とし坊 の読んどきゃ良かった記事情報 Back No.22
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2007/12/30
「血管年齢」を若く保つ ラクトトリペプチドが効果的
  http://mainichi.jp/life/health/archive/news/2007/12/20071230ddm010100128000c.html
     毎日新聞  ライフスタイル > 健康 > アーカイブ  2007/12/30 
 血圧も正常で、血糖値もそれほど高くないし、高脂血症でもないならば「健康に異常なし」かと思えば、そうでない場合もある。
一つ一つの数値に異常がなくても、血管が老化している場合(動脈硬化)も有るので、血管年齢を若く保つ方法についての記事。

■「異常なし」でも進む老化
 血管の老化すなわち動脈硬化は、血管内に悪玉コレステロールや中性脂肪がたまり血管が硬くなったり、内腔が狭くなったりして、血管の弾力性、しなやかさが失われていくもので、血管の老化である。問題なのは、年が若いのに血管の老化が進んでいる場合だ。

 せんぽ東京高輪病院の足立香代子・栄養管理室長が2007年11月日本臨床栄養学会総会で発表したところによれば、ラクトトリペプチド(LTP)を含む飲料による血管年齢の改善度を比較するという試験について、興味深いのは試験に参加した14人(実年齢は40〜49歳)共に肥満ではなく、血糖値や血圧にも異常はなく、通常の健康診断では健康といえる状態だが、血管が硬いと脈波の伝わる速度が速くなる「脈波伝播速度」における血管年齢は、平均で約61〜65歳だったことと、もう一つの共通点は食生活において肉類の摂取が多く、大豆や野菜、魚の摂取が少ないというものだった。
 この女性たちの血管年齢が、食事指導やLTP含有飲料の摂取で若返ったのか? 興味あるところだ。

 食事指導の中身は、
 (1)野菜類は450g/日を摂取か、1食につき2品以上、またはこれまで以上に食べる
 (2)大豆や魚は毎日食べ、肉類は週に3回にする

 その結果、食事指導群では4週間後に血管年齢の平均が65.6歳から59.3歳に下がった。しかし、食事指導が長続きしなかったことで8週間後には62.4歳に上がり、試験開始の時点にややもどってしまった。
 一方、LTP含有飲料の摂取群の方は、4週目で58.2歳、8週目で56.3歳へと低下した。LTP含有飲料が血管年齢を若くする効果があることが分かった。

■野菜、大豆、魚主体の食事でも改善 / 大事なのは継続
 今回の試験から、食事の改善でも、健康食品の摂取でも、血管年齢の改善が望めそうで、食事以外では「毎日、速足で歩く」など運動も効果的だ。
 ただ、いくら予防のためと言っても、450g/日の野菜を取るのは難しいと思うかもしれないが、1食につき約150gの野菜を3回取ればよいので、それほど難しくない。例えば、トマト1個で150g程度あり、みそ汁にタマネギなどの野菜を入れて、トマト半個を食べれば、1食で150gの野菜が取れる計算になる。


2007/12/27
中強度の運動でメタボリックシンドロームのリスクが減少
  http://health.nikkei.co.jp/hsn/news.cfm?i=20071227hj000hj
     NikkeiNet いきいき健康 米国発ニュース 2007/12/27
 米デューク大学(ノースカロライナ州)メディカルセンターのJohanna L. Johnson氏らが、さまざまな運動量および運動強度について、メタボリックシンドロームの解消への効果を検討した結果を、医学誌「American Journal of Cardiology」12月15日号に発表したところによれば、ほぼ毎日、30分/日 程度早足で歩く中強度の運動だけで、メタボリックシンドロームの解消に十分であることが示された。

 今回の研究の内容は、171人の男女を4群に分け、1群は運動をしない対照群とし、残りの3群については8カ月間、以下のような運動を行った:

  1. ・低運動量/中強度運動群。週3〜5日、1週間で19kmを約3時間かけて早足で歩く。
  2. ・低運動量/高強度運動群。同じく19kmの距離を、ジョギングのペースで走る。1週間で約2時間。
  3. ・高運動量/高強度運動群。早いペースのジョギングで、週に32kmを約3時間かけて走る。
 この結果、低運動量で中強度の運動がメタボリックシンドロームの改善に極めて有効であることが判明した。

 運動量の最も多い、週32kmジョギングする高運動量/高強度運動群では、これよりわずかに高い効果が認められたが、低運動量/高強度運動群では、低運動量/中強度運動群ほどの改善は認められなかったという。このことから、週に数日激しい運動をするよりも、中強度の運動を毎日あるいはほぼ毎日続ける方が有効であるという。

 腹囲の低下については、いずれの群でも効果が認められた。BMI(肥満指数)の減少効果は、高運動量/高強度運動群で最も高く、平均29.2から28.4へ減少したという。

▼原文: Moderate Exercise Cuts Risk of Metabolic Syndrome
   Just a 30-minute walk most days reduces threat, even without diet changes, study finds


2007/12/20
肥満が免疫反応を弱める
  http://health.nikkei.co.jp/hsn/news.cfm?i=20071220hj001hj
     NikkeiNet いきいき健康 米国発ニュース 2007/12/20
 ボストン大学(マサチューセッツ州)歯学部のSalomon Amar博士らが、米国科学アカデミー発行の「Proceedings of the National Academy of Sciences(PNAS)」オンライン版に12月12日に発表したところによれば、肥満の人が感染症に弱いのは、免疫反応の弱さが原因であることが示された。

 肥満の人の感染症が治りにくい理由は長い間わかっていなかったが、今回、肥満によって一部の免疫機序に機能不全が生じることが明らかになったという。
 研究は、歯肉感染症を引き起こす細菌Porphyromonas gingivalis(ポルフィロモナス・ギンギバリス)で汚染した絹糸を肥満マウスおよび標準体重マウスの臼歯(きゅうし)に結びつけ、骨の欠損および歯周辺の細菌の成長を評価することによって、感染症に対する反応を比較したもので、その結果、肥満マウスには細菌に対する免疫反応に欠陥がみられ、標準体重マウスに比べて感染症に罹り易いことが判明した。
 このほか、感染症予防に重要な役割を果たすマウスの白血球についても調べたところ、肥満マウスの白血球は、重要なシグナル分子の値が低く、炎症を抑える遺伝子の一部に変性が認められたという。なぜ肥満がこのような結果をもたらすのかは不明だが、NF-kBと呼ばれる蛋白(たんぱく)を制御するシグナル経路の関与が考えられるという。

 実際、ヒトを対象とした研究で、肥満の人が標準体重の人に比べて歯周病になりやすいことが明らかにされている。

▼原文:
 Obesity Weakens Immune Response


2007/12/19
緑茶:進行性前立腺がんの危険、1日5杯以上で半減
  http://mainichi.jp/life/health/archive/news/2007/12/20071219dde041040057000c.html
     毎日新聞  ライフスタイル > 健康 > アーカイブ  2007/12/19 
 厚生労働省の研究班(班長・津金昌一郎国立がんセンター予防研究部長)による、90年と93年に9府県10地域で、40〜69歳の男性約5万人の食習慣などを調べた、04年まで追跡した大規模調査によって、緑茶を5杯/日以上飲む人は、1杯/日未満の人に比べて進行性の前立腺がんになる危険性が48%になることが判った。

 緑茶に多く含まれる渋み成分カテキンが、がん細胞が転移する際に多く出る酵素を抑制する可能性があるという。
 進行がんでは緑茶を多く飲む人ほど危険性が低くかったが、限局がんでは明確な違いがなかったという。


2007/12/17
長寿、男性は長野県 女性は沖縄県 平均寿命延びる 
  http://www.asahi.com/health/news/TKY200712170249.html
     asahi.com > 健康 >健康・生活 2007/12/17 
 厚生労働省が発表したところによれば、都道府県別の平均寿命は、5年前の前回(2000年)の調査に比べて、すべての自治体で延びた。全国平均は、男性が78.79歳(前回77.71歳)、女性が85.75歳(同84.62歳)で、最も低かったのは男女共に青森の男性76.27歳、女性84.80歳だった。

 男性の長野は、90年から4回連続、女性の沖縄は75年から7回連続でトップ。前回から延びが大きかったのは、男性は滋賀、岡山が1.41年、東京が1.38年。女性は大分、鳥取が1.36年、東京が1.32年だった。

 沖縄の男性は78.64歳が全国平均を下回っているのは、若者の死亡率が高くなっており、若者の食生活が影響を与えている可能性もあると推定している。


2007/12/13
夜間勤務も発癌因子に
  http://health.nikkei.co.jp/hsn/news.cfm?i=20071213hj000hj
     NikkeiNet いきいき健康 米国発ニュース 2007/12/13
 世界保健機関(WHO)所属組織である国際癌研究機関(IARC)が、疫学データ・動物研究の結果、夜間勤務と腫瘍形成とを結びつけるメカニズムに関する研究について詳細に調べた結果、バー、コンビニエンスストア、病院などでの夜間勤務がヒトの癌に何らかの形で寄与している可能性が示されたと、医学誌「Lancet Oncology」12月号に発表された。

 これは発癌リスクを評価する国際癌研究機関(IARC)による結論で、夜間勤務を「発癌性がおそらくある因子(probable carcinogen)」として正式にリストに加えることを予定しているという。
 しかし、IARCの定義はあくまでも夜間勤務が「おそらく」癌リスクをもたらすというもので、明らかな発癌因子とされるアスベストや喫煙ほど十分な根拠があるわけではなく、リスク軽減の方策はあまりなく、長期にわたるメラトニン補充も勧められないと専門家はいう。

 米国癌協会(ACS)は、まだ十分な検討ができていないとして、IRACでのリスト掲載についての判断は見合わせているとコメントしている。

▼原文:
 Overweight Kids Often Become Obese, Unhealthy Adults

過体重児は成人後の肥満/心疾患/死亡リスク高い
  http://health.nikkei.co.jp/hsn/news.cfm?i=20071213hj001hj
     NikkeiNet いきいき健康 米国発ニュース 2007/12/13
 米医学誌「New England Journal of Medicine」12月6日号に掲載された二つの研究によれば、小児期および青少年期に過体重の人は、成年期にも過体重および肥満になりやすく、若いうちに心疾患になり死亡する比率が高いという。

 第一の研究は、1930〜1976年に小児だったデンマーク人約27万7,000人(いずれもコペンハーゲンの児童)を対象としたもの。
 このうち、小児期のBMI(肥満指数)が確認でき、かつ成年期で冠動脈性心疾患(CHD)と診断されるか同疾患で死亡したのは、男性1万200人、女性4,300人であった。7〜13歳のときにBMIが高かった男児および10〜13歳で高かった女児では、成年期に心疾患イベントが生じるリスクが高いことが判明した。例えば、13歳の少年の体重が平均よりも11.2kg重い場合、60歳前に冠動脈イベントを起こすリスクが 33%高い。

 第二の研究は、米カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)のKirsten Bibbins-Domingo氏らによるもので、コンピューターモデルを用いて、2000年での過体重の青少年の数から、成年期で過体重となる数を推定したもの。

▼原文:
 Overweight Kids Often Become Obese, Unhealthy Adults


2007/12/06
CTスキャンの多用により癌リスクが増大
  http://health.nikkei.co.jp/hsn/news.cfm?i=20071206hj000hj
     NikkeiNet いきいき健康 米国発ニュース 2007/12/06
 米コロンビア大学(ニューヨーク)のDavid J. Brenner氏およびEric J. Hall氏らが、米医学誌「New England Journal of Medicine」11月29日号に発表したところによれば、1980年代以降、米国ではCTスキャンの施行件数が急激に増えたことで高線量の放射線曝露による癌リスクが増大しているという。

 CTスキャンでは、通常行われるX線撮影の50〜250倍の放射線量を浴びることになり、個人単位のリスクは小さいものの、大きな集団単位では将来的に問題が出てくるという。
 Brenner氏によれば、「放射線による癌の発症までには長期間を要するが(但し白血病は10年以内に発症することがある)、数十年後には、今実施されているCTスキャンに起因する癌が、癌全体の1.5〜2%を占めるだろう。」。

 Brenner氏とHall氏は、CTスキャンのリスクを軽減させる手段として、次の3つの提案をしている。

    1. 放射線量を個々の患者に合わせて調節する、
    2. 超音波やMRI(磁気共鳴画像)など放射線リスクのない別の手段がある場合はCTスキャンの使用を避ける、
    3. CTスキャンの施行件数を減らす。
▼原文:
 Rise in CT Scans Poses Cancer Risk
  One-third of the scans are unnecessary, Columbia researchers contend

2007/12/05
子どもの咳止め、蜂蜜が効果 米大学チーム 
  http://www.asahi.com/health/news/JJT200712050004.html
     asahi.com > 健康 >健康・生活 2007/12/05 
 米ペンシルベニア州立大の研究チームが4日、医学誌に発表したところによれば、風邪を引いた2〜18歳の子ども100人以上を対象に、ソバ蜂蜜、咳止め薬、ダミーの服用剤の3種類を就寝前に服用してもらいその効果を比較した調査を行ったところ、蜂蜜を飲用後、咳の頻度が減ったとの回答が最も多かったことより、子どもの咳止めには市販薬より、蜂蜜を飲ませる民間療法の方が安全で効果的という調査結果を発表した。

 蜂蜜に含有する抗酸化物質が咳止めにつながったと分析されるが、ただ、1歳未満の乳児にはボツリヌス中毒の恐れがあるため、蜂蜜を控えた方がいいという。


2007/12/01
がん遺伝子使わず、万能細胞を作製…京都大学研究グループ
  http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20071201-OYT8T00141.htm
     YOMIURI ONLINE > 医療と介護 > ニュース 2007/12/01 
 11月30日付の米科学誌ネイチャー・バイオテクノロジー(電子版)によれば、人間の皮膚細胞から、「万能細胞」を作った京都大学の山中伸弥教授(幹細胞生物学)らの研究グループが、課題とされたがん遺伝子を使わずに、人間とマウスで万能細胞を作製したという。

 先の発表の論文では、使用した遺伝子の一つはがん遺伝子であるため、がん化の問題が課題だったが、マウスの皮膚細胞にがん遺伝子(c―Myc)を除いた3個の遺伝子を組込み、細胞選別の時期を遅らせるなど培養方法を工夫し、ごく少量だがiPS細胞ができることを確かめた。人間の皮膚細胞でも3個の遺伝子でiPS細胞ができたという。

 がん遺伝子を使わずに作ったマウスのiPS細胞を普通のマウスの胚に入れ、細胞が混じり合ったキメラマウスを作製。26匹すべてが生後100日たってもがんを起こさずに生き残った。一方、がん遺伝子を組み込んだiPS細胞で作ったキメラマウスは、6/37匹が、がんで死んだ。


2007/11/29
大豆好き女性 脳梗塞・心筋梗塞減る 厚労省研究班調査 
  http://www.asahi.com/health/news/OSK200711290046.html
     asahi.com > 健康 >健康・生活 2007/11/29 
 27日発行の米医学誌「サーキュレーション」に発表された厚生労働省研究班(班長=津金昌一郎・国立がんセンター予防研究部長)の調査によれば、豆腐や納豆、味噌など大豆製品をよく食べる女性は、脳梗塞や心筋梗塞になり難く、閉経後の女性に特に効果があるという。

 研究は、40〜59歳の心臓病やがんに罹っていない男女計40,4624人(男女比1対1)を対象に、90〜02年の13年間、健康状態を追跡し,そのデータを基に、大豆製品を1日に食べる量別に5群に分けて、脳梗塞と心筋梗塞の発症率との関係を分析したもの。
 その結果、一番よく食べる群の女性は、脳梗塞や心筋梗塞になる危険性が、一番食べない群の女性に比べ0.39倍と低かった。更に、閉経後の人に対象を絞ると、危険性が0.25倍と大幅に低くなった。男性で差がなかった。

 一番よく食べる群が1日に食べる大豆製品の量は、納豆を1パックまたは豆腐1/3丁程度。
 研究班によれば、大豆は女性ホルモンと似た働きをするイソフラボンを多く含みビタミンEなども豊富であり、大豆に含まれる複数成分の効果に加え、一緒に野菜や海藻などを食べる献立になり易いことで、単体の成分ではなく複数の成分が効いていると分析している。


2007/11/28
女性のBMIは癌リスクと相関関係あり
  http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/bmj/200711/504907.html
     Nikkei Medical Online HOT NEWS 2007/11/28
英国人女性122万人対象の研究結果より
 英国Oxford大学のGillian K Reeves氏らが、BMJ誌電子版に2007年11月6日に発表したところによれば、BMIが高い女性ほど子宮内膜癌、食道腺癌などの癌罹患リスクおよび死亡リスクが上昇することが明らかになった。

 英国人女性を対象とするMillion Women Studyは、1996年〜2001年にかけて50〜64歳の女性1,222,630人(平均年齢55.9歳)を登録し、癌罹患について平均5.4年、癌死亡について平均7.0年追跡した大規模研究だ。

 今回の分析では、対象者をBMIに基づいて5群(22.5未満、22.5〜24.9(参照群)、25.0〜27.4、27.5〜29.9、30以上)に分類した。過体重は25-29.9、肥満は30以上とした。

 BMI が高いほどリスクが上昇していたのは、子宮内膜癌、食道腺癌、腎臓癌、白血病、多発性骨髄腫、膵臓癌、非ホジキンリンパ腫、卵巣癌、閉経後の乳癌、閉経後の大腸癌、そしてあらゆる癌だった。
逆にBMIが上昇すると相対リスクが減少したのは、食道の扁平上皮癌と肺癌だった。
 喫煙が関係すると思われる腎臓癌や食道腺癌では、喫煙歴なしの女性のみを対象とするとリスクは大きくなった。BMIと死亡率の関係も、罹患率とほぼ同じだった。

▼原題:「Cancer incidence and mortality in relation to body mass index in the Million Women Study: cohort study


2007/11/24
がん予防「野菜の効果」は限定的 英の研究基金が報告書 
  http://www.asahi.com/health/news/TKY200711240056.html
     asahi.com > 健康 >健康・生活 2007/11/24 
 世界がん研究基金(本部・ロンドン)が公表した報告書によれば、がん予防のためには、野菜を食べるだけでは安心できないという評価が出た。

 報告書は、生活習慣とがんに関する研究のうち、この10年間に発表された3000件を加えた計7000件を解析。野菜、肉、アルコールの摂取や運動などが、がんにかかる危険性と関係する程度を、5段階で評価した。
 97年の初版では、野菜の摂取は肺など5種のがんについて「確実にリスクを下げる」と5段階で最も高く評価されたが、今回は胃がんなどについて、「恐らく確実にリスクを下げる」とされるにとどまった。
 代わって浮上したのは、「適正体重の維持」「肥満」(日本では体格指数=BMI25以上)で、食道、膵臓、大腸、乳房(閉経後)、子宮体部、腎臓の各がんで「リスクを確実に上げる」だった。97年の初版は各国のがん対策に反映されており、今回の報告書も影響を与えそうだという。

 果実も似た傾向にあり、前回は8種のがんにかかる危険性を「確実」「恐らく確実」に下げるとされたが、今回は、胃など4種のがんの危険性を下げるのが「恐らく確実」だった。

 ただ、一般的には野菜を多く食べ、運動することで「肥満」を防げるとされる。


2007/11/21
ヒト皮膚から万能細胞 京大チーム成功
  http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20071121-OYT8T00092.htm
     YOMIURI ONLINE > 医療と介護 > ニュース 2007/11/21 
 京都大学の山中伸弥教授(幹細胞生物学)らの研究チームが、米科学誌「セル」電子版に20日に発表したところによれば、人間の皮膚細胞から、さまざまな臓器・組織の細胞に成長する能力を秘めた「万能細胞」を作ることに成功した。

 拒絶反応のない移植医療の実現に向け、大きな前進となる成果だという。
 山中教授らは昨年8月、万能細胞として知られる「胚性幹細胞(ES細胞)」の中で、重要な働きをしている4個の遺伝子に着目。この4遺伝子をマウスの皮膚細胞に組み込み、iPS細胞作製に成功したと報告。人間でも可能かどうか実験していたもの。

 ただ、山中教授らが遺伝子の組込みに利用したウイルスは、発がん性との関連が指摘されているほか、組込んだ遺伝子の一つはがん遺伝子であり、移植後にがん化しないような工夫が課題として残っている。

 米科学誌「サイエンス」電子版に20日に、米ウィスコンシン大のチームも人間の皮膚細胞からiPS細胞の作製に成功したと発表。山中伸弥教授らの方法とほぼ同じだが、組み込んだ4遺伝子のうち2個が違うという。
 今後、万能細胞を用いる再生医療は、iPS細胞を中心に展開していく可能性が高いという。


2007/11/20
どうして?キレる中高年激増 
  http://mainichi.jp/life/health/archive/news/2007/11/20071120dde012040002000c.html
     毎日新聞  ライフスタイル > 健康 > アーカイブ  2007/11/20 
 普段まじめで仕事熱心な人が突然キレて、時には歯止めが利かなくなる−−こんな中高年層が引き起こすトラブルや暴行事件は、この約10年間で激増した。働き盛りで分別をわきまえたはずの人たちが、なぜキレるのか。

現代人の生活に起因 (ストレス過・昼夜逆転の生活)

 警察庁によると、今年上半期に暴行容疑で逮捕・書類送検された容疑者を年代別にみると、14〜19歳782人(同6.3%増)、20代1917人(同10.1%増)、30代が2543人(前年同期比13.6%増)、40代が1820人(同11.4%増)、50代が1908人(同14.5%増)、60代以上が1468人(同21.9%増)となった。刑法犯全体の届け出件数は、92万5931件(同7.1%減)と5年連続で減少したにもかかわらず、キレた中高年人数は20代以下に比べても高い増加率を示す。
 また、98〜06年の9年間で見ると、暴行容疑で逮捕・書類送検された容疑者は、10代が00年をピークに減少傾向だが、40代は3.6倍、50代は5倍と激増している。

 「キレる」とは、広辞苑第5版によれば、「我慢が限界に達し、理性的な対応ができなくなる」というもので、来年1月に刊行される第6版では「逆切れ」が登場するという。

 人はどのような原因でキレるのか。脳神経に詳しい有田秀穂・東邦大学医学部教授(統合生理学)によれば、「心と体を調整する機能を持つとされる脳内物質『セロトニン』の欠乏が原因」という。
 このセロトニンが欠けると、それを伝達物質として使う「セロトニン神経」が弱まり、行動を制御する「前頭前野」の機能が低下し、取るに足らない事でをした他人への衝動的な攻撃を抑制できない状況に陥る。

 セロトニンが少なくなるのはなぜか。有田教授によれば、「パソコンの普及や、24時間営業のコンビニエンスストアなどが広まったことで、完ぺきに昼夜逆転できるようになった。昼夜逆転の生活を長く続けると、脳内のセロトニンが分泌されず、同神経が機能低下し、心と体を制御できなくなる」と指摘する。  精神科医の香山リカさんによれば、「心理的原因だけでなく社会的原因にも起因する。例えばサービスを受ける権利意識の高まり。『お金を払っているからこれぐらいのサービスは当然だ』といった考えが背景にある」と分析する。

口臭:「舌苔」恐るべし “毒ガス”で不眠やがんの原因にも 
  http://mainichi.jp/life/health/archive/news/2007/11/20071120mog00m100053000c.html
     毎日新聞  ライフスタイル > 健康 > アーカイブ  2007/11/20 
 舌の表面に見られる白い汚れ「舌苔(ぜったい)」。
 舌苔は細菌や口の中からはがれ落ちた粘膜細胞、タンパク質を含む食べ物のかすなどが主な成分で、歯磨き不足や歯周病などにより汚れや細菌が溜まると硫化水素、メチルメルカプタン、ジメチルサルファイドなどが発生し、口臭となる揮発性硫黄化合物(VSC)を生成する。
 細菌の繁殖で発生する“毒ガス”は、口臭だけでなく不眠症やがんなどの原因にもなるという発表が、江崎グリコがこのほど開いたマスコミ向けセミナーであった。

 日本歯科大学の八重垣健主任教授によると、VSCに含まれる硫化水素は高濃度の場合、死に至ることも知られるほどの“猛毒”。一般的に0.3ppm〜で吐き気、不眠等、〜0.3ppmで吐き気等が現れることがあり、多くの口臭患者はこの前後の濃度を有しているという。
 さらに硫化水素はDNAを損傷させ、細胞の悪性化を招きガンの原因にもなるうえ、粘膜を覆う基底膜を破壊し、血管を通してガン細胞を運び、ガン細胞を増殖、転移させるという。
 また、新潟大学大学院の宮崎秀夫教授によると、舌苔に付着した病原菌が気管を通して肺に入ると誤嚥性(ごえんせい)肺炎を引き起こすこともあるという。

 舌苔を抑制するには、ブラシなどによる舌の清掃やプロテアーゼ(タンパク質分解酵素)を利用するのも一つだという。  口臭予防は、健やかな生活を送るために必要、日々のていねいな歯磨きに加え、歯科での検診・歯石除去を定期的に受診が必要という。


2007/11/09
果物多く食べる人 脳卒中と心筋梗塞2割減
  http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20071109-OYT8T00172.htm
     YOMIURI ONLINE > 医療と介護 > ニュース 2007/11/09 
 厚生労働省研究班(班長=津金昌一郎・国立がんセンター予防研究部長)が1995年と98年、茨城県と新潟県などで、45〜74歳の男女約8万人を対象に、食習慣に関するアンケート調査を実施し、野菜と果物の1日当たりの摂取量を基に4グループに分け、2002年までの追跡調査で、がんや脳卒中、心筋梗塞を発症した人の割合を比較した結果、果物を食べる量が最も多いグループ(平均約280g/日摂取)は最も少ないグループ(同約35g/日)に比べ、脳卒中や心筋梗塞などを発症する危険性が19%下がるなど、果物を食べる量が多いグループほど、発症する人の割合が減る傾向が見られたという。

 280gは大きめのリンゴ1個、35gはミカン半分にあたる。 果物に含まれるカリウムや抗酸化物質は、血圧を下げたり動脈硬化を予防したりする働きがあるためと分析される。


2007/11/06
肥満、がんの元 世界がん研究基金調査
  http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20071106-OYT8T00163.htm
     YOMIURI ONLINE > 医療と介護 > ニュース 2007/11/06 
 世界がん研究基金(ロンドン)は、太り過ぎると、乳がんや膵臓がんなど、6種類のがんになる危険性が高まるという報告を纏めた。
 同基金は、1960年以降に世界各地で書かれた50万件の研究報告から、7000件を選び出し、がんと体重、食事との関係を分析した結果、BMI値(体重を身長の2乗で割った数値)を20〜25に保つのが望ましく、肥満によって乳がんや膵臓がんのほか、直腸、食道、子宮内膜、腎臓のがんになりやすいと結論づけている。

 調査報告は、ハムやベーコンなどの加工肉が直腸がんになる危険性を高めるとし、赤肉も週に500g以上食べるべきではないと指摘している。

アガリクス:がん患者利用多く、安全性確認へ臨床試験−−厚労省研究班 
  http://mainichi.jp/life/health/archive/news/2007/11/20071106ddm012040136000c.html
     毎日新聞  ライフスタイル > 健康 > アーカイブ  2007/11/06 
 日本のがん患者の中で利用頻度が最も多いとされる健康食品「アガリクス」について、厚生労働省研究班(主任研究者、住吉義光・四国がんセンター第一病棟部長)が5日、安全性評価を目的とした臨床試験を今月から始めると発表した。

 がん患者の4割強が補完代替医療を利用し、その中で最も多く利用されているアガリクスのように、がんの補完代替医療で利用されている健康食品やサプリメントには、科学的根拠が不足したまま情報が氾濫しているものが多いなかで、研究班の大野智・金沢大大学院特任准教授は「安全性が確認されれば、(効能がうたわれている)抗がん効果などについても評価したい」と話している。


2007/11/01
高学歴者では認知症の発症は遅いが進行は速い
  http://health.nikkei.co.jp/hsn/news.cfm?i=20071101hj000hj
     NikkeiNet いきいき健康 米国発ニュース 2007/11/01
 米アルバート・アインシュタイン医科大学(ニューヨーク)のCharles B. Hall氏らが、米医学誌「Neurology」10月23日号に発表したところによれば、高等教育を受けた人は認知症の発症は遅いものの、いったん認知力の低下が始まると急激に進行するという。

 Hall氏らは、認知症を発症した患者117人を平均6年間追跡し、1年ごとに認知力を評価した。被験者の学歴は、小学校3年間未満から大学院まで幅があり、教育を受けた期間が1年増えるごとに、認知症による急速な記憶力低下が始まるのが約2カ月半遅かったが、いったん低下が始まると、教育期間が1年増えるごとに、認知力の低下する速度が4%速くなることが明らかになった。

 学歴の高い人は、脳に「予備力」があるために認知症の病変に長い期間耐えることができるが、疾患の進行がこの予備力を上回ると、その後の精神機能の低下は加速されるとする、いわゆる「認知的予備力(cognitive reserve)仮説」がこの研究によって裏付けられたといえる。

▼原文
 :Dementia in More Educated Hits Later But Harder
  More schooling delayed disease onset, but decline was more rapid afterward, study finds

「がんワクチン」の臨床試験に着手…がんセンター
  http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20071101-OYT8T00216.htm
     YOMIURI ONLINE > 医療と介護 > ニュース 2007/11/01 
 国立がんセンター中央病院(東京都中央区)が、治療の難しい「すい臓がん」、「胆道がん」患者を対象に、「がんワクチン」の臨床試験を年内にも着手する予定という。
 ワクチンには、正常細胞にはなく、がん細胞の表面にある「WT1」というたんぱくのかけら(ペプチド)を利用。体内に入ると、がん細胞だけを直接攻撃する免疫細胞(キラーT細胞)を増やす作用がある。
 ワクチン投与は、手術、抗がん剤投与、放射線照射に比べ、体への負担や副作用が少ない長所がある。

 がんワクチン:体が持っている免疫力を利用する治療法。がん細胞攻撃の目印となるたんぱく質の一部などを患者に注射することで、がん細胞を「異物」と認識する免疫細胞を増やして、がん細胞を攻撃させる。

楽観的でも悲観的でも癌の予後には無関係
  http://health.nikkei.co.jp/hsn/news.cfm?i=20071101hj001hj
     NikkeiNet いきいき健康 米国発ニュース 2007/11/01
 米ペンシルベニア大学(フィラデルフィア)のJames Coyne氏らが、頭頸部癌の第III相臨床試験に参加した約1,100人のデータを収集し、5年間のデータを分析した結果によれば、精神状態が前向きであるか悲観的であるかは、いずれも癌患者の生存期間を左右する独立した因子とはならないことが示されたという。 (米医学誌「Cancer」12月1日号に掲載される予定)

 医学誌「Cancer」2月号(2007年)に掲載されたオーストラリアの研究でも、肺癌患者の疾患への姿勢は予後に影響しないとの結果が出ているほか、英国医師会誌「British Medical Journal(BMJ)」11月1日号掲載の別の研究でも同様の結果が示されている。

 重要なのは、「前向きな姿勢」ではなく、ストレスに向き合い、うまく対処していくことのようだが、癌に対して前向きでない患者をもっと前向きになるよう励ますことは、逆にストレスを増やす原因になることがあり、患者にとってよい方法を見つけることが重要だという。

▼原文
 :Emotional State Doesn't Affect Cancer Survival


2007/10/31
髪のケア:見直す秋 夏のダメージ、増える抜け毛
  http://mainichi.jp/life/health/archive/news/2007/10/20071031ddm013100050000c.html
     毎日新聞  ライフスタイル > 健康 > アーカイブ  2007/10/31 
 紫外線が強い夏は、髪にとって過酷な季節で、夏バテで食欲不振になれば、髪にいく栄養分も不足しがち。こうした夏の疲れが秋口に出て、抜け毛が増えるという。この機会に日ごろの髪のケアを見直そうということで、社団法人・日本毛髪科学協会(東京都新宿区)の主任研究員、岡谷吉雄さんに秋の抜け毛の原因や正しい手入れについての取材した記事。

■シャンプー

     基本のシャンプーは、髪より地肌を洗うよう心がける。毛穴に詰まった余分な脂を取るように、爪を立てず指の腹で、生え際から頭頂部に向けて地肌をマッサージするように。

     シャンプー液は、直接髪につけず、泡立ててから使うこともポイント。泡がキューティクル(毛の表皮)を守るクッションの役割をしてくれ、髪が傷みにくくなる。洗髪後は地肌を早めに乾かすこと。湿っていると、常在菌が繁殖しフケやにおいの原因になり易い。すすぎは、十分に行うこと。
     朝シャンより、湯船につかって毛穴が十分に開いてからマッサージした方が効果が高い。

■ブラッシング
     髪が長い人は、まず毛先を梳かし、段階的に頭頂部の方に上げて、力が上の根元にかからないようにすること。
     髪が細く薄くなるのは、老化の一種で避けられないが、きちんとした毎日ケアを積み重ねることで遅らせることはできる。
 バランスがとれた食生活をしている人は、髪の毛も艶やかで美しい。体の中から髪を健やかにする方法を、料理研究家の小菅陽子に聞いた。

■食事はバランスよく/野菜、海藻たっぷりと

     毛髪は18種類のアミノ酸が結合した「ケラチン」というたんぱく質からできている。健康な髪には、たんぱく質は欠かせないし、たんぱく質を体内に取り込むにはビタミンが重要。
     大豆などの植物性のものを中心に、脂分の少ない鶏肉やビタミンを多く含む豚肉、魚からバランスよくとることが大切。
     特にビタミンA(緑黄色野菜、ウナギ)、ビタミンB6(イワシ、サバなどの青魚、マグロ)、ビタミンE(植物油、ナッツ類、ゴマ、玄米)が必要。

     また、髪の新陳代謝には、ヨウ素(海藻類)と亜鉛(貝類、緑茶)などのミネラルも欠かせない。


2007/10/27
ヘルシーリポート:ヨーグルトで健康に 腸内細菌のバランス保って“老化”に歯止め
  http://mainichi.jp/life/health/archive/news/2007/10/20071027ddm010100071000c.html
     毎日新聞  ライフスタイル > 健康 > アーカイブ  2007/10/27 
▼生活習慣病や花粉症予防、疲労回復にも効果的

 健康を維持する方法で、最も大切なものの一つが腸内細菌のバランスを保つこと。腸の老化を防ぐことにつながる。腸の老化は、肉類や脂肪の摂取量が多く、食物繊維の少ない食生活で生じやすく、生活習慣病の原因に。腸の健康を守るために、ヨーグルトの有用性を、腸内細菌研究で世界的に著名な光岡知足・東京大学名誉教授に聞いた。

 光岡さんが約20年間にわたり実践している健康法の一つは、毎朝、無脂肪の牛乳を利用して作った自家製ヨーグルト約350〜400mLを食べること。

■なぜ、ヨーグルト?

     光岡さんは、50年代初めから腸内細菌の研究を始め、健康な大人にはビフィズス菌など有用な菌(善玉菌)が多いことを発見。60年代のドイツ留学時代に「プレーンヨーグルトを食べると、不思議と腸の調子が良くなる」ことを体験し、北欧、ロシアのコーカサスなど発酵乳を食べる習慣のある国や地域では健康な人が多く、「ヨーグルトには健康を維持する何かがあるに違いない」と思って、研究を続けた。

     あれから約40年。腸内細菌と健康の関係が分かってきた。腸内には100種類以上の細菌がいて、有用な菌と有害な菌のバランスが健康を左右することが分かってきた。

■有害菌で悪化も
     過度の精神的ストレスにより善玉菌が減ること等、心の状態が腸内細菌に影響する。また、数多くの研究で肉類と脂肪の多い食事をすると善玉菌が減って、悪玉菌が優勢になることも分かった。
     さらに、大腸がんや胃がんの患者ではバクテロイデスなどの有害菌が多く、善玉菌などが少ないことも判明。潰瘍性大腸炎などの患者には健康な人に比べ、大腸菌が多く、腸内細菌のバランスが悪化していること等の数々の研究から、光岡さんは「ビフィズス菌の減少が、腸を不健康な状態にする」と指摘する。
■免疫細胞を活性
     悪玉菌が増えると、たんぱく質などから硫化水素、アンモニア、アミンなどの腐敗物質が生じ、大腸がんや肝臓障害、免疫機能の低下などにつながるから、健康に良くない。
     ヨーグルトに関する最近の研究の特徴は、血圧を下げたり、血糖値やコレステロールを下げるなど、生活習慣病の予防にもつながる働きが分かってきたこと。
     例えば、ビフィズス菌は、体内に入ってくる異物を撃退する免疫細胞(マクロファージ)を活性化するなど免疫力を高める働きがあり、花粉症予防にもなる。
■便秘解消のために、朝食はぜひ取りたい。
     ヨーグルトを食べてビフィズス菌が増えると、腸内で乳酸や酢酸を作り出す。この乳酸などが腸の蠕動を促すことで、便秘の解消を助ける。
     食べ物が胃に入ると、胃に食べ物が入ってきた刺激「胃・大腸反射」を大腸に伝え、結腸内の便を直腸まで押し出す動きが活発になり、便が出るようになる。朝食を抜くと、この「胃・大腸反射」が起きない。
     腸の若返りには、食物繊維の豊富な野菜、イモ類、豆類、穀類、海藻類を食べること。
     便の色や形も日ごろからチェック 要。黄色っぽい軟らかい便なら良好。黒っぽい便やコロコロ状の便、悪臭の強い便は要注意。
■オリゴ糖はビフィズス菌のえさ
      ヨーグルトの乳酸菌は、胃や腸で死ぬため、食べても効果がないと思われがちだが、光岡さんによれば、「たとえ生きて届いたとしても、ヨーグルトの乳酸菌自体が腸で増殖しない。死んだ状態でも、腸にいるビフィズス菌を活気づけ、増殖させる効果はある」という。
     砂糖に比べてカロリーが半分程度のオリゴ糖は、ビフィズス菌のえさとなる。このため、オリゴ糖をかけて食べるのもよい。
■ヨーグルトの効用
  1. おなかの調子を整える
  2. カルシウムの吸収がよい
  3. 乳糖を分解できない人でも下痢を起こす割合は少ない
  4. 牛乳より必須アミノ酸が多い
  5. 免疫力を上げる
  6. ラクトトリペプチドを含む場合には高血圧を予防する
  7. 腸内細菌のバランスを通じて、血糖値の上昇を抑える

2007/10/26
膵臓がん、薬併用で延命効果
  http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20071026-OYT8T00160.htm
     YOMIURI ONLINE > 医療と介護 > ニュース 2007/10/26 
 国立がんセンターなど10か所の医療機関は、末期で転移のある膵臓がん患者54人を対象に、膵臓がん治療での標準的な抗がん剤「ゲムシタビン」と、別の抗がん剤「S-1」を併用した臨床試験を実施した結果、ゲムシタビンの単独使用に比べて4か月の延命効果が確認されたと発表。

 がんが半分以下に縮小する効果が出たのは24人(44%)と半数に近く、反対に治療開始から1か月後にがんが2割以上大きくなった患者は2人(3.7%)にとどまったことで、延命効果が期待できる膵臓がんの治療法として注目を集めそうだ。


2007/10/25
抗酸化物質に加齢黄斑変性の予防効果なし
  http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/int/200710/504452.html
     Nikkei Medical Online HOT NEWS 2007/10/25
 オーストラリアMelbourne大学のElaine W-T Chong氏らが、BMJ誌2007年10月13日号に発表したところによれば、食品、サプリメントのいずれを摂取しても加齢黄斑変性症(AMD)の1次予防は期待できないという。

 過去の大規模な無作為化試験では、早期と進行期の中間にあるAMD患者に高用量の抗酸化サプリメント(ビタミンC、ビタミンE、亜鉛、βカロチン)を投与すると、進行型AMDになるリスクが28%減少すると報告されていたが、この研究では、1次予防に対する効果は評価されていなかった。

評価の対象となった抗酸化物質は、ビタミンA(3件)、ビタミンC(4件)、ビタミンE(3件)、亜鉛(4件)、ルテインとゼアキサンチン(6件)、αカロチン(4件)、βカロチン(4件)、βクリプトキサンチン(4件)、リコピン(4件)と様々だった。

 今回、栄養状態のよい西欧で行われた研究では、サプリメントを含む食品由来の抗酸化物質のAMD予防における効果を示す十分なエビデンスは得られなかった。

▼原題
 :Dietary antioxidants and primary prevention of age related macular degeneration: systematic review and meta-analysis

マクロファージ:掃除機にセンサー…ただし細胞の話 京大で解明、免疫疾患治療応用も
  http://mainichi.jp/life/health/archive/news/2007/10/20071025ddm002040017000c.html
     毎日新聞  ライフスタイル > 健康 > アーカイブ  2007/10/25 
 京都大医学研究科の長田重一教授らが、25日付の英科学誌ネイチャーに発表したところによれば、体内の“掃除屋”細胞と言われる「マクロファージ」が不要になった細胞を取り除く際、アレルギーなど免疫にかかわるたんぱく質がセンサーのように要不要を見分けていることを突き止めたという。

 細胞が死ぬと、有害物質が放たれて炎症が起きないように、マクロファージが細胞を取り込んで分解するが、免疫にかかわる「Tim1」「Tim4」が センサーの役目を果していて、これらを働けなくすると、マクロファージは細胞を取り込めなくなり、Timが死細胞を取り除くために必要だと分かった。


2007/10/24
バイアグラなどED治療薬に突発性難聴の副作用
  http://medical.nikkeibp.co.jp/inc/mem/pub/hotnews/int/200710/504451.html
     Nikkei Medical Online HOT NEWS 2007/10/24
 米国食品医薬品局(FDA)は10月18日、勃起不全(ED)治療薬のシルデナフィル(商品名:Viagra、バイアグラ)、バルデナフィル(商品名:Levitra、レビトラ)、タダラフィル(商品名:Cialis、シアリス)について、突発性難聴の副作用のリスクをより際立たせて表示する添付文書の改訂を承認した。これら3剤はいずれもホスホジエステラーゼ5(PDE5)阻害薬。

▼FDA News
 :FDA Announces Revisions to Labels for Cialis, Levitra and Viagra

果物:脳卒中予防に効果、循環器疾患2割低く 喫煙者、効果なし−−厚労省研究班
  http://mainichi.jp/life/health/archive/news/2007/10/20071024dde041100052000c.html
     毎日新聞  ライフスタイル > 健康 > アーカイブ  2007/10/24 
 全国の9保健所管内に住む45〜74歳(調査開始当時)の男女約8万人を、02年までの4年または7年間追跡調査した厚生労働省研究班の大規模疫学調査によれば、果物を沢山食べる人ほど脳卒中や心筋梗塞になる危険の低いことが、分かったという。喫煙者でははっきりした予防効果はみられなかった。

 8万人を野菜と果物の1日あたりの摂取量によって4グループに分け、脳卒中やがんの発症率との関連を調べた。

 その結果、果物の摂取量が280g程度と158g程度の上位2グループは、最も少ない35g程度のグループに比べ、循環器疾患を発症する危険が17〜19%低かったが、野菜の摂取量と循環器疾患との関連や、果物や野菜の摂取量とがんとの関連はみられなかった。

 国内外の調査では、胃がんや食道がんなど個別の部位のがんでは、野菜や果物による予防効果が示されている。

 循環器疾患の予防には、食事のバランスに気を付けながら、果物を200g/日程度とる必要があるようだ。200gはミカンだと2個、リンゴだと1個程度。

アルツハイマー病 高学歴ほど進行速く
  http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20071024-OYT8T00068.htm
     YOMIURI ONLINE > 医療と介護 > ニュース 2007/10/24 
 米アルバート・アインシュタイン大の研究チームが、23日付の米医学誌ニューロロジーで発表したところによれば、1980年代からニューヨーク市の高齢者488人に対し、記憶力のテストを定期的に実施し、結果的にアルツハイマー病などの認知症と診断された117人について詳しく検討した結果、高学歴の人ほど、アルツハイマー病による記憶能力低下は遅い時期に始まるが、いったん低下が始まると、病状の進行度は学歴の低い人に比べ速いという。

2007/10/23
送電線の磁界、国が規制へ WHO示した基準で 経産省 
  http://www.asahi.com/health/news/TKY200710230370.html
     asahi.com > 健康 >医療・病気 2007/10/23 
 WHOが、6月に磁界が健康に悪影響を及ぼすのを避けるための規制値案を示したことを受け、経産相諮問機関の作業部会 である総合資源エネルギー調査会・電力安全小委員会で、23日、世界保健機関(WHO)の規制値の採用が了承された。年明けにも省令を改正されることになる。
 一方、低周波の磁界を長く浴びると小児白血病になりやすい、との報告が国内外にあるが、WHOが「発がん性の証拠は不十分」としたのを受け、経産省も今回、長期的な影響を避けるための規制は見送る方針。

2007/10/22
ローズマリーにアルツハイマー予防効果 岩手大など発表 
  http://www.asahi.com/health/news/OSK200710210042.html
     asahi.com > 健康 >健康・生活 2007/10/22 
 岩手大の佐藤拓己准教授(神経工学)らの日米合同研究チームが、22日発表したところによれば、ハーブのローズマリーに多く含まれるカルノシン酸に、脳の神経細胞が細胞死するのを防ぐ効果があることを、マウスを使った実験で確認したという。

 実験は、マウスの右脳の動脈をクリップで2時間閉じて人工的に脳の神経細胞が死ぬ状況を作った。カルノシン酸を事前に注射したマウスとしないマウス各9匹で、24時間後に脳の変化を比べたところ、注射しなかったマウスは右脳の52%が壊死していたが、注射したマウスでは壊死部分が34%にとどまり、カルノシン酸に強い脳細胞保護効果があることを実証した。

 カルノシン酸が細胞死を抑える遺伝子を活性化することも解明し、認知症など脳神経細胞の細胞死に関連する病気の予防や治療に応用できる可能性を示した。

肥満者は頻回の片頭痛に悩む割合が高い
  http://medical.nikkeibp.co.jp/inc/mem/pub/hotnews/int/200710/504392_2.html
     Nikkei Medical Online HOT NEWS 2007/10/22
 米国Albert Einstein医科大学のMarcelo E. Bigal氏らが、Arch Intern Med誌2007年10月8日号に発表したところによれば、BMI高値と頻回の片頭痛との間に、有意な関係があるという。

 片頭痛患者において、月に10〜14日という頻回の頭痛と、BMIの間には有意な関係が見られ、頻回頭痛患者の割合は正常群(BMI=18.5〜24.9)6.5%に対し、肥満群(BMI=30.0-34.9)では8.2%、病的肥満群(BMI>35)では10.4%だった。

▼原題
 :Body Mass Index and Episodic Headaches A Population-Based Study

夜中の光で…体内時計バラバラ 理研チームが発見
  http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20071022-OYT8T00051.htm
     YOMIURI ONLINE > 医療と介護 > ニュース 2007/10/22 
上田泰己をチームリーダーとする理研の研究チームが、米科学誌「ネイチャー・セル・バイオロジー」(電子版)に22日発表したところによれば、真夜中に光を浴びると眠れなくなるのは、細胞に組み込まれている体内時計が光の刺激でバラバラになり、機能停止に陥るのが原因であることを、マウスの皮膚細胞を使って突き止めた。

 体内時計は人間などの動物に生まれつき備わっていって、体を作る細胞にはいろいろな「時計遺伝子」を備えていて、心拍や体温などを約24時間周期で調節する。バランスが崩れると、不眠症になることもある。


2007/10/20
メタボ腹に異論、東北大チームが国内基準の見直し迫る
  http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20071020-OYT8T00181.htm
     YOMIURI ONLINE > 医療と介護 > ニュース 2007/10/20 
 腹部の内臓周辺に脂肪がたまるメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の診断基準について、日本肥満学会が中心となって策定した「男性85cm以上、女性90cm以上」とする腹囲の国内基準に対し、今井潤(ゆたか)・同大教授(臨床薬学)と浅山敬上級研究員らの東北大学チームは、腹囲は「男性87cm以上、女性80cm以上」が適当とする新しい基準案としての研究結果をまとめた。

 同研究Grは、岩手県旧大迫町(現花巻市)で、1980年代から住民の健康を追跡している「大迫研究」の一環として、395人(男性118人、女性277人)のデータを分析した結果、男性は腹囲が87cm以上、女性は80cm以上の場合に、血圧が高かったり、血糖値が下がりにくかったりといった、健康問題が見つかる可能性の高いことが分かったというもの。

 浅山研究員によれば、「肥満学会の基準のもととなったデータは、分析対象者の1/3が肥満外来の受診者で、偏っている可能性がある。今回の研究は一般的な地域住民を対象に分析しており、少なくとも女性の腹囲基準は見直す必要がある。」との見解。

メタボリックシンドローム:基準、見直しません−−日本肥満学会
  http://mainichi.jp/life/health/archive/news/2007/10/20071020ddm012040075000c.html
     毎日新聞  ライフスタイル > 健康 > アーカイブ  2007/10/20 
 日本肥満学会(松澤佑次理事長)が05年4月に示したメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)」の診断基準は、腹囲が男性85cm、女性90cm以上で、脂質異常、高血圧、空腹時高血糖の三つのうち二つが該当すると診断されるもので、腹囲は内臓脂肪面積100平方cmに相当する数値のため、皮下脂肪の多い女性の方が大きくなる。
 これに対し「女性の方が大きいのはおかしい」「基準策定の際の被験者が少ない」などの声が出ており、更に、国際糖尿病連合が今年6月、日本人の診断基準として「腹囲は男性90cm、女性80cm以上」との数値を示し議論が起きていたことに対して、日本肥満学会(松澤佑次理事長)は19日、「日本は、CTで測った内臓脂肪面積に基づいて基準を作っており、他国とは基準の定め方が違う。基準は現時点では妥当。すぐに見直す必要はない」との見解を発表した。

関連記事:

「メタボ腹」基準に異論
  http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20071014-OYT8T00078.htm
     YOMIURI ONLINE > 医療と介護 > ニュース 2007/10/14 

2007/10/19
前立腺がん:厚労省研究班と泌尿器科学会、集団検診で見解対立
  http://mainichi.jp/life/health/archive/news/2007/10/20071019ddm013040024000c.html
     毎日新聞  ライフスタイル > 健康 > アーカイブ  2007/10/19 
 前立腺がん集団検診の方法として急速に普及しつつあるPSA(前立腺特異抗原)検査について、厚生労働省研究班(主任研究者、浜島ちさと・国立がんセンター室長)が、集団検診としては「実施を推奨しない」との報告書案を公表したことに対し、日本泌尿器科学会が反発するなど波紋が広がっていることに対する、レポート記事。

▼効果に疑問、過剰診断も−−厚労省研究班
 現在、国内で厚労省研究班によって死亡率減少効果が認められている「がん検診」は、胃、乳房、子宮頸部、肺、大腸、肝臓の6種類で、前立腺は含まれていない。
 01年3月公表の厚労省研究班の報告書は、PSA検査について「死亡率減少効果を判定する適切な根拠となる研究や報告が、現時点で見られない」とするもの。

 研究班の調べでは、PSA検査による死亡率減少効果を直接検証している文献は22件で、そのうち8件が「検査は有効性あり」としていた。
研究班によれば、
  ▽放置しても死に至らない
  ▽進行が非常に遅く治療の必要がない−−など、
見つける必要のないがんまで検出する過剰診断の割合が高いことを指摘。精密検査として受ける生検も、他のがんの生検に比べ危険性が高いとして、「検診を受ける不利益もある」と指摘している。

 米国では、米がん協会と米泌尿器科学会がPSA検診を推奨しており、両団体のガイドラインで、50歳以上を対象に、検診の利益と不利益を説明した上で決断することを条件としている。

▼早期発見、米で死亡率減−−泌尿器科学会
 一方、泌尿器科学会は、日本で発見される前立腺がんの約30%は骨転移を伴い、多くの臨床的に重要ながんが進行するまで見逃されている可能性が高く、米国では50歳以上の男性の75%は1回以上PSA検診を受診しており、死亡率も低下することが示されている等の見解を発表し、報告書案に反論する。
 研究班が信頼度が低いとした論文についても、「信頼性は高い」と反論するなど、研究班の分析手法を批判。

▼海外の場合
 欧州では、米国に比べ否定的で、欧州泌尿器科学会は「対策型検診(集団検診)の導入には証拠不十分」という評価。
 個人の希望者が受診する任意型検診は、各国で普及している。

◇PSA
 前立腺から精液中に分泌されるたんぱく質。前立腺の組織がつぶれると血液中に出てきて、ごく少量の血液でも測定できる。
 PSA検査は、採血だけですむ簡便な検査で、86年に米食品医薬品局(FDA)が認可し、日本にも導入された。

腸内細菌:家族でも大差
  http://mainichi.jp/life/health/archive/news/2007/10/20071019ddm041040162000c.html
     毎日新聞  ライフスタイル > 健康 > アーカイブ  2007/10/19 
 服部正平・東京大教授(ゲノム科学)らの東京大や宮崎大などの共同研究よれば、健康な人の腸内細菌は8割が未知で、同じ食事をとることが多い家族同士でも細菌集団に大きな違いがあることが分かったという。

 研究は、生後3カ月〜45歳までの健康な13人(乳児4人、幼児2人、成人7人)の大便に含まれる腸内細菌の遺伝子計6万個を解析し、その機能や個人差などを調べたもの。


2007/10/12
妊婦に魚すすめる新見解 
  http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20071012-OYT8T00177.htm
     YOMIURI ONLINE > 医療と介護 > ニュース 2007/10/12 
  妊婦らの魚摂取量をめぐっては、米食品医薬品局(FDA)がこれまで、魚に含まれるメチル水銀の胎児への悪影響を恐れて、340g/週以下にするよう指導してきていたが、米小児科学会や米公衆衛生局などでつくる母子健康増進団体「HMHB」は、妊娠中や授乳中の女性は、母子の健康のために340g/週以上の魚を食べるべきだと勧告した。

 HMHBの報告書では、妊婦らに対し、サケやマグロ、イワシなどの魚を積極的に食べるよう勧告。

 魚には、「ドコサヘキサエン酸(DHA)」など、子供の脳の発達に欠かせない栄養素が多く含まれていることや、早産のリスクを減らしたり、産後のうつ状態を改善させたりする効果もあるとしており、水銀の問題については、マグロなどの魚に含まれる栄養素のセレンが、水銀の毒性から体を保護してくれる可能性が高いと指摘。妊婦や授乳中の女性にとって、魚を食べることの方が利点が大きいと主張している。

 日本では、厚生労働省が2005年に、妊婦が注意すべき魚介類の種とそれぞれの摂取量を公表しており、ミナミマグロの刺し身1人前なら週2回まで、クロマグロなら週1回までとしている。


2007/10/07
体格調査:12年で…太り気味男性、女性はスリム 40代に顕著
  http://mainichi.jp/life/health/archive/news/2007/10/20071007ddm001040035000c.html
     毎日新聞  ライフスタイル > 健康 > アーカイブ  2007/10/07 
 工業製品採寸の基準の見直し要望を受け経産省が12年ぶりに実施した日本人の体格調査(19〜80歳の男女計6742人が対象)で、男性が太めに、女性はスリムになっていることが分かった。

 調査によれば、男性は30歳以上の各年代で、身長、体重、胸囲などの数値が12年前より軒並み大きくなり大柄になっていた。
40歳代は身長が2.8cm高い170.1cmに伸び、体重は69.8kgと4kgも増加。それに伴い、BMI値も24を超え肥満とされる25に迫るなど、太り気味の傾向。

 女性は20〜50歳代で身長が伸びたのに体重が減るなど、全体的にスリム化が進んだ。特に40歳代では、身長が2.6cm伸びて157.1cmになったのに体重は52.8kgと前回より1.3kg減っており、男性とは正反対の傾向が出た。


2007/10/05
がん生存率、専門病院ごとに初公表 患者の要望に応え 
  http://www.asahi.com/health/news/TKY200710040332.html
     asahi.com > 健康 >医療・病気 2007/10/05 
画像の拡大は、クリックしてください。  がん治療の中核施設でつくる「全国がん(成人病)センター協議会」(全がん協、30病院)は、治療成績の開示を求める患者の要望に応えるとともに、各施設に「差」の要因分析を促し、全国で同じ水準の治療を受けられるようにする目的で、4日、一部の加盟施設の胃がん、肺がん、乳がん、大腸がんの「5年生存率」を公表した。
 がん治療の中核施設でつくる全がん協が、施設名を明らかにして生存率を公表するのは初めてで、30施設の診療内容を、厚生労働省研究班が解析。99年中に初めて入院治療を受けたがん患者について、その5年後の生存率を算定した。

 この結果、生存率を算定できた施設数は、胃がん18、肺がん15、乳がん11、大腸がん12。夫々5〜3施設が公表に応じなかった。

 胃がんでは、最も高かった国立がんセンター中央病院(84.1%)と、最低の匿名施設(45.5%)には38.6ポイントの差があった。偏りを避けるために外科症例のみ解析した施設を除くと、次に最高と最低の差が大きかったのは肺がんの30.8ポイント。大腸がん23.8ポイント、乳がん20.6ポイントだった。
 ただ、胃がんで一位の「国立がんセンター中央病院」では、がんが最も早期の「1期」の患者が70%を占め、最も進行した「4期」との比が12.3。逆に最低だった匿名病院は、その比が1.2で、重症患者の割合が高かったことより、研究班は「数字をそのまま医療の質が高いととらえず、治療について医師と話す際の資料にしてほしい」という。

 公表データは、全がん協のホームページの「全がん協加盟施設の生存率協同調査」から、見ることができる。
  http://www.gunma-cc.jp/sarukihan/seizonritu/

化学物質:発育へ影響は…子供10万人、追跡調査 胎児→12歳、環境基準見直しも
  http://mainichi.jp/life/health/archive/news/2007/10/20071005ddm001040027000c.html
     毎日新聞  ライフスタイル > 健康 > アーカイブ  2007/10/05 
 ダイオキシンや水銀など身の回りの化学物質が子供の発育に与える影響を見極めるため、環境省は来年度から、約10万人について心身の発達ぶりを赤ちゃん〜12歳前後まで毎年調べる、大規模調査に乗り出す方針を決めたという。

 計画は、調査は09〜10年度に、年間出生数の1割弱に当たる全国10万人の妊婦を登録。喫煙など生活状況をアンケートし、採血してダイオキシンや水銀、鉛、有機フッ素化合物などの主な有毒化学物質の血中濃度を調べるというもの。

 同省によると、胎児期から胎盤を通じて水銀などの有害物質の影響を受けているほか、腸からの鉛の吸収率は1〜2歳児で成人の5倍。生後6カ月までは、脳に必要以外の物質が入るのを防ぐ「血液脳関門」の機能が不完全など、子供は化学物質に弱いとされており、先天異常やアトピー、発達障害などと化学物質の因果関係解明も目指すという。

がんワクチン「効果あり」 34人中22人、安定か改善 
  http://www.asahi.com/science/update/1005/TKY200710050196.html
     asahi.com > 健康 >医療・病気 2007/10/05 
 横浜市で5日まで開かれていた日本癌学会総会で、東大医科学研究所ヒトゲノム解析センターの中村祐輔教授が発表したところによれば、進行した膵臓がんや食道がんなどを対象にした「がんワクチン」の臨床研究で、患者34人のうち22人に病状の悪化を防ぐ効果が確認されてた。

 9月末までに投与した患者は67人。この内、計画通り投与し、3カ月以上過ぎた34人について分析、がんが縮小した人は膵臓、膀胱、大腸の各がんだった5人。がんが大きくならずに安定していた人が17人で、計22人で効果があったと判断した。
 がんに対する免疫反応が高まっていることも確認され、特に比較的若い人で顕著だった。また、投与の結果、半年以上、病状が安定している患者がいた一方、効果のみられないケースもあった。


2007/10/04
ワイン、ビール、蒸留酒いずれも乳癌(がん)リスクを増大 
  http://health.nikkei.co.jp/hsn/news.cfm?i=20071004hj000hj
     NikkeiNet いきいき健康 米国発ニュース 2007/10/04
 米カイザーパーマネンテKaiser Permanente(カリフォルニア州オークランド)のYan Li、Arthur Klatsky両博士らの研究グループの研究によれば、アルコールを多量に摂取すると、その種類にかかわらず乳癌リスクが増大することが明らかにされた。

 研究グループは、1978〜1985年に健康診断を受けた7万人強の女性(いずれもカイザーパーマネンテ健康保険の加入者)の飲酒習慣を評価。この内2,800人強が2004年までに乳癌と診断された。飲酒習慣と乳癌罹患率を比較した結果、飲酒量の少ない人(1日1杯未満)に比べ、1日1〜2杯の飲酒をする女性は乳癌リスクが10%高く、1日3杯以上飲む人は30%高いことがわかったというもの。
 今回の研究は、どの種類のアルコールでも同様に乳癌リスクを増大させる点を明らかにした点が評価される。

▼原文
 :Wine, Beer, Spirits Boost Breast Cancer Risk Equally

前立腺がん、遺伝子治療 北里大が開始 
  http://www.asahi.com/health/news/TKY200710040225.html
     asahi.com > 健康 >医療・病気 2007/10/04 
 手術後に再発する可能性が高いとみられる患者を対象に、がん細胞の増殖を抑えて再発を防ぐ目的で、臨床研究の位置づけにて、北里大病院(神奈川県相模原市)の馬場志郎教授(泌尿器科学)らは、前立腺がんの遺伝子治療を始めた。
早期のピロリ除菌、胃がん予防に効果 
  http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20071004-OYT8T00066.htm
     YOMIURI ONLINE > 医療と介護 > ニュース 2007/10/04 
 横浜市で開かれている日本癌学会で、和歌山県立医大の一瀬雅夫教授(第2内科)らが、3日発表したところによれば、胃がんを引き起こすとされるヘリコバクター・ピロリ菌の除菌を、胃壁が変化する「萎縮(いしゅく)性胃炎」発症の前にすると胃がんの予防効果が高いという。

 萎縮性胃炎は、胃壁が薄くなり、胃酸の分泌が減る状態。ピロリ菌感染者の約3割に見つかり、10年以上を経てがんになることが多く、一瀬教授らは、1994年以降に、和歌山県で胃がん検診を受けた40歳以上の男性で、ピロリ菌に感染した人のうち、4129人を約10年間追跡し、胃がんの発症率などを調べたもの。

肺がん発見率9割 血液検査で精度3倍 東大医科研 
  http://www.asahi.com/health/news/TKY200710040170.html
     asahi.com > 健康 >医療・病気 2007/10/04 
 横浜市で5日まで開かれていた日本癌学会総会で、東大医科学研究所ヒトゲノム解析センターの醍醐弥太郎・准教授らが発表したところによれば、血液検査で肺がんを高精度で見つける新たな腫瘍)マーカーの組みあわせを開発した。
 発見率は約9割で、いま診療で主に使われている3種類に比べて1.5〜3倍高く、肺がんの早期発見や術後の治療法選択に役立ちそうだ。

 同研究グループは、同じ早期に手術をしても、経過に差があることに着目。術後5年以上追跡している約400人の患者の肺がん組織を分析し、特定のたんぱく質三つがいくつ検出されるかで、「5年後の生存率が8割程度」と経過の良い場合から、「生存率2割程度」と悪い場合まで4段階で判別できる方法を開発した。

飲むと赤ら顔…膵がんリスク1.44倍 
  http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20071004-OYT8T00186.htm
     YOMIURI ONLINE > 医療と介護 > ニュース 2007/10/04 
 愛知県がんセンター研究所(名古屋市)の調査によれば、酒を飲むと顔が赤くなる人は、そうでない人に比べて、膵臓(すいぞう)がんになるリスクが1.44倍高いことが判ったという。

 同研究所の松尾恵太郎主任研究員(がん疫学)らが、2001〜05年に同センターを訪れた膵臓がん患者138人と、がんではない1373人のアルコールを体内で分解する酵素の遺伝子タイプと飲酒との関係を調べたもの。


2007/09/28
メタボ対策:まず2.5時間/週の速歩から 内臓脂肪、0.3%/週 減
  http://mainichi.jp/life/health/archive/news/2007/09/20070928ddm013100011000c.html
     毎日新聞  ライフスタイル > 健康 > アーカイブ  2007/09/28 
◇内臓脂肪を確実に減らすには
 国立健康・栄養研究所の研究チームは、1966〜06年5月に発表された内臓脂肪と運動の関係について報告している論文のうち、内臓脂肪面積をCT(コンピューター断層撮影装置)かMRI(磁気共鳴画像化装置)で測定していることなど、一定の基準を満たした日本など5カ国、計16本の研究結果を分析したところ、内臓脂肪を確実に減らすには、日常生活の中での活動や運動に加え、1週間当たり「速歩(分速90〜100m程度)で2.5時間以上」に相当する運動を追加する必要があることが、判ったという。

 内臓脂肪面積100平方cmの人が、1週間で1平方cm減らすには、毎日1時間程度の速歩相当の運動が必要だという。

 各論文の対象者は計582人で、平均年齢は22〜67.5歳。肥満度を示すBMIの平均は25.3〜35.9。対象者は食生活は変えず、ウオーキングなど一定の時間持続することが可能な運動を週3〜7回、8週間〜1年続けていた。研究では、身体活動の強度を示す単位「メッツ」を使用。速歩は4メッツで、速歩を2時間続けた時の活動量を「8メッツ・時」と換算した。

 2型糖尿病など代謝性疾患の患者を除いた425人分を分析すると、週に約10メッツ・時以上の運動をした場合に、内臓脂肪が減少した。週に10メッツ・時(速歩2時間半相当)の運動をすると、1週間で内臓脂肪が0.342%減少し、活動量に比例して減少の程度も増加。
 週に27メッツ・時(速歩毎日1時間程度相当)の運動をすると、内臓脂肪が1%減となった。


2007/09/16
薬剤耐性遺伝子、海の細菌から人体へ移動も 愛媛大研究 
  http://www.asahi.com/science/update/0915/OSK200709150076.html
     asahi.com > サイエンス 2007/09/16 
 愛媛大沿岸環境科学研究センターの鈴木聡教授らが、松山市で開催中の日本微生物生態学会と国際微生物生態学シンポジウムアジア大会の合同学会で17日、発表するところによれば、抗生物質を効かないようにする薬剤耐性遺伝子は、自然界の海洋細菌から、人の体内にもいる大腸菌や腸球菌に移動し易いことが分かったという。

 鈴木教授は「環境中の菌から、人の体内の病原性の大腸菌などに耐性遺伝子が移ると、抗生物質が効かなくなる恐れがある」と話している。


2007/09/14
100歳以上3万人超す…厚労省まとめ 
  http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/kaigo_news/20070914-OYT8T00182.htm
     YOMIURI ONLINE > 医療と介護 > ニュース 2007/09/14 
 国内の100歳以上の高齢者が今月1日現在で32,295人となり、初めて3万人を突破し、1971年から37年連続で過去最多を更新した。

 このうち、女性は27,682人(前年比3,437人増)で85.7%を占め、男性は前年より463人増えて4,613人。
人口10万人当たりの100歳以上の高齢者数は25.28人。
都道府県別では、沖縄県が57.89人と35年連続でトップ、高知、島根、熊本、愛媛の各県が続いた。最も少なかったのは埼玉県の13.05人で、90年以来、18年連続最下位。


2007/09/13
フィルターたばこにより肺癌のタイプが様変わり 
 http://health.nikkei.co.jp/hsn/news.cfm?i=20070913hj000hj
     NikkeiNet いきいき健康 米国発ニュース 2007/09/13
 米タフツ-ニューイングランドメディカルセンター(Tufts-NEMC、ボストン)のGray M. Strauss博士らが、1975〜2003年の米国立癌研究所(NCI)によるSEER(Surveillance Epidemiology and End Results)プログラムのデータを分析した結果を、韓国ソウルで開催された第12回世界肺癌学会で発表したところによれば、1950年代にフィルター付き低タールたばこが導入された時期に一致して、肺癌のうちの腺癌が増え始めたことが判明したという。

 1950年代には腺癌は肺癌全体の5%にとどまり、扁平上皮癌が最も多かったが、60年代から腺癌が増え始め、75〜79年から95〜99年までの間に62%増大。女性では75〜79年、男性では 80〜84年に扁平上皮癌を抜いて最多となった。00〜03年には腺癌が肺癌全体の47%を占め、人種、年齢、性別にかかわらず最多と判明。
 SEERには喫煙に関する人口統計データがないため、米国の50年間のたばこ生産と消費者の動向に関するデータを検討した結果、フィルター付き低タールたばこの利用と腺癌比率の増大が密接に関連していることが明らかになった。

 この腺癌の増大は、フィルターを付けたことにより、ニコチン濃度が薄くなるために、喫煙者が発癌物質を気管支や肺の深くまで吸い込むためではないかと推察される。

 同学会で発表された別の研究では、手巻きたばこは包装済みのたばこよりも発癌性が高く、肺癌リスクを高めることや、肺癌の家族歴をもつ人は肺癌(特に扁平上皮癌)を発症する比率が高いことなどが示された。

▼原文
 :Filtered Cigarettes Blamed for Huge Rise in Type of Lung Cancer


2007/09/07
「骨壊し屋」女性ホルモンが抑制 東大教授チーム解明 
  http://www.asahi.com/science/update/0907/TKY200709060461.html
     asahi.com > サイエンス 2007/09/07 
 東京大の加藤茂明教授(分子生物学)のチームが、7日付の米専門誌セルに発表したところによれば、閉経後の女性が骨粗鬆症になり易い詳しいメカニズムを突き止めた。

 女性ホルモンのエストロゲンが減ると骨粗鬆症になり易いことは知られていたが、骨の新陳代謝のバランスが崩れる仕組みは不明だった。閉経で女性ホルモンが減ると、骨を壊す「破骨細胞」が増えてしまうためだという。

健康ナビ:秋口に増える抜け毛。このまま薄くなるの?
  http://www.mainichi-msn.co.jp/kurashi/kenko/archive/news/2007/09/20070907ddm013070085000c.html
     毎日新聞暮らし健康 2007/09/07 
 髪の毛は、頭皮の表面から外に出ている毛幹部と、頭皮表面内側に潜っている毛根部に分かれる。
毛根部にある毛母細胞が分裂を繰り返して毛は伸びる。髪の一生は通常2〜7年で、毛母細胞が分裂を繰り返す成長期が終わると、数カ月後に抜け落ちる。

 秋の抜け毛は、紫外線によって毛幹部のたんぱく質が傷ついたり、汗などで固まった皮脂が毛根部への栄養を妨げたりして起きるとされている。

 抜け毛に細い毛が交じる場合、成長期が長く続かずに紫外線などのダメージによって抜けたと考えられ、対策が必要。
 髪を健康的に保つには、洗髪が重要。やさしく頭皮をもみ込むように洗い、1度目は丁寧に、2度目は汚れを浮かす感覚で洗うと良いという。また、コンディショナーやトリートメントは、しっかりと洗い流す。
 食事面では、バランスの良い食事が基本だが、たんぱく質やビタミンB群、亜鉛類は髪にとって栄養となる。


2007/09/06
家庭内のカビがうつ病の原因 
 http://health.nikkei.co.jp/hsn/news.cfm?i=20070906hj000hj
     NikkeiNet いきいき健康 米国発ニュース 2007/09/06
 米ブラウン大学(ロードアイランド州プロビデンス)のEdmond D. Shenassa氏らは、カビと精神衛生上の問題との関連を検討するため、2002〜2003年に世界保健機関(WHO)がフランス、ドイツ、スロバキア、ハンガリー、ポルトガル、イタリア、スイス、リトアニアの8都市から収集したデータ(約3,000世帯、18〜104歳の約 6,000人の対象者に直接問診を実施したもの)を解析した結果を、米医学誌「American Journal of Public Health」10月号に発表したところによれば、湿気が多くカビの生えた家に住む人は「うつ病リスクが高い」ことが示された。

 米国では、住居内のカビの許容量についての指針はないが、カビの胞子を吸い込むと呼吸器のアレルギー反応が誘発されたり、喘鳴、息切れ、肺感染症のほか、鼻詰まり、咳、頭痛、皮膚や喉、目の炎症が生じたりするという。特に、アレルギーや喘息患者、癌の化学療法中などで免疫不全状態にある人はリスクが高い。

 湿気やカビの全くない住居で暮らす人は57%であったが、地域差が大きく、カビがある家はポルトガルでは80%以上、スロバキアでは25%未満だった。被験者の9%が「うつ病」であるとされ、ほかの因子を考慮しても、カビと「うつ病」との間に関連性が有り、カビのある家で暮らす人は「うつ病」リスクが約40%高いという。

▼原文
 :Damp, Moldy Homes May Cause Depression


2007/09/02
糖尿病は万病のもと アルツハイマー発症4.6倍 
  http://www.asahi.com/science/update/0901/TKY200709010236.html
     asahi.com > サイエンス 2007/09/02 
 九州大の清原裕教授(環境医学)らが、福岡県久山町の住民約800人を15年間、追跡して分析した研究によれば、糖尿病やその「予備群」の人は、そうでない人よりアルツハイマー病になる危険性が4.6倍高く、がんや脳梗塞、心臓病も発病し易いといういことが判ったという。

 糖尿病が、失明などの合併症に加え、様々な病気の温床になることが浮かび、その対策の重要性が改めて示された。
 清原教授によると、脳にたまってアルツハイマー病を引き起こすとされる物質は、インスリン分解酵素によって分解される。耐糖能異常の人はインスリンが少ない場合が多く、分解酵素も減るので、アルツハイマー病の危険性が高まるという。
 解剖などによる確定診断に基づいたアルツハイマー病研究で、これほどの規模のものは世界でも例がないという。

 また、別に40〜79歳の約2400人を88年から12年間追跡し、糖尿病とがん、脳梗塞などとの関係も調べた結果、糖尿病の人は、そうでない人よりがん死亡の危険性が3.1倍高く、脳梗塞も1.9倍、心筋梗塞など虚血性心疾患も2.1倍高かったことより、糖尿病対策がアルツハイマー病予防につながる可能性があるという。


2007/08/25
ヘルシーリポート:骨密度の低下抑制に、リコピン
  http://www.mainichi-msn.co.jp/kurashi/kenko/archive/news/2007/08/20070825ddm010100002000c.html
     毎日新聞暮らし健康 2007/08/25 
 国立健康・栄養研究所(東京都)とカゴメ総合研究所(栃木県)が、今年7月に開かれた日本骨代謝学会で発表したところによれば、マウスを使った実験で、トマトに豊富に含まれる色素の一種で抗酸化作用のあるリコピンが骨密度の低下を抑制するという。

 遺伝的に老化が進みやすいマウス(SAMP系統)を対象に、(1)0.05%のリコピンを混ぜたえさ(2)0.25%のリコピンのえさ(3)リコピンを与えないえさ、の3群に分け、8週間飼育後、大腿骨と脛骨の密度をX線で撮影して比べ、その結果、リコピンを与えないマウスでは骨の密度が低下したのに対し、リコピンを与えたマウスでは骨の密度の低下が抑えられたという。

カゴメ > 研究成果サマリー
  http://www.kagome.co.jp/research/summary/index.html

フォラームリポート 案外知られていない、緑茶の力
  http://www.mainichi-msn.co.jp/kurashi/kenko/archive/news/2007/08/20070825ddm010100003000c.html
     毎日新聞暮らし健康 2007/08/25 
 7月18日(水)有楽町朝日ホールにおいて、「緑茶と健康フォーラム」と題した講演会が開かれた。
 吉川敏一・京都府立医科大学大学院教授、池田郁男・東北大学大学院教授、片岡洋祐・大阪市立大学大学院講師らが講演した内容の緑茶のさまざまな働きのリポート記事。

▼老化防止に効果的

     老化要因に共通しているのが、活性酸素やフリーラジカルによる酸化。 渋み成分のカテキン類の抗酸化作用は、他の食べ物に比べて格段に高く、半発酵のウーロン茶や完全発酵の紅茶に比べて、緑茶の抗酸化作用はずば抜けて高いという。

     ヘビースモーカーを対象に、尿中に出てくるDNAの損傷程度が調べられた研究事例では、緑茶を多く飲んでいる人は、紅茶や水を飲んでいる人に比べ、その損傷程度が少ないという。

▼渋みのカテキンでメタボ対策、うまみのテアニンで脳の保護作用
     最近、大きな健康問題となっているメタボリックシンドローム対策でも、緑茶のカテキン類が注目される。
    カテキンの中でも、生理作用が強いのはガレート型カテキン。池田教授によれば、このガレート型カテキンをネズミに飲ませると、コレステロールの吸収を抑えて、血液中の悪玉コレステロールを下げるという。

     緑茶飲料を飲むと、中性脂肪の上昇が抑えられるというヒトでの試験報告もある。池田教授らが行ったネズミの実験では、カテキン飲料が内臓脂肪を低下させることも分かった。このようなカテキンの効果は、加熱殺菌されたペットボトルや缶飲料でも同じようにある。

     認知症を防ぐ脳の老化に対して、片岡講師は「緑茶の脳保護作用」について興味深い事例を話した。
     緑茶のうまみ成分のテアニンには、脳神経細胞の分裂を活性化させる働きがあるという。
     片岡講師らは、医療法人順風会・天山病院(松山市)の協力を得て、認知症と診断された人を含む64〜99歳(平均85歳)の47人を対象にした15カ月間の追跡した実験で、テアニンの豊富な緑茶粉末(緑茶)には脳の働きをよくする効果が期待でることが判ったという。

▼緑茶の研事例
    これまでの研究報告によると、緑茶には次のような働きがある。
    1. アレルギー性鼻炎などの症状を抑える抗アレルギー作用
    2. 食後の血糖値の上昇を抑える血糖降下作用
    3. お茶をたくさん飲む人ほど脳梗塞の発症率が低いという疫学調査などから、脳梗塞などの予防効果
    4. 抗菌作用から、口臭や虫歯予防
    5. 抗ウイルス作用から、お茶のうがいなど風邪予防−−などがある。

     米国FDA(食品医薬品局)が高純度の茶カテキンを含む塗り薬を皮膚病の薬として認可している。


2007/08/22
若い時やせていた男性、10kg太ると心筋梗塞発症率2倍 
  http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20070822i507.htm
     YOMIURI ONLINE > 科学 2007/08/22 
 厚生労働省研究班(主任研究者=津金昌一郎・国立がんセンター予防研究部長)の全国40〜69歳の男女約9万人を対象に、体重を身長の2乗で割った体格指数(BMI)と虚血性心疾患との関連を10年間追跡調査した大規模調査した結果、20歳のころに痩せていた男性が10kg以上太ると、心筋梗塞などの虚血性心疾患の発症率は、体重の変化が5kg以内だった人に比べ、約2倍になることが判ったという。

 また、BMI 30以上の肥満の男性は、BMIが標準(23〜25未満)のグループに比べて約1.8倍、虚血性心疾患を発症しや易いことも分かった。


2007/08/21
肥満の一部はウイルスが原因? 米グループが発表 
  http://www.asahi.com/health/news/TKY200708210423.html
   ----asahi.com 健康 健康・生活 2007/08/21
 米ルイジアナ州立大のグループがまとめ、ボストンで開かれた米化学会で20日発表したところによれば、美容のために行われる脂肪吸引で得られた人間の脂肪組織から、さまざまな細胞に変化する能力を持つ幹細胞を抽出し、風邪や結膜炎の原因となるウイルスの仲間アデノウイルス36を加えた結果、ウイルスを加えられた幹細胞の半分以上が脂肪細胞に変わったが、加えられなかった幹細胞で同様の変化を示したのはわずかだったことより、肥満の一部はウイルス感染によって起きるらしいという。

 米ウィスコンシン大学の研究チームは00年、このウイルスに感染させたニワトリやハツカネズミが、感染させなかったものより脂肪を2倍多く蓄積した、という論文を発表している。


2007/08/16
アルツハイマー病の原因蛋白が緑内障にも関与
 http://health.nikkei.co.jp/hsn/news.cfm?i=20070816hj001hj
     NikkeiNet いきいき健康 米国発ニュース 2007/08/16
 英ロンドン大学(UCL)のM. Francesta Cordeiro博士らが、米国科学アカデミー発行の「Proceedings of the National Academy of Science(PNAS)」オンライン版に8月7日に発表したところによれば、ラットを使った実験より、アルツハイマー病患者の脳に老人斑(プラーク)を形成するアミロイド-β蛋白が、緑内障での網膜細胞死の原因となる可能性があるという。

 この知見は、緑内障治療について眼科医の間で最近浮上している疑問を解く鍵となる可能性もある。数年前まで、緑内障は眼圧の異常な上昇により網膜細胞死が起こるものであるとされ、現在も主に眼圧を下げる治療が行われているが、実は緑内障患者の半数以上で眼圧は正常に近いことがわかってきている。
 米国眼科学会(AAO)は現在、眼圧上昇を緑内障の原因であるとする記述を削除し、単に主な危険因子であるとしている。

▼原文
 :Alzheimer's Protein Implicated in Glaucoma


2007/08/14
先天障害リスク下げる「葉酸」、進まぬ摂取 
  http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20070814ik01.htm
     YOMIURI ONLINE > 科学 2007/08/14 
 横浜市立大市民総合医療センターの高橋恒男教授(産科)らが、05年9月〜06年1月、妊婦健診で同センターを訪れた妊娠24〜26週の女性198人を対象にアンケート調査し、148人(平均年齢31.4歳)から回答を得た調査結果によれば、先天障害の発症リスクを低下させる効果があるとされる、ビタミンB類の一つ「葉酸」について、妊娠前から積極的に摂取していた妊婦はわずか1割台にとどまることが分かった。

 厚生労働省は、2000年、0.4mg以上/日の摂取を推奨したが、同省の呼びかけが浸透していない実態が浮き彫りになった。


2007/08/09
膵癌の早期診断を可能にする新検査法
 http://health.nikkei.co.jp/hsn/news.cfm?i=20070809hj000hj
     NikkeiNet いきいき健康 米国発ニュース 2007/08/09
 米ノースウェスタン大学(イリノイ州エバンストン)のVadim Backman氏らが、医学誌「Clinical Cancer Research」8月1日号に発表したところによれば、内視鏡生検により採取した十二指腸の細胞を、光散乱を用いて検査すると、膵癌がある場合とない場合では、違った散乱効果を示すことより、早期の膵癌を安全かつ正確に検知できる可能性を示した。

▼原文
 :Test Brings Early Pancreatic Cancer to Light


2007/08/04
乳酸菌のよさ、期待と誤解/メーカー宣伝で思い込み 
  http://aspara2.asahi.com/club/user/be/20070804/W13/TKY200708010179.html
   ----asahi.com Be  be Report 2007/08/04
 花粉症予防などの効果も立証され、健康に良いといわれている乳酸菌製品。 「植物性がいい?」「生きていないとだめ?」等々、「生きて腸に届く」といったメーカーの宣伝文句が影響しているらしいが、乳酸菌をめぐり、誤解されがちなことは何か又色々な製品の中より何を選んだらいいのか、この種の問題に関するレポート記事。

■乳酸菌に、植物性も動物性もない。

     ラブレ菌は「ラクトバチルスブレビス」という乳酸菌で京漬物から発見され、免疫活性効果が証明されて、漬物を食べてきた日本人に合った、新コンセプトの菌だといわれるが、腸内細菌の権威、光岡知足・東大名誉教授によれば、「乳酸菌に植物性も動物性もない。日本の広告にだけ通用する言葉だ」と、断ずる。

     理化学研究所バイオリソースセンター室長の辨野義己・日本微生物資源学会長も、「ラブレ菌は漬物だけでなく、乳やチーズ、動物の腸管にもいる。そもそも、由来が植物に限定される菌などない」と語る。 どうやら、植物由来だから良いと思いこむのは早計のよう。

■「生きて腸に届く」と聞くと、「死んだ菌では効果がないだろう」と思いがち。これも誤解。
     ちなみに、カルピスは風味を長持ちさせるため、乳酸菌を殺菌して出荷しているし、腸内細菌の権威、光岡知足・東大名誉教授は、殺菌発酵乳をマウスに投与し続けると、平均寿命が長くなることや、腹水がん細胞を移植したマウスに殺菌発酵乳を与えても、がんの増殖を抑えることを67〜82年の実験で証明した。

     光岡知足・東大名誉教授によれば、「たとえ腸に届く前に胃酸で死んでも、その菌体成分が小腸の免疫機能を活性化する。花粉症などのアレルギーや、風邪を予防する効果も報告されている。死菌でも効果があることをメーカーは言いたがらないようだ。」という。

     しかし、乳酸菌が生きたまま腸に届くことに意味がないわけではなく、生きた乳酸菌は、大腸内の悪玉菌を減らし、善玉菌を増やすが、生きて届いた乳酸菌は腸内にそのまま住みつかないから、毎日取り続ける必要がある。
     また、加齢と共に、腸内では善玉菌が減り、ウェルシュ菌などの悪玉菌が増えるので、高齢になるほど、生きた乳酸菌を摂取して腸内環境を整える必要が増すが、腸内菌叢は、各人により異なるので、どんな乳酸菌が合うかは人によって違ってくる。

■いろんな製品を試し、効果を実感できたものを食べ続けること
     ヨーグルトなども製品によって使っている菌が違うので、「いろんな製品を試してみて、効果を実感できたものを食べ続けること」と、光岡さんは勧める。 何が自分の体に合うかは、自分で便通を確認するのが一番。

     腸内で善玉菌が優勢だと、それらが乳糖を分解して作る酸が腸管を刺激し、蠕動運動を促すとともに、腸内を酸性にする。すると酸に弱い悪玉菌は増えない。反対に便秘がちになると腸内の腐敗が進み、アルカリ性に傾き善玉菌が減り、悪玉菌が増える。

     便の色は、胆汁色素がつけるが、これが腸内の状態を教えてくれる。腸内が酸性だと黄色っぽくなるが、アルカリになるほど黒っぽくなる。乳酸菌製品を取り、いい便が出るようになれば、その乳酸菌は体に合っているといえる。

     ヨーグルトは、栄養的に優れた食品だが、ビタミンCと食物繊維が足りない。体に良いからといって、ヨーグルトばかり食べていても駄目。乳酸菌の健康効果を上げるには、食物繊維の豊富な野菜などを意識して取り、バランスのとれた食生活を送ることが前提。


2007/08/01
男はビタミンB6、女はコーヒーが効果…大腸がん予防 
  http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20070801-OYT8T00201.htm
     YOMIURI ONLINE > 医療と介護 > ニュース 2007/08/01 
厚生労働省研究班(主任研究者・津金昌一郎国立がんセンター予防研究部長)が、1990年と93年に、40〜60歳代の男女約10万人を対象に食生活などの調査を実施。その後、2002年まで追跡調査を行い、当時の食生活と大腸がんになる危険度を調べた大規模な調査より、ビタミンB6の摂取が多い男性と、コーヒーを多めに飲む女性には大腸がんが少ないことが判ったという。

 ビタミンB6は、米や魚、ナッツ類に多く含まれており、アルコールによる発がん作用を妨げる働きがある。コーヒーは、腸内の胆汁酸の濃度を抑えることなどが、がんの予防につながると考えられる。
 「ビタミンB6は飲酒習慣の多い男性に大腸がんの予防効果が表れるが、コーヒーの予防効果は飲酒や喫煙の習慣が打ち消すため、それらが少ない女性にだけ効果が表れたと、研究班は分析している。


2007/07/27
寿命更新…男は79.00歳、女は85.81歳 
  http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/kyousei_news/20070721-OYT8T00058.htm
     YOMIURI ONLINE > 医療と介護 > ニュース 2007/07/27 
 厚生労働省は26日、2006年の日本人の平均寿命を発表した。男性79.00歳、女性85.81歳で、いずれも過去最高。

 平均寿命を国際比較すると、日本人女性は、22年連続で長寿世界一。
 女性の2位は香港の84.6歳、3位はスペインとスイスが83.9歳で並んだ。日本人男性はアイスランドの79.4歳に次ぐ2位。

厚生労働省 > 統計調査結果 > 報道発表資料 > 日本人の平均余命(平成18年簡易生命表)

生活習慣病:対策の「根拠」、追跡調査の取り組み 町ぐるみ、医療に貢献
  http://www.mainichi-msn.co.jp/kurashi/kenko/archive/news/2007/07/20070727ddm013100164000c.html
     毎日新聞暮らし健康 2007/07/27 
 何年もかかって発症、悪化する生活習慣病の原因を探るには、大勢の健康状態を長期間追跡する調査が不可欠。病気の診断にも、これらの追跡調査結果が「科学的根拠」として採用されることが多い。
 例えば糖尿病の診断基準は、長年多数の人の血糖値を調べ、どんな人が合併症を発症したかを分析した調査などに基づいて決まっており、町ぐるみで追跡調査を続け、日本の生活習慣病対策に貢献している山形県舟形町、福岡県久山町の取り組みが紹介されている。

◇食後高血糖、危険性訴え 「住民意識、高まった」−−山形・舟形
 海外でも注目された住民追跡調査「舟形町研究」は、富永真琴・山形大教授らが99年に米国糖尿病学会誌に発表したもので、空腹時は正常なのに、食後だけ高血糖になる人は、心筋梗塞や脳卒中などの心血管疾患による死亡の危険が高いことを明らかにした論文で、97年に米国糖尿病学会が発表した新しい糖尿病診断基準は、空腹時血糖だけで判断することに対し疑問を投げかけるデータとして注目された。

 70年代前半、40代の町民が脳卒中などで相次いで死亡し、地域にとって若い人が亡くなるのは大問題であり、生活習慣病対策を求める声が上がっていた山形県舟形町は、富永教授らと協力し、糖尿病発見のため、79年から20歳以上の全住民を対象にした尿検査を始め、尿糖陽性の人には、ブドウ糖液を飲む前と飲んだ後の血糖値を測る検査(ブドウ糖負荷試験)も実施した。
 90〜92年度の検診では、2500人以上が参加。有病率は8.4%と89年度以前のほぼ2倍と、尿検査で発見できない患者が多いことが明らかになった。
 さらに97年、受診後に死亡した人の死因を富永教授らが調べると、糖尿病ではないのに、負荷試験2時間後の血糖値(食後血糖値)は正常より高め」という人たちの心血管疾患による死亡率が、正常値の人より高いことが判明した一方で、空腹時血糖値だけが高めの場合は正常値の人と差がなく、予備群の中でも食後高血糖の場合はより注意が必要なことが分かった。

◇糖尿病増加、早期に警告 「効果出す」、研究者も必死−−福岡・久山
 九州大医学部が1961年から半世紀近く40歳以上の福岡県久山町(人口約8000人)の全住民を対象に調査(5年毎の受診率約80%)を続けて、住民の80%は「医学の発展のため」と進んで死後の剖検を受けるという徹底した調査で病気の実態や原因解明に成果を上げている「ヒサヤマ研究」は、世界的に注目されてきた。
 久山町研究は、日本では欧米と違い、脳卒中の最大の原因は高血圧だと解明。減塩指導や降圧薬普及などの対策を講じ、70年代に町内の脳卒中は1/3に減った。

 糖尿病は、脳梗塞や心筋梗塞、悪性腫瘍、アルツハイマー病などの発病を増やすことが、久山町研究で次々と分かってきた。
 「88年以後、運動や食事指導など手を尽くしたのに糖尿病は増える一方で、どうすれば減るのか?」。久山町研究に27年間かかわってきた九大久山町研究室長の清原裕教授(環境医学)は厳しい表情で語る。
 成果が住民の健康に生かされなければ、住民はついてこないだけに研究者も必死であり、「病人だけを診る病院での調査では、生活習慣病を知ることはできないと、清原教授は語る。

◇全国各地の住民対象の研究も
 追跡調査の中には、全国各地の住民の協力を得て、日本人全体の傾向をつかむことを目指す研究もあり、代表的なのは、厚生労働省研究班による「多目的コホート研究」で、生活習慣と病気の関係などを探るのが目的で、国立がんセンターが事務局となり、90年と93年に全国10都府県の約14万人を登録し、現在も追跡調査が続いており、この研究で成果が公表されているものは、

  1. 日ごろ体を動かす量の多い男性は、少ない男性より大腸がんにかかる率が約3割低い
  2. 飲酒量の多い人では、酒を飲まない「休肝日」の多い人の方が、休肝日の少ない人よりも死亡率が低い−−など。
 80年から全国300地域の約1万人の追跡調査などをしている「NIPPON DATA」(主任研究者、上島弘嗣・滋賀医科大教授)も、日本人の生活習慣と病気の関係を明らかにしてきており、最近では肥満でなくても、高血糖など生活習慣病のリスクを複数抱えると、心血管疾患による死亡率が高くなるとする結果を米国糖尿病学会誌にも発表した。

2007/07/26
癌抑制蛋白が老化も防ぐ
 http://health.nikkei.co.jp/hsn/news.cfm?i=20070726hj001hj
     NikkeiNet いきいき健康 米国発ニュース 2007/07/26
 英科学誌「Nature」7月19日号に掲載されたスペイン国立癌研究センター(マドリード)Manuel Serrano氏らの研究によれば、癌(がん)抑制蛋白(たんぱく)として知られるp53および細胞調節因子Arfに、老化を遅らせる働きのあるという。

 今回の研究では、p53/Arf過剰産生マウスから採取した細胞を詳細に検討。老化マーカーを調べた結果、老化の遅延が認められ、癌抑制効果を考慮してもなお寿命の延長がみられることが明らかになったという。
 Serrano氏によれば、老化は細胞の欠陥が蓄積して生じると考えられているが、p53およびArfはいわば細胞の「品質管理」を担うもので、p53の多いマウスほど細胞が厳しく管理され、癌になりにくく老化も緩やかであるという。

▼原文
 :Natural Cancer-Fighting Protein May Also Slow Aging


2007/07/21
リンゴポリフェノールに長寿効果 
  http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/kyousei_news/20070721-OYT8T00058.htm
     YOMIURI ONLINE > 医療と介護 > ニュース 2007/07/21 
 アサヒビールと東京都老人総合研究所の白沢卓二研究部長らが、日本抗加齢医学会(会長=米井嘉一・同志社大教授)で20日報告したところによれば、リンゴから抽出される「リンゴポリフェノール」に寿命を延ばす効果があるとマウスを使った動物実験で確認したという。

 マウスが摂取したリンゴポリフェノールは、人間の摂取量に換算すると1日リンゴ5〜10個分程度になる。

アサヒビール > 研究成果レポート


2007/07/19
セレンサプリが2型糖尿病リスクを増大
 http://health.nikkei.co.jp/hsn/news.cfm?i=20070719hj001hj
     NikkeiNet いきいき健康 米国発ニュース 2007/07/19
 セレンには抗酸化作用があることから、糖尿病の予防に有効と考えられていたが、米医学誌「Annals of Internal Medicine」オンライン版7月10日に掲載された英ウォーリックWarwick大学医学部Saverio Stranges博士らの研究によれば、セレンサプリメント(栄養補助食品)の摂取により2型糖尿病のリスクが増大する可能性が示された。

 セレンサプリメントは、ヘルペス、帯状疱疹、関節炎、多発性硬化症(MS)などに有効であるほか、老化防止、妊よう性増進、癌予防、水銀やカドミウムなどの毒物の除去にも効果があると謳われており、Stranges氏によれば、前立腺癌、肺癌などの癌予防についてはセレンの有望性が示されており、現在その効果を検討する臨床試験が実施されている。

 今回の研究は、「栄養による癌予防試験(Nutritional Prevention of Cancer Trial)」に参加した1,202人のデータを収集。被験者の半数に200mg/日のセレンサプリメント、残りの半数にプラセボ(偽薬)を割り付け、7.7年の追跡期間中、セレン群で58人/600人、プラセボ群で39人/602人が2型糖尿病を発症したことより、セレン群の2型糖尿病発症リスクはプラセボ群より約50%高いことが判明したというもの。

▼原文
 :Selenium Supplements Boost Type 2 Diabetes Risk


2007/07/17
栄養知識:正しい知識、分かりやすく ベターホーム協会が小冊子
  http://www.mainichi-msn.co.jp/kurashi/kenko/archive/news/2007/07/20070717ddm013100058000c.html
     毎日新聞暮らし健康 2007/07/17 
 テレビ番組などの健康情報に振り回される消費者が増えているなか、正しい知識を身につけてもらおうと、正しい知識を身につけてもらおうと、誤解されやすいダイエットやコレステロール、コラーゲンなど21項目についてQ&A方式で分かりやすく説明した小冊子「あなたの栄養知識 それ、ほんと?読本」を刊行した。

 例えば、「脳によい・頭をよくする食品はある?」という質問に「魚や野菜を多くとる和食は脳の働きによい」と回答。アルツハイマー病の患者に規則正しく魚や野菜を食べてもらったところ、7割の症状が改善したというデータを紹介している。

 また、「アルカリ性食品は体によい」と信じている人は多いが、根拠はないと結論付けている。

 その他「油や脂肪は少ないほどいい」「コラーゲンで肌がきれいに」など、日常的な疑問に丁寧に答えている。  希望者は300円分の切手を同封のうえ、
 〒150-8363 東京都渋谷区渋谷1の15の12 (財)ベターホーム協会栄養知識係へ

(財)ベターホーム協会 > 読本シリーズ   http://www.betterhome.jp/book/tokuhon/tokuhon.php


2007/07/12
任天堂、「バランスボード」で体を鍛える「Wii Fit」発表 
  http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0707/12/news033.html
   ----ITmedia News 2007/07/12
 任天堂は7月11日、米カリフォルニア州サンタモニカで開催のE3 Media & Business Summitで、Wii向けの新ゲーム「Wii Fit」を発表した。「Wii Sports」に続くシリーズで、圧力やバランスを認識しノートPC程度の大きさの「Wii Balance Board(仮)」を使用し、全身を動かしてゲームを楽しめるという。
嗅覚の低下がアルツハイマー病の予測因子に
  http://health.nikkei.co.jp/hsn/news.cfm?i=20070712hj001hj
     NikkeiNet いきいき健康 米国発ニュース 2007/07/12
 米医学誌「Archives of General Psychiatry」7月号に掲載された、米ラッシュRushアルツハイマー病センター(シカゴ)神経心理学教授のRobert S. Wilson氏らの研究によれば、嗅覚の低下が認知障害の初期の徴候である可能性が示された。

 既に軽度の認知障害がある人に嗅覚の低下がみられることは過去に報告されているが、今回の研究では、平均年齢約80歳の高齢者589人を対象に、12種類の匂いを嗅がせ、それぞれ4つの選択肢から同じ匂いを選ばせる嗅覚検査を実施。
 その後、神経機能および認知機能の検査を年1回、5年間行った。研究期間中に117人が軽度の認知障害を発症。嗅覚検査の成績が平均未満の人は、平均以上だった人に比べ軽度認知障害の発症率が50%高かったというこの結果は、アルツハイマー病が脳の特定部位の障害から始まり、それが広がって思考領域を侵していくという考えに一致するものだという。

 米ペンシルベニア大学メディカルセンターのRichard L. Doty氏によると、この検査はすでに臨床の場で利用されており、パーキンソン病およびアルツハイマー病の患者を血縁者にもつ人を対象にこの検査を実施した結果、後に疾患を発症する人には嗅覚の低下がみられることが示されている。鑑別診断にこの検査を利用する神経科医もいるという。

▼原文
 :Dulled Sense of Smell Might Predict Alzheimer's


2007/07/11
メタボ防ぐ善玉ホルモン、脳では悪玉 食欲増進の動き 
  http://www.asahi.com/health/news/TKY200707110429.html
   ----asahi.com 健康 健康・生活 2007/07/11
 10日発行の米科学誌「セル・メタボリズム」に発表された、東大の門脇孝教授(糖尿病・代謝内科)らの研究チームの研究結果によれば、血中でメタボリックシンドロームを防ぐのに役立つとされる善玉ホルモン「アディポネクチン」には、脳の中枢において飢えに備えて脂肪を蓄え、エネルギーの消費を減らす「倹約遺伝子」の機能があるために「悪玉」の働きをしていることを突き止めた。

 血中での作用を高め、脳での作用をブロックできれば、肥満や糖尿病の薬の開発につながるものとして、期待される。


2007/07/09
ヘルシーリポート:こわ〜いピロリ菌 50歳以上で7割感染、胃がんのリスク高く
  http://www.mainichi-msn.co.jp/kurashi/kenko/archive/news/2007/07/20070709ddm010100150000c.html
     毎日新聞暮らし健康 2007/07/09 
 50歳以上では7割近くの人がピロリ菌に感染している。ピロリ菌への感染者は、胃がんになるリスクは約5倍も高くなる。ピロリ菌を取り除く自衛策はあるのかというレポート。

◆乳酸菌ヨーグルト×抗生物質など薬剤 併用で除菌効果
 ピロリ菌と胃がんの関連でも、厚生労働省の研究班が岩手県などの男女約4万人を追跡した調査結果では、胃がんになった人の94%でピロリ菌が認められ、胃がんでない人の75%に比べ高かった。この数字から換算すると、ピロリ菌感染者の1/1000人が胃がんになる計算。一方、胃潰瘍の患者でピロリ菌を除去すると胃がんの発生率が1/3に低下するという研究報告もある。

 ピロリ菌だけが胃がんなどの原因ではないが胃がんの予防には

  1.  喫煙をやめる
  2.  塩分の取り過ぎを控える
  3.  野菜・果物を多く食べるなどバランスのよい食事をする
  4.  運動をする、
などのライフスタイルが基本的に重要だが、専門家の間では「ピロリ菌を取り除くことも予防策になる」との見方が強い。

 では、どうやって除菌するのか。  標準的な除菌方法は、抗生物質や胃酸の分泌を抑える薬など3薬剤の併用治療で約7〜8割の人は成功するが、ピロリ菌の約3割が3剤の一つの抗生物質(クラリスロマイシン)に耐性をもっているために、むやみに抗生物質を使うことが出来ないので、利用しやすいのがプロバイオティクスとなる。
 プロバイオティクスは、腸内の善玉菌を増やすなど細菌バランスを整える乳酸菌などの微生物を指す。

 プロバイオティクスのひとつに、LG21乳酸菌があり、LG21乳酸菌はピロリ菌を粘膜から引きはがす働きがあり、この乳酸菌を含んだヨーグルトも市販されている。ピロリ菌に詳しい古賀泰裕・東海大学医学部教授(感染症学)らがピロリ菌に感染した成人を対象に、LG21乳酸菌入りヨーグルトを2個/日、8週間食べ続けてもらったところ、9割近くの人でピロリ菌が1/10に減り、なかには1/100に減るケースもあった。

 最近は、高木敦司・東海大学医学部教授(総合内科)さんらが行っている薬とヨーグルトの併用療法も注目され始めているという。
最終結果は出ていないが、3剤だけの除菌率が約70%なのに対し、LG21乳酸菌との併用群は約80%、LG21乳酸菌とプラウノトールの併用は約87%と、併用療法の方が効果的なことが分かってきた。


2007/07/07
がん患者の電話相談 
  http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20070709-OYT8T00169.htm
     YOMIURI ONLINE > 医療と介護 > ニュース 2007/07/07 
 「日本サイコオンコロジー学会」が、患者や家族の悩みに関する電話相談「こころのサポートホットライン」を7日に開設した。

  (電)03-5218-4776、4771 午前10時〜午後6時)

日本サイコオンコロジー学会
  http://www.jpos-society.org/


2007/07/02
運動時の水がぶ飲みで、低ナトリウム血症の恐れ 
  http://www.asahi.com/health/news/TKY200707020136.html
   ----asahi.com 健康 健康・生活 2007/07/02
 ジョージタウン大医療センター(ワシントン)のジョセフ・バーバリス教授が、医学誌スポーツメディシン5月号に発表したところによれば、運動する際に水をがぶ飲みし過ぎると、けいれんや呼吸困難といった運動誘発性の低ナトリウム血症(EAH)におそわれかねないと、適度の水分補給を呼びかけている。

 ある年のボストンマラソンでは参加者の約13%がEAHになった。今年のロンドンマラソンでも1人が死亡したという。トライアスロンや軍隊の行軍などでも報告例がある。過去のマラソン大会の調査で、レース中に3リットル以上の水を飲んだ人がEAHになるリスクが高かったという。

 バーバリス教授によれば、「水の代わりに、塩分を含むスポーツ飲料を飲めばEAHを予防できるというのは誤解。スポーツ飲料も飲み過ぎると、やはり水分を取りすぎるリスクがある」と指摘する。



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