 80s」やベストアルバム「BEST FICTION」が1位となった安室奈美恵に出場をもちかけたけど断られ、同じ事務所の彼女たちが本格的に再結成ってことで、返り咲きとなったのかなー、なんて思ったり。

ゲスト審査員とのトーク
 堀北真希と。 SPEEDのファンなんだって。

雨傘/TOKIO(15) [2:28]
 ここ数年、有名ミュージシャンの作品を歌合戦で歌っており、この年は椎名林檎の作品。
 大ヒットが出なくてバックで踊るジュニアや衣装・演出の方に注目が集まってしまった不遇の時期を過ぎ、最近は変な演出なしでシンプルに聴かせるステージが定着。
 今回のメンバーの衣装は19世紀イギリスあたりのレトロなイメージ。 曲とつながりがあったのだろうか。 そしてリーダーの残念な写真はいつまで使われるのだろう。

そばにいるね/青山テルマ feat. SoulJa(初) [2:31]
 白組から出場するPaboが「テルマー・ファッション」の説明。 遅れて天童よしみも登場するが、中居正広曰く「天童さんは何着ても天童さんです。」
 ご本人も、もちろんお馴染みの(コート着てないけど)「テルマー・ファッション」
 出場歌手発表時は青山テルマだけ。 でも、当然のようにSouljaとの共演。
 間奏がカットされて、延々とサビを繰り替えしていた印象。 上半期もっとも売れた曲だから、もう少し長くてもよかったのに。

ゲスト審査員とのトーク
 ゲスト審査員席の本木雅弘と。 白組司会の中居正広が「シブがき隊の再結成は100%ないかもね?」と聞いて、本木が恥ずかしそうに振りつきで「SOかもね」と返していました。

カリフォルニア・コネクション/水谷豊(初) [2:44]
 22年ぶりの音楽活動で、意外にも歌合戦初出場。 さらには夫婦(奥方は元キャンディーズ伊藤蘭)で別々に歌合戦出場を果たすという珍しい記録を樹立。
 バックバンドを従えて、いつも通りのドキドキする不安定な(そこが彼の個性!)ボーカルで。 前年の寺尾聰あみんは、ヒット当時の歌合戦で披露したバージョンより長めの歌唱時間でしたが、この方は当時の歌番組での歌唱時間とほぼ同じ時間? 1ハーフだったので、そうなのかも、と思いました。

ラジオ席からの中継
 テリー伊藤が担当。

おかえり/絢香(3) [2:47]
 今回は前回のようなコブクロとの共演はなし。
 バンドと弦楽器に、綺麗なセットがついて落ち着いた演出。 彼女の衣装は…、風船の着ぐるみを着ていたんだけど、空気が抜けて萎んじゃいました、みたいな。 風船太郎をモチーフにしました、みたいな。

レイニーブルー/徳永英明(3) [2:48]
 セットと照明だけのシンプルな演出。
 昭和62年の初ヒット「輝きながら・・・」よりも前、昭和61年のデビュー曲。
当時、たまたまデビュー当時の彼が歌う姿をテレビで見た者としては、この曲を歌合戦で聴けるなんて、感慨深い。 他の出場歌手も、同じ曲を何回も披露するのではなく、歌合戦初披露の曲にしてくれたらいいのに。 そういや、アッコさんもだいぶ前に歌合戦でデビュー曲を披露してたね。

TABOO/倖田來未(4) [2:28]
 セクスィー部長色香恋次郎に扮した紅白応援隊の沢村一樹が紅組出場歌手と中居正広をメロメロに(仲間由紀恵は動じず)。
 倖田來未は相変わらずのファッションセンス。 海外の自称『日本食レストラン』みたい。 言い換えるなら、「和服を下品に(いい意味で!)アレンジしてみました」という感じ。 個人的に、こういうの大好き。
 初出場から後半戦での出場が定着していますが、歌唱時間という点では、意外と扱いの軽い倖田

凍て鶴/五木ひろし(38) [3:24]
 現在闘病中というこの曲の作曲家三木たかしからのメッセージを白組司会の中居正広が朗読。
 ドライアイスと照明、そしてコーラスだけのシンプルな演出。 五木っぽい。 五木にはこれで十分。
 いつもより早い出番だけど、重厚なコーラスとアウトロで「実質トリ」みたいな扱い。
 そういえば、この年は、やたらシングルを出してたね、五木℃u-teがカバーしたやつとか。
 この「凍て鶴」、本来はNHKもこの年の歌合戦で五木ひろしに何を歌ってもらうか決めていたであろう時期の発売。 でも、「おそらく三木たかしは来年の歌合戦まで持たない」という話を聞いて、この年の歌合戦で歌唱できるようかけあったなんて話があります。

手紙~拝啓 十五の君へ~/アンジェラ・アキ(3) [3:38]
 今年の合唱コンクールでたくさんの中学生に歌われたというこの曲、草彅剛が歌詞の一部を朗読し、アンジェラはそれ以降の歌詞を歌唱。
 中学生の写真をバックに、ピアノの弾き語りで「アンジェラここにあり!」というパフォーマンス。 この方も例年衣装はシンプルだね。
 シングルヒットが少ない彼女には珍しく、年明けのチャートでTOP10に返り咲き。

生きてることが辛いなら/森山直太朗(3) [3:53]
 「生きてることが辛いなら いっそ小さく死ねばいい」という歌詞が話題となった曲。
 本人のギターの弾き語りによる歌唱。

ゲスト審査員とのトーク
 フェンシングの太田雄貴。 最近母親(会場に来ていました)からハグされそうになって、回避したなんて話題を披露して、次の曲へつなぎます。

KissHug/aiko(7) [2:54]
 相変わらずかわいらしい。 番組も後半戦の中盤、昔の歌合戦なら彼女のような歌手は登場しなかったような位置に定着。 歌唱時間は同じ時間帯の歌手と比べると短いときもあるけど、毎年新曲を披露する貴重な歌手。

羞恥心~陽は、また昇る 紅白スペシャル/羞恥心(初) with Pabo(初) [4:29]
 このグループは、「意外と後ろの位置で登場したね」という印象。 てっきり、後半戦のトップバッターあたりかと。
 ちょっとカットされた「羞恥心」1番と、「陽は、また昇る」、そして最後に「羞恥心」に戻るメドレー。 「陽は、また昇る」は、正確にはアラジンというグループ名(メンバーは羞恥心Paboの6人)でリリースし曲ですが、歌手名「アラジン」だと、羞恥心と結びつかない視聴者がたくさんいそうなので、羞恥心Paboに分けたみたい。
 なお、ネットでは一時期Paboは歌合戦史上初めて、女性(メンバーのみから構成されたグループ)でありながら白組から出場した初めての歌手、という記述もありましたが、NHKの記録としては、第41回(1990年、平成2年)に久保田利伸とデュエットしたアリスン・ウィリアムズも女性でありながら白組からソロで出場したことになっています。
 ヘキサゴンファミリー(歌合戦出場経験のある波田陽区、過去にもゲストとして出演経験のあるダンディー坂野やアンガールズ、そしてフジテレビのアナウンサー)なども入り乱れてのステージ。
 パフォーマンス後、白組司会の中居正広が応援を軽くあしらっていました。

時の足音/コブクロ(4) [4:02]
 結成10周年だとか。 バンドと弦楽器(この年の演出はこれが多いな)というシンプルな演出。
 そして歌合戦としては長い歌唱時間。

ノクターン/平原綾香(5) [2:30]
 ここで、俳優・緒方拳追悼。
映画「武士の一分」で共演したという木村拓哉が共演時のエピソードを披露。
 平原綾香は、出場歌手発表時は「歌合戦で歌うようなヒット曲あったっけ(ドラマ主題歌の「ノクターン」は話題にはなってるけどヒットしてないし)、と思ったが、年末のチャートでこの曲がTOP10入り。 ぎりぎり「ヒット曲を歌合戦で披露」という形に。 そして年明けのチャートでさらに上昇。 大ヒット「Jupier」、「明日」に続いて3作目の10万枚突破。
 「『Jupiter』だけの女」ではなくなったかもしれないが、「クラシックに歌詞をつけて歌う女」というイメージがさらに強くなった綾香
 歌合戦の振り付け師としておなじみの南流石が暗い曲調のバックでソロのダンスを披露。 喪服のような黒いドレスで追悼の意味を込めたダンスなんだろうが、表情が豊かで、追悼なんだかよくわからない。

Ti Amo/EXILE(4) [3:35]
 カウントダウンライブをやっていた、札幌ドームからの中継。
 この年の日本レコード大賞受賞グループであり、大賞受賞曲ですが、そんなことは歌合戦では触れられず。 レコード大賞受賞はずっと前から決まっていた、なんて話も聞かれたけど、この曲は普通にええ曲だと思うし、この年のCD売上を見れば、受賞しても不思議はないのでは。

楼蘭/小林幸子(30) [2:56]
 直前のEXILEの中継が予定時間をオーバーしたようで、走りぎみの進行。 曲紹介に参加しながらあまり話せなかった東方神起幸子の衣装を本当に楽しみにしていたのでしょうか。
 今回の装置のテーマは「砂漠に現れたオアシス」と、珍しく曲のイメージに沿っています。
 でもね、例年趣向を凝らして、まったく同じ演出ではないということはわかるんだけど、視聴者の大半は前年との違いなんて関心ないのでは。 「途中で大きくなって、うしろにいろいろ出てくるやつ」と、飽きられてないかなあ。

綾小路きみまろが新宿コマ劇場から中継
 「最後の公演が終わり…」と話していたけど、つまりは歌合戦前半の裏番組にあたる「年忘れにっぽんの歌」のこと。 サブの銅像があったんだ。 知らなかった。

北の漁場/北島三郎(45) [3:35]
 進行が遅れていて、予定よりも早くイントロが始まったのか、サブがアドリブでしゃべり始めたのか、きみまろの曲紹介とサブのしゃべりがかぶりまくり。
 漁船の上という演出で、なぜかSMAPが同乗。
 歌唱曲は、出場歌手として選ばれながら辞退した第37回(1986年、昭和61年)に歌う予定であったであろうヒット曲。 歌合戦初披露。 「船の上でお口をパクパクしていた」という声も。

ゲスト審査員とのトーク
 松坂慶子と。 ドライアイスが審査員席にまで広がっていた。

飛行船からの中継
 新宿上空。

はじめて/一青窈(5) [3:08]
 会場の照明を消して、ろうそくの火による灯りをスーパーハープカメラ(超高感度カメラ)で撮影。 ピアノとギターと弦楽器とコーラスという演出。
 まさかとは思いますが、ミスチルとのバーター出場?

ゲスト審査員とのトーク
 ゲスト審査員席の高橋尚子と。 あれ?隣の人がいない。 トイレか? 誰だっけ。

ORION/中島美嘉(7) [2:56]
 大型スクリーン一面の星空を写し出し、客席もペンライトで360度プラネタリウム状態。
 若手ポップス歌手でありながら、23時前後の出演が多い女。

GIFT/Mr.Children(初) [6:23]
 NHKホールのステージでのパフォーマンスかと期待していたら、スタジオからの中継。 ミスチルを演奏者、人が囲み、さらにそして周囲を白いスクリーンで覆って、北京オリンピックの名場面など様々な映像を映すという「これでもか」の特別待遇。 のちにソロで出場するナオト・インティライミもサポートメンバーとして参加していたようです。
 幸子と似ているようで似ていない「これでもか」というNHKの力の入れ具合。 これだけ大きな演出はスタジオじゃないとできないね。
 なぜか、審査員の中から太田選手だけがこのスタジオに。 そうか、審査員席のQチャンの隣はこいつだったか。

天城越え/石川さゆり(31) [3:54]
 さゆり、またこの曲? と思ってしまうが、この年は大リーグのシアトル・マリナーズのイチロー選手が2008年のシーズンでバッターボックスに入るときのテーマ曲に使っていた、というエピソードがありました。
 テーマ曲の演奏をしたマーティ・フリードマンのギター演奏から曲に入り、ロック色の強いアレンジ。 さらに間奏でイチロー選手の映像が入り、若干テンポも速めで、いつになくスピード感のある天城越え。
 今回もさゆりの魂は天城を越えていった模様。
 しかし、後からわかることですが、前年の「津軽海峡・冬景色」から、「津軽海峡・冬景色」と「天城越え」を交互に歌うという無限ループに入っていました。

この瞬間(とき)、きっと夢じゃない 紅白SP/SMAP(16) [4:26]
 相変わらず、曲はいいんだけど、歌が・・・。 ソロのパートになると歌声に力がなくなり、音程も不安定に。 今年も中居君はイヤーフォンをせず。 他のメンバーはやってたね。

道頓堀人情/天童よしみ(13) [3:07]
 この年、ヒット曲「幸せはすぐそこに…」があったのに、なつメロですか。 デビューしてからこの曲がヒットするまでの低迷期、はげましてくれたお父さんが今年亡くなったことにちなんでの選曲っぽいです。
 そんなしんみりしそうなエピソードを吹き飛ばす衣装。 なんですか、あれは。 こいのぼりか、女子プロレスの入場衣装か。

おふくろさん/森進一(41) [3:42]
 意外に早く、歌合戦で再びこの曲を披露する日がやってきました。 勝手に歌詞を加えられたと激怒した作詞家の川内康範がこの年亡くなり、ご遺族との話し合いの結果、「オリジナルの歌詞でなら歌ってよし」となったそうで、先生が激怒した冒頭の歌詞はカット。 その代わり3コーラス。

夢/和田アキ子(32) [4:08]
 アカペラからスタート。
 おばちゃん、渾身の熱唱。
 おそらく舞台裏にコーラス隊がいるだろうに、ステージには出てこないんだね。 彼女がトリの時、バックコーラスがつくようなスケールの大きな曲が多いけど、実際に舞台上にコーラス隊が出てきたのは第46回(1995年、平成7年)くらい?
 巷の話題は近くで応援していたさゆりの衣装に集中。 丑年にちなんだ牛柄のドレスって…。

きよしのズンドコ節/氷川きよし(9) [2:38]
 初のトリにして大トリ。 30代での大トリは、白組では第34回(1983年、昭和58年)の細川たかし以来らしいです。
 本人によれば、デビューから2年は股旅ものの曲で、この曲でイメージチェンジを図った、「氷川きよしの第2のデビュー曲」なんだそうで。
 涙をこらえながらの歌唱。 アウトロと、大エンディングがスムーズじゃなくて二つに分かれちゃってたね。
 2コーラス歌いながらも、歌唱時間は和田アキ子よりだいぶ短い。 それを打ち消すかのように、へんてこなダンサーがたくさんいたね。

エンディング
 審査結果はいつも通り白組の勝利。
 「蛍の光」の指揮をしたのは前回と同じく平尾昌晃


司会
 今回のお二人の司会は安心して見ることができました。 若手(中居正広は30代後半だけど)に司会をさせるなら、この二人に勝る人選はないのかも。

進行
 前回同様、出場歌手によるやる気のない余興がほとんどない、すっきりした進行でした。 満足。

歌唱順
 白組はトリに氷川きよしを置く点で冒険。 紅組は、比較的若いポップス歌手が後半にひしめく点で冒険。 でも、ヒットとは無関係な順番っぽい。 売り上げ順にする必要はないけど、出場回数が多い歌手が大きなヒットを出したら、番組後半で歌わせて欲しい。
 そして、やっぱり今回も大トリは白組。 なんとかならんか。

選曲
 特に理由もなく2年も3年も同じ歌を歌うとか、歌合戦で5回も6回も同じ歌を歌うのは禁じ手にして欲しい。
 徳永英明のデビュー曲披露みたいに、意表を突いた選曲は大歓迎。

歌唱時間
 前回よりは出場歌手が少なかった分、一組あたりの歌唱時間は若干長めだったのかな。 それでも意外と長くなってない印象。
 複数の歌手で一枠でもない、独立した一組の歌手で歌唱時間が2分を切ったグループがいたのはびっくらこいたよ。 一曲が短い1960年代、70年代ならともかく、フルコーラスなら5分を超えるような曲を2分未満のバージョンで歌わせるって、どういうこと?

審査方法
 デジタル放送やケータイからの審査を導入してから、視聴者の審査は大差で白組優勢となることがほとんど。 年によっては視聴者の審査結果の比重を軽くした年もありますが、会場もゲスト審査員もすべて等しく1票とすると、紅組には永久に勝利は来ないのでは。 3戦3敗の仲間由紀恵も「あたしのせいじゃないよ。 誰が司会やったって、紅組勝てないよ。」と思っていたことでしょう。
 今回、投票が終わってから集計の間に、歌われた54曲をちょっとずつ振り返っていましたが、これって大トリのイメージが強く残る審査員に大トリ以外の歌手のパフォーマンスを思い出してもらうためにも、投票の前にやった方がよくないですか?
 視聴者投票を集計するまでに時間がかかるから場持たせを、という理由で映像を入れたんだろうなと思うけど、それよりも視聴者のことを考えたって。

全体として
 とりたてて突っ込むところもないけど、後から「ここがよかった」と言えるところもないような及第点の回という感じ。