第48回(1997年)雑記


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雑記
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かっこ内はおおよその歌唱時間です。

 見間違い、聞き違い、勘違いによる誤記や誤植もあると思いますが、発見し次第修正しますので暖かく見守っていただけるとありがたいです。

オープニング
 ステージ上がドライアイスのスモーク一色の中、せりに乗ってで登場したのはライトサーベルを持った紅組司会の和田アキ子と白組司会の中居正広。 効果音とともにライトサーベルを交わしますが、中居正広が持つライトサーベルが折れてしまうという不吉なスタート。

WHITE BREATH/T.M.Revolution(初) [3:13]
 ステージ上方からワイヤーに捕まって登場。 白いコートを脱ぐと、虎柄の衣装。 マフラーの代わりに虎のしっぽを振り回しています。 そして、いつも通り、鍛え抜かれた上半身を惜しげもなく見せつけています。
 バックでは、出場歌手が白いハンカチを振っていました。 反町隆史はかなり覚めた表情。
 最後、せりに乗って下りていきました。

White Love/SPEED(初) [3:24]
 デビュー2年目での初出場。 デビュー曲の「Body&Soul」で60万枚突破、 セカンド・シングルの「STEADY」で早くもミリオンセラーだから、1年目で初出場してもよかったと思うんだけど。
 この頃お決まりの、各メンバーの年齢を聞くというやりとりあり(仁絵が16歳、多香子絵理子が14歳、寛子が13歳で、寛子の13歳は、当時としては紅組史上最年少)。
 4人とも、暗めの赤のスーツ姿。 今度は後ろの出場歌手がペンライトを振っています。
 この曲は、普段の歌番組では2コーラス、賞レースやFNS歌謡祭では間奏ありの1ハーフ、歌合戦ではさらに間奏がカットされた1ハーフ。 それでも、歌唱時間長い方なんだけどね。

フラれて元気/TOKIO(4) [3:20]
 ステージの白組側では白組歌手が応援。 1960年代のヒッピーと1970年代のパンタロンを取り入れ、歌合戦用の高級な生地で仕立てました、みたいな衣装。
 この年から、しばらくジャニーズ勢はSMAPTOKIOだけ(SMAPが辞退した年はTOKIOだけ)という期間に入り、曲調的にSMAPのバックではもうジャニーズJr.は踊れないので、ここでジャニーズJr.が踊っていました。
 曲の方は、TOKIOとしては1995年(平成7年)の「うわさのキッス」以来の30万枚突破となったこともあり、2ハーフと長め。

大スキ!/広末涼子(初) [3:09]
 こちらもステージの紅組側で紅組歌手が応援。
 以前から人気のあった若手女優が歌手デビューして、その年に歌合戦初出場。 CD売上枚数では竹内まりや作のデビュー曲「MajiでKoiする5秒前」の方が上ですが、歌合戦ではオリコンで1位を獲得した岡本真夜作のこちらを歌唱。
 当時高校2年生。 ということで、学生服姿のシュガー&スパイス・エンジェルズ(とはいっても2人)のサポート付き。 歌合戦オリジナルの振りがつけられて、照れくさそうにしていました。

ゲスト審査員紹介
 総合司会の宮本隆治アナウンサーが担当。 当時プロ野球選手で41セーブポイントを達成した佐々木主浩さん、体がでかいからきつそう。

Forever/反町隆史(初) [3:11]
 こちらも人気のあった若手俳優が歌手デビューして、その年に歌合戦初出場。 ご本人の作詞。 ギターの弾き語りでバックバンド付きでしたが、おそらく伴奏はカラオケ。 伴奏だけでなく、ご本人の歌声も丸々かぶさってた感じでしたが。 生の歌声と音程がわずかにずれて、ちょっと変な感じ。
 曲の終わりには、この年のドラマ「ビーチボーイズ」で共演した竹野内豊が登場。 サプライズだったようで、反町隆史は素で驚いていました。
 ところで、反町隆史は、もともとはジャニーズ出身。 ジャニーズ時代に光GENJIのバックで踊っていたこともあるのですが、歌合戦の舞台で踊っていたかは不明。
 翌年もドラマ「GTO」やその主題歌がヒットします。 しかし、歌合戦出場はこの年1回となっています。

涙唱/岩本公水(初) [2:18]
 NHK新人歌謡コンテストでグランプリを獲得し、この年いち早く歌合戦初出場を決めた人。
 デビュー前は有線放送所で働いていたということで、有線放送所にプロモーションに来たシャ乱Qと一緒に写った写真が紹介されていました。
 NHK新人歌謡コンテストでグランプリを獲得した歌手の場合、歌唱時間が短めに設定されて2コーラス歌えないことが多いのですが、この曲は2コーラス歌っても短いため、歌合戦でも2コーラスでした。
 とにかく歌はうまくても知名度がないので、岩本公水の出身地である秋田市竿燈会の皆さんが大きな提灯を手や肩でバランスを取って持ち上げ、花柳糸之社中と思われる昔の旅人のような格好をした女性が動き回って、ステージを埋めていました。
 なお、NHK新人歌謡コンテストはこの年で終了。 岩本公水が、最後のグランプリ受賞者となりました。

カサブランカ・グッバイ/鳥羽一郎(初) [2:47]
 前年の歌合戦で披露したことで、この年に入っても売れ続けて2年連続の歌唱。 前回はSMAPがバックで応援しましたが、今回は南こうせつ細川たかし美川憲一シャ乱Qたいせいまことがバックコーラスで参加。 たいせい、当時歌合戦には出場しなかったけど人気のあったビジュアル系グループSHAZNAのIZAMみたいなウィッグとメイクで、鳥羽一郎が笑いをこらえていました。

人生桜/中村美律子(5) [3:05]
 15万枚を売り上げたこの年の演歌のヒット曲の一つ。
 バックはおなじみの花柳糸之社中。 ステージ上の階段に人文字で「紅」と描いています。 さらには華原朋美SPEEDの4人も和服姿で花笠持って踊りに参加。
 美律子は間奏で早がわり。 そのためか、帯を前で結んでおり、締め昆布のような。

酒場のろくでなし/山川豊(5) [2:53]
 3年ぶりの歌合戦。 とは言っても、この曲はヒットしたわけでもないので、ステージが寂しくならないように、バックには小さな居酒屋のセットと出場歌手による「寸劇」が展開されます。 居酒屋のおかみは藤あや子、カウンターで飲んでいるのは北島三郎山川豊の兄である鳥羽一郎。 テーブル席の一つではつんく天童よしみに花束を渡し、その隣のテーブルでは五木ひろし、(次の2人は最後までアップにならなかったんだけど、おそらく)TOKIO山口達也松岡昌宏が飲んでいて、間奏で一升瓶片手に店に入ってくる酔っぱらいは吉幾三
 2コーラスだと長いからか、2番が少しカットされてました。 寸劇するために長めに取った間奏を短くすれば、2コーラス歌えたんじゃないのかな。

Shapes Of Love/Every Little Thing(初) [3:00]
 1996年(平成8年)にデビューした3人組。 この年に入ってリリースした4枚のシングルが全てTOP10入り、「For the moment」では1位を獲得。 「Shapes Of Love」は、歌合戦出場時点での最新曲。 通常のテレビバージョンから、アウトロをちょっとカットしたバージョン。
 この年の初出場については、ナンシー関から「Every Little Thingなんて、出場しなくても誰も怒らないと思うんですけどね」と言われていました。 当時のこのグループのイメージって、コアなファンがいるわけではなく、カラオケで盛り上がれるから、女子中高生のライトな層がCDを買っている感じだったのでしょうね。 また、1位は取りましたけど、シングルの売り上げで見ると、このグループがこの年初出場できるなら、GLAYJUDY AND MARYの初出場も1年早くてよかったんじゃないの?というのが私の個人的な印象でした。
 でも、このグループはその後しばらく出場することになります。

愛しき日々/堀内孝雄(10) [3:09]
 白組司会の中居正広へ正しい「サンキュゥ!」と言い方を教えている間にイントロスタート。 この名曲にもったいない。 そして、前半戦の中盤という曲順ももったいない。

人形(おもちゃ)/香西かおり(6) [3:17]
 この年デビュー10週年。 前年「方向性に迷っている」と言いがかりのような理由で落選(普通に「ヒット曲がなかったから」と言えばいいのに)、2年ぶりとなる歌合戦。 年のはじめにリリースした「すき」が10万枚を突破するヒットになりましたが、歌合戦で歌ったのは最新曲。 紅組司会の和田アキ子が「『人形』と書いて『おもちゃ』とか、(後ろの方で出てきますけど)『大志』と書いて『こころざし』という、違う読み方をさせる曲名が覚えづらかった」とこぼしてました。
 イントロが弘田三枝子の大ヒット曲「人形の家」っぽい音色で始まるのは、わざとなんでしょうね。

長野オリンピック・コーナー?(コーナー名不明)[3:43]
 総合司会の宮本隆治アナウンサー(当時)がゲスト審査員の伊藤みどり(元フィギュアスケート選手)と話した後、ステージの始まり。
 ステージ上には「98ナガノ」と書かれた5個の大きな風船があり(この時点でだいたいわかりますね)、風船が割れるとSMAPのメンバーが登場。

 ここで、何のアナウンスもなくしれっと攻守交代。

明日、春が来たら/松たか子(初) [3:19]
 この人も人気の若手女優が歌手デビューして、デビューした年に初出場。 前年は、歌合戦史上最年少で紅組司会を務めました。
 この曲はデビュー曲。 一箇所、ちょっと声が裏返っちゃてますけど、「結構歌えるんだ」というのがデビュー曲を聴いた時の感想でした。

パワーソング/シャ乱Q(3) [3:10]
 歌合戦では初のバラード。 ということで、たいせいのアクロバットはなし。
 シャ乱Qとしての歌合戦出場はこの年が最後ですが、翌年からはつんくがプロデュースしたグループが紅組から出場するようになります。

ゲスト審査員とのトーク
 吉永小百合と。 意外なことに、紅組司会の和田アキ子が若い頃、吉永小百合と似ているということで、30年くらい前に雑誌で2人の写真を並べて、「これだけ似ている」と説明する企画もあったんだとか。 どこらへんが似ていたのでしょう。

憂愁平野/伍代夏子(8) [3:09]
 毎回豪華な着物が見ものの夏子。 今回の着物も金色の糸をふんだんに使っています。

Go the Distance/藤井フミヤ(14) [3:38]
 ディズニー映画「ヘラクレス」の日本版の主題歌。 オリジナルはアメリカの歌手マイケル・ボルトン。 藤井フミヤバージョンは本人が日本語詩をつけ、日本語吹き替え版のエンディングで使われたそうです。
 翌年、弟の藤井尚之と結成したF-BLOODでNHK長野オリンピックのテーマソングを歌いましたが、歌合戦出場はこの年まで。

SWEET CANDY/森高千里(6) [3:04]
 美川憲一が曲紹介に参加。
 1番で歌詞テロップの後ろに、次に歌う歌手である前川清の名前が出る手違いあり。
 大きなハート型の紙が降ってくる演出。
 歌合戦の出場は今のところこの年が最後。 1999年(平成11年)に俳優の江口洋介と結婚。 主婦業に専念するため、しばらく家庭に入っていましたが、2010年あたりから活動を本格的に再開し、「この人はオバサンになっても、容姿がほとんど変わっていない」と言われました。 「私がオバさんになっても」では、「ミニスカートはとても無理よ 若い子には負けるわ」と歌ってましたが、なんのなんの。

薔薇のオルゴール/前川清(18) [3:01]
 TOKIOが薔薇を使ったマジックとダンスで応援。 1番はTOKIOのメンバーが一人ずつマジックを披露するので、前川清よりもそちらに目が行ってしまいます。 1ハーフですが、アウトロもしっかりあって、歌唱時間は3分くらい。

たてがみ/長山洋子(4) [2:58]
 前半戦の紅組トリということで、夏子以上に着物、髪型に気合が入る洋子。 「たてがみ」とは、将棋の羽生善治(当時四冠)のトレードマークだった寝癖のこと。 ということで、応援ゲストに羽生善治ご夫妻が登場。 奥様はかつてNHK朝の連続テレビ小説でヒロインを務めたこともある方。
 よく歌詞を見ると、たてがみは前の晩の夫婦生活の結果みたいなことになっているのですが、こんな歌詞書かれたら、ちょっと恥ずかしくないかな。
 歌唱時間はぎりぎり3分くらいですが、ちゃんと2コーラス。

ゲスト審査員とのトーク
 佐々木主浩さんと。 うちに帰ると普通のお父さんということで、次の曲に繋がります。

うちのお父さん/南こうせつ(5) [3:06]
 前半戦の大トリ。 1974年(昭和49年)に発売され、オリコンのLPチャートで1位になったかぐや姫時代のアルバム「三階建の詩」に収録されていた曲。 この年は、お父さんに対する風当たりが強かったということで、そんなお父さんたちを元気づけるための選曲だとか。 白組出場歌手がバックでギターやパーカッションで応援。 ギターは(おそらくマイクも入っておらず)、テンポのよい曲調に合わせて時々「ジャカジャカジャン」と弾くところが格好いいので、当初パーカッション担当だった歌手もギターを弾きたがり、南こうせつが急きょスタッフに事務所までギターを取りに行かせたんだとか。
 この曲の本来のテンポを知らないのですけど、万が一進行が押したときのために、前半戦ラストをテンポアップ可能な曲にしておく、という意味合いもあったのかも。 そんなこと関係なく、南こうせつは上手にステージを盛り上げていました。

ダイナマイトセロリ!/SMAP(7) [3:58]
 後半戦はこの曲からスタート。 せりから登場したSMAPのメンバーである、白組司会の中居正広自らが紹介。 タイトルからわかるように、この年の彼らのヒット曲の中から「ダイナマイト」と「セロリ」をセレクトしたメドレー。 「セロリ」は後に歌合戦に出場することになる山崎まさよしのカバー。 「セロリ」を1コーラス歌うと、B.M.C.ダンサーズとSARA’Sが出てきて「ダイナマイト」。 この頃のSMAPは、もうジャニーズJr.のダンスは合わなくなってるのね。
 曲目が発表された時、ダンスありの「ダイナマイト」からスローな「セロリ」だと、メンバーが息切れしちゃうんじゃないか(彼ら、当時のジャニーズとしては珍しく生歌だから)、と心配しましたが、当然というか「セロリ」が先でした。 「セロリダイナマイト」だと語呂がよくないしね。

Hate tell a lie/華原朋美(2) [4:02]
 初出場した前年に歌った「I’m proud」に続き、この曲もミリオンセラー。 サプライズということで、曲前に紅組司会の和田アキ子から小室哲哉が応援で参加すると伝えられます。 小室ファミリー時代の華原朋美の楽曲は大半が小室哲哉によるもの。 そして、二人が交際していることは周知の事実だった頃。 若者のあいだでは、「Hate tell a lie」は、華原朋美が浮気したため、「嘘をつくような奴は嫌いだ」という意味で小室哲哉がこの曲を作ったなんて噂がありましたが、歌合戦のステージ上では仲良さそうでした。
 この曲は、間奏で華原朋美がハーモニカを吹くのが見どころの一つ。 でも、メロディーが決まっているわけではなく、好き勝手に吹いてよいと言われて吹いていたので、メロディーが気になる人はわけがわからなかったかも。

HOWEVER/GLAY(初) [3:58]
 前年初出場でも良かったんじゃないかな、というグループがいよいよ初出場。 同じ北海道の函館出身という北島三郎が曲紹介に参加。
 おそらく普通のテレビバージョンと同じですが、同じじゃなかったのは間奏明けでTERUが歌ったメロディー。 ラストの方で、いつもCDとは違うメロディ(少し高めになる)で歌うところ、歌合戦では間奏明け初っ端からメロディ変えてました。 テンション高かったんでしょうね。

Give me a Shake/MAX(初) [3:23]
 GLAYが北海道出身なら、こちらは沖縄出身。 2年前には安室奈美恵のバックでSUPER MONKEY’Sとして踊っていた4人もこの年の歌合戦初出場。
 年齢の関係で午後9時以降は仕事ではテレビ出演できないSPEEDの4人が、客席で応援してました。 その前の席には、同じく前半戦のショーコーナーに参加した三倉姉妹の姿も。
 正直、曲順が発表されて、GLAYの対戦相手がMAXとわかった時、早がわりするとか、大人数のバックダンサーをつけないと釣り合わないと思ったのですが、早がわりはなく、オーソドックスなパフォーマンスで、その代わり紙吹雪や花火で演出に趣向を凝らしていました。

お嫁サンバ’97/郷ひろみ(18) [3:28]
 ダンスにはダンスで(MAXの対戦相手ではありませんが)、ということで、郷ひろみ。 バックダンスはNEXT。
1981年(昭和56年)の「お嫁サンバ」~1979年(昭和54年)の「マイ・レディー」~1974年(昭和49年)の「よろしく哀愁」~もう一回「お嫁サンバ」というヒットメドレー。 「よろしく哀愁」は歌合戦初披露。
 この人は踊りながら歌っても息切らさないね。

ひだまりの詩/Le Couple(初) [3:19]
 この年ドラマ「ひとつ屋根の下2」で使われ、ミリオンセラーとなった曲。 グループ名はフランス語で夫婦という意味で、当時は実際にご夫婦でした。 夫婦つながりで、曲紹介に宮川大助・花子と山田花子が登場。 もちろん、宮川大助が「大助でーす」というと、山田花子が「花子でーす」と言って、宮川花子に突っ込まれます。
 旦那さんのギターに加え、ストリングスとピアノが付きました。 いつものテレビバージョンと比べてイントロが短かかったため、奥さんの藤田恵美が歌の入りを間違え、途中からの歌唱となってしまったのが残念。

ありがとう1997ショー [5:09]
 安達祐実、菅野美穂、佐藤藍子がプレゼンター。 安達祐実さん、以前も何回か歌合戦に応援ゲストやショーコーナーのゲストで出ているけど、随分大人っぽくなったね。
 この年のヒット曲である井上陽水奥田民生の「ありがとう」の替え歌をVOICE OF JAPANのコーラスに乗せて、この年活躍した人たちを紹介するコーナー。

 最後に佐ノ山親方のトランペット演奏(ここからメロディーが「リパブリック讃歌」に、コーラスの歌詞が「フランスへ行こう」に変わります)、ゲスト審査員の井原正巳選手(サッカー日本代表キャプテン)もステージ上に招いて、再度「ありがとう」のメロディーとコーラスでおしまい。

 どうも、総合司会の宮本隆治アナウンサー(当時)によると、ここから後半らしい。 確かに、紅組・白組25組で、13組歌い終わったからね。 だから、ニュース明けトップのSMAPの紹介で白組司会の中居正広は「第2部」と言っていたのかな。
 というわけで、攻守交代。

PEACE!/DREAMS COME TRUE(8) [4:16]
 なんというのか、アメリカ開拓時代をアイデアのベースにしたような衣装。 鳥の羽とか、インディアンが着てそうな生地だったり、カウボーイハットだったり、革のジャケットだったり。
 一瞬カメラで抜かれたゲスト審査員の伊藤みどりさんが戸惑った表情をしていました。
 ドリカムは次の年から海外進出のため、歌合戦からはしばらく遠ざかり、次の出場は第55回(2004年、平成16年)となります。

moment/西城秀樹(14) [3:18]
 この年デビュー25週年だったヒデキSMAP木村拓哉中居正広が生まれた年にデビューということです。 X JAPANYOSHIKI作曲ということで、YOSHIKIがバックでキーボードを演奏。
 最初は照明のみ、1ハーフの間奏明けのサビでヒデキが挙げた右手を下ろすと、照明も下りて、バックには星空のような電飾という演出。 落ち着いた感じでよいです。

ゲスト審査員とのトーク
 NHK朝の連続テレビ小説「甘辛しゃん」ヒロインの佐藤夕美子と。 関西が舞台のドラマということで、関西出身の次の歌手へ繋がります。

珍島物語/天童よしみ(2) [2:53]
 初出場した第44回(1993年、平成5年)以来の出場。 前年からヒットしていた曲ですが、前年は出場ならず(日本レコード大賞では最優秀歌唱賞を受賞)。 この年も売れ続け、最終的に50万枚を超える大ヒットとなりました。
 それでも、2コーラス歌うには長いので、間奏なしの1ハーフ。 2コーラスたっぷり歌うのは、よしみがベテラン演歌歌手として歌合戦に定着してからのことになります。
 「珍島物語」は韓国にある小さな島々が、潮の関係で本土から歩いて渡れるようになる現象を題材にした歌。 ということで、よしみのドレスは青。 よしみの顔が海から顔を出した陸地といったところでしょうか。

ゲスト審査員とのトーク
 翌年の大河ドラマ「徳川慶喜」で主演する本木雅弘と。 現在どちらが優勢かと聞かれ、「しか」と答えて、白組司会の中居正広から「ちょっとはずしました」と冷たくあしらわれています。

慕情/美川憲一(14) [3:02]
 相変わらず、悪趣味なボスキャラのような衣装です。 間奏で早変わりして白い衣装になり、さらには大きな羽を羽ばたかせ、飛びながらの歌唱となりました。 本木雅弘が、曲前に「(美川憲一の衣装やパフォーマンスは毎回趣向を凝らしているから、)あとは裸の王様か、空を飛ぶくらいしかないんじゃないですかね」と言っていましたが、本当に飛んでしまいました。

夫婦みち/オーロラ輝子(河合美智子)(初) [3:14]
 朝の連続テレビ小説「ふたりっ子」から生まれたヒット曲ということで、ドラマに出演していた菊池麻衣子、岩崎ひろみ、手塚理美、段田安則、宮川大助・花子が登場。 イントロで段田安則が曲紹介。
 ドラマでは、「夫婦みち」は売れなかった曲、「まごころの橋」という別の曲が一発だけヒットして歌合戦にも1回だけ出場という設定でした。 現実には「まごころの橋」がA面、「夫婦みち」がカップリング扱いでシングルを発売したところ、ド演歌の「夫婦みち」が有線リクエストのランキングで1位になるなど人気を集め、両A面扱いとなり、歌合戦でもこちらを歌うことに。 売り上げは50万枚に迫るヒットとなりました。
 河合美智子は当初演歌歌手という設定なのに、こぶしが全然回せないため大丈夫か心配したとか。 それよりもっとハラハラ・ドキドキだったのが本番で頭上につけていたオーロラ。 後日談なのですが、手動で回転スイッチを入れるタイプで、イントロでスイッチを入れて回転させると、間奏のセリフのあたりでオーロラが開くというしかけだったところを、河合美智子はスイッチを入れ忘れ、気づいたのは1コーラスのサビのあたり。 帯のあたりにあるスイッチを入れますが、オーロラは時間が経たないと開かないため、2コーラスのサビ前あたりでオーロラが一部開いたことを影で確認すると、大きく頭を振ってオーロラを全開にしたそうです。

Love is…/河村隆一(初) [3:57]
 バンドLUNA SEAのボーカルRYUICHI。 前年でバンド活動を一時休止し、ソロ活動をしていたこの年、出したシングル全てが大ヒット。 特に「Glass」はシングルとしてはバンド、ソロ通じて初のミリオンセラーを記録。
 意外なことに、この時点ではLUNA SEAはまだ歌合戦に出場しておらず、ソロとして先に歌合戦の舞台に立つことになりました。
 「Love is…」は、この年の最新シングル。 羽田健太郎のピアノ、パイプオルガン、そして雪が降るというシンプルな演出。 初出場でも歌唱時間は4分近くという高待遇。

ゲスト審査員とのトーク
 NHK朝の連続テレビ小説「あぐり」のモデルとあった吉行あぐりと。

幸せ/小林幸子(初) [3:18]
 装置の準備に時間がかかったようで、伍代夏子華原朋美幸子の今回の衣装がどうかたずねて時間かせぎしようとするも、「楽しみです」とそっけないコメントしかもらえず、結局自分で場をもたせることになる紅組司会のアッコ
 淡い電飾で光る卵から孵化した幸子。 1コーラスの途中まではまだおとなしいですが、サビに入ると、バックから大きな布団のようなものが広がってきました。 どうやらこれは羽で、さなぎを飛ばしていきなり成虫になったようです。 でも、でかくなるだけでは、もはや観客は驚きません。 そこで、照明が暗くなると、羽もやはり淡い電飾で光り、さらには、触覚のようなものが4本点滅し始めました。
 幸子、これがあなたにとっての「幸せ」か。

 白組司会の中居正広が「せんまいね」が「狭いね」と聞こえたと言ってましたが、正確には「せんないね」です。

Forever Love/X JAPAN(5) [4:44]
 3年ぶりの歌合戦。 「Forever Love」は前年に発売された曲。 このステージをもって解散。 東京ドームでのラストライブ後のステージだったため、Toshiの喉もYOSHIKIの手も限界いっぱいといったところ。
 解散前数年は歌合戦に出場しておらず、ラストライブ後に歌合戦に出場することが発表されたのは、この年の観覧申込みが終わってから。 それでもたくさんの声援がありました。
 後に再結成を果たし、歌合戦にも出場しますが、その頃にはメンバーのhideは亡くなっていました(オリジナル・メンバーだったTAIJIも)。

佐ノ山親方(元大関小錦)登場
 ありがとう1997ショーに続いての登場。 9人兄弟の8番目だそうです。 兄弟も音楽好きということで、姉妹で歌う次の2人に繋がります。

トルコ行進曲/由紀さおり(16)・安田祥子(6) [2:16]
 塚田佳男のピアノと2人のボーカルだけというシンプルな構成。 CDでは2人のボーカルを多重録音したものがありますが、歌合戦では2人の生歌以外のコーラスはなし。 声だけに注目してもらうため、髪型もドレスも同じものにしたそうです。
 歌い終わった後の2人の「歌ったった!」という嬉しそうな顔と、後ろにいる塚田佳男の表情のない顔が好対照でした。
 この年一番短い歌唱時間でしたが、インパクトは絶大。

秋桜/さだまさし(9) [3:38]
 ストリングス、ピアノ、ギターの演奏つき。 歌合戦での歌唱は第43回(1992年、平成4年)以来2回目。
 歌詞の内容からカットが難しく、歌唱時間が長くなることが多いさだまさし。 この曲はフルコーラスでもそんなに長くありませんのでNHKも安心。

うたかたの恋/藤あや子(6) [2:44]
 広末涼子Every Little Thing持田香織松たか子の振り袖姿あり。 この頃は広末涼子が17歳、持田香織が19歳、松たか子が20歳か。
 そんな小娘たちを蹴散らす妖艶なあや子。 それでも、当時36歳なんだよな。
 この年の歌唱時間としては短い方ですが、変なカットもされず2コーラス。 当時のあや子はシングル売り上げも安定期で、この曲も15万枚を超えるヒット。

ゲスト審査員とのトーク
 片岡仁左衛門と。 襲名したてで、まだ新しい名前に慣れないとおっしゃっていました。 20年前に芸名を変えた次の歌手に繋がります。

津軽平野/吉幾三(12) [2:52]
 もともとは千昌夫に提供し、千昌夫は第35回(1984年、昭和59年)に歌っています。 吉幾三バージョンのシングルは1996年(平成8年)に発売されました。
 バックには大きなねぶたと三味線を弾く皆さん(なんとか社中とか、名前出なかった気がします。この年って、演奏者や合唱団の名前があまり出なかったような)。 この年の男性演歌歌手としては珍しく和装でした。

さとうきび畑/森山良子(7) [4:11]
 第42回(1991年、平成3年)以来の歌合戦。 この年、沖縄が本土に復帰して25年ということで、1965年(昭和40年)に発表されたこの曲が「みんなのうた」で放送され話題となり、歌合戦で歌われることになったそうです。
 ステージはご本人のギターの弾き語りと、もう一人ギターの演奏がつくだけというシンプルなもの。 フルコーラスだと10分を超えるため、カットされていますが、それでも4分を超える歌唱時間となりました。
 この曲は後に歌合戦でもう1回歌います。 そしてシングル発売もされますが、それぞれ別のタイミング。 シングルは2001年(平成13年)に、「採算を度外視して、こういう歌を発売することも必要」というレコード会社の判断で発売されましたが、予想に反してヒットとなりました。 一方、歌合戦でこの曲を次に歌うのは第56回(2005年、平成17年)のこと。

若大将’97スペシャル/加山雄三(13) [3:03]
 「夜空の星」~「ブラック・サンド・ビーチ」~「蒼い星くず」のメドレー。
 第39回(1988年、昭和63年)以来9年ぶりの歌合戦。 この年還暦を迎えた若大将をサポートするのは、白組出場歌手によるスペシャルバンド。 ベースはシャ乱QしゅうTOKIO城島茂、ギターはシャ乱Qはたけさだまさし、ドラムは西城秀樹シャ乱Qまこと、そしてバックコーラスは美川憲一前川清堀内孝雄

ゲスト審査員とのトーク
 当時竜王・名人だった谷川浩司と。 将棋のことを忘れて楽しんでいたら、ゲストで羽生善治さんが登場し、一瞬将棋を思い出したとか。
 続いて直木賞作家の篠田節子と。 「ステージの熱気で脳みそが半分溶けてる」なんて、尋常ではない表現でコメントしてました。

大志(こころざし)/坂本冬美(10) [2:46]
 紅組司会の和田アキ子をいらつかせた当て字タイトルの曲その2。
 歌合戦では、ほら貝のように結い上げた髪でおなじみの冬美ですが、この年は横に広げていました。

櫻守/谷村新司(11) [3:29]
 櫻(さくら)ってことで、桜の花びらと思われる降らせものあり。 ひょっとしたらイントロ短かったかもしれないけど、しっかり2コーラス歌ってました。

女性初の南極観測隊員との電話
 紅組司会の和田アキ子が電話で話を聞きます。 夏なので、温度はプラス2.8度くらいらしい。 夏でもその温度なのでどんな服装なのか聞こうとしたら、うまく聞こえなかったようで、「はい?」と聞き直され、スタッフからも電話打ち切りの合図が出たようで、そのまま「紅組を応援して下さい」と伝えて電話はおしまい。

海峡の宿/都はるみ(29) [2:46]
 はるみって、引退前は歌合戦で歌うときの着物は総絞りと言っていた気がするけど、今回は違うね。 復帰後の着物はちゃんとチェックしていませんでした。
 出場回数29回のはるみですが、翌年「12月のコンサートで燃え尽きてしまい、モチベーションが上がらない」という理由で辞退したため、この年が最後の出場となっています。

冬の宿/細川たかし(23) [3:29]
 宿対決か。 なんか、シマウマ柄というか、形容し難い柄のスーツを着ています。 この頃の髪型は普通なんだがなあ。

天城越え/石川さゆり(29) [3:36]
 第37回(1986年、昭和61年)の紅組トリで歌って以来、2回目の歌唱。 さゆりは1973年(昭和48年)デビューだから、この年でデビュー25周年。 西城秀樹は1972年(昭和47年)デビューで、この年デビュー25週年と言っていた気がしますが、この「○周年」は丸○年経ったときに使うか、○年を迎える年に使うか、歌手によってバラバラ。 無事に25週年を終えられたということで、人気のあるこの曲を歌うと紹介されました。 ちょっとテンポ速かったかな?

襟裳岬/森進一(23) [3:16]
 第25回(1974年、昭和49年)の大トリで歌って以来、2回目の歌唱。 この年、北海道にこの歌の記念碑ができたそうです。 この曲も、ちょっとテンポ速かったかな?

夢/和田アキ子(21) [3:36]
 司会者の歌唱なので、曲紹介は前年紅組の司会を務めた松たか子。 でも、曲紹介までのおぜん立てをしていたのは都はるみ
 ゴスペル調のバックコーラスつき。 DREAMS COME TRUEのコーラスもしていた浦嶋りんがいたような…。

竹/北島三郎(34) [3:16]
 バックが雪が積もった林のようなセットになっています。 竹も何本か。 おそらくサブちゃんのためだけのセット。

CAN YOU CELEBRATE?/安室奈美恵(3) [4:57]
 結婚・妊娠を祝福するかのような金色の紙吹雪が舞い降りる演出。 20歳でのトリは第29回(1978年、昭和53年)に19歳でトリを努めた山口百恵に次ぐ若い記録。 同じ20歳で、第8回(1957年、昭和32年)に大トリを努めた美空ひばりがいますが、生まれた月の関係でひばりの方が大晦日時点での年齢はちょっと上。

千曲川/五木ひろし(27) [4:30]
 大トリは第38回(1987年、昭和62年)以来3回目。 「千曲川」は五木ひろしが初めて白組トリを努めた第26回(1975年、昭和50年)以来の歌合戦での歌唱となります。 基本的に、歌合戦初出場以来ヒット曲を出し続けている方なので、歌合戦で過去に歌った歌をもう1回歌ったのはこの年が初めて。 長野オリンピックが開催される長野県を舞台とした歌であることから、選曲されたようです。 五木ひろしとしても、この年は10万枚を超えるヒット曲がなかったので、NHKの思いとうまく合致したといったところでしょうか。
 バックには混声合唱団。 3コーラスでイントロも間奏もアウトロ(大トリだから大エンディングか)もたっぷり。 それでも安室ちゃんの方が長いという。

エンディング
 会場審査の集計は麻布大学野鳥研究部のみなさんと珠算有段者の皆さん。 紅組司会の和田アキ子は「ちょっと白が優勢ですかね」と正直に言ってます。 会場審査の結果は
 紅組 1,068
 白組 1,610
と、白組優勢。 ちょっとどころじゃなかったね。 ということで、白組にボール2個。 ゲスト審査員とNHK番組制作局長のボールを加えた結果は、
 紅組4個、白組9個
と白組優勝でした。 ボールの数も前年と同じ。 総合司会の宮本隆治アナウンサー(当時)が白組司会の中居正広が昔野球をやっていたということで、「打った球はどんなでした?」と聞いていました。 おそらく、「白」という言葉を出したかったのでしょうが、優勝に興奮した中居正広は「すごく速い直球を思いっきりホームランにした」と彼らしいコメントをしてました。
 ラストの「蛍の光」の指揮は、すっかり「蛍の光」指揮者として定着した宮川泰。 タクトはまだ1本。 タクトについたリボンもかわいいもんですが、前年の赤と白に加えて金色のリボンも加わっていたような。


進行
 2016年にこの年の映像を見直したのですが、2000年前後から度々あったドタバタ感がなくて、平和な頃の歌合戦を見た気がしました。

選曲
 なつメロ少ないね。 歌ったとしても、ちゃんとなぜこの年になつメロを歌うのか、理由付けが説明されていて、それならいいかなと思いました。

歌唱順
 白組から始まり、前半戦の途中になぜか攻守交代があり、前半戦大トリも白組。 後半戦も白組から始まり、途中で攻守交代があり、やはり大トリも白組。 これだけが不満。

歌唱時間
 3分を超える歌手がたくさんいて驚きました。 2分前半の歌手もいましたけど、ちゃんと2コーラスは歌っていたので、扱いが悪いという印象はありませんでした。

全体として
 ちょっと、白組の勝ちが続いてるかな、と思い始めた頃です。 でも3連勝だったので、それは過去の歌合戦でもあったこと。 この後、歌手の扱いの差が広くなって、白組の連勝が続いて、ぐちゃぐちゃになっていくんですけど、そんなことを知りもしない頃の歌合戦でした。