第47回(1996年)雑記


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雑記
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かっこ内はおおよその歌唱時間です。

 見間違い、聞き違い、勘違いによる誤記や誤植もあると思いますが、発見し次第修正しますので暖かく見守っていただけるとありがたいです。

オープニング
 ステージ上に球状の大きなセットがあって、それが開くと、中から出場歌手が登場。 紅組の司会は歌合戦史上最年少(19歳)の松たか子。 白組の司会は3年連続の古舘伊知郎。 共に、大きな球状のセットに中に乗っていました。 総合司会の草野満代、宮本隆治(共に当時NHKアナウンサー)は普通にステージ脇から登場。

ガッツだぜ!!/ウルフルズ(初) [3:24]
 この頃の紅白は、台本上前年優勝したチームが先攻・後攻を決められることになっていて、白組司会の古舘伊知郎が白組先攻を選択してスタート。 もちろん台本があるので、古舘伊知郎が「白組先攻で」と言う前にステージの奥の方で演奏の準備始まっているんですけど。
 2コーラス歌って、ボーカルのトータス松本が倒れ、白組歌手が「ガッツだぜ」コールを続け、シャ乱Qたいせいが人工呼吸を試みるシーン(これはアドリブ?)があって、見事復活するというミュージックビデオのような展開。

そばかす/JUDY AND MARY(初) [2:57]
 ボーカルのYUKIは和服の生地を大胆に洋装にアレンジした衣装。 「歌合戦の衣装については、予算の上限なし」だったとか。 楽屋で女性歌手から「あらかわいい衣装ねー」と『チクチク言われた』そうです。 メイクにも和風な要素が入ってます。
 「そばかす」はこの年のミリオンセラー。 前年も「Over Drive」という60万枚を超える大ヒットがあったので、初出場が1年遅れたかな、という感じ。
 普通のテレビバージョンは3分を少し超えるくらいでしたが、歌合戦ではアウトロを途中でカットして3分弱となりました。

大人になれば/小沢健二(2) [3:14]
 曲の前に、友人というサッカーの前園真聖選手が応援に登場。 共通点は家は近所ということらしいです。
 本来はゆっくりした曲なのですが、「なんか速いぞ」とはっきりと分かるテンポ。 バックにドラムとピアノとストリングスがつく贅沢な伴奏だったのにもったいない。

夢見る少女じゃいられない/相川七瀬(初) [2:37]
 前年11月にデビューしたため、新人として初出場。 この年、秋に早くも「恋心」というミリオンセラーを出しましたが、歌合戦ではデビューヒットとなるこの曲を披露。
 通常2コーラスのところを1ハーフになる、典型的な歌合戦向けのショートバージョン。

ゲスト審査員紹介
 総合司会の宮本隆治と草野満代が紹介。 スポーツ選手、人気女優、NHKのドラマ関連、活躍する女性(女流棋士)など、一般的なメンツ。

ウルトラ兄弟登場
 まずは怪獣が登場し、その後ウルトラ兄弟が5人登場し、怪獣を蹴散らした後、ステージのスクリーンに向かって光線を放つと「TOKIO」の文字。 だから5人しか出なかったのね。

ありがとう…勇気/TOKIO(3) [3:00]
 久保田利伸作曲。
 前年、グループサウンズっぽい「うわさのキッス」をリリースしてヒットさせましたが、その路線は続けずに普通のバンド・サウンドに戻りました。
 そして、この年は光GENJIが歌合戦から姿を消したため、ジャニーズJr.が踊りに来るのはこのグループしかありません。 よく見ると、後にとして出場するニノっぽい少年の姿も…。

女の漁歌/門倉有希(初) [2:42]
 NHK新人歌謡コンテストでグランプリを獲得し、この年いち早く歌合戦初出場を決めた人。
 もともと、デビュー時から数年後には実力で歌合戦に出場できそうなポテンシャルは持っていたのですが、一時期表舞台から遠ざかり、NHK新人歌謡コンテストの力を借りての初出場となりました。 当然のように、ぶっちぎりの高得点での優勝だったため、ちょっとそれは反則では…という印象も。
 いわゆる世間の支持を集めての出場ではないため、歌唱時間は短めでこの頃の演歌としては珍しかった1ハーフ(でも、2分40秒くらいなので、ヒット曲だったとしても、若手歌手だと2コーラスは無理だったかも)。
 後に、「ノラ」という曲をヒットさせ、返り咲きが期待されましたが、その頃には演歌歌手としては珍しく辞退組だったという説もあり、出場はこの年の1回だけです。

カサブランカ・グッバイ/鳥羽一郎(9) [2:48]
 漁船や港の臭いがする曲の多い鳥羽一郎がおシャレな歌を披露。
 バックでSMAPが帽子をかぶったコート姿でダンスを披露。 間奏部分でSMAPのメンバーが一人ひとりアップになる予定だったのでしょうが、4人目のキムタクが時間をかけすぎて、2番が始まってしまい、最後の中居くんはアップなしでした。 仕込んだネタにも思えるし、キムタクだったらアドリブでやりそうな気もします。

ヨコハマ・シルエット/長山洋子(3) [2:52]
 こちらは傘をさしたドレス姿の藤あや子坂本冬美伍代夏子華原朋美森口博子がバックでダンスを披露。 2番になると、5人が手に持つものは傘ではなく扇子に変わりました。
 前年の「捨てられて」同様に振り付けあり。 曲調も演歌というより歌謡曲なので、ドレスでもよかったと思うのですが、当時の洋子は「洋装はアイドル時代にさんざんしてきたので」と着物姿にこだわっていました。 なのでちょっとアンバランス。

ミッドナイト・シャッフル/近藤真彦(9) [3:24]
 8年ぶりの歌合戦。 ジャニーズの後輩であるKinKi Kids堂本光一が主演したドラマ「銀狼怪奇ファイル~二つの頭脳を持つ少年~」オープニング・テーマということで、CDデビュー前のKinKi Kidsが前座のようにサビを少しだけ披露しています。
 マッチさんはセリから上がって登場。 バックには、たのきんトリオ時代の仲間である野村義男がギターで参加。
 1990年代はCDバブルだったこともあるのですが、この曲はマッチさんのアイドル時代全盛期並の売り上げを記録しました。 これが今のところ最後の大きなヒットになっていますが、19年後にまさかの返り咲きを果たし、まさかのポジションで歌います。

LEGEND OF WIND/TRF(3) [3:18]
 紅組司会の松たか子が、この年、髪の毛を茶色に染める茶髪が流行したと言うと、なぜか白組の細川たかし前川清が連獅子の髪の色(赤と白)で登場。 しかも次に歌うTRFのメンバーは、茶髪というにはおとなしめの髪の色。 ちょっと無理があった台本と曲前の演出。
 TRFはこの年からグループ名が大文字表記に。 「LEGEND OF WIND」はスローな曲。 でも、ダンサーはちゃんと踊ります。 踊ってなんぼのグループですから。 さすがにDJ KOOはDJというよりバックコーラスみたいな存在になっていました。
 前年まで2年連続でミリオンセラーを歌唱した彼女たちですが、この年はセールスが下降。 この年が最後の歌合戦出場となりました。

三倉茉奈・三倉佳奈、菊池麻衣子、岩崎ひろみ登場
 NHK朝の連続テレビ小説「ふたりっ子」で人気の出た三倉姉妹がマジックを披露。 よくある「種も仕掛けもない」大きな箱のフタを開けて見せていると、疑り深い小林幸子美川憲一がやってきて、箱の中を点検している最中にフタを閉めてしまい、フタを開けると(ここで、三倉佳奈が横目で少し合図を待っているような感じ)、中からはドラマで大きくなった2人を演じている菊池麻衣子と岩崎ひろみが登場。 番組の宣伝をしておしまい。

 しれっと攻守交代

人生そこそこ七十点/中村美律子(4) [2:56]
 歌合戦でこの方といえば、花柳糸之社中。 さらには客席通路やステージに傘を回す宮坂流津山保存会の方々が加わりました。
 「河内なんとか」で有名な彼女ですが、明るい曲調だと、ひとりだけでステージを任せられないというNHKの判断なんですかね。

エレジー-哀酒歌-/吉幾三(11) [3:21]
 しんみりする曲なので、バックにダンサーもつかず、ステージの電飾だけの演出。 2番に入ると涙をこらえたような歌唱となりました。
 ヒット曲じゃないんですけど、3分超えてもちゃんと2コーラス歌えるのは、歌合戦で彼を見たいという視聴者の意見が多いということなんでしょうか。 NHKは地方出身の男性演歌歌手に優しいというイメージがあります。

ゲスト審査員とのトーク
 有森裕子と。 次に登場する歌手が大好きだそうです。

そうだよ/DREAMS COME TRUE(7) [4:47]
 この頃のドリカムは、4分以上の歌唱時間が当たり前となっていた時期。 この曲も、4分40秒を超えています。
 歌を歌っている最中に、バックで、なんというか筒状の布に下から風を送り込んで高い柱状にする演出が出てきて、そこで拍手が起きてしまい、なんか変な空気が一瞬漂いました。

夢で逢えたら/RATS&STAR(初) [3:34]
 曲前のトークで田代まさしがマイクの代わりにコケシを持っているというボケあり。
 RATS&STARは、グループ名を変える前のシャネルズ時代から大ヒット曲を何曲も出していますが、歌合戦出場はこの年が初めて。
 メインボーカルの鈴木雅之はソロとして第42回(1991年、平成3年)と翌43回(1992年、平成4年)に出場していますが、それも少ない感じ。
 「夢で逢えたら」は数々の歌手にカバーされている大滝詠一の作品。 歌合戦で歌われるのはこれが初めてでした。 そもそも、シングルとしてヒットしたのはRATS&STAR版が初めて。
 ちなみに、アメリカ限定かもしれませんが、海外でこの年の歌合戦を放送する際、RATS&STARのシーンのみカットしたとのこと。 「人種差別のパフォーマンスと受け取られる可能性があったため」らしいですが、差別ではなく、黒人コーラスグループに憧れて、濃いめのファンデーションを塗っている、なんて英語で注意書きを入れるのも面倒なのでってことでしょうか。

ララ サンシャイン/森高千里(5) [3:32]
 民放の朝のテレビ番組で使われ、ヘビーローテーション状態だった曲。 サンシャインということで、オレンジ色の衣装。 バックには、曲のイメージとは関係のない東京雑戯団の大道芸。
 フルコーラス(2ハーフ)でも短いので、歌合戦でもテレビバージョンと同じフルコーラス歌えたという珍しい例。 でも、森高千里は2コーラスの終わりを曲の終わりと勘違いして2コーラス後の間奏明けの歌い出しが遅れました。 そして、歌の途中から、気がついたらステージ上に転がっていたこん棒は、何だったのでしょう…。

2億4千万の瞳~エキゾチック・ジャパン/郷ひろみ(17) [3:47]
 1984年(昭和59年)のヒット曲。 同年の歌合戦以来の歌唱。 国籍不明というか意味不明な格好なダンサー(B.M.C.ダンサーズ)がいるのも当時の歌合戦っぽいです。
 歌唱時間は長めで、第35回(1984年、昭和59年)は1ハーフでしたが、この年は2コーラスでした。

(藤子・F・不二雄追悼コーナー)[2:58]
 ステージのセリからどこでもドアと着ぐるみのドラえもん、のび太が登場。 その他、ジャイアンはRATS&STAR桑野信義(口ひげ生やしてます)、しずかちゃんは松田聖子、そしてスネ夫は中居正広。 しずかちゃん以外は誰が誰やらなので、ちゃんと名札をつけています。 と思ったら、着ぐるみ版のしずかちゃん、ジャイアン、スネ夫、のび太のパパとママも登場。 やはりあの3人は偽物だったか。 最後に出場歌手で「ドラえもんのうた」を歌唱。
「ハイ!タケコプター」とドラえもんが言うところでは、中居正広が宙吊りに。

 またしても、しれっと攻守交代

抱きしめて/前川清(17) [2:30]
 あら?1ハーフだけ?と思った曲。 前半戦、この曲より後は3分を超える曲が続いたので、ひょっとして時間がなくてカットされたのかな、なんて勘ぐってしまったり。

夢日記/大月みやこ(10) [3:21]
 NHKの人気ドラマ「夢千代日記」を舞台で演じ、この曲が生まれたんだそうです。 先程の「抱きしめて」は1ハーフで2分30秒。 一方、こちらは2コーラスで3分20秒。 売り上げの違いか。 でも、言ってしまうと、どちらもヒット曲とは言い難いです。

夜の無言(しじま)/森進一(29) [3:50]
 1970年代には吉田拓郎、1980年代には大滝詠一作品を歌って歌手の幅を広げてきた森進一。 この曲はシャ乱Qまことが作詞、はたけが作曲。 ということで、2人がドラムとギターで参加(多分、振りだけだと思うけど)。 そして、森進一も振りありの歌唱。 キメの部分の振りは「ダチョウ倶楽部かよ」という意見もあったり。

好きになった人’96/都はるみ(28) [3:17]
 前半戦大トリはこの方。 1968年(昭和43年)にヒットし、同年の第19回歌合戦では紅組トップバッターで披露した曲を、ロックアレンジで披露。 着物姿のはるみがステージ上を所狭しと動く! ひざまずく! そして飛ぶ!

SHAKE/SMAP(6) [3:36]
 後半戦はこの曲からスタート。 6回目の出場でついに後半戦(ニュース後)に進出。 この頃からかな、SMAPが生歌メインになってきたのは。 キムタクのソロは完全に生歌っぽいです。
 ここでも、この頃の歌合戦御用達ダンサーだったB.M.C.ダンサーズがダンスで参加。 最後、なぜかみんなで土下座。

Don’t wanna cry/安室奈美恵(2) [3:26]
 この年の日本レコード大賞受賞曲。 なんてことには触れられないのがこの頃の歌合戦。
 彼女も、喉の調子が悪かった前年を除いて、この年以降はおそらく生歌。 当時小室ファミリーの一員だった彼女、小室哲哉の曲はとにかく長いので、間奏や2番、ラストのボーカルの繰り返しをカットして3分25秒くらいにしていました。

Another Orion/藤井フミヤ(13) [3:02]
 曲前に藤井フミヤ親友というゲスト審査員の江角マキコとのトークあり。
 彼くらいのキャリアで、しかも大ヒットとなると、2コーラス要求してもよさそうですが、この曲は通常のテレビバージョンも含めて1ハーフで約3分とお手頃な長さ。

I’m proud/華原朋美(初) [3:37]
 ピアノはこの年globeの一員として歌合戦に出場していた小室哲哉。 そしてストリングスも付きました。 ひょっとして演奏は生?
 通常のテレビバージョンから短くするため、間奏明けて転調した後の歌詞がカットされ、でもメロディーはそのままのため、CDと歌詞とメロディーが違う箇所も。

田園/玉置浩二(2) [3:28]
(出場回数は安全地帯として出場した1回も含めて2としています)
 第36回(1985年、昭和60年)に安全地帯として出場して以来の歌合戦出場。 この年NHKの大河ドラマ「秀吉」にも出演したそうです。
 12月にダウンし、「FNS歌謡祭」では当時の奥様だった薬師丸ひろ子が代理でトークゲストとして登場していました。
 バックの演奏(振りだけ?)はTOKIO

あなたに逢いたくて~Missing You~/松田聖子(12) [3:41]
 意外にも、オリコンのデータ上は彼女にとって唯一のミリオンセラー。 テレビ欄には「注目!聖子の髪型」みたいな文があったと思うのですが、この年彼女は髪の毛を久々に短くカットしたことを意味しています。 本当は、秋に発売したシングルのミュージックビデオで既に短い髪は披露しているのですけど、一般の人はそんなこと知らんでしょ、というわけで。
 歌合戦で短い髪型を披露されたから、髪を切らないわけにはいかないと思った聖子のモノマネ芸人もいたようです。
 この曲、歌合戦で何度か歌われることになります。
 ちなみに、紅組司会の松たか子は、ファンである松田聖子の曲紹介で台本のセリフがぶっ飛んだとか。 でも、改めて見ると、そんなに慌ててもいない感じ。 一番慌てたのは台本通りのセリフじゃないことに気づいたスタッフでしょうか。

浪漫飛行/米米CLUB(4) [4:01]
 翌年3月での解散を発表しており、この年のテレビ出演はこの歌合戦だけだったそうです。
 過去にメドレーの中で披露されたことが2回ありますが(1回は「会いたいと思わない」と出だしの歌詞を変えて一瞬で終わりました)、この年はこの曲1曲でフルコーラス。
 最後、メンバー全員でカメラの前に群がる演出のため、演奏はカラオケ。 メンバーに押されてカールスモーキー石井がステージから落ちるのも、お約束という感じ。 彼ららしいラストステージでした。
 でも、再結成してもう1回歌合戦に出場します。

Can’t Stop fallin’ in Love/globe(初) [4:29]
 ステージ脇にはこの年出場した小室ファミリーの華原朋美安室奈美恵TRFが集合。
 ステージには雪を降らせる演出。 ボーカルのKEIKOは、たしか直前のレコ大では髪が黒か茶色だったと思うのですが、短い時間で金髪に。
 デビューは前年。 前年から大ヒットを出していたので、このグループも初出場が1年遅いのでは?という感じ。 「Can’t Stop fallin’ in Love」は当時大ヒット中の曲で、選曲自体は問題ないのですが、大ヒットを1年に量産するグループの宿命で、この年の元日に発売された、彼らにとって最大のヒット曲「DEPARTURES」は、歌合戦で歌われることがありませんでした。

Shall we ダンス?ショー [1:28]
 この年のヒット映画「Shall we ダンス?」の監督であるゲスト審査員の周防正行とのトークの後に、紅組・白組出場歌手入り乱れてのダンスショー。

 社交ダンスなんて、皆さんそうとう練習したと思うのですが、とても短いショーでした。 「恋のマカレナ」は、この年主にアメリカで大ヒットした曲です(番組中説明があった通り、もともとはスペインのヒット曲ですが、英語の歌詞を入れたリミックスバージョンがアメリカで大ヒットとなり、それが日本にも伝わりました)。 でも、日本でそんなにはやったっけ?

夢一夜/南こうせつ(4) [3:28]
 過去3回の出場で、かぐや姫時代のヒット曲を2曲、坂本九の「上を向いて歩こう」を歌った彼が、歌合戦で初めてソロでの曲を披露。 1978年(昭和53年)に発売され、オリコン3位を記録したヒット曲。 ピアノは羽田健太郎。 その他ストリングス付き。

オリビアを聴きながら/杏里(3) [3:58]
 第40回(1989年、平成元年)以来の出場。 「オリビアを聴きながら」は杏里のデビュー曲で、こちらも1978年発売。 1979年(昭和54年)の新人賞レースで見かけることもありましたが、オリコンのデータ上はヒット曲とは呼べない売り上げ。 その割には有名な曲。
 当時、1998年(平成10年)の長野オリンピックのテーマソングを彼女が歌うことが決まっていたので、それに伴う出場だと思っていたのですが、選曲されたのはこの曲でした。
 こちらもバックバンドにピアノとストリングスが付きました。

「コメディーお江戸でござる」のメンバー登場
 男性陣が客席に餅を配り、ステージ上に現れたのは重田千穂子、野川由美子、由紀さおり。 座長として「電線音頭」にのって呼び出されたのは伊東四朗。 客席へ餅を撒いた後に、でかい鏡餅を持ってステージに登場したのは桜金造と魁三太郎。
 この年は、まだえなりかずきは年齢的に出られなかったのかな?

浪漫-ROMAN-/憲三郎&ジョージ山本(初) [3:09]
 このユニットとしては初出場ですが、憲三郎とんねるず木梨憲武ジョージ山本はもちろん山本譲二なので、過去に歌合戦の出場経験あり。
 原譲二作詞作曲ということで、北島三郎の作品。 1ハーフのような1コーラスのような感じですが、1コーラスが長いので、3分超えてます。
 リハーサルまでは普通にやっていた憲三郎が、本番直前にサブちゃんのメイクしての登場となりました。

笑いじわ/瀬川瑛子(4) [3:06]
 6年ぶりの歌合戦。 特にこの曲が例年に比べて売れたわけでもないのですが、対戦相手と同様、お笑い要素のあるこの人が選ばれた感じでしょうか。
 流石NOCHINOというダンサーがつき、洋装の演歌歌手としては珍しく早がわりがありました。
 毎年、歌合戦に出場した場合の衣装のデザインを考えていたものの、なかなか返り咲けず、衣装のデザインをやめたところ、返り咲きとなったとか。

北国夜曲/美川憲一(13) [2:41]
 白組司会の古舘伊知郎から「男も惚れる白組の女王」「性別を超えた魂の耽美主義」「ステージ上の毒キノコ」と表現されていました。 B.M.C.ダンサーズのバックで早がわりをすると思わせて、早がわりはなく、左右に大きなマントをつけて、マントの裾を持つダンサーが上へ上がっていくと、マントには蠍座などの電飾が施されているという演出。

ゲスト審査員とのトーク
 この年プロ野球日本一になったオリックスの仰木彬監督と。 紅組に応援メッセージを送っていました。

視線/森口博子(6) [3:10]
 白組の大型衣装に対抗するため、こちらは大きな花に囲まれて登場。 間奏でD.O.S.ダンサーズのバックで早がわり。

ゲスト審査員とのトーク
 歌舞伎役者の中村橋之助と。 歌手のパフォーマンスだけでなく、スタッフの動きにも感心していたそうです。

いいわけ/シャ乱Q(2) [3:03]
 つんくはセリから飛び出してきました。 もう少しで尻もちつきそうなくらいよろめいてました。 間奏ではたいせいが水平に回転し、つんくが手のひらで炎を出す演出。 そして、最後はつんくが撃たれたかのように、赤地の衣装に白い液体が飛び出してきました。

ゲスト審査員とのトーク
 デザイナーの森英恵と。 小林幸子の衣装を楽しみにしているようです。 途中、無表情でうつろな瞳の安室ちゃんがカメラに抜かれていました。

越後情話/小林幸子(18) [3:21]
 あら?さっき準備に時間がかかっている間に場を持たせていたアッコさんがいない。 ここでは助けてあげないのね。
 この年の幸子は和風・雪の女王のような装置。 最初は頭の上に雪の結晶の一部があるくらい(それでもでかい)でしたが、間奏でバックにさらに大きな雪の結晶が登場。 衣装も墨絵のような地味なデザインから金色に変わります。 最後に、ダメ押しで電飾が光る背景が追加されて、幸子もご満悦のご様子。

(渥美清追悼コーナー)[2:43]
 この年、映画「男はつらいよ」で有名な俳優・渥美清が亡くなったということで、出場歌手で「男はつらいよ」を歌いました。
 渥美清は、「男はつらいよ」以前はNHKの人気バラエティ番組「夢であいましょう」レギュラーとして有名で、その頃の歌合戦にも何度か応援ゲストとして出演していました。

 後半戦も、ここでしれっと攻守交代

この道/由紀さおり(15)・安田祥子(5) [2:57]
 落ち着いてお歌を聴くお時間。 ピアノは塚田佳男。
 この年のお二人は淡い緑のドレス。

北帰行/小林旭(7) [2:35]
 1961年(昭和36年)の曲。 小林旭は昭和30年代から映画俳優としてだけでなく、映画主題歌を歌うなど歌手としても活動していましたが、歌合戦初出場は第28回(1977年、昭和52年)。 この歌は歌合戦初披露です。
 今でも受験生に聴かれているという説明がありましたが、私は初めて聴きました。

ゲスト審査員とのトーク
 脚本家の大石静と。 お母様の影響で、脚本家の道を選んだそうです。

Mother/和田アキ子(20) [3:52]
 幸子の曲紹介のときにいなかったのは意地悪じゃなくて、自分の出番のための準備があったのか。 VOICE OF JAPANのコーラス付き。

ゲスト審査員とのトーク
 サッカーの川口能活と。 小さい頃、仕事が忙しい時でも、お父さんが試合を見に来てくれたそうです。

案山子/さだまさし(8) [4:30]
 あちらが母親がテーマの歌なら、こちらは父親がテーマの歌。 「かかし」と読みます。 さだまさしが歌合戦で歌わなかったら、読み方覚えられなかったよ。
 ご本人のギターと石川鷹彦のギター・コーラスによるシンプルな伴奏。

ゲスト審査員とのトーク
 この年、人間国宝となった芸歴50年の落語家・桂米朝と。 一つのことを続けていくためには、初心を思い出せば、大抵のことは我慢できるということでした。

ときめきをさがしに/島倉千代子(34) [3:06]
 こちらは芸歴42年。
 手のひらに忍ばせたカンニングペーパーをチラチラ。 それでも、1番の最中に歌えない部分がありました。
 少し彼女のフォローをしますと、この年は「火の酒」という演歌を歌いたかったそうなのですが、NHKの連続ドラマの主題歌となったこの曲を歌うことになり、気持ちの切り替えができなかったのではないでしょうか。

遠くで汽笛を聞きながら/堀内孝雄(9) [4:07]
 アリス時代に作ったものの、お蔵入りになった曲だとか。 なんともったいないことを。 と思ったら、シングルで発売してんじゃん。
 歌合戦の彼にしては珍しく、バックバンドを従えての歌唱でした。

ゲスト審査員とのトーク
 女流棋士の清水市代と。 今の場面は将棋で言うと「寄せ合い」という局面だそうです。 終盤ってことですね。

紅/藤あや子(5) [3:01]
 紅組の後ろから4番目。 今のところ、彼女にとって一番遅い順番での歌唱です。 この曲も20万枚を超えるヒット。 それでも、この時点で歌合戦で彼女が歌った歌の中では、一番売れなかった歌だから、当時いかに人気があったかがわかります。

愛に帰りたい/谷村新司(10) [3:44]
 「昴-すばる-」や「群青」みたいな曲を期待していた視聴者がいたとしたら、ポカーンとしたかもしれない曲調の(まだまだ若いもんには負けへんでー的な)曲。

昭和夢つばめ/石川さゆり(19) [3:14]
 藤あや子の「紅」に続き、セリフから入る曲。 この頃は、まだ時代が昭和から平成に移ってあまり経っていない頃。 さゆりも昭和二桁(昭和32年)生まれ。
 ベテラン歌手っぽく、間奏がカットされることなく2コーラスで3分を超える歌唱時間となりました。

女のしぐれ/細川たかし(22) [3:04]
 この年、恩師の三橋美智也がお亡くなりになりました。 「三橋演歌の川から細川演歌がほとばしり出ています」と曲紹介されていました。 三橋美智也細川たかしの歌い方って、そんなに似ていたっけ?と個人的には思います。
 でも、意外にもと言っては失礼ですが、10万枚を超えるヒット曲です。

鳴門海峡/伍代夏子(7) [3:02]
 売り上げが20万枚を超えるこの曲で、ついに紅組のトリ前に進出した夏子。 このまま行けば、紅組の新陳代謝が進んで、夏子あや子がトリを務める年は遠くないと思ったのですが、翌年以降は彼女達「若手女性演歌歌手5人娘」の売り上げが下降し、翌年トリを務めたのは意外な人でした。

女の酒場/五木ひろし(26) [3:43]
 この曲も売り上げがギリギリ10万枚を超えるヒット曲。 安定感抜群のひろし

夜桜お七/坂本冬美(9) [3:27]
 ついに紅組トリとなった冬美。 歌唱曲は男歌でデビューして、女歌も歌い、そして新境地を開いた「夜桜お七」。 バックには大きな桜の木。 そして桜色の紙吹雪。 冬美も曲のイメージに合わせて花魁のような衣装です。
 歌い出しから、既にちょっと泣きそう。 でも、最後まで歌い切りました。
 この曲って、初めて歌合戦で歌ったときは普段のテレビバージョンよりアウトロが短くなって、キメもポーズも違ったので、今回はアウトロカットなしかな、と思ったら、やっぱりカットされました。 残念。

風雪ながれ旅/北島三郎(33) [4:48]
 大トリなので、サブちゃん仕様の大量の白い紙吹雪が下から横から吹き付けます。 三味線を弾いていた方がかわいそう。 1番と2番の間の間奏では白組歌手が舞いを披露する後ろで早がわり。 そして3コーラス。 最後はステージ後方から大型扇風機で紙吹雪を客席側に吹き飛ばすという演出までつきました。

エンディング
 会場審査の集計は麻布大学野鳥研究部の皆さんと珠算有段者の皆さん。 白組司会の古舘伊知郎は「これはわからないですね」と気遣っていましたが、会場審査の結果は
 紅組   801
 白組 1,295
と、白組優勢。 ということで、白組にボール2個。 というか、2,100票しかないの? 1,000人くらいは帰っちゃったの?
 ゲスト審査員とNHK番組制作局長のボールを加えた結果は、
 紅組4個、白組9個
と白組優勝でした。 2年連続の白組優勝。
 ラストの「蛍の光」の指揮は宮川泰。 タクトはまだ1本。 タクトに赤と白のリボンをつけていました。


進行
 森口博子小林幸子のあたりで準備に時間がかかっていたようですが、ドタバタ感はないです。 前半戦の前川清だけ、ひょっとして2コーラスから1ハーフに急きょ短縮された?みたいな感じでしたけど。

選曲
 なつメロ少ないね。 あっても、歌合戦初披露だったりして、耳タコな曲はほとんどありませんでした。 「風雪ながれ旅」もまだ3回目(最初の2回は、年をまたいでのヒットだったため、2年連続の歌唱)。

歌唱順
 白組から始まり、前半戦の途中に説明もなく2回攻守交代があり、前半戦大トリは紅組。 後半戦も白組から始まり、途中で攻守交代があり、大トリも白組。 2年連続で白組大トリ。 これだけが不満。

歌唱時間
 短すぎる歌手がいないし、長すぎる歌手もいないという感じ。 古き良き時代です。 トリと大トリの歌唱時間の差がもう少し短かったらよかったな。 「夜桜お七」のアウトロを、普通のテレビバージョンと同じ長さにすることはできたんじゃないの? 冬美泣いちゃってたから、キメの見返りのポーズ取れなかったかもしれないけど。
 トリと大トリの歌唱時間、もしくは演出の差で、だいたいNHKがどちらを勝たせようとしているか、想像できてしまうんです。 おっさんになると。

全体として
 2010年代に比べると、出場歌手の歌を大切にしている時代という感じがしました。