とし坊 の読んどきゃ良かった記事情報 Back No.33
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2013/06/28
乳性飲料に通年性アレルギー性鼻炎を改善させる効果がある!? -伊藤園が確認
  http://news.mynavi.jp/news/2013/06/28/186/index.html
     マイナビニュース > 開発・SE > サイエンス 2013/06/28 
 伊藤園が6月27日に発表したところに依れば、フェカリス菌(殺菌体)入り乳性飲料の通年性アレルギー性鼻炎に対する症状緩和効果を確認したという。この詳細は、2013年7月9日から北海道大学で開催された「日本乳酸菌学会 2013年度大会」で発表された。

 花粉症の人が乳酸菌などを摂取することで症状が緩和することに関する試験が多数行われており、同社も2012年にフェカリス菌含有乳性飲料のスギ花粉症に対する症状の緩和効果について報告していた。
 今回の研究は、フェカリス菌(殺菌体)入り乳性飲料の通年性アレルギー性鼻炎症状に対する効果について、民間の研究機関である「ティーティーシー」のサポートを受け、人を対象とした臨床試験(無作為化二重盲検プラセボ対照並行群間比較試験)を実施された。
 試験は、通年性アレルギー性鼻炎患者40名を2群に分け、一方はフェカリス菌を含まない対照飲料、もう一方はフェカリス菌を1000億個含む試験飲料を1回/日、1本を8週間飲用。摂取開始前・摂取開始後4週目・8週目に一般臨床検査、アレルギー検査を実施した。

 この結果、フェカリス菌入り乳性飲料の摂取前後では、くしゃみ・鼻汁などで改善傾向がみられたほか、鼻粘膜の色調については対照群と群間差がみられた。又、「鼻汁中好酸球数」の事前検査時の判定結果が陽性の者を対象に層別解析を行ったところ、鼻閉症状・支障度でも群間有意差がみられ、摂取前後では、鼻汁・支障度・重症度・IFNγ/IL4比で有意差がみられた。
 これらの結果から、研究グループでは、フェカリス菌を継続的に摂取することで通年性アレルギー性鼻炎の症状を緩和する可能性が示唆されたと結論付けたというもの。

2013/06/19
赤身肉摂取増やすと、糖尿病発症率が上昇―15万人データ分析
  http://jp.wsj.com/article/SB10001424127887323382204578554232404051940.html
     ウォール・ストリート・ジャーナル > ライフ > ヘルス > 2013/06/19
 米ハーバード大学が主に看護師や医師を対象に実施した3つの長期調査の約15万人のデータを、シンガポール国立大学の研究者たちが中心になって分析した結果、過去4年間で牛肉や豚肉など赤身肉の消費を増やした人は、その後の4年間に2型糖尿病(生活習慣に起因するとみられる糖尿病)を発症する確率が、赤身肉の消費を増やさなかった人より高いが判ったと云う。この分析結果は米医師会刊行の「JAMAインターナル・メディシン」6月17日の電子版に掲載された。

 赤身肉の消費と2型糖尿病の発症との関連を指摘する研究で、赤身肉の消費量の変化と2型糖尿病の発症リスクとの関係を長期追跡したのは、今回が初めてとみられる。
 この研究で分かった事は、赤身肉の消費量を過去4年間で1日当たり半サービング(1サービングは1食分の分量)以上増やした集団と、消費量を変えなかった集団とを比較すると、その後の4年間に2型糖尿病を発症するリスクは、消費量を増やした集団の方が48%高かった。
 しかし、同じく4年間で赤身肉の消費量を同じだけ減らしても、その後の4年間に糖尿病を発症するリスクは低減しなかったが、もっと長い期間で見ると、リスクが14%減った。
 この結果は、その他の要素(体重や全体的な食事の質など)とは独立していて、両者の関連は見られなかった。

 論文の執筆者らは、赤身肉と2型糖尿病の予防との関連の強さを確認するもので、長期間にわたる赤身肉の消費抑制が予防上良い効果をもたらすことを示す証拠だと云うが、必ずしも赤身肉自体が問題ではないと指摘する医師もいる。
 この研究に対する解説(同じくJAMAインターナル・メディシンに掲載)を執筆したウィリアム・J・エバンス博士は、問題なのはタンパク質〜肉の種類ではなく、脂肪の種類が問題だと指摘する。同博士は、赤身肉は脂肪含有量が多いとする間違った描写がされている、と付け加えていて、赤身肉であってもリブ・アイ(リブロース=最も厚みのあるロース部分で、霜降りになりやすい部位)といった高脂肪の部位ではなく、サーロイン・ティップあるいはラウンド・ステーキなどといった低脂肪の部位を消費者は選択できる筈だと指摘する。

 米政府による一般的な食事の指針と同様に米糖尿病学会(ADA)は、糖尿病の患者に対し、野菜や果物を多く摂取し、乾燥豆を含む全粒食品を選ぶよう推奨している。また1週間に2〜3回魚を食べることも推奨している。脂肪分の少ない肉とは、牛肉や豚肉のうち、名前の最後に「ロイン」がつくもので、ポークロインやサーロインなどを指す。

▼原題:Major Study Examines Meat-Diabetes Link

2013/06/17
善玉の中に裏切り者 崩れるコレステロールの常識
  http://apital.asahi.com/article/news/2013061700001.html
     朝日新聞 > apital > ニュース > 2013/06/17
 何かと評判の悪いコレステロール。でも、細胞膜やビタミン・ホルモンなどを作るうえで無くてはならないもの。食べ物にも含まれるが、主に肝臓で作られ、体の隅々に運ばれる。この運び役が悪玉コレステロール(LDL)であり、コレステロールをたんぱく質や脂で包んだもの。

 善玉コレステロール(HDL)は健康に良い善玉で、悪玉コレステロール(LDL)を減らしてHDLを増やせば動脈硬化が減る・・・、こんなコレステロールの常識が最近怪しくなってきたという。HDLにもさして善行をしないものや、中には悪玉もいて、HDLは量だけでなく質も大事だということが最近判りつつあるという。

 HDLは細胞で余ったコレステロールを集めて肝臓に戻す働きが有り、包んでいるたんぱく質や脂がLDLと異なる。  HDLは集めたコレステロールを肝臓に戻す筈が、LDLに受け渡すことがあり、その仲介役がCETPというたんぱく質である。デンマークの調査では、遺伝子の変異でCETPの量が少ない人はHDLの値が1dl中70mg程度まで高くなり、心臓の病気になる割合が低い。
 HDL濃度が元々高くてLDL濃度が低い人は動脈硬化になり難い。動脈硬化症の人にHDLを注射すると症状が和らぐことも知られており、こうした発想から血液中のHDLの濃度を上げる薬の開発が進められてきた。しかし、2012年5月、スイスの大手製薬企業ロシュが開発を進めていた薬の臨床試験でHDL濃度は上がったが、肝心な心臓などの病気を防ぐ効果に差が出なかったことより、開発を中止した。この中止されたものはCETPの働きを抑えてHDLの濃度を高める薬だった。
 別なCETP阻害薬が試験中で結論が出ていないとはいえ、今のところ予防効果が見られていないのは、大阪大の平野賢一講師(脂質学)に依れば、「CETP阻害薬は、HDLが高くなり過ぎる」とみている。大阪大グループが国内でCETP欠損症の人達を調べたところ、HDLの値が100を超えて、むしろ動脈硬化になりやすい傾向があったという。

■善行せずぶらぶら
     動脈硬化の仕組みは、LDLが体の中に多くなると酸化LDLに変わって、血管壁の内側に溜まる。すると、マクロファージが集まってきて、酸化LDLを食べて退治しようとするが、分解できるのは周りのたんぱく質や脂だけで、コレステロールは壊せず溜めこんでしまい、このマクロファージが原因で血管が腫れるのが動脈硬化である。
     HDLはマクロファージからコレステロールを抜き去る能力があり、コレステロールを手放せば、マクロファージは動けるようになって血管から離れるが、CETPが働かないと、HDLはコレステロールを抱え込みすぎて動きが鈍くなり、コレステロールを集める役目を果たせなくなる。血液中でHDLが増えていると思っていたら、実はHDLが重くなっていただけで、働き者のHDLが増えていないのかもしれない。
■悪さをする仲間も
     2011年、スイスのチューリヒ大学病院のグループが米臨床研究専門誌に発表した研究に依れば、健康な人から採ったHDLは血管に良い効果があるが、動脈硬化症の人のHDLは逆に害を与えたという。
     LDLはほぼ1種類だが、HDLには様々な種類がいて、量だけでなくどんなHDLが含まれるか質も調べる必要がありそうだ。
     京都大の植田和光教授(細胞生化学)らに依れば、細胞のコレステロールをHDLに引き渡す段階も重要という見方もある。HDLにコレステロールを受け渡すABCA1というたんぱく質は細胞膜の内側を動き回って余分なコレステロールを集め、或る程度溜め込むと動きを止めてHDLが受け取りに来るのを待っているという。

2013/06/11
トマトソースパワー リコピンによる前立腺がんのリスク低減の仕組みが明らかに
  http://jp.wsj.com/article/SB10001424127887324449604578538603346294748.html
     ウォール・ストリート・ジャーナル > ライフ > ヘルス > 2013/06/11
 ガン予防研究誌「Cancer Prevention Research」に発表された研究に依れば、健康な前立腺細胞の中の抗がん作用の強化にリコピンが役立つ複数のメカニズムを特定したという。

 リコピンとは、トマトの中に含まれる色素カロチノイドで、リコピンを沢山食べることは前立腺がんのリスク低減と関係があることは知られていたが、それは主に、前立腺がん細胞を使ったものだった。
 シカゴで実施されたこの新たな研究では、健康な被験者の前立腺細胞を使用したもので、細胞はリコピンを含む溶液若しくはプラセボ(偽薬)で48時間処理された後、プロテイン水準の変化について分析した。
 使用されたリコピンの濃度は、1日約30mg、つまり、7.1オンスのトマトソースの缶相当を消費する男性の血液レベルに匹敵する。
 プラセボと比較すると、リコピンは人の前立腺細胞に複数の抗がん及び酸化防止効果をもたらした。複数の細胞たんぱく質が、腫瘍肥大の抑制や炎症の低下、がん細胞の増殖に著しい変化を示した。リコピンで処理した細胞では発がん性化合物の有毒作用から細胞を保護する酵素の水準が上昇した。但し、リコピンの抗がん効果がカロチノイドのためなのか、リコピンの代謝作用による分子の副作用なのかは分かっていないという。

▼原題:Effects of lycopene on protein expression in human primary prostatic epithelial cells

2013/06/08
携帯の電磁波、検査強化へ 総務省、体への影響考慮
  http://apital.asahi.com/article/news/2013060800003.html
     朝日新聞 > apital > ニュース > 2013/06/08
 総務省は、携帯電話から出ている電磁波について、人体への影響を考えて検査の基準を厳しくする。7月にも規則を改正し、来年4月に新しい基準を適用する予定という。

 背景には、パソコンやタブレット端末をスマートフォン経由でインターネットにつなぐ「テザリング機能」が広がり、携帯電話から出る電磁波の量が増えたため。市場に出回っている大半のスマホは、新しい検査でも基準を超えない見通しという。

 携帯電話は、電磁波を出していて、人体に当たると体温が僅かに上がる等の影響がある。許容量は「体温を1度上昇させるエネルギー量の1/50程度」と定め、携帯電話メーカーは、この基準に沿って検査をしていて、新たな検査は、テザリングのため、携帯電話回線を使ったデータ通信と、他の機器との間の無線LAN通信を同時に行うスマホを対象にする。現在は通話の時に出る電磁波だけを計測している。
  また、胸や腰周りのポケットなどにスマホを入れたまま使うケースも増えたため、現在の基準で求めている頭部への影響だけでなく、全身への影響も検査する。

2013/06/03
牛・豚肉好む男性、糖尿病発症の危険4割増 国立がん研
  http://apital.asahi.com/article/news/2013060300013.html
     朝日新聞 > apital > ニュース > 2013/06/03
 国立がん研究センターなどの研究チームが、健康な45〜75歳の日本人男女64,000人の内5年後までに糖尿病を発症した1,178人について、食べた肉の量や種類別に発症との関係を分析し、運動や飲酒など別の発症リスクを除いた調査結果に依れば、牛肉や豚肉を多く食べる男性は、あまり食べない男性と比べ、糖尿病を発症する危険が4割高くなるが、女性では違いが見られなかったという。

 肉の種類も「牛肉か豚肉」「鳥肉」「ハムやソーセージなどの加工肉」の三つに分けて調べ、男性は牛肉か豚肉では最も食べるグループの発症率が、最も少ないグループに比べ1.42倍高かった。鳥肉と加工肉は影響がなかった。
 研究チームの黒谷佳代・国立国際医療研究センター上級研究員に依ると、牛肉や豚肉に多く含まれる鉄分が膵臓などに炎症を起こし、インスリンの分泌などを低下させている可能性があり、女性は元々男性より鉄分が少ないため、体内に取り込んでも発症に影響が無かったと推察しているという。
耳あか除けば認知症が改善? 長寿研など、30人調査
  http://apital.asahi.com/article/news/2013060300011.html
     朝日新聞 > apital > ニュース > 2013/06/03
 認知症が疑われるお年寄りのうち、5%の人に耳に大きな耳アカが詰まっていて、耳アカを取り除くと聴力があがり、認知機能もよくなったという結果を、国立長寿医療研究センター等が纏め、6月4日から開かれる日本老年医学会で報告される。

 国立長寿医療研究センター耳鼻咽喉科の杉浦彩子科長に依れば、物忘れ外来を受診した614人のうち、耳に小指の先よりも大きな耳アカが詰まっていた人が32人いて、その30人を対象に調べると、耳アカを取り除く前の聴力は平均44dBの音までしか聞き取れなかったが、耳アカを除去した後は39dBまで聞こえるようになった。

 認知機能テストでも、耳アカを取る前は平均17.0点だったが、除去後平均1カ月後に調べると17.8点になった。脳への刺激が増え文章の理解力なども上がった可能性があるという。

2013/06/01
「大豆・野菜たっぷり」で認知症予防 九州大など報告
  http://apital.asahi.com/article/news/2013060100001.html
     朝日新聞 > apital > ニュース > 2013/06/01
 九州大の清原裕教授(環境医学)らの研究チームが、福岡県久山町に住む60〜70代の約千人を15年間ほど追跡したデータを分析し、認知症のリスクとの関係が指摘される飽和脂肪酸やカリウムといった七つの栄養素を手がかりに、認知症の予防に役立つ食パターンを探った結果、一定の摂取カロリーの中で、大豆や大豆製品、野菜、海藻、牛乳や乳製品を多めに、相対的にご飯が少なめの組合わせが効果的と判ったと云う。このパターンの度合いが最も高い人たちは、最も低い人たちに比べ、認知症になるリスクが3割程度低かったというもので、米国の臨床栄養学雑誌で報告した。

 海外では、これまでオリーブ油や野菜などを多く摂る「地中海食」が認知症の予防に良いという報告があった。但し、オリーブ油の多いメニューは日本人の中高年には不向きなどとも言われていた中で、効果的で、日本人に合った食パターンが判明したのは初めてとのこと。
 これまでの調査では、糖尿病があると認知症に掛かり易くなることも判っていて、今回の食パターンは糖尿病ではない人にはより効果的で、同様に比べたところリスクは半減していた。

 研究者に依れば、ご飯が控えめなのは、必要な栄養素を他の食品で確保することが大切で、ご飯自体が悪いわけではないと云う。

2013/05/27
フジッコ、成人女性に対する「カスピ海ヨーグルト」の腸内細菌叢・便通改善作用を発表
  http://www.fujicco.co.jp/cms_news/news/upload/rd_20130522_3.pdf
     フジッコ > ニュースリリース > 2013/05/22
 フジッコは「カスピ海ヨーグルト」の健康効果に関する研究成果を、5月24日〜26日に開催された第67回日本栄養・食糧学会大会で発表した。
 今回の研究は、武庫川女子大学国際健康開発研究所、理化学研究所イノベーション推進センター辨野特別研究室、フジッコの共同による、成人女性(66名、36〜53歳・平均年齢45.3歳)を対象とした臨床試験の研究成果である。

 試験期間中に集めた便について、ターミナルRFLP法を用いて腸内細菌叢の構成パターンを解析したところ、大きく分けて3つのグループ X・Y・Z に分類された。「グループY」に分類された便の情報を調べたところ、クレモリス菌FC株牛乳発酵物を食べている期間に、この菌叢パターンのグループに属する可能性が高くなると考えられた。
 この「グループY」を構成する上で寄与する腸内細菌を調べたところ、ビフィズス菌群がもっとも影響していることが判り、試験群ごとに腸内ビフィズス菌占有率を調べたところ、クレモリス菌FC株牛乳発酵物の試験群では占有率10%以上のグループが摂取6週間後には約2倍にと大きく増加した。
 更に、毎日200gを食べた試験群では、その効果が摂取期間終了後も維持されることがわかった。EPSを含む牛乳発酵物の試験群は、摂取期間中の排便量も有意に増加した。

 また、今回の研究では被験者の食事内容についても調査を行った結果、野菜や果物の摂取が少なく、肉や油脂類の摂取が多いため、食物繊維の摂取率が低く、摂取エネルギーの中で脂質の占める割合が高い傾向にあることが判った。

 以上のことから、被験者の成人女性の食事内容は、ビフィズス菌などの有用な腸内細菌にとって望ましくない環境になり易いと考えられるが、クレモリス菌FC株により産生されたEPSを含むヨーグルトを日常的に摂取することによって、腸内細菌叢全体に影響して、特にビフィズス菌を増やし、お通じの改善にも役立つことが期待される。

2013/05/18
1日40分運動する高齢者、がん・認知症リスク2割減
  http://apital.asahi.com/article/news/2013051800006.html
     朝日新聞 > apital > ニュース > 2013/05/18
 厚生労働省研究班(主任研究者=国立健康・栄養研究所健康増進研究部の宮地元彦部長)が国内外の論文を分析し、がんや生活習慣病や関節痛、認知症になるリスク低下を確かめた研究に依れば、40分/日ほど体を動かす高齢者は10〜15分/日 程度の人より、がんや生活習慣病や関節痛、認知症になるリスクが平均21%低いことが判り、65歳以上の高齢者について「1日合計40分体を動かすこと」とする健康づくりの新しい活動基準を初めて纏めた。18〜64歳向けの基準も作ったという。

 活動量が増えると、血の流れが良くなる事に依り、癌のもとになる細胞が出来難くくなるという。 無理をして体を壊さない注意が必要だが、散歩やストレッチ、皿洗い等どんな動きでも効果があるという。
 また年齢に関係なく、活動時間が10分/日 増えると、がんや認知症などになるリスクが平均3.2%減ることも判った。

 尚、18〜64歳についての基準も作った。目標は、歩行と同じかそれ以上の強さの活動である自転車走行や掃除などを毎日計1時間とした。歩行だけなら8,000歩程度に相当する。さらにラジオ体操や水泳といった息が弾み、汗をかく程度の運動を週に1時間勧める。
 若いうちから活動量を増やせば加齢と共になりや易い生活習慣病や認知症などのリスクを減らすことにつながる。

■健康でいるための活動目標
  • 65歳以上:散歩・ストレッチ等どんな活動でも、毎日合計40分程度
  • 18〜64歳:歩く・自転車に乗る・掃除などを毎日計1時間/汗をかく程度の運動を1週間に1時間

2013/05/13
京大など、脂肪酸受容体「GPR43」が肥満を防ぐ機能を有することを解明
  http://news.mynavi.jp/news/2013/05/13/058/
     マイナビニュース > 開発・SE > サイエンス 2013/05/13 
 京大 薬学研究科の木村郁夫助教、同・大学院生の井上大輔氏、奈良県立医科大の小澤健太郎准教授、金沢大の井上啓教授、滋賀医科大の今村武史准教授らの研究チームが、英科学誌「Nature Communications」5月7日の電子版に発表したところに依れば、腸内細菌が産生する栄養(酢酸などの短鎖脂肪酸)を認識する脂肪酸受容体「GPR43」が脂肪の蓄積を抑制し、肥満を防ぐ機能を有することを明らかにしたと発表した。

 食事(食餌)によるエネルギーの摂取は、生命にとって非常に重要で、ヒトの身体は必要以上のエネルギーを摂取できた場合は、後にエネルギー不足になった際の非常用エネルギー源とするために脂肪として体内に蓄えられる仕組みを持つが、先進諸国では過度な食事による過剰なエネルギー摂取の結果として脂肪を必要以上に膨大させ、肥満更には糖尿病に代表される生活習慣病などの代謝疾患が大きな問題となっている。

 近年、腸内細菌がその宿主のエネルギー調節や栄養の摂取などのエネルギー恒常性維持に深く関与し、肥満や糖尿病などの病態に影響することが明らかになり、食事と腸内細菌、エネルギー恒常性への関係が注目されるようになっている。
 腸内細菌によって産生される酢酸に代表される「短鎖脂肪酸」は、主に宿主のエネルギー源として利用される。研究チームは2011年に、この「短鎖脂肪酸」がエネルギー源としてのみではなく、体内のエネルギー状態の指標となり、脂肪酸受容体「GPR41」を活性化することにより交感神経系を介して、エネルギー恒常性の維持に関わることを明らかにした。
 今回の研究では、この「短鎖脂肪酸」のもう1つの受容体である「GPR43」の脂肪組織における機能と、腸内細菌による「GPR43」を介した宿主へのエネルギー恒常性維持への関与について、マウスを使った実験にて次の事が明らかになった。

 1.食事時、食物より直接得られるブドウ糖や脂肪酸などのエネルギー源と同時に、腸内細菌によって「短鎖脂肪酸」がエネルギー源として産生されること。
 2.通常は、この短鎖脂肪酸はエネルギー源としてだけ使用されるが、過度な食事により過剰エネルギーが得られた時に、同様に「短鎖脂肪酸」も過剰に上昇すること。
 3.この過剰に上昇した「短鎖脂肪酸」を認識するセンサ受容体「GPR43」が活性化し、脂肪組織への過剰エネルギー蓄積を抑制し、エネルギー消費の方向へ誘導し、結果として過度な肥満から起こる代謝機能異常を防ぎ、また体全体のエネルギー消費を高め、体内のエネルギー恒常性の維持に働くということ。

 以上から、腸内細菌叢による宿主の恒常性維持に働く、全く新たなエネルギー調節機構が明らかとなり、この短鎖脂肪酸受容体GPR43を標的とした肥満や糖尿病に代表される生活習慣病に対する予防・治療薬への応用が可能となるかもしれない。

2013/05/09
糖尿病がアルツハイマー病を悪化させる - 九大が死後脳から確認
  http://news.mynavi.jp/news/2013/05/09/029/index.html
     マイナビニュース > 開発・SE > サイエンス 2013/05/09 
 九大 生体防御医学研究所の中別府雄作 主幹教授らが、英国科学雑誌「Cerebral Cortex」オンライン版の4月17日付けに発表した研究に依れば、九州大学で50年間にわたり継続されている「久山町研究」に献体された人達の死後脳を用いて遺伝子発現プロファイルを調べた結果、アルツハイマー病患者脳では「アミロイドβ」の産生や「神経原線維」の変化で始まるアルツハイマー病特有の病理変化により、脳内の「インスリン・シグナリング系」が破綻しているという。

 最近の研究に依れば、その糖尿病やインスリン抵抗性などが、アルツハイマー病を含む認知症発症や進行の危険因子となることが報告されているが、なぜ糖尿病がアルツハイマー病の危険因子となるのか、その分子メカニズムは解明されていない。

 今回の研究は、認知症患者の脳における遺伝子発現プロファイルの変化を明らかにすることで、認知症発症の危険因子とその分子メカニズムを遺伝子レベルで解明できるのではないかと考察し、死後脳を用いて遺伝子発現プロファイルを詳細に解析し、その結果をアルツハイマー病のモデルマウスの脳における遺伝子発現プロファイルと比較した。

 2008年12月〜2011年2月までに久山町研究に献体された人達の死後脳88例についてRNAを抽出し、「マイクロアレイ解析」を実施した結果、前頭葉(非認知症18例、アルツハイマー病15例)、側頭葉(非認知症19例、アルツハイマー病10例)、海馬(非認知症10例、アルツハイマー病7例)について全遺伝子の発現プロファイルを得ることに成功した。
 性別・脳血管性認知症・アルツハイマー病の3要因についての分散分析も行った結果、アルツハイマー病による発現プロファイルの変化が最も大きく、さらに前頭葉<側頭葉<海馬の順に顕著な変化が認められた。
 そして、アルツハイマー病患者の脳における発現プロファイルを、14ヶ月齢のアルツハイマー病のモデルマウス「3xTg-ADマウス」(変異型マウスPs1遺伝子、変異型ヒトAPP/TAUトランスジーンを持つ)の海馬における発現プロファイルと比較し、精神疾患やアルツハイマー病に関連する既知の遺伝子群の発現変化に加えて、両者共にインスリン不応答性を示す遺伝子発現プロファイルが判明した。
 特に、インスリンレセプターと協調的に作用してインスリン・シグナリング、さらに糖代謝の制御を司る肝細胞増殖因子の受容体「MET」と「プロインスリン」の切断、インスリン産生に必須な「PCSK1」の発現低下が顕著なことがわかった。
 またアルツハイマー病患者の脳において顕著な発現低下を認めたPCSK1は、3xTg-ADマウスの海馬でも顕著に発現が低下していることが判明。3xTg-ADマウスでは、導入した変異型遺伝子によりアミロイドβ産生と神経原線維変化が著しく亢進し、数カ月齢から認知機能の低下を示した。
 しかし、アルツハイマー病患脳におけるインスリン・シグナリング系の遺伝子発現の低下は、インスリン抵抗性や糖尿病の履歴とは無関係なことも確認され、アルツハイマー病の病理変化がインスリン・シグナリング系の遺伝子発現の低下をもたらしたと結論づけた。

 インスリン・シグナリング系は神経細胞の生存やその機能維持に不可欠で、インスリン・シグナリング系が破綻したアルツハイマー病患者の脳は代謝障害や炎症反応に起因するさまざまなストレスに対して著しく脆弱であると考えられるという。更に、このような状況下で末梢のインスリン抵抗性または糖尿病を発症すると、さらに代謝障害や炎症反応に起因するさまざまなストレスが増悪し、アルツハイマー病の病態の進行が促進されると考えられるという。
 このように、アルツハイマー病の病理変化そのものがインスリン・シグナリング系の遺伝子発現の低下をもたらす為に、末梢のインスリン抵抗性または糖尿病がアルツハイマー病の発症や進行の危険因子になるという。

 尚、アルツハイマー病の治療に「インスリンの点鼻療法」が欧米で最近試みられており、認知機能の低下を遅延させる効果が報告されているが、アルツハイマー病脳がインスリン・シグナリングの異常を示すことから、インスリン・シグナリング経路の改善をもたらす薬物も併用することで、よりインスリンの脳保護効果を高めることが期待される。
 更に、インスリンと肝細胞増殖因子(HFG)の併用が肝臓における糖代謝を相乗的に改善することも報告されており、アルツハイマー病においてもインスリンとHGFの併用が効果的な神経保護効果をもたらすことが期待されるという。

 今回の研究は、遺伝子発現レベルでインスリン・シグナリングの異常を明らかにしたが、アルツハイマー病の主要な初期原因とされるアミロイドβの蓄積がどのようなメカニズムでこのような遺伝子発現の変化をもたらすのか、今後詳細な解析が必要だという。
食器洗浄機、カビに注意 7割で検出、感染症原因にも
  http://apital.asahi.com/article/news/2013050900001.html
     朝日新聞 > apital > ニュース > 2013/05/09
 大阪市立自然史博物館の浜田信夫・外来研究員が、2012年の秋に食器洗浄機がある大阪府内の134世帯の協力を受け、洗浄水や内部を拭き取った試料からカビの有無を調べた結果、サンプル調査の7割近くで食器洗浄機の内部にカビが繁殖していることが判ったと云う。

 調査結果は、68%に相当する91台からカビが見つかった。ドアからの水漏れを防ぐパッキング部分は58台(43%)から検出され、18台には洗浄水1mL当たり100個以上のカビが見つかり、同1,000個以上のものも2台あった。
 使用年数が1年を超すと、年数とカビの数に明確な関連は見られなかったが、「漂白剤入り洗剤を使った」洗浄機では、「漂白剤入りを使わない」洗浄機よりカビの数が1/3〜1/10と少なかった。

 浴室や洗濯機ではあまり見られない「エクソフィアラ・デルマチチヂス」という種のカビが、際だって多かったという。このカビは「ヒト病原真菌」と呼ばれる種で、抵抗力が弱まっている人の脳や肝臓などに腫瘍を作ったり、通常は感染症源にならない常在菌が引き起こす「日和見感染」の原因になったりすることがある菌で、他の多くのカビが耐えられない41〜42℃でも生育するため、高温の洗浄機内でも生き残ったもので、こまめな手入れが必要だ。

2013/05/05
サプリメーカーが語りたがらない10の事実
  http://jp.wsj.com/article/SB10001424127887324082304578463592291432044.html
     ウォール・ストリート・ジャーナル > ライフ > ヘルス > 2013/05/05
1. 「選択肢の多さで消費者を圧倒する」
     米国食品医薬品局(FDA)は、サプリメントを、ビタミン・ミネラル・ハーブまたは植物性薬品・アミノ酸・酵素・臓器組織・腺エキス・代謝産物などの「サプリメント成分」を含む摂取可能な製品と幅広く定義しており、市場には異なる1,000のブランド名で54,000種以上もの栄養補助食品が売られていて、この業界は、今も成長していている。
     米会計検査院(GAO)が2013.04月公表した報告書に依れば、2009年に250億ドル(約2.47兆円)だった売上高が、2011年には300億ドル以上にまで伸びている。
2. 「サプリは薬剤と違ってFDAの認可なしに販売できる」
     FDAは「サプリメント」も規制しているが、「処方薬や市販薬」とは、基準が異なる。「処方薬や市販薬」の製造元は新製品が市場に出る前に、その安全性と有効性を証明しなければならないが、栄養補助食品の製造元は、1994の栄養補助食品健康教育法が成立する前に米国で販売されていた栄養補助食品に含まれる成分を使用している限りは、という条件が付くが、製品の製造や販売前にFDAの認可を必要とされない。その法案が成立する以前には販売されていなかった「新たなサプリメント成分」を使う製造元は、その製品の販売前にFDAに通知し(認可を受ける必要はない)、その成分が製造元が行った評価で「合理的に安全と見込まれた」ということを示す資料を提出するだけでよい。

     FDAは市場に出た後のサプリメントを監督し、政府は特定のサプリメントの使用と関連性がある心臓発作や脳卒中といった深刻な有害事象の全てを報告することを製造元に義務付けている。消費者はFDAのWebサイトで、規則違反があった製造元へ送られた警告書の検索は出来るが、有害事象の報告を検索できるデータベースは無い。
3. 「ラベルでサプリを判断するのは難しい」
     サプリの成分は、その梱包容器に重量が大きい順に列挙されることが連邦法で義務付けられている。しかし、競争上の理由で、FDAは製造元がラベルの「成分表示」の欄に「独自のブレンド」の成分の正確な分量を記載することを義務付けていない。独立系の健康栄養剤検査機関、コンシューマーラボ・ドット・コムの社長、トッド・クーパーマン博士に依れば、製造元は「ブレンド」や「調合法」といった言葉を使い高価な成分の正確な分量を誤魔化すこともできると云う。ラベルを読む時は、必要な成分に的を絞り、個別の成分として記載されていて、「ブレンド」「調合法」といった言葉が後に続いていないことを確認すべきだと博士は言う。

     コンシューマーラボのサプリ検査で最も多い品質欠陥は、或る成分を実際よりも多く表示している製品だという。或るサプリの成分表示欄に、その錠剤にはある栄養素が100mg含まれていると書いていても、実際には20mgしか含まれていないという例もある。次に多い品質欠陥はその逆で、或る成分について実際よりも少なく表示しているパターンだ。クーパーマン博士は、主力商品にさえもこの種の不正表示があると云う。その一方で、米国栄養評議会のスティーブ・ミスター会長は、この種の不正表示はあまり多くないと云う。
4. 「健康効果には議論の余地がある」
     FDAはサプリメントの製造元が梱包容器に構造的・機能的効用を記載することを許可している。例えば「食欲を抑えて減量を助ける」といった具合に、或る成分が人体の構造や機能にどのように作用するかを目的としているかが書かれている。ところが製造元は、「肥満治療のための減量を促進する」というような表現でその製品が病気を治癒・治療・防止するという主張は出来ない。
     米国保健社会福祉省監察総監室が2012年に127のサプリを分析した結果、栄養補助食品の20%がそうした主張を記載していて、この報告を受けて、FDAは現行の法律の枠を越えて構造的・機能的効用の根拠を調べ直すための明確な権限を求めるかどうかを検討するとした。
5. 「健康的な食事に代わる錠剤など存在しない」
     米ペンシルベニア州ピッツバーグ在住の登録栄養士、ヘザー・マンジェリ氏によると、サプリメントへの理にかなったアプローチとは次のようなものになる。

     健康的でバランスのとれた食事から始める。医者か栄養士に相談して足りない栄養素を、必要であればサプリメントで補う。ある程度の努力が必要だが、殆どの人は1日に必要な栄養素を食事だけから摂取でき、またそうあるべきだという。
     唯一の例外は、1日 1,600cal 以下の食事で減量に取り組む人には、必要な栄養素の全てを食事からとるのが難しいので、よくマルチビタミンの摂取を勧めているという。
6. 「免責条項や警告文を読むには拡大鏡がいるかもしれない」
     サプリメントの梱包容器にある構造的・機能的効用の夫々の記述には、その効用がFDAによって評価されていない(その製品はいかなる病気の診断・治癒・治療・防止を目的としていない)とする免責条項を付さなければならないが、この記述を見つけるのは容易ではない。免責条項はビンや梱包容器の下の方に小さな文字で書かれていることが多い。米国栄養評議会のミスター会長に依れば、これは製造元が魅力的なラベルを作ろうとするからであり、意図的な難読化ではないという。
7. 「魔法のやせ薬など存在しない」
     勿論、全ての減量用サプリメントが同じではなく、ある程度は役に立つものもあるかもしれない。減量用サプリの製造元は、食事療法や運動を含むより大きなプログラムの一環としての製品の摂取を推奨していることが多いが、その必要性に疑問を呈する人もいて、登録栄養士のマンジェリ氏は「減量に繋がるのは食事療法と運動」であり、サプリではないと指摘する。

     一方、米国栄養評議会のミスター会長は、特定の減量用サプリは食事療法や運動と併用されることで効果を発揮し得ると主張する。満腹感に寄与し、食事の量が減る食物繊維が多く含まれた製品もあれば、代謝を少し促進するサプリもあると弁護する。
8. 「自然と安全は別物である」
     ヒ素、毒キノコ、タバコなど、自然界にも危険なものは沢山ある。この10年間に厳しく検査された最も有名なサプリメントのいくつかには血圧を上げ、心臓にストレスを与えるアジア産のハーブ、マオウが含まれていた。そうしたサプリは減量用や運動能力向上用として販売されていたが、マオウ摂取者の間で死亡事故や健康被害がいくつか報告され、FDAはリスクがあると判断し、2004年には販売禁止した。
9. 「増加した効き目は薬剤によるものかもしれない」
     処方薬を栄養補助食品として販売するのは違法だが、それを止めようとしない製造元もある。例えば、男性の性的能力を高めるサプリにはバイアグラの有効成分であるクエン酸シルデナフィルが含まれていたり、減量用サプリには処方薬シブトラミンが混ざっていたりする。シブトラミンはFDAが認可した薬だったが、心臓障害や脳卒中を引き起こすとして2010年に市場から排除された。こうした混入の多くは意図的であり、FDAはそうした行為の防止に積極的に取り組んでいる。

     米国栄養評議会のミスター会長によると、主要な製造元は製品に処方薬を加えたりしないという。潜在的な問題を避けるには「私書箱しか書いていないような聞いたこともないネット通販店から購入しないことだ」と助言する。
10. 「摂取しているサプリを医者に知らせる必要がある」
     ハーブ系サプリの多くは処方薬と作用し合うから、処方薬と同様にサプリに関しても医者に伝えることが必要だ。例えば、軽度のうつ病に有効であるサプリ、セイヨウオトギリソウ(セントジョーンズワート)は処方された抗うつ薬と併用されるべきではないと、米テネシー州キングスポート在住の開業医で、米国家庭医学会の次期会長でもあるリード・ブラックウェルダー医師は、運動や非医学的治療と共に、薬に代わるハーブを患者に勧めることがある。その一方でニューヨークのメモリアル・スローン・ケタリングがんセンターで統合医学サービスの責任者を務めるバリー・キャシリス博士は、がん患者の化学療法や放射線療法の効果を減少させ得るハーブ系サプリもあると指摘する。

2013/04/30
禁煙太りでも健康効果大 心血管疾患のリスクが半減に
  http://apital.asahi.com/article/news/2013043000005.html
     朝日新聞 > apital > ニュース > 2013/04/30
 米マサチューセッツ総合病院などの研究チームが米医師会雑誌(JAMA)に発表した研究に依れば、禁煙で体重が増えても、心筋梗塞や脳卒中などの発症リスクは喫煙し続けるより約半分も減るという。

 1984〜2011年に米マサチューセッツ州フラミンガムの3,251人を対象に、喫煙者・禁煙して4年以内の人・禁煙して4年超の人・非喫煙者の何れかを4年毎に自己申告してもらい平均で25年を追跡した結果、631人が心筋梗塞や脳卒中などの心血管疾患を発症していた。

 糖尿病患者を除くと、禁煙して「4年以内の人」は、4年平均で3Kg増え、喫煙者より1.8Kg多かった。一方、心血管疾患の発症リスクは喫煙者の0.47倍で、禁煙して「4年超の人」は喫煙者の0.46倍、非喫煙者は喫煙者の0.30倍だったこと依り、禁煙で体重が増えても、心血管への健康上の影響は全体としては利益が大きいと思われる。

2013/04/25
寝起きの一服は肺癌や口腔癌のリスクを高める
  http://news.e-expo.net/world/2013/04/post-118.html
     健康美容EXPO > 健康美容EXPOニュース > 海外ニュース:TOP >  > 2013/04/25
 米ペンシルベニア州立大学生物行動健康学助教授のSteven Branstetter氏らが、「Cancer Epidemiology, Biomarkers and Prevention」3月29日号に発表した研究に依れば、起床後直ぐタバコを吸う人はそうでない喫煙者に比べ肺癌や口腔癌を発症する可能性が高いという。

 Branstetter氏らは、全米健康栄養調査(NHANES)に参加した成人喫煙者2,000人近くのデータを分析。被験者から得た血液検体と喫煙習慣に関する情報を分析した結果、被験者の約32%が起床後5分以内に最初の1本を吸い、31%が6〜30分以内、18%が31〜60分以内、19%が1時間以上経過してからタバコを吸っていた。

 1日の喫煙量にかかわらず、起床後直ぐにタバコを吸う人では、起床後30分以上経過してから吸う人に比べてNNAL(NNKと呼ばれるタバコに特異的な発癌物質の副産物)の血中濃度が高かった。
 起床後すぐにタバコを吸う人はより深く、より多く吸入するため血中NNAL濃度が高まり、肺癌や口腔癌のリスクが増大する可能性がある。血中NNAL濃度は年齢や性別、喫煙開始年齢、他の喫煙者との同居などの因子にも関連していた。

▼原題は、「'Wake-Up' Cigarette May Raise Risk for Lung, Mouth Cancers

2013/04/24
プラスチック容器で食べ物を温めるのは危険か
  http://jp.wsj.com/article/SB10001424127887324289404578442220174750746.html
     ウォール・ストリート・ジャーナル > ライフ > ヘルス > 2013/04/24
 プラスチック容器に入った食べ物を電子レンジで温める行為について、プラスチック等の危険物質について10年以上研究を続けているアリゾナ州立大学のバイオデザイン研究所環境安全センターのディレクター、ロルフ・ハルデン博士に聞いた。

フタル酸とビスフェノールAには要注意
     ハルデン博士に依れば、「プラスチックの成分を体内摂取して死ぬ人がいるかどうかは、分からない」が、「先進国では乳がん・肥満・思春期早発症といった健康障害があるが、こういった健康障害は発展途上国では少ない。ライフスタイルの問題が背景になるからだ。」と云う。その上で公衆衛生の観点から、プラスチック容器を熱すると、健康に害のある物質が溶け出て、体内に取り込んでしまい兼ねないため避けた方が良いと警告する。
気をつけなければならない物質は2つ
     プラスチックが登場したのは1900年代初頭。命を救う医療機器にも、ヘアー・コンディショナーにも髪の柔軟性を増す成分として入っていて、プラスチックはあらゆるところで使われているが、体内に取り込むと危ない2つの化学物質が含まれている。

     先ず第一に、フタル酸類の化合物は、PVC(ポリ塩化ビニル)容器の柔軟性を高めていて、熱すると溶け出してくる可能性がある。体内に摂取されるとホルモンバランスを崩したり、障害児が生まれる可能性があると云う。但し、どの程度の量で問題が起こるかは分かっていない。先進国では血液にこれが混じっていない人はほとんどいないという。
     プラスチック容器に入れ電子レンジで温めただけのランチは、唯でも興ざめだが、その上、体にも善くないかもしれないのだ。

     次は、ビスフェノールA(BPA)で、フタル酸よりも悪影響を起こす可能性がある。かつてエストロゲン(女性ホルモンの一種)の代わりになるのではないかとして研究されたこともある。透明で丈夫なポリカーボネートの大量生産に使用されていて、金属のカンの内側の被膜やレシートの紙にも使われている。米食品医薬品局は、2012年7月に哺乳瓶にBPAを使用することを禁止したのは、発育を遅らせる懸念が消費者の間で高まったためだ。

     プラスチック容器の底に書いてあるリサイクル番号は、その番号から中に含まれている化学物質が分かることがある。例えば「No.7」にはビスフェノールAが含まれている可能性が高い。あなたの机の上に、このリサイクル可能な容器に入ったミネラルウォーターは、BPAを大量に含んでいるかもしれない。
捨てる時期
     電子レンジにて加熱した時、溶け出す化学物質の量はプラスチックの種類や、熱を加える時間や容器の状態などによっても変わる。古くてヒビが入った容器や何百回も洗った容器は、温めた時に溶け出す毒素が多い。変形したり変色してきたらゴミ箱行きのサインだという。

2013/04/23
腸内常在菌が宿主の思考や行動に影響を与えている!? - 協同乳業など
  http://news.mynavi.jp/news/2013/04/23/219/index.html
     マイナビニュース > 開発・SE > サイエンス 2013/04/23 
 協同乳業が4月23日に発表したところに依れば、腸内常在菌が大脳の代謝系に影響を与えていることを代謝産物レベルで明らかにしたという。詳細は「Frontiers in Systems Neuroscience」に掲載された。

 この研究は、同社研究所技術開発室の松本光晴 主任研究員(理化学研究所イノベーション推進センター辨野特別研究室)、同 澤木笑美子氏、理化学研究所イノベーション推進センター辨野特別研究室の木邊量子氏、同 辨野義己氏、ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ(HMT)の大賀拓史氏、東海大学医学部基礎医学系感染症研究室の相場勇志氏、同 古賀泰裕氏らによるもの。

 腸内常在菌は人の健康、特に免疫系疾患や大腸ガンとの関与が知られているほか、近年では、肥満や寿命など大腸内環境と直接的に接していない全身系への影響も報告されており、脳との関連も報告されるようになってきている。
 腸と脳は、神経系やホルモン、サイトカインなどの共通の情報伝達物質と受容体を介し、双方向的なネットワーク「腸脳相関」を形成していることや、腸脳相関の腸管側刺激因子と腸内常在菌が強く関わっていること、神経発達障害や脳の発達と行動にも腸内細菌叢が影響することが報告されている。
 しかし、神経伝達物質以外の脳内代謝系への影響を調べた研究は少なく、未だ解明されていない。今回の研究は、脳内代謝物の網羅的解析を行うことで、腸内常在菌が大脳に与える影響の調査をマウスにて行ったもの。

 同じ両親から生まれた雄マウスを無菌マウスと通常菌叢マウスの2グループに分けて飼育し、7週齢で安楽死後、ただちに大脳皮質に対し、広範囲の成分を分離・分析することが可能なCE−TOFMSを用い、脳内代謝物のメタボロミクスにて網羅的解析を行った結果、大脳皮質から196の代謝産物が検出され、中でも23成分は無菌マウスの方が通常菌叢マウスより濃度が高かったことが確認され、その中に、行動と関連深い神経伝達物質「ドーパミン」、統合失調症との関連性が示されるアミノ酸「セリン」、多発硬化症やアルツハイマーとの関連性が知られる「N-アセチルアスパラギン酸」が含まれていることが判明した。

 また、23成分中には解糖系中間代謝産物や補酵素NADH、NADP+とエネルギー代謝に関連する成分も含まれており、大脳のエネルギー消費にも腸内常在菌が影響していること、つまり腸内常在菌が宿主の思考や行動にも影響している可能性が示唆されたという。

 一方、無菌マウスの方が通常菌叢マウスより濃度が低かったのは15成分で、中には、神経伝達物質の前駆物質である芳香族アミノ酸(トリプトファン、チロシン、フェニルアラニン)や、てんかんとの関連性が示唆されている「ピペコリン酸」、乳児の脳発達に関与していると考えられている「N-アセチルノイラミン酸」などが含まれていることが確認された。

 今回の結果、腸内常在菌が大脳の代謝系に大きな影響を与えており、脳の健康、疾病、発達および衰弱、さらにヒトを含めたほ乳類の学習、記憶および行動の研究において重要な基礎的知見となると思われる。

2013/04/08
「ときどき朝食」メタボ注意 毎日食べるより危険大
  http://apital.asahi.com/article/news/2013040800001.html
     朝日新聞 > apital > ニュース > 2013/04/08
 東京慈恵会医大総合健診・予防医学センターの和田高士教授が、4月14日の日本内科学会で発表した調査結果に依れば、朝食を食べたり食べなかったりする人は、毎日食べる人よりメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)になるリスクが女性で4倍以上、男性では2倍近く高くなるという。

 和田教授は、2004〜09年に同センターで人間ドックを受けた人の記録を調べた。腹囲は女性80cm、男性85cmを基準とし、脂質、血圧、血糖値を調べて診断。初回は基準を超えていなかった30〜59歳の男女6,104人について、その後メタボになったかどうかを1週間のうちに朝食を食べる回数別に分析した結果、男女とも「週2日」の人が最もリスクが高く、ほぼ毎日食べる人と比べて女性では4.5倍、男性では1.9倍。殆ど食べない人は、男女共に毎日食べる人と殆ど変わらなかった。

 不規則に朝食を摂ると空腹時間の長さが乱れるため、体が内臓脂肪をためこんでエネルギー量を調整するのかもしれないと分析している。
吐く息で肥満リスクがわかる
  http://news.e-expo.net/world/2013/04/post-105.html
     健康美容EXPO > 健康美容EXPOニュース > 海外ニュース:TOP > 研究発表 > 2013/04/08
 米シダーズ・サイナイメディカルセンター(ロサンゼルス)のRuchi Mathur氏らが、「Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism」オンライン版3月26日版に発表した研究に依れば、簡単な呼気検査で過体重になる可能性を予測できることを示したと云う。

 消化管の微生物叢のバランスが崩れると膨満感・便秘・下痢などの症状が起こることがあるが、今回の研究に依れば 消化管の細菌の過剰増殖を評価する標準的な呼気検査の結果から、体脂肪率の高さがわかるというもので、被験者にラクツロース・シロップを飲んでもらった後、2時間にわたり15分毎に呼気サンプルを採取するとともに、BMIと電気伝導度の2つの方法で被験者の体脂肪を測定した結果、呼気中のメタンガスと水素の値が高かった被験者は、呼気が正常か、一方の値のみ高かった被験者に比べ、BMI、体脂肪率が高いことが判った。

 この呼気パターンは、腸内にメタン菌の1つ、メタノブレビバクタ・スミシイ(Methanobrevibacter smithii)が多いことを示すものであり、この細菌が増えると体重が増加し、脂肪が蓄積され易くなる可能性がある。
 呼気中のメタン及び水素が多い人は、特定の減量法が奏効し易い可能性があり、例えば、腸内細菌の自然のバランスを修復・維持するプロバイオティクス(ヨーグルトなどに含まれる、健康に有益と考えられる細菌)が肥満の治療や予防に有用である可能性があるという。

 今回の研究の重要性を認める一方で、細菌が肥満の蔓延にどう関わっているのか、また細菌を変化させたらどうなるのかを明らかにするには、更に研究を重ねる必要があり、細菌の過剰増殖があっても、症状のある人もいればない人もいるので、検査結果の有意性は必ずしも明確ではないという意見も有る。

▼原題は、「Breath Test Might Predict Obesity Risk

2013/03/30
ブレークタイムに脂肪燃焼 花王が「ヘルシアコーヒー」
  http://apital.asahi.com/article/news/2013033000006.html
     朝日新聞 > apital > ニュース > 2013/03/30
 花王から脂肪を消費しやすくする特定保健用食品(トクホ)の缶コーヒー「ヘルシアコーヒー」が、4月4日に発売される。

 花王は、コーヒー豆に含まれる「コーヒークロロゲン酸」が、脂肪の燃焼を促す作用を持つことを発見し、独自製法でコーヒー中のクロロゲン酸を従来の2倍に増やすことに成功し、商品化した。  「他社のトクホは、食事と一緒に飲んで、脂肪吸収を抑えるタイプが多い。ヘルシアは溜まった脂肪も燃焼させるので、食事中でなくても飲めば効果が出る」と、肥満気味の人が毎日1本飲み続ければ、腹部の脂肪が減ると、花王は云う。

 ヘルシアコーヒーは、「無糖ブラック」と「微糖ミルク」の2種類。185g入りで、希望小売価格149円(税込み)。

2013/03/27
抗生物質が効かない「悪夢の細菌」日本でも広がる〈週刊朝日〉
  http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20130327-00000001-sasahi-hlth
     Yahoo! ニュース・雑誌 > 2013/03/27
 米疾病対策センターが3月5日に公表したところに依れば、最強の抗生物質である「カルバペネム」が効かない腸内細菌(カルバペネム耐性腸内細菌=CRE)の感染が、米国でこの10年で広がっており、この間、検出率は約4倍に増えたという。
 このCREは、健康な人に感染しても発症しないが、高齢者や免疫力が低下し人が感染すると、恐ろしい症状を引き起こす。 口から体内に入った細菌は、腸管や尿管などに付着して増殖し、血液に感染すると敗血症になり、多臓器不全などを引き起こして、やがて死に至るという、非常に危険な細菌だ。

 ついに日本でも、昨年11月に千葉県内の病院に入院した60代の男性患者の痰や便からCREが見つかった。この患者は東南アジアで頭部の手術を受けていた。また、国内の約600の医療機関を対象にした2011年の調査では、CREと同種の大腸菌に感染した患者が103人見つかっており、『大きな病院だから安心』というわけでは無いと云う。

 週刊朝日 2013年4月5日号

2013/03/26
L.ガセリ乳酸菌OLL2809株のストレス軽減免疫腑活効果を確認 / 明治
  http://news.e-expo.net/release/2013/03/post-138.html
     健康美容EXPO > 健康美容EXPOニュース > ニュースリリース:Top > 原料 > 2013/03/26
 (株) 明治は、同社の保有するL.ガセリ乳酸菌(OLL2809株)が、ストレスを軽減し免疫の低下を抑えることを、ストレスをかけた動物試験と、激しい運動を行った臨床試験で明らかにし、2013年3月25日の「日本農芸化学会2013年度大会」で発表した。

研究1 ストレスによる免疫低下に及ぼす影響
     ラットに、水またはL.ガセリ乳酸菌(OLL2809株)を14日間与え、最後の5日間、ケージの底面から1.5cmの高さまで水を張り、ラットに浸水ストレスを掛けた結果、水を与えたラットでは、浸水ストレスによりストレスホルモンである血中コルチコステロンが増加し、免疫機能の一つである脾臓のNK活性)※1 が有意に低下した。一方、L.ガセリ乳酸菌(OLL2809株)を与えたラットでは、血中コルチコステロンの増加は緩やかになり、脾臓のNK活性の低下が抑えられた。
研究2 激しい運動による免疫低下に及ぼす影響
     日常的に運動を行っている大学生を対象に、無作為化プラセボ対照二重盲検試験)※2 を行った。各被験者に乳酸菌を含まない偽薬(プラセボ)または100mgのL.ガセリ乳酸菌(OLL2809株)を含有する錠剤を4週間摂取してもらった。4週間の摂取前後で、それぞれ1時間のエルゴメーター)※3 による激しい運動を行った。

     その結果、摂取前の検査では、プラセボ群・乳酸菌群共に激しい運動により血中のNK活性が低下したが、摂取後の検査ではプラセボ群のみ運動によりNK活性が有意に低下し、乳酸菌群では運動後のNK活性の低下が見られなかった(図1)。これらの結果により、L.ガセリ乳酸菌(OLL2809株)が、ストレスを軽減すること、及び免疫の低下を抑えることが明らかになった。

※1:NK活性
    リンパ球に含まれる免疫細胞であるナチュラルキラー細胞(NK細胞)の働きの強さを表す、生体の免疫力の指標の一つ。NK細胞は他の免疫細胞の中でも重要な働きをしており、ウイルスに感染した細胞など、異常のある細胞を攻撃して破壊するのが特徴。
※2:無作為化プラセボ対照二重盲検試験
    プラセボ効果(思い込み効果)を除くために、被験者にも測定者にも、どちらがプラセボか乳酸菌入り錠剤であるかわからないようにして、試験を進める方法。また、被験者がどちらの錠剤を摂取するかは無作為(ランダム)に割り当てた。
※3:エルゴメーター
    スポーツを実際に行っているのと似た条件の負荷をかけて、運動者の体力測定やトレーニングを行う器具。本試験では、自転車のペダル踏み運動器を使用した。


▼詳細は、株式会社明治 2013年3月25日発表
 「L.ガセリ乳酸菌(OLL2809株)のストレス軽減および免疫腑活効果を動物試験および臨床試験で確認

2013/03/15
緑茶とコーヒーの摂取が多いと脳卒中の発症リスクは低下する - 国循など
  http://news.mynavi.jp/news/2013/03/15/212/index.html
     マイナビニュース > 開発・SE > サイエンス 2013/03/15 
 2013年3月14日発行の「Stroke」オンライン版に発表された、国立循環器病研究センター(国循)や国立がん研究センターなどの共同研究に依れば、緑茶やコーヒーを摂取する割合が高い人は摂取しない人に比べ循環器疾患・脳卒中・脳梗塞・脳出血の発症リスクが低くなるという。

 今回の研究対象は、1995年に岩手県二戸、秋田県横手、長野県佐久、沖縄県中部、1998年に、茨城県水戸、新潟県長岡、高知県中央東、長崎県上五島、沖縄県宮古の9保健所管内に居住している45〜74歳のうち、循環器疾患やがんの既往のない追跡可能な男性38,029人、女性43,949人。研究開始時に緑茶を飲む頻度に関する質問への回答から、「飲まない」「週に1〜2回」「週に3〜6回」「毎日1杯」「毎日2〜3杯」「毎日4杯以上」という6群に分けて、その後の脳卒中および虚血性心疾患発症との関連分析が行われたほか、同様にコーヒーを飲む頻度に関する質問への回答から、「飲まない」「週に1〜2回」「週に3〜6回」「毎日1杯」「毎日2杯以上」の5群に分けて分析した。

 2007年末までの追跡の結果、3,425人の脳卒中発症と910人の虚血性心疾患発症が確認された。分析の結果、緑茶を飲まない群を基準とした場合、循環器疾患と脳卒中については毎日2〜3杯と4杯以上の群の発症リスクが14〜20%低く、脳梗塞については日に4杯以上の群で14%低く、脳出血については毎日1杯以上の群で22〜35%低いという結果を得たほか、コーヒーを飲まない群を基準とした場合、循環器疾患と脳卒中については、週に3〜6回、毎日1杯、毎日2杯以上飲む群の発症リスクが11〜20%低く、脳梗塞については週に1〜2回以上の群で13〜22%低い結果を得た。
 更に、緑茶とコーヒーの摂取を組み合わせてみた場合、緑茶もコーヒーも飲まない群に比べ、緑茶を日に2杯以上またはコーヒーを日に1杯以上摂取する群で、循環器疾患、脳卒中、脳梗塞、脳出血の発症リスクが有意に低下することが確認され、特に脳出血については、緑茶とコーヒー摂取の相互作用がみられ、より低いリスクとなることが示された。

 この結果から、緑茶・コーヒー共に、多く摂取する群で、脳卒中リスクの低下がみられたものの、虚血性心疾患発症リスクとは有意な関連がみられなかったことより、緑茶にはカテキンなどの抗酸化作用・抗炎症作用・抗血栓作用・血漿酸化防止と抗血栓形成効果などによる複数の血管保護効果がみられるが、緑茶と血圧との関連については、今後の研究が必要だという。
 また、コーヒーの先行研究では、摂取と脳卒中との関連性がみられないという研究などがあり、虚血性心疾患との関連についても一致した結果が得られていない。今回の研究でも、日に2杯以上の摂取で年齢調整で虚血性心疾患のリスクとして見られたが、循環器疾患に関連する別の要因の影響を考慮して分析を行うとその関連性が消え、米国のコホート研究の結果と同様であることが示された。これについては、コーヒーを沢山摂取する群には喫煙者が多く含まれているため、年齢調整で見られた関連性が、喫煙で調整すると、その関連性が見られなくなった。

 また、コーヒーに含まれるクロロゲン酸には、血糖値を改善する効果があると言われており、初期の調査では、コーヒー摂取頻度が高いと脳梗塞の危険因子である糖尿病の既往歴の割合が低い傾向にあり(糖尿病既往歴の割合は、コーヒーを飲まない群で7.1%、日に2杯以上摂取する群において3.5%)、コーヒー摂取頻度が多いと脳梗塞の発症が低く抑えられていることが推察された。
 尚、今回のアンケートでは日本茶では「せん茶」と「番茶・玄米茶」の摂取頻度について、コーヒーでは「缶コーヒー以外」と「缶コーヒー」の摂取頻度についてそれぞれ尋ねているが、今回の分析に用いたのは日本茶では「せん茶」のみ、コーヒーでは「缶コーヒー以外」で、カフェインとカフェインレスを分けていない。

2013/03/14
リウマチ飲み薬承認へ 厚労省部会、症例報告が条件
  http://apital.asahi.com/article/news/2013031400001.html
     朝日新聞 > apital > ニュース > 2013/03/14
 厚生労働省の薬事・食品衛生審議会の部会は、3月13日に関節リウマチの新飲み薬ゼルヤンツ(一般名トファシチニブ)の製造販売を、全ての患者の症例報告など条件として承認することを了承したという。治験では、発がんや感染症の短期的な副作用リスクがあることが分かっている。

 現在、標準的な薬が効き難い人には高い治療効果のある注射薬を使っていたが、ゼルヤンツは、高い効果がある初めての飲み薬で、患者には使い易く、米国では2012年10月に承認されている。一方で、長期的には発がんのリスクが明らかになっていないうえ、服用が患者に委ねられる懸念もあり、日本リウマチ学会が厚生労働省や製造販売業者のファイザーに対し、慎重に対応するよう要望書を提出しており、部会は安全面から副作用が出たときに対応できる知識を持つ医師らに使用を限るよう求めた。

2013/03/12
週に一度のジム通いでは不十分 普段の歩行も重要
  http://jp.wsj.com/article/SB10001424127887323596704578355324261357206.html
     ウォール・ストリート・ジャーナル > ライフ > ヘルス > 2013/03/12
 ジムで運動していても、残りの時間のほとんどを座って過ごすなら、健康を保つのには不十分かもしれない──。

 米政府の調査によると、米国民は以前よりも座っている時間が長いという。定期的に運動をする人でさえも、問題となっている。
 最近人気になっているのが、フィットビットやジョウボーン、ナイキ等のメーカーの電子機器を使い日常の体の動きを測定する方法で、歩数計のほかに、動きの速さを計測して消費カロリーを計算する洗練された加速度計として知られるものもある。
 ノースウエスタン大学のセンター・フォー・ビヘイビア・アンド・ヘルスでディレクターを務めるボニー・スプリング氏は「運動に焦点を当て、1日30分程度の中程度から活発な活動を行うことを奨励してきたが、それほど注目していなかったのは、1日の残りの時間の過ごしかただ。」と云う。
 米スポーツ医学会の学会誌メディスン・アンド・サイエンス・イン・スポーツ・アンド・エクササイズ(MSSE)に掲載された2010年の研究に依れば、米国民の平均歩数は 5,117歩/日 だという。しかし、米心臓学会や他の専門家によれば理想は 10,000歩/日 だという。
 この研究の共同執筆者でテネシー大学のデービッド・バセット・ジュニア教授によると、こういった摂生が緩やかな減量につながり、糖尿病のリスクを抱える人の耐糖能を高めるといったことなどの利点があるという。
 徒歩や階段上りといった日常の身体活動は、新陳代謝を促しカロリーの消費面で大きな違いを見せる。
 1マイル(約1.6Km)を歩くのは約2000歩に等しく、階段を10段上がるのは平坦な場所の38歩とほぼ等しいと、バセット氏は指摘する。
 24万人を超える成人を対象に8年半にわたり実施された研究では、テレビを長時間視聴する人は心臓血管系の疾患によるものを含めた死亡率が高いことが判った。週に7時間以上の中程度から活発な運動をする人もこれには含まれている。学術誌アメリカン・ジャーナル・オブ・クリニカル・ニュートリションに2012年に掲載されたこの研究は、テレビの鑑賞時間と腰を下ろしている時間をすべて「座位」の姿勢を取った時間として捉えた。
 研究の筆頭執筆者で国立衛生研究所の調査員であるチャールズ・マシューズ氏は「研究結果は、あまりに長い時間を座ったままで過ごすことに伴うリスクを消すには運動だけでは十分では無いことを示唆している」と述べた。政府による調査から推測されるのは、仕事以外で座ったままでいる時間は1965年から2009 年までの間に約40%増えたと、マシューズ氏は指摘する。

 2005年の研究によると、相対的に肥満率の低いコロラド州の住民の平均歩数は 6,500歩/日で、肥満率の高いテネシーとアーカンソー両州の住民の平均歩数は 4,500歩/日だった。明らかな原因と結果なのかは判らないが、肥満率が低い州の平均歩数が多いことは確かだ。


2013/03/09
「えのきヨーグルト」で免疫力向上 長野で開発
  http://apital.asahi.com/article/news/2013030900003.html
     朝日新聞 > apital > ニュース > 2013/03/09
 長野県農協直販(長野市)は、信大工学部と共同開発した「信州発えのきヨーグルト」を、県内のAコープやスーパー約100店舗で販売を始めたという。

 エノキのエキスは、1969年に当時の国立がんセンター研究所が開発したもので、同センターと北信総合病院の研究では、免疫力向上による抗がん作用が報告されているという。

 75g/パック の中には、中野市産エノキダケを煮詰めた「信州産えのきたけ抽出エキス」を600mg使用しており、¥98(税込)。
 問い合わせは県農協直販(026-285-5501)へ。

2013/03/07
悪夢の細菌−最強の抗生物質も効かない薬剤耐性の細菌が増加
  http://jp.wsj.com/article/SB10001424127887323994204578343281390027100.html
     ウォール・ストリート・ジャーナル > ライフ > ヘルス > 2013/03/07
 米疾病対策予防センター(CDC)が、3月5日明らかにした所に依れば、米国の病院では治療が難しく、場合によっては全く治療が不可能な感染症例が増えていて、その感染が医療機関外の人々にまで広がる恐れがあるという。

 原因は、enterobacteriaceae(腸内細菌科)として知られる細菌の一種で、消化器官に通常存在するが、膀胱・血液など本来存在していない器官に到達すると感染症を引き起こす可能性があるというもので、 CDCは、この細菌の薬剤への耐性が上がっていると指摘し、感染を検知・予防する方策を果敢に講じることが流行阻止に効果的だと述べた。
 CDCに依れば、カルバペネム系の強力な抗生物質(悪性感染症の治療の最終手段として使われることが多い)に耐性を持つ腸内細菌への感染の比率は、10年前の1.2%から2011年時点で4.2%へと増えている。それらの腸内細菌の中で最も厄介な部類とされるクレブシエラ(グラム陰性の桿菌)ではさらに顕著で、薬剤に耐性を持つ細菌の比率が、10年前の1.6%から10.4%へと大きく上昇している。 これらはカルバペネム耐性腸内細菌(CRE)と呼ばれ、これによる血流感染が起きると、約半数もの患者が命を落とすという。
 CREの感染症は、院内感染の原因で最も多いメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)による感染症ほど広がっていないものの、昨年上半期に短期入院型の病院でCRE患者が少なくとも1人いた病院の比率は4%近く、長期型の急性期病院では18%近くに達した。またCDCによると、薬剤耐性を持つクレブシエラへの感染は、10年前にノースカロライナ州の1件の医療機関で初めて確認されたが、現在は42の州で報告されている。
 CDCは病院や医療機関に感染の予防策を取るよう呼び掛けている。手洗いの励行、医療器具をできるだけ早く患者から取り外す、感染した患者を隔離する、感染拡大を防ぐためCRE患者専用の病室・器具・スタッフを準備するといったことだ。
 関係者は、MRSAは市場に出回っている比較的新しい抗生物質で治療可能だが、CREは治療の選択肢がほとんどなく、新薬が早期に開発される見込みもない。更にCREは抗生物質への耐性を他の細菌に伝えられるため、医療機関の外に広がり、他の健康な人々にまで及ぶ恐れがあると警告している。

2013/03/01
”PR” 薬に頼らない"花粉症機能改善プログラム"「ブレインマジック」 
 萩原カイロプラティック院長で(株)自然治癒力活性医学研究所代表の萩原秀紀氏が考案した、口腔内に発見したツボ『天迎香』を刺激する独自のマウスピースにて、脳を刺激しリラックス状態にすることで体質改善を促し、花粉症を治す治療法を紹介します。

 萩原氏は、横浜で42年間にわたりカイロプラクティック治療院及び自然治癒力活性医学研究所を営んでおり、17年前に自身が花粉症になり、その治療法を模索する中で、口の中に花粉症に効果的なツボを発見しました。

 ツボの歴史4000年と言われておりますが、未だに未発表のツボであることが判り、『天迎香』(てんげいこう)と命名して全日本鍼灸学会学術大会において、その存在を報告したとのこと。


「ブレインマジック」・花粉症機能改善プログラム : 花粉症シーズンキャンペーン
     このツボ『天迎香』は、脳機能計測実験で、脳の酸素消費量から脳をリラックスさせる効果を有し、結果、体のゆがみを整え体質改善が可能であることを、最先端脳科学計測装置(NIRS)にて加藤俊徳医師/医学博士((株)脳の学校代表)の監修の元行った。このツボ『天迎香』を誰でもが簡単確実に押せるように開発した口腔内装画を『ブレインマジック』と称し、これに花粉症に効果のあるツボを紹介し、どのように日常トライすれば効果的に改善できるかをDVDで詳しく解説し紹介しています。
     現在ある花粉症治療の殆どは、今年だけ良くなる対症療法ですが、この花粉症機能改善プログラムは、体質改善して、根本的に治すことを目指しています。

     ※)この『ブレインマジック』のマウスピースは、日本及び米国、他の世界18カ国で特許取得している。
 「ブレインマジック」・無料セミナー : サンキュー販売キャンペーン
     ブレインマジック花粉症機能改善プログラムの使用方法、応用などをより判り易く解説する無料セミナーです。
     萩原 秀紀氏が自らブレインマジックを用いての施術を行うので、花粉症で悩んでおられる方には必見!

2013/02/23
食べる順、「まず野菜」がおすすめ 血糖値抑制に効果
  http://apital.asahi.com/article/news/2013022300006.html
     朝日新聞 > apital > ニュース > 2013/02/23
 大阪府立大の今井佐恵子教授(臨床栄養学)らのグループが英国の糖尿病専門誌に発表した研究に依れば、食事のメニューが同じでも、最初に野菜を食べると血糖値の上がり方が緩やかになるという。

 2型糖尿病の患者19人と健康な21人に、血糖値を連続して測定できる装置を身につさせ、同じ食事内容で野菜を先に食べた時と、炭水化物を先に食べた時とで血糖値の変動を比較した。「野菜が先」は、500gの野菜を5分かけて食べた後、肉や魚などのたんぱく質を食べ始め、さらに5分してからご飯やパンなどを食べるという条件で、調べた結果、患者と健康な人のいずれでも、野菜を先に食べた時に食後の血糖値の上昇幅が半分ほどに抑えられた。炭水化物が先だと血糖値は1dl当り300mg以上に達したのに、野菜が先だと150〜250mgほどですむ人もいた。食前の血糖値の低下も抑えられた人もいて、24時間の変動幅は約2/3に減少した。

 野菜を先に食べると、食物繊維の作用で炭水化物の吸収がゆっくりになることなどが考えられ、早食いをすると効果が弱まるという。血糖値の上昇幅を減らせば、脂肪をためこむ働きのあるインスリンの分泌も減るため、動脈硬化等の生活習慣病の予防策となる。
アルツハイマー予防効果、DHAは適度に 京大など研究
  http://apital.asahi.com/article/news/2013022300002.html
     朝日新聞 > apital > ニュース > 2013/02/23
 京大iPS細胞研究所の井上治久准教授、長崎大薬学部の岩田修永教授らが、2月22日の米科学誌セル・ステムセル電子版に発表した研究に依れば、魚に多く含まれアルツハイマー病の予防に効果がありそうだとされるドコサヘキサエン酸(DHA)は、濃度が高いとかえってよくないという。

 アルツハイマー病では、アミロイドβという毒性の高いたんぱく質が神経細胞の外に溜まることが知られ、発症の原因と推定されていて、今回の研究は、アルツハイマー病を若年で発症した家族性のタイプの2人と、高齢で発症した2人から皮膚細胞を提供してもらいiPS細胞にして神経細胞へと変化させたもので、家族性の1人と高齢で発症の1人では、細胞の内部にアミロイドβが溜まっていて、これがストレスとなり、細胞が死に易くなることも判った。
 DHAを低い濃度で加えると、ストレスが減って細胞死の割合が減った。しかし濃度がこの4倍ほど高い場合は、かえってストレスが増した。今回の研究は細胞実験なので、食事でどれくらいが適正なのか、現段階でははっきりせず、アルツハイマー病の種類によって効果が違う可能性もあるという。

2013/02/20
花粉症に乳酸菌!? フェカリス菌という乳酸菌の効果
  http://allabout.co.jp/gm/gc/407299/
     All About >健康・医療 > 症状・病気 > 花粉症 > 花粉予防・花粉症対策法・グッズ・家電 > 2013/03/09
「花粉症」の起こるメカニズム
    花粉症のメカニズムは、アレルギーのメカニズムと同じです。
    • スギ花粉:アレルゲン、アレルギーを起こす物質。
    • マクロファージ:白血球の一種。アレルゲンを取り込んで処理してリンパ球に示すために細胞表面に再びアレルゲンの一部を表わす。
    • T細胞:マクロファージからのアレルゲンを認識してB細胞に知らせるリンパ球
    • B細胞:形質細胞に変わり、IgE抗体というタンパク質を産生する細胞
    • 形質細胞:IgE抗体というタンパク質を産生する細胞。B細胞と同じもの
    • 肥満細胞:白血球の仲間。化学物質を多く持っており、アレルゲンの刺激で放出。
    • 化学物質:ヒスタミン、ロイコトリエンなど
     花粉が目や鼻に入ると、花粉がマクロファージに取り込まれ、その花粉を処理したマクロファージが細胞の表面に表われ、T細胞に花粉であることを知らせます。T細胞はその花粉の情報をB細胞に知らせて、B細胞が形質細胞に変わって、IgEという抗体を産生します。この花粉に反応するIgE抗体がある中で、花粉が体に入ってくると花粉とIgE抗体が結合して、白血球(特に肥満細胞)からヒスタミンや化学物質を産生させ、鼻や目の粘膜や血管に働いて、涙や鼻水が出る。粘膜の浮腫が出てくると、鼻づまりになる。花粉が直接体に接するのは、目や鼻なので、花粉症に罹ると目と鼻に症状が集中する。
花粉症対策には、免疫力をつけることが有効
     花粉症対策は、3つ。周りの花粉を減らすこと、花粉の侵入を防ぐこと、花粉症の症状を軽減すること。
    症状の軽減について下記します。
     症状は、体調によって左右されるので体調が良くないと症状の悪化が見られる。花粉症の為に寝不足などで体調が悪くなり、更に症状が悪化するという悪循環を断ち切るためにも日頃の生活を見つめ直すこと。その1つとして、医食同源の観点から、体に良いと言われているものを取り入れる方法がある。
アレルギーを抑えるにも免疫力UPにも乳酸菌?!
     体に良いものの1つとして乳酸菌があり、この乳酸菌には様々な作用・効果がある。代表的なものが、整腸作用。乳酸菌を摂ることで、便秘や下痢が改善します。悪玉菌と呼ばれる細菌の増殖を抑えたり、免疫を高めたり、コレステロールを抑える効果、発がんを抑える作用があることが報告されている。
     乳酸菌は、アレルギー症状の原因であるIgEを作るために必要なヘルパーTリンパ球2型という白血球を抑える効果があると報告されている。
乳酸菌の中でも、「フェカリス菌」に注目
     乳酸菌には様々な種類がありますが、フェカリス菌に注目。正式にはEnterococcus faecalisと云い、人間の体内から分離して加熱処理を行い、乾燥させた乳酸球菌です。
     このフェカリス菌を含む飲料を使って、NPO日本健康増進支援機構の花粉曝露試験施設でスギ花粉症患者20人にその効果を検討した結果、フェカリス菌を含む飲料を継続的に8週間飲んだ人は、鼻かみの回数、眼のかゆみ、鼻づまりで統計上、改善が見られたと報告されている。
     また、乳酸菌は、より多く摂ることが有効とされており、フェカリス菌には、下記の特徴があることから注目が集まっている。
    菌そのものが小さいため、一度に数多く摂取することができる。大きさは約1μと他の乳酸菌と比べて1/5程度と小さいので、一度に大量に摂取でき、より整腸効果が期待できると考えられている。
     殺菌しても効果があるので、より摂取し易い。乳酸菌は生きたまま腸に達すると良いのですが、胃酸によって多くが死んでしまう。フェカリス菌は加熱殺菌処理した死菌でも効果を発揮すると言われています。死菌のフェカリス菌は、腸内の善玉菌のエサになり、悪玉菌を減らし、腸を整えます。
     フェカリス菌を含む製品としては、伊藤園・チチヤス 共同開発品の「朝のYoo」、久光製薬の乳酸菌(EC-12)、アサヒフードアンドヘルスケアの新ラクトーンA、ニチニチ製薬のフェカリンプロなどがあります。  個人差もあるが、フェカリス菌を継続的に摂ることで症状の改善に期待できるかも、医食同源という点から試してみてはいかがでしょうか?

リノール酸の摂取増加で死亡リスクが上昇
  http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/bmj/201302/529109.html
     Nikkei Medical Online ニュース 2013/02/20
飽和脂肪の代替として紅花油の摂取量を増やしたランダム化比較試験

 米国立衛生研究所(NIH)のChristopher E. Ramsden氏らが、BMJ誌電子版・2013年2月5日に発表したところに依れば、飽和脂肪酸の代替として多価不飽和脂肪酸の一種であるリノール酸の摂取量を増やすと、全死因死亡、心血管死亡、冠疾患死亡リスクが上昇する可能性があるという。

 これまで、オメガ3系の不飽和脂肪酸(エイコサペンタエン酸やドコサヘキサエン酸など)の摂取が心血管リスクに及ぼす影響を調べたRCTは数多く、好ましい結果も複数あったが、飽和脂肪酸をオメガ6系の不飽和脂肪酸であるリノール酸に置き換えた場合の心血管保護効果や生存への利益を示したRCTは無かった。
 著者らは、オメガ3系脂肪酸の影響を極力排除して、オメガ6系脂肪酸摂取の心血管二次予防と生存への影響を明らかにすべく、豪州・Sydney Diet Health Studyのデータを分析対象に選んだ。このRCTは、1966〜73年に行われた単盲検の試験で、介入群に対し飽和脂肪酸の代替として他の多価不飽和脂肪酸を含まず「リノール酸のみ」を含む紅花油を摂取するよう指導していた。このSydney Diet Health Studyに登録されたのは、30〜59歳の男性458人。登録患者の86%が心筋梗塞、残りは急性冠不全または狭心症の既往を持ち、イベント発生から中央値11週の時点で試験に登録されていた。
 介入群の221人は、飽和脂肪(動物性脂肪、マーガリン、ショートニング)の摂取を摂取熱量の10%未満に、コレステロールの摂取は1日に300mg未満に減らす一方で、摂取熱量の約15%を紅花油と紅花油マーガリンから取るよう指導されていた。対照群の237人には食事指導は行われず、特別な食品の提供も無かった。
介入群
対照群
備考
追跡期間中の評価多価不飽和脂肪酸の比(多価/飽和)
1.72
0.63
 
摂取熱量(中央値)
2256kcal
2194kcal
 
コレステロール摂取量
238mg/日
331mg/日
 
12カ月時点の血中総コレステロール値
243.9mg/dL
266.5mg/dL
両群間に有意な差が有り
累積全死因死亡率
17.6%
11.8%
ハザード比 1.62
両群間に有意差有り
心血管死亡率
17.2%
11.0%
ハザード比 1.70、両群間に有意差
冠疾患死亡率
16.3%
10.1%
ハザード比 1.74、両群間に有意差

 登録患者全員を対象に、摂取した飽和脂肪に対する多価不飽和脂肪酸の比(多価/飽和)が1ポイント上昇するごとの調整ハザード比を求めたところ、全死因死亡は1.53、心血管死亡は1.58、冠疾患死亡は1.44だった。
 さらに、リノール酸の影響を調べた過去の研究に今回の分析結果も加えて、合計3件のRCTを対象とするメタアナリシスを行った結果、介入群で冠疾患死亡リスクと心血管死亡リスクが上昇する傾向が見られる一方で、オメガ3系多価不飽和脂肪酸の摂取量も多い試験も加えた4件のメタアナリシスでは、心血管死亡リスクの減少傾向が見られたという。
 今回、心血管二次予防を目的として飽和脂肪酸をオメガ6系多価不飽和脂肪酸に置き換える食事が、死亡リスクを上昇させる可能性が示されことは、飽和脂肪酸の代わりに不飽和脂肪酸の摂取を増やすべきという食事指導に重大な影響をもたらすかもしれない。

▼原題は、「Use of dietary linoleic acid for secondary prevention of coronary heart disease and death: evaluation of recovered data from the Sydney Diet Heart Study and updated meta-analysis

2013/02/08
ビタミンや抗酸化サプリに心血管疾患の予防効果なし
  http://medical.nikkeibp.co.jp/inc/mem/pub/hotnews/bmj/201302/528926.html
     Nikkei Medical Online ニュース 2013/02/08
 韓国ソウル大学校のSeung-Kwon Myung氏らが、BMJ誌2013年1月18日号に報告した研究に依れば、ビタミンや抗酸化サプリメントの心血管イベントに対する影響を調べた結果、どのサプリメントにも有意な予防効果が認められなかったという。

 野菜や果物を積極的に食べると心血管リスクが低下するという研究結果に基づいて、それらに含まれるビタミンや抗酸化物質をサプリメントとして使用した場合の影響は、一貫した結果は得られていなかった。著者らは、ビタミンサプリメントと抗酸化サプリメントの心血管疾患予防効果を評価するために、RCTを対象にシステマテックレビューとメタアナリシスを行った。
 PubMed、EMBASE、コクランライブラリ、Scopus、CINAHL、ClinicalTrial.govに登録されていた研究の中から、ビタミン又は抗酸化サプリメントの心血管疾患予防効果を評価し、追跡期間が6カ月以上の50件のRCTを抽出し分析した。これらのRCTには、合計294,478人が登録され、うち156,663人が介入群、137,815人が対照群に割り付けられていた。
 追跡期間は6カ月〜12年で、各RCTへの登録者の数は61〜3万9876人だった。30件が心血管疾患の一次予防効果を調べており、二重盲検試験は45件で、5件はオープンラベル試験だった。評価対象は、ビタミンA・ビタミンB6・ビタミンB12・ビタミンC・ビタミンD・ビタミンE・βカロテン・葉酸・セレンで、単剤投与若しくは併用されており、評価指標の主要な心血管イベントは、心血管死亡・狭心症・致死的又は非致死的心筋梗塞・脳卒中・一過性脳虚血発作等。

 固定効果モデルを用いたメタアナリシスは、介入群の相対リスクは1.00で、ビタミンサプリメントや抗酸化サプリメントの使用と主要な心血管イベントのリスクには有意な関係は見られなかった。
 サブグループ解析では、一次予防若しくは二次予防、ビタミンと抗酸化サプリメントの種類と用量・心血管アウトカムの種類(心血管死亡・狭心症・致死的または非致死的心筋梗塞・脳卒中・一過性脳虚血発作)・試験設計・研究の質・試験期間(5年未満・5年以上)・資金源(製薬会社・それ以外)・ビタミンサプリメントと抗酸化サプリメントの提供者(製薬会社・それ以外)・対照群のタイプ(プラセボ投与の有無)・個々の研究の登録者数(1万人未満・1万人以上)等にて登録者を層別化して分析したが、ビタミンサプリメントと抗酸化サプリメントによる心血管イベントの予防効果は示されなかった。
 尚、心血管アウトカムの種類で層別化したサブグループ解析では、ビタミンサプリメントや抗酸化サプリメントの使用は、狭心症リスクの僅かな上昇に関係していることが示唆された。又、低用量のビタミンB6の使用は、主要な心血管イベントリスクを低下させたが、これらの有意差は、質の高いRCTのみを解析対象にすると消失した。  質の高い試験において、ビタミンB6の使用は心血管死亡リスクの低下と関係し、ビタミンEの使用も心筋梗塞リスクの低下と関係していた。但しこれらの有意差は、製薬会社からサプリメントの提供を受けていた研究のみに認められ、サプリメントを購入または別の組織から調達していた研究では認められなかった。

▼原題は、「Efficacy of vitamin and antioxidant supplements in prevention of cardiovascular disease: systematic review and meta-analysis of randomised controlled trials

2013/02/03
ピロリ除菌、胃炎も保険適用へ 胃がん予防に道
  http://apital.asahi.com/article/news/2013020300002.html
     朝日新聞 > apital > ニュース > 2013/02/03
 ヘリコバクター・ピロリは、胃の粘膜にいる細菌で胃がんなどの原因になる。感染者は国内で約3500万人で、50歳以上の7〜8割が感染しているとみられる。子供の頃に感染すると成人になっても胃の中で生き続ける。この「ヘリコバクター・ピロリ」菌の感染による胃炎について、除菌治療が保険適用として認められる見通しになった。これまでは胃潰瘍など症状が進んだ病気に限られていたが、より早い段階で治療が受けられるようになり、将来の胃がん予防につながる可能性があるという。

 現在、公的医療保険で除菌の対象になる病気は、胃潰瘍・十二指腸潰瘍などで、これまで胃炎の除菌は保険の対象外であり、1回につき数万円の自己負担が必要だったが、今回の厚生労働省の専門部会で治療効果などについて検討され、1月31日の会議で認められ、早ければ3月から保険適用が受けられる見込み。
 胃炎の除菌治療で保険適用が認められるのは、ピロリ菌の除菌剤とその効き目を高めるための補助剤。ただし、吐いた息で調べる検査などで感染を確認し、内視鏡検査で炎症が見つかるのが条件となる。

 除菌には、3種類の薬を朝夕2回、7日間飲み続ける必要が有り、これで除菌できない場合は2回目の除菌をする。ただし薬で下痢・軟便などの副作用が出る場合があるほか、治療後に逆流性食道炎で胸焼けなどを訴える人がいる。
≪オーナーコメント≫:
2013/01/29
カテキンの1種と男性性機能障害治療薬でがん細胞のみを強力に殺傷 - 九大
  http://news.mynavi.jp/news/2013/01/29/025/index.html
     マイナビニュース > 開発・SE > サイエンス 2013/01/29 
 九大大学院 農学研究院の立花宏文主幹教授らの研究グループが、米国東部時間1月25日付けで米国科学雑誌「The Journal of Clinical Investigation」オンライン版に発表したところに依れば、緑茶に多く含まれるカテキン(緑茶ポリフェノール)の1種「エピガロカテキンガレート(EGCG)」が、血管を弛緩させる経路として知られている一酸化窒素/「cGMP」経路を活性化することで、正常な細胞は傷つけずにガン細胞を特異的に殺傷する仕組みを発見したという。
 更に、一酸化窒素/cGMP経路を阻害する酵素である「ホスホジエステラーゼ5(PDE5)」が腫瘍において高発現しており、男性性機能障害治療薬として用いられているPDE5阻害剤を併用することで、EGCGの抗がん作用を飛躍的に増強できることも併せて発表した。

 緑茶や緑茶特有の成分であるEGCGの摂取が、前立腺ガンや胃ガンに対して抗ガン作用があるとの研究報告がある一方、否定する報告もあり、緑茶の抗ガン作用には不明な点が多く残されていた。
 これまでに「67kDa laminin receptor(67LR)」という細胞膜表面にあるタンパク質にEGCGが結合することでガン細胞を選択的に殺傷することを明らかにされていたが、EGCGのガン細胞を殺傷するメカニズムは不明だった。
 今回の研究は、EGCGは67LRを介して一酸化窒素合成酵素を活性化し、勃起や血管を弛緩させる経路として知られている一酸化窒素/cGMP経路を介して「プロテインキナーゼCδ」並びに「酸性スフィンゴミエリナーゼ」という酵素を活性化することで、ガン細胞にアポトーシス(プログラム細胞死)を誘導することを発見したもの。
 緑茶を数杯飲んだ程度で吸収される量のEGCGでは十分な抗ガン作用を発揮できない。そこで、EGCGの活性を阻害している因子がガン細胞にあるかを探った結果、PDE5が様々なガン細胞(多発性骨髄腫・膵臓ガン・前立腺ガン・乳ガン・胃ガン)で正常細胞に比べて高発現しており、EGCGの抗ガン作用を阻害していることを突き止めた。
 更に、ED治療薬として用いられているPDE5阻害剤でその働きを抑えたところ、低容量におけるEGCGのガン細胞致死活性を飛躍的に増強できることが判明した。また、今回発見したEGCGのがん細胞致死機構は、既存の抗ガン剤とは全く異なる仕組みであり、既存の治療薬に効果が無い或いは既存の治療薬に抵抗性を持ったガンに対する治療薬の開発に結びつくと期待されるという。

2013/01/27
糖質制限ダイエット、長期は危険? 死亡率高まる恐れ
  http://apital.asahi.com/article/news/2013012700001.html
     朝日新聞 > apital > ニュース > 2013/01/27
 国立国際医療研究センター病院糖尿病・代謝・内分泌科の能登洋医長らが、米科学誌プロスワンに1月26日発表したところに依れば、ご飯やパンなどの糖質を控える「糖質制限食(ダイエット)」を5年以上続けると、死亡率が高くなるかもしれないとする解析結果を発表した。

 糖質制限食は「低炭水化物ダイエット」等と呼ばれ、短期的には減量や血糖値の改善につながるという報告があるが、長く続けても安全なのかはっきりしていなかった。2012年9月12日までに発表された糖質制限食に関する492の医学論文から動物実験などを除き、人間での経過を5年以上追跡して死亡率などを調べた海外9論文を分析したところ、5〜26年の追跡期間中・計約1万6千人が死亡していたが、糖質摂取量割合が最も少ないグループの死亡率は、最も多いグループの1.31倍で、統計上の明確な差が出たというもの。

 糖質制限食は、肉食中心になりがちで、心筋梗塞や脳卒中などのリスクが高まる可能性があるため、心筋梗塞などによる死亡率や発症率との関係も調べたが、はっきりした差はなかった。何故死亡率が高まるのか、原因ははっきりしないが、日本人も含めた更なる検証の必要性がありそうだ。

2013/01/26
カテキン+ED薬=抗がん作用強化 動物実験で確認
  http://apital.asahi.com/article/news/2013012600002.html
     朝日新聞 > apital > ニュース > 2013/01/26
九州大の立花宏文主幹教授(食品機能化学)らが、米医学誌「ジャーナル・オブ・クリニカル・インベスティゲーション」電子版に発表したところに依れば、緑茶に多く含まれるカテキンを勃起不全(ED)治療薬と併せて使うと、カテキンの抗ガン作用が大幅に強くなることを細胞やネズミ実験で確かめたという。

 立花氏らは、カテキンの一種で抗がん作用があるエピガロカテキンガレート(EGCG)の働きを研究し、ガン細胞の中で幾つもの分子を介して信号を伝え細胞を死に導く道筋を解明した。途中で別の酵素が信号を弱めており、高濃度のEGCGでないと抗ガン効果が出ないことも判った。
 この酵素は、「バイアグラ」をはじめとするED治療薬が働きを抑える酵素と同じで、人のガン細胞やガンを移植したネズミにEGCGとED治療薬を一緒に与えると、単独では効果が出ない濃度でも、細胞が死んだりガンが小さくなったりしたという。
 併用で効果が出たEGCGの濃度は、急須で入れたお茶を10杯程度飲んだ時の血中濃度に相当し、ED治療薬の方も、本来の治療の量の数倍という。実際のガン患者で効果が出るかは、未確認。

2013/01/21
メラミン製食器で腎結石リスクが増大?
  http://news.e-expo.net/world/2013/02/post-102.html
     健康美容EXPO > 健康美容EXPOニュース > 海外ニュース:TOP > 研究発表 > 2013/01/21
 台湾、高雄医学大学のChia-Fang Wu氏らが「JAMA Internal Medicine」オンライン版の1月21日号に発表した研究に依れば、メラミン製食器により腎結石リスクが増大する可能性があるという。

 メラミンは、工業分野で広く利用され、多くの家庭用品に含まれる化学物質で、皿・椀や丼・マグカップなどの食器類に使用されており、食器から食品中にメラミンが入り込むことが以前から知られており、特に古い食器や質の悪い食器では、高温の食品(スープなど)や酸性度の高い食品がメラミンの混入を促進する可能性があるという。

 今回の研究では、12人の健康な男女を対象に、メラミン製またはセラミック製の丼で熱い麺入りスープを食べてもらい、12時間後に被験者の尿を採取した。3週間後、使用する丼の種類を入れ替えて同じスープ麺を食べてもらい、再度尿を採取した。
 スープ麺を食べてから12時間後の総メラミン値は、メラミン製の丼では8.35 μgだったのに対し、セラミック製の丼では約1.3 μgだった。

 Spaeth氏によれば、メラミン曝露によるリスクの特徴を明らかにするヒトのデータは殆どないが、動物を用いた研究では、メラミン摂取が腎結石、腎損傷の原因となるほか、癌を誘発する可能性もあることが示されているという。メラミンを含有する食器類の使用を避けることは妥当であり、フタル酸エステル類やビスフェノールAなど、人体への害が疑われる他の化学物質についても同じことがいえる。
 2008年には、中国で乳児用粉ミルクに高濃度のメラミンが混入しているのが見つかり問題となった。

▼原題は、「Could Chemical in Dishware Raise Your Risk for Kidney Stones?
理研など、ヘルパーT細胞が「キラー様T細胞」へと機能変化可能なことを解明
  http://news.mynavi.jp/news/2013/01/21/135/
     マイナビニュース > 開発・SE > サイエンス 2013/01/21 
理研 免疫・アレルギー科学総合研究センター 免疫転写制御研究グループの谷内一郎グループディレクター、米ラホイヤアレルギー・免疫研究所のHilde Cheroutre教授(理研 免疫・アレルギー科学総合研究センター 環境応答制御研究ユニット ユニットリーダー兼務)らの国際共同研究グループらが、米科学雑誌「Nature Immunology」オンライン版の1月21日版に発表した研究に依れば、食物や細菌に常にさらされている腸内環境では、免疫応答の司令塔として重要な「ヘルパーT細胞」が、異物を認識して破壊する「キラーT細胞(細胞障害性T細胞:CTL)」と同様の機能を持つ「キラー様T細胞」へと機能変化できることを解明したという。

 今回の研究により、ヘルパーT細胞は、キラー様T細胞へ機能変化するという潜在能力を持つことが明らかになったほか、機能変化過程がThPOK転写因子の発現消失によるものだったことから、この過程では細胞の性質をコントロールする根本的なプログラムが書き換えられていることが判ったというもので、腸管のような環境下のヘルパーT細胞は、細胞機能プログラムを再び書き直す能力を有していることが判ったのである。
 人為的なT細胞分化誘導法の開発は、免疫疾患の新たな治療法の開発につながると期待できると、研究グループはコメントしている。
ココアはショウガと同程度、冷え性抑制効果があることを解明 - 森永製菓
  http://news.mynavi.jp/news/2013/01/21/173/index.html
     マイナビニュース > ライフ > 健康と生活 2013/01/21 
手の甲の表面温度の変化の一例  森永製菓の情報サイト「Cacao Fun」にて、ココアに関する機能性研究の結果について公開した情報によると、冷え性を抑制する食品として代表的な「ショウガ」と「ココア」を比較したところ、「ココア」が「ショウガ」と同程度の冷え性抑制効果があることを解明したという。

 2002年には、「ココアの冷え性改善効果」と言うタイトルで発表を行い、「コーヒー」や「緑茶」等の嗜好飲料と比べ、「ココア」が最も体末梢部(手足)の血流を改善し、冷え性を抑制する効果が高いことを解明。
 2012年には、「ショウガ」と「ココア」を比較し、冷え性と判断された健常な女性を対象に、冷え性を抑制する効果を検証した。
 この検証実験は、何もしない状態では体の末梢部温度が次第に下がる室温23〜24℃において、約70℃・100mlの純ココア+牛乳、及びショウガ+牛乳を用意し、健常な成人11名(冷え性と判断された人)を対象に試験飲料を摂取後、手の甲の表面を5分間隔で、首表面・額表面・ほお表面・鼻表面の温度変化を10分間隔で医療用サーモグラフィーで測定した結果、飲用後の手の甲と鼻の表面温度については「ショウガ」の方が温度上昇の立ち上がりが速く、上昇程度が高かった。しかし、急速に温度低下も始まったという。
 一方「ココア」は、温度の低下が穏やかで体温の持続性が高かった。「ココア」は「ショウガ」より約0.5度高い表面温度を維持することが確認できたことで、「ココア」と「ショウガ」は冷え性抑制効果の表れ方に違いはあるが、冷え性を抑制する食品であることが判明した。

 この「ココア」がゆっくりと長く冷えを抑制する効果は、副交感神経に作用するココアならではの効果で、ココアに含まれるデオブロミンやポリフェノールの血管拡張作用により、特に手や足の先の血液循環を改善することで、長く冷えを抑制できると考えられるという。

2013/01/08
ラクトフェリンの摂取がウイルス感染性胃腸炎を抑制する!? - 森永乳業
  http://news.mynavi.jp/news/2013/01/08/123/index.html
     マイナビニュース > 開発・SE > サイエンス 2013/01/08 
 森永乳業が1月7日に発表したところに依れば、乳由来のたんぱく質「ラクトフェリン(LF)」がノロウイルスやロタウイルスなどのウイルスの表面及びその感染部位である消化管細胞と結合し、ウイルスが消化管細胞に感染することを抑制してウイルス感染性胃腸炎の抑制や症状の緩和につながると発表した。

 今回の研究は、同社が約50年間にわたるラクトフェリンの研究の中から、ウイルス感染性胃腸炎に対する可能性を纏め、ラクトフェリンの活用の可能性について検討を行ったもの。

 1つ目の研究は、2009年に報告されたもので、5歳未満の保育園児に、同社提供のLF含有食品(LF400mg入り錠菓)を16週間摂取してもった結果、ノロウイルス感染性胃腸炎の発症率は、非摂取群(対照群)が7/45人であったのに対し、摂取群(LF群)は2/46人と有意に少ない結果となった。また、摂取群の2人の感染者においても検出強度が弱く、感染量が少なかったという。

 2つ目の研究は、2007年に報告されたもので、5歳未満の保育園児に、LF 100mg/日を含むヨーグルト又は錠菓を12週間摂取してもらった結果、ロタウイルス感染性胃腸炎の発症率に差は認められなかったものの、ロタウイルス感染性胃腸炎を発症した園児の嘔吐、下痢の頻度(回数)と期間(日数)は、摂取群(LF群)で非摂取群(対照群)に対して有意に少なかったという。

 3つ目の研究は、2010年に報告されたもので、母乳中からノロウイルス様粒子と結合する成分を探索した結果、LFが検出されたというもので、ヒト腸上皮様細胞(Caco-2細胞)にノロウイルス様粒子を添加する際、ラクトフェリンも添加すると濃度依存的にノロウイルス様粒子のCaco-2細胞への付着が抑制され、ラクトフェリンがノロウイルスと結合することで、ノロウイルスが腸上皮細胞に感染するのを抑制するという。

 4つ目の研究は、2003年に報告されたもので、ノロウイルスの代替としてネコカリシウイルスの細胞感染モデル試験。このウイルスを細胞に感染させると8割の細胞が死ぬが、LFと細胞を接触させた後に細胞を洗ってからこのウイルスを添加したところ、細胞死が抑制されることが確認されたが、感染させた後にLFを添加しても細胞死は抑制されなかった。 細胞とLFを接触させるとLFは細胞表層に結合し付着することで、ウイルスの感染を抑制することが示唆されたもの。

 これらの研究報告から、LFの経口摂取による感染性胃腸炎の症状緩和のメカニズムとして、LFがウイルスや消化管細胞に結合し、ウイルスの消化管細胞への感染を抑制することにより、感染性胃腸炎の発症抑制や症状緩和が見られた可能性が示されたとしている。


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