ホームページの表紙に載せた写真・イラスト


いままで表紙に載せた写真やイラストをここにコメントとともにまとめてみました。記憶があいまいで漏れている写真もあるかもしれません。少しでも山の感じ、サイクリングの雰囲気が伝わってくれば、そんな事を考えています。

表紙に載せた写真達

Wレバーとはいえインデックス方式の現代の
自転車でその世界を知った自分にはフリク
ションシフトは非常に新鮮だ。変速レバーの
位置が悪いと、思ったとおり変速してくれないし
当然異音もでる。フリーにチェーンがうまく
はまらずに空回り。うまく変速したらしたで今度
はフロントのレバーも微調整してやらないと、
フロントディレイラーの羽根からももやや干渉
音が聞こえてきそうだ。。。少し緩めて、少し
締めて。そうこうして乗り慣れたある日、インデ
ックスの自転車に改めて乗ってみる。あれ、
何かが足りない。便利なのになぜだろう・・。
スピードもクイックさも求めない自分には、この
適当さが実はとても快適なのかもしれない。
最近そう、感じている。
稜線にあがると尾根道にはガスが漂い始めた。
小さな粒子が木々にまとわりついて、遠くの眺めをブロック
してしまう。ボーっと、浮かび上がるブナのシルエットは
夏の夜に浮かび上がるぼんぼりの明かりのようでもある。
木々のシルエットを追い求め稜線を急いでも、行く手の前に
ブナの影は消えることがない。ふっ吐息をはいて汗をぬぐう。
魅せてくれた、そう思わず唸る一瞬。六月のすばらしい山を
感じるのだった。
森の中の静かな道を走る。ペダルを踏むと風景が溶け、流れる色となって自分達を包み込んだ。秋そのものの森から広大な台地へむけて走った、素晴らしいピカルディのサイクリングだった。 2009年11月、フランス、ピカルディ地方・コンピエーニュの森にて とあることで少し古い自転車が我が家にやって
きた。車歴は25年程度だろうか。自分の脚力を
考え駆動系のパーツを少し変更。ややくたびれ
ていたケーブル類も交換してセッティングも自分
にフィットするようにいじってみた。この自転車、
四半世紀の間前オーナとはどんな道を走って
きたのだろうか。そして今日は新オーナーとの
菜の花畑へのサイクリング。さて楽しんでもらえ
ただろうか...?
2010年5月、フランス、プロヴァンへにて)
夏時間に移行して二週間、気になっていたサイクリング
の軌跡が途切れている部分をつなぐべく、半日のふらり
サイクリングに出かけた。セーヌ川の林には新緑が鮮や
かで、のんびりと散歩する人に混じりゆったりとした気分で
ペダルを踏むことが出来た。2009年4月、フランス、イル・
ド・フランス地域圏、パリ市南部コルベイユ・エソンヌにて
それはアルプスの、大きな山塊の裾を回る
トレッキングルートだった。森を抜け渓谷を
高巻いてアルプを歩いた。氷河が作り上げた
複雑な地形を辿れば峻険な山々が手に取る
ように近づいた。氷河には手が届きそうにも
思えた。あえぐように高度を稼ぐと峠を越え、
再びアルプへ村へと降りていく。一体何度峠
を越えただろう。振り返ると長い距離を歩いて
きた自分たちの影が、山に、空に溶けるように
伸びているのだった。 2008年8月、アルプス、
ツール・ド・モンブランを歩く
セーヌ川の支流沿いに在るその街は、
川と小さな運河が街の中を流れる静かな
町だった。その川に沿って北上してみると
緑豊かな風景の中にひどく現実離れした
長閑な世界があり、中世の面影を感じさせる
古い街へと導かれた。予期せぬ風景の展開を
前に、自分は時の経過を忘れる程だった。
2008年10月、フランス・サントル地域圏
モンタルジにて
パリ南南東に位置するバルビゾンは
広い畑とフォンテーヌブローの森に
囲まれた緑豊かな小さな村だ。
画家ミレーなどが愛したと言うその
長閑で美しい村へ、愛車にまたがり
ペダルを踏んで走ってみた。2008年9月、
フランス、イル・ド・フランス地域圏
バルビゾンにて 
春と言うよりはもう初夏の日差しの中をゆっくり
と愛車をこいで由緒ある教会のある旧い街を
目指した。広大な丘陵地を行く道は緩やかなアッ
プダウンがあり、おりからの向かい風にやや足は
重い。手元のギアを一段軽くして緩い登りを上り
切ると目の前の黄色一色に思わず溺れそうだ。
見事な菜の花の畑に汗をぬぐうのも忘れるほど
だった。4月、シャルトルへのサイクルツーリング。
フランス、ウール・エ・ロワール県
木々の生い茂る公園を抜け石畳
の道を走る。フランス人の自動車
運転マナーは日本人には予測でき
ない動きで全く馴染めないものだが、
自転車に対してはその車道の通行
を尊重してくれる。自転車文化の
成熟、これがヨーロッパの良い所
だろう。2008年7月、パリ16区にて
パリ北西の印象派画家の街と
して知られるポントワーズから
サンジェルマン・アン・レーへ
小さな自転車旅。セーヌ川を南へ
向け横断してサンジェルマンの森
に進み行く。日差しは強いだけで
はなく陰影に富み、透明な空気が
晩夏の訪れを感じさせていた。 
2007年8月、イル・ド・フランス、
サンジェルマンの森にて
近隣の森の中をゆっくりと自転車
で走る。森はさまざまな種類の樹
木が入り混じっているのだろうか、
木々は9月の半ばから部分的に
色づき始めたが2ヶ月以上経った
今でもそれは続き、いまや森全体
が黄色く色づいたように感じられ
る。落ち葉を踏んで、再び森の奥
へ向けて走ってみよう。 
11月、パリ、ブローニュの森にて
石畳の上を走っていくと教会を
抜け木組みの家の続く小さな街
並みに出た。ブドウ畑を背にした
静寂に溢れるその街はまるで
中世の時にいるような錯覚を
覚えさせる。ドイツでの自転車旅
は時間を旅するかのようでもあ
る。 2007年6月、ドイツ・ライン
ラント-プファルツ州・バッハラッハ
パリの街中を効率的に走るのには勇気と思い切り
が必要だ。皆がそうしているように、自動車走行車
線を自動車同様に走る、ラウンドアバウトへの進入
をする・・・。自転車はドライバーからはよく認知され
ておりそれでクラクションをならされたり嫌がらせを
されたりはまず無いが、そもそも速度が違うものが
同居するのだから危険は多い。ヘルメットは欠かせ
ぬ装備だろう。 2007年8月、パリ・16区、フランス
冬のドイツは小雨交じりの
どんよりとした天気が代名詞
なのだが今日はどうだろう。
陽気に誘われていつもの
ライン川の森に出るともう春
を待ちわびる人々の散歩で
森には活気があった。自転車
で走ると頬に当たる風は冷たく
もあるが降り注ぐ日差しが暖か
い。2月と言うのに暖かかな
日曜日だった。 2007年2月、
Meerbusch Germany

森の中には暖かい空気と鮮やかな緑が
待っていた。渓流を横切ろうとした馬は
騎手の意に反して余りの心地よさにか足
で水を蹴り水浴びをする始末だった。笑い
声が森に溢れた。それは長い冬の後に
ようやく春がやってきた、そんな歓びの声
に違いなかった。2007年4月、パリ、ブロー
ニュの森、パリ・フランス
3月のライン川。この日は
朝から雪、雨、晴天、そして
雪とめまぐるしく天気が動いた。
日の沈む時刻に外に出ると
冷たい空気の下澄んだ視界
が得られた。
写真: 11月のライン川の森にて。11月
も終わりに近づいたある日、夜から静かに
雪が降り始めました。翌朝早速スキーを取
り出して外へ出てみます。いつもの散歩道
が今朝はノルディックスキーのコースに早
変わりです。汗をかいて家で飲んだ水の
なんと美味しかった事でしょう。 
2005年11月、Dusseldorf Germany
(スキー場のトップでシールを貼った。期待
と不安が入り混じり気が重い。早く行きたい
という興奮、一方雪崩や天候に対する不安。
いっそこのまま戻れば気が楽になろうが
もう一人の自分がそれを許さない。シール
を貼り終えるとあとは行くだけだ。数分も進
めばスキー場の音楽も風に飛ばされた。
誰も居ない山頂に向けて、ただ登る・・。
四月、上越国境・神楽ケ峰へテレマーク
スキーツアー)山行記へ
山に出かけ四季を感じる事は山歩きの大きな楽しみだ。五月は新緑、そしてツツジの花。そんな風景を探して山の懐へ入った。稜線まで頑張ろう、そこできっと待っていた花や緑に会えることだろう・・・。五月、奥秩父前衛、黒川・鶏冠山  山行記へ
悪天候に出発をためらったが
気負いの無い先行者に励まされ
登り始めた。視界は10mもなかっ
た。ガスの中から時折浮かび
上がる指導標と先行者のトレース、
コンパスを頼りにただ登る。海抜
2100mあたりから樹氷帯となった。
疲れて足が思うように進まない。
山頂まで、あと一息のはずだ。
二月、長野・根子岳へテレマーク
スキーツアー  山行記へ
寒風吹く山頂から雪庇の尾根、
狭い樹林帯、痩せ尾根などを
滑って、下りてきた。行程の最後
にはゆったりとしたカラマツ林の
中の滑降が待っていた。わずか
半日の中に色々な出来事が
濃縮されていたような、夢の様な
ひと時だった。三月、長野・北信
五岳、飯縄山へテレマーク
スキーツアー  山行記へ
上越国境の山に登るのは初めての経験
だった。登山口での晴天が嘘のように森
林限界を超えて登ると乳白色のガスに
包まれた。さすがに天候の激変で名高
い場所だ。風の唸りとカッパのフードの
はためく音しか聞こえない。視界の利か
ない中を一人登るのはやはり寂しい。
まだ見ぬ山頂を頭に浮かべ、背をかが
めてただ登っていく。
9月・上越国境、平標山  山行記へ

笹薮のトラバースが終わると潅木の煩い
小さな鞍部に出た。枝を払いながらか細
い踏跡の尾根を登っていく。初夏にはシャ
クナゲが咲くというその稜線も今は深い緑
に埋まっている。登りきると小さな岩峰だっ
た。目指す山頂がここでようやく前方に。
まだ遠い。歩かなくては。岩峰からは再び
笹原の登りだった。絶えず風景が展開する。
だれもいない奥秩父の山。
七月、埼玉・和名倉山へ   山行記へ

週末は雨の天気予報。そんな時は傘を
さして登れるような小さな山に行こう。
地形図に埋もれたような山はいずれも
マイナーな藪山ばかり。藪はつらいが里
に近いせいか労せずして登れるのが良い。
下山してくると秋の陽射しとお花の溢れる
里が目に鮮やかだった。天気予報は外れ
たがこんな山々を歩くいい機会を与えて
くれた。九月、相模湖奥部の山々を歩く。

山行記へ
下山の途中、振り返って先ほどその頂上に
立った大岸壁を展望する。紅葉に彩られた
山裾からそれは驚愕すべき存在感でそそり
立っていた。艫岩というだけあって本当に
荒海を走る巨大な船の艫そのものの素晴
らしい岸壁。あの舳先に立って荒海のように
重なり合う西上州から信州の山の海を共に
漕いだのか、と思うとこの岩の塊ももはや
親しみ深く、恋しくすら思えるのだった。
10月・群馬・西上州、荒船山にて
山行記へ
新興住宅地の奥から山道らしくなったコースを10分も登るとそこには山頂の展望台があった。その昔六つの国が見渡せたというピークからの眺めは低山とはいえ雄大だった。桜の花を見ながら柔らかな春の空気を味わった。鎌倉の丘陵、六国見山へ。四月。山行記へ シールをつけたテレマークスキーで稜線を
目指した。森林限界を越える。夏は湿原と
いうあたり一帯も白い雪原だった。小至仏
山が目の前に。先行する山スキーヤーが、
遥か先に豆粒だった。稜線をわたる風の音
に、独りの思いが高まった。群馬、尾瀬・
至仏山へ。五月。山行記へ
足の裏に軽やかな粉雪の感触が伝わった。
夢中でスキーを動かした。静かに音もなく降る雪
が林の中に吸い込まれていく。誰も居ない林の
中、あぁなんという素晴らしい一時なのだろう・・。 
1月、栃木・日光光徳にてクロスカントリースキー。

山行記へ

2時間半かけて登ってきた。スキーで登る山の
気分は別格だった。冷たく吹く風すらも苦痛では
なかった。青いというより黒い空の下、雪原に
シュプールを伸ばす。さぁ、下山だ・・。 3月、
長野・北八ケ岳でテレマークスキーツアー)

山行記へ

横岳まで登ると目の前に赤岳が飛び込んできた。
異様に尖るそのピークは剃刀を逆さまにしたような
鋭さがあった。その手間に横岳の岩稜がいかにも
気難しそうに待ち構えていた・・・今から、あそこを
辿るのだ・・・。八月、長野・八ケ岳 山行記へ
藪の支尾根から主稜線に合流するとそこには
やや明瞭な踏跡があった。冬の陽射しを背に
静かな尾根を辿った。ハンターと猟犬以外には
誰に会うこともない、静かな冬枯れの山だった。
12月、丹沢前衛の藪山・高取山を歩く。
山行記
暗い林の尾根道をしばらく
歩くと、道はやや登り尾根を
反対側へ乗っ越す個所に出た。
南側からの容赦ない光に目が
眩む。子供たちはいち早く
駆け上り、「海が見える!」・・。
どれ、はやく見てみよう、心が
躍った。六月、雨上がりの
三浦半島の丘陵地への
ハイキング 山行記へ
稜線は残雪が深かった。時折踏み抜くこともあり
歩行は必ずしも快適ではない。しかし重厚な森林
帯とじっくりとした登り道はさすがに南アルプスらしく
存分に堪能させてくれる。今宵の宿まではあと少し。
のんびりと、行きましょう。 
五月、南アルプス鳳凰山へ夜叉神峠から入山した。
山行記へ

誰も居ない雪原にシュプールを伸ばした。
傾きかけた春の西日に自分の影が長く
延びていた。喘いで山に登り、そして何度
転んだことだろう。でもゴクゴクと飲んだ水の
美味さを、ピークから見た素晴らしい大展望を、
そして雪稜から谷筋へ、広闊な原への風景の
展開を忘れる事が出来ない。夢のような
一日だったのだ・・。3月、長野・霧が峰へ、
テレマークスキーツアー。 山行記へ

広闊な稜線には雪が深かった。それは
白いというよりも青く、その奥には荒山が
高くそびえていた。冬の赤城は自分の手
には負えかねたが、頑張って濃密な満足を
味わった・・・。 1月、群馬、赤城山・鍋割山
山行記へ
雑木林の尾根道には低山歩き
の楽しさが凝縮されている。落葉
をカソコソと踏んで山頂へ。
12月
栃木市、晃石山 山行記へ
標高差1500mをただただ登った。辿りついた山頂に
テントを張った。さぁあとは無線するなり昼寝をするなり
飲んだくれるなり、なんでも来いだ・・。海抜1990mの
快適な宿。ニ人の仲間と、あとは夕闇を迎えるだけ・・。
10月、仲間とともに歩いた静かな安倍奥・七面山にて
山行記へ

急登をひたすらこなして尾根に上りつく。今度
は二重山稜の中、シダ類の茂る湿っぽい道と
なった。野生動物の気配が一段と濃くなる。
南アルプスは深い。誰にも会わず独り言と自分
の歩く音しか聞こえない。シーンとした重厚な山。
楽しくも、寂しくも、不安でもある。誰か、来れば
良いのに・・。8月、南アルプス白根南嶺・笊ケ岳。
Ricoh GR-1 F11AE  山行記へ
踏み込んだ谷の中は思いのほかに明るい。が重たい
湿気が支配する。左手に延びる沢を横目に上部の
明るさにつられ右手の山肌にそって登った。地図にも
ないルートを歩くのは多くの不安と僅かな楽しみが
同居する。踏跡は明瞭でなく読図と勘が必要だ。蒸し
暑い谷と不安感にたちどころに汗が垂れてきた。 
7月、丹沢前衛の山 華厳山へ。 Ricoh GR1
山行記へ
小野子山に向かう稜線から中ノ岳と十二ケ岳
を望んだ。茶色の山肌にも緑が混じる。今から
あの両ピークを踏まなくては、と嬉しいやら
がっかりやら。しかしこの空気、春、いまこそ
盛りとの感が強い。五月の山が自分を包み
込むのを感じた。群馬・小野子三山。山行記へ
沢沿いの登山道を辿り稜線に上がった。その
直下まで豊富な沢水が清涼感を与えてくれた。
稜線には緑に混じってピンクのツツジが彩りを
沿えている。もったいないほど清清しい空気の
中を独りで歩く。5月の山を満喫した一日だった。
静岡・愛鷹山系、位牌岳から愛鷹山へ。山行記
枯れた色彩の稜線だった。とはいえ先ほど
までの黒くて冷たいガスもいつしか消え去り
あとは角が取れて丸くなった空気と前方から
時折振る鮮やかな陽光があるのみだった。
閑寂な道志の山。今倉山から二十六夜山。
Nikon FG-20 Nikkor 28mmF2.8  山行記へ
家族四人で歩いた鎌倉アルプス。三月とはいえ
柔らかな空気に包まれた古都の山はもう春
そのもの。円海山から大平山まではるばると、
皆さん、ご苦労様・・。横浜市南部から鎌倉市・
大平山までのんびりと散歩。 山行記へ
ガスの中を抜けるとそこは二重山稜の静寂
の境地だった。歩みを止めるとウワーンと
重厚な音。それは無音の持つ音だった。
「静けさ」に音がある事を初めて知った。
静かな、それはまさに人知れず在る
夢幻境だった。8月、南アルプス上河内岳
から茶臼小屋へ向けて。 山行記へ 
Ricoh GR1 F11,-1/2EV
落葉を踏んで日溜りの尾根を歩いた。
茶色のモノトーンの中、秋の匂いが一面に
漂っていた。静かな安蘇の山を歩いた日。
栃木県安蘇郡・尾出山。 山行記へ
Nikon Coolpix775
清涼な沢音と鮮やかな緑に囲まれて歩く山
には5月の空気が横溢する。西上州の諏訪山
は山頂に至る前にきりりと締まった岩場が
あった。そんなアクセントがありながらも地味で
落ち着いたその様は、まさに静かなる山
そのものだった。Nikon nFM2/T
ZoomNikkor 35-70mm 山行記へ
緑色がこんなに華やかで深みのある色だった
とは知らなかった。木々に混じるツツジの紅色
さえ新緑の引き立て役に過ぎない。時折流れる
ガスが緑色を一瞬けむらせて再びその魅力を
見せつけてくれる。梅雨の合間の一日、しっとり
とした山を歩いた。山梨・金ケ岳から茅ケ岳
Nikon nFM2/T ZoomNikkor 35-70 山行記へ

2001年正月の朝。シャックから眺める丹沢・
大山とその奥に富士山。
Nikon FG-20 210mm F8 -1/3EV
わずかに残る冬の名残も柔らかくなった空気に触れ
日に日に小さくなっていくようだった。春が足音を高
めてやってくる。山頂まであとわずかだ・・。
4月も程近いある日、日光の鳴虫山を歩いた。
この山行の記録
KODAK DC3800 (230万画素ディジタルカメラ)
稜線では昨夜降ったという雪が残って
おり木々には氷の花が咲いていた。
先達者の足跡が幾つかあるものの
誰にも会わない。軽くてふわふわの
雪を踏みながら静かな北斜面 を下りて
いった。低山ながら雪の山を満喫した、
という満たされた思いが強かった。
1月、上越の一等三角点峰、子持山。
この山行の記録
Nikon FG-20 Nikkor 35-70mm F22AE
稜線に上がると雪上に古びた先達者の
足跡が不明瞭に残っていた。誰にも会う
気配の無い静かな尾根歩きの始まりに
大きな期待と小さな不安が入り混じった。
二月、山梨・道志の寂峰・阿夫利山。
登りはじめから下山まで一人っきりの
山だった。Nikon FG-20 Nikkor 28mm
F18 +2/3補正 この山行の記録
鹿の群れ以外に稜線で会ったのは3人だけ
だった。日光連山方面から時折強い北風が
吹き身が縮んだが、その分青い空と素晴ら
しい展望が雑木越しに望めた。目指す山頂
まであとわずか。静かな冬枯れの山だった。
12月、栃木県・足尾山地、夕日岳。
Nikon NewFM2/Tズームニッコール35-70mm
この山行の記録へ
山麓にミカン農園の広がる弓立山。
その山頂へは薄暗い杉の木立の道が
続いていた。ミカン狩りと称して家族を
連れて家を出てきたが、この湿っぽい
山はいかにもつまらない。さっさと無線
を終えて早めに下りよう。
11月末、埼玉県比企郡。
この山行の記録へ 
maxell WS30 (35万画素デジタルカメラ)
ざあざあと音を立てながら笹の海を泳ぐ
ように歩いた。希薄な踏み跡を目で体で
探しながら歩く。歩みを止めると笹原の中
につけたざわめきが残っており,笹の屑とも
埃ともつ かぬ小さな粒子が舞っていた。
本当に迷わずに歩ききれるか、不安が
心の中によぎった・・。10月、富士山
西方、毛無・天子山塊。毛無山から
高デッキを経て雨ケ岳へ笹薮を歩いた。
Nikon FG-20, 35-70mm F11AE
この山行の記録へ
朝の原生林帯にはすがすがしい空気と静寂
さが漂っていた。薄暗い中をしばらく歩くと
濃密な林からこぼれるような光が届いた。
すっと樹林帯を抜け出すと明と暗のコントラスト
に一瞬目が眩んだ。この先、どんな光景が
待っているのだろう・・。8月、南アルプスは
仙水小屋から甲斐駒を目指した。
Nikon New FM2/T, ニッコール50mm
この山行の記録へ。
重いザックを背負って一日稜線を歩いた。
樹林帯を抜けカヤトの原に飛び出す。
ふと足元を見ると西日を浴びた自分の影が
長く伸びていた。テントサイトまでもう後少し、
頑張ろう・・。 この山行の紀行記録
5月、山梨・小金沢連嶺・湯ノ沢峠近くにて。
NIKON FG-20/ニッコール50mmF1.8
F11AE、-1/3補正
黒岳への登りの途中でミルク色の
ガスの中を歩くようになった。見上げる
すぐその上にガスが流れているので
追いつこうと登ると、あったはずのガス
消え更に前に漂っている。まるでガスに
手招きをされているような、そんな
不思議な感覚だった。この山行の記録
NIKON FG-20/35-70mm F11AE
幾つ小さなアップダウンを越えただろう、
前方に目指す鶴ケ鳥屋山が近づいてきた。
4月、山梨・笹子の山、本社ケ丸から鶴ケ鳥
屋山の稜線。 この山行の紀行・記録
稜線は笹と葉を落とした雑木の中。色彩感
のないモノトーンの世界。3月、春まだ浅い
道志の山を歩いた。赤鞍ケ岳にて
この山行の紀行・記録
霧氷のついた稜線には冷たく濃密な
ガスが流れた。ひとけのない稜線。
まるで無窮に向かう歩みのように
進んだ。12月、山梨・御坂山塊。
この山行の紀行・記録
残雪の稜線を歩く。ザクザクと雪を踏む。
やわらかな陽射しの前に少しずつ春が
近づいてくるのが感じられる。
2月、奥多摩・三頭山から静寂の笹尾根へ。
この山行の紀行・記録
静寂の尾根道を辿ると突如樹林帯を抜け
出しそこが標高2112mの山頂だった。
両端が切れ落ちた岩場、圧倒的な高度感、
果てしない展望。青空の下、ただただ
風景に見入るのみだった。信州、佐久の
盟主・御座山にて。オリンパスC820
この山行の紀行・記録
市道山から和田へ抜ける尾根道には秋の日差し
が溢れていた。落ち葉を踏む音以外には一人と
すれ違っただけの静寂の小径だった。
カメラはオリンパスのC820(デジタルカメラ)
この山行の紀行・記録
五月とはいえ標高2000mの朝は冷気
に包まれる。一夜を過ごした避難小屋
を後に、寒気に固まった道を踏み歩く。
一登りで稜線だ。南アルプスの大展望
が出迎えてくれるに違いない・・。期待
に満ちた一日の始まり。静岡・安倍奥
山系・山伏にて。リコーGR1,F5.6AE。 
この山行の紀行・記録 
傘を叩く雨粒がリズミカルだ。山々も
けむり緑も匂ういたつようで雨の山も
悪くない。梅雨空のもと奥高尾の山稜
で雨の山歩きを楽しんだ六月のある日。
カメラ MINOX GTE F5.6AE
この山行の紀行・記録
妻坂峠からは暫く急登が続き一汗かか
される。が、この爽快さは何だろう・・。
周り一帯を包み込む緑色の空気!大き
く息を吸うと5月の山が胸一杯に広がっ
た。カメラは京セラのPmini3,プログラム
オート+ストロボ強制発光 1999/5
奥武蔵・大持山。この山行の紀行・記録
登山道は明瞭なれど奔放な潅木と
ササに終始覆われていた。誰もいな
い稜線に藪を漕ぐ音のみが響く。静か
な山、御坂・王岳。とりわけ女坂峠から
王岳までは人ひとり会わなかった。
MINOX GTE、絞りF8AE。1999/4
この山行の紀行・記録

丹沢・檜洞丸山頂にて。バイケイソウの群落を木道
で渡る。霧がブナの木々を縫って流れてきて幻想的
だった。この写真は別途アマチュア無線用のQSL
カードにも使用。MINOXのGTE。絞りF8AE 1996/6
この山行の紀行・記録
朝。上越国境の山は一面の笹に覆われ、
朝露に濡れながら国境尾根を歩いた。
風が雲を連れてきては去っていった。
上越国境茂倉岳−武能岳間の尾根にて。
1998/9 オリンパスC820L
  この山行の紀行・記録
数週間前に降った雪が残っていたが
ひどいぬかるみだった。傾きかけた
日に終われるように雪を踏んで先を
急いだ。下山の途中。丹沢・鍋割山。
MINOX GTE。絞りF8AE、-1EV補正
1997/1 この山行の紀行・記録
5月連休の2000mの稜線はまだ深い
残雪の世界だった。甲府盆地側から
風が猛烈な勢いで吹き付け、不安に
駆られて歩いた。奥秩父・金峰山
山頂付近。MINOX GTE,1998/5
この山行の紀行・記録
逆光の北斜面のアプローチから目指
した山頂。ふわふわとした雪が残り
その感触が足裏に心地よかった。
奥武蔵・武川岳。オリンパスC820L。
1998/12 この山行の紀行・記録
素晴らしい天気に恵まれた晩秋の一日に
道志を歩いた。菜畑山山頂直下は短いが
滑りやすい土の鉄砲登りで一歩一歩ズル
ズルいく始末だった。道志・菜畑山。
MINOX GTE。絞りF11AE、1997/11
この山行の紀行・記録
重厚な原生林の中をひたすら
歩く。頭を空白にしてただ歩く。
入山初日のこの日は7時間の
延々の登りだった。南アルプス
椹島から千枚岳への道。
リコーGR1,絞りF11AE,1998/8
この山行の紀行・記録
節刀ケ岳から根場集落への下山途中、
雑木林を飛び出すといきなり富士と西湖
のパノラマが飛び込んできて足が止まって
しまった。かの山を前にただ無力感を味わう
のみ。御坂山塊・節刀ケ岳。
オリンパスC820L。1998/10
この山行の紀行・記録
雪に埋まった荒れた沢筋をつめて稜線を
目指した。導くように点々と前方へ続く
小さな足跡はキツネだろうか。しーんとして
誰も居ない。前道志の寂峰・高柄山へ。
1999/2 MINOX GTE
この山行の紀行・記録
初夏らしい強い木漏れ日の中を釈迦ケ岳
からドンベエ峠を目指して歩いた。誰にも
会わない静かな稜線だった。御坂山塊・
釈迦ケ岳から府駒山の間にて。
オリンパスC820L。1998/7
この山行の紀行・記録



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