とし坊 の読んどきゃ良かった記事情報 Back No.28
主に、おなかに関する記事情報を集めています。
 Menu 

【お願い】
 著作権の関係で、詳細記事へのHyper−Linkの設定は行っておりません。よって、お手数ですが、該当サイトの「記事検索」機能をお使い頂き、「記事タイトル」からキーワードを選んでいただくか、併記していますURL情報を利用していただき、当該記事を検索して頂ければ幸いです。



最新の記事情報」のページヘ


2010/12/17
死亡リスクが最も低いのはBMIが20以上25未満の人々
  http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/nejm/201012/517824.html
     Nikkei Medical Online HOT NEWS 2010/12/17
NEJM誌から〜白人146万人を対象とした分析結果

 米国立がん研究所のAmy Berrington de Gonzalez氏らが、NEJM誌2010年12月2日号に発表した、前向き研究19件のデータの分析によれば、BMI高値、低値のいずれの人々も死亡リスクが高く、健康で喫煙歴がない BMI高値の人々の死亡リスクはより高いことが明らかになったという。

 今回の分析対象としたのは、白人に限定し、19件の研究に登録されていた19〜84歳の白人146万人(年齢の中央値は 58歳、58%が女性)。ベースラインで 85歳以上だった人々は除外し、年齢、研究、身体活動、飲酒量、学歴、既婚か未婚かで調整してCox回帰分析を行った。

 全体では、全死因死亡はベースラインのBMIが22.5〜24.9で最も少く、BMIがそれより小さくなっても、大きくなっても、全死因死亡リスクは上昇した。
 だが、現在の喫煙者と過去の喫煙者を除外し、更にベースラインで癌または心疾患だった人々を除外すると、曲線の形が変化して、BMIが25以上のハザード比は有意に上昇し、最もリスクが低いBMI域が広がり、20.0〜24.9の範囲になった。

 死因は様々だったが、心血管死亡、癌死亡、その他の原因による死亡に分けると、BMIが25.0以上では心血管死亡のリスクが最も高く、BMIが22.5未満では、他の原因による死亡のリスクが最も高かった。

 白人では、過体重と肥満、低体重も、全死因死亡リスクの上昇に関係していた。全死因死亡リスクが最も低かったのは、BMIが20.0〜24.9の人々だった。

 原題:「Body-Mass Index and Mortality among 1.46 Million White Adults


2010/12/10
「タバコの煙に安全レベルなし」、2〜3本でも危険 米報告書
  http://www.afpbb.com/article/life-culture/health/2778616/6568330
     AFP BB News > ライフ・カルチャー >ヘルス 2010/12/10
 12月9日に発表された米公衆衛生局長官報告書の最新版によれば、偶に喫煙するだけの場合や、受動喫煙であっても、循環器やその他の健康障害を招き得るという。

 本報告書によれば、必ずしもヘビースモーカーや長期喫煙者でなくても、喫煙関連疾患に罹ったり、タバコの煙が誘因となる心臓発作やぜんそくの発作は起きる。受動喫煙の低レベルの暴露でも、急速かつ著しく血管内の機能障害、炎症は増加し、心臓発作や脳卒中に関わると警告している。

 この最新版で、タバコの煙には、吸っても安全なレベルはないということが立証されたという。1日の喫煙本数が2〜3本だったり、偶にしか吸わない、或いは受動喫煙といった低レベルの暴露でさえ、心血管事故のリスクを大幅に増加させるに十分だとの証拠も挙げられ、更に、タバコの煙への暴露に対する健康リスクの増加は直線的ではないという新見解も加わったという。


2010/12/09
レシートや紙幣に大量のビスフェノールA、米研究
  http://www.afpbb.com/article/life-culture/health/2778482/6565721
     AFP BB News > ライフ・カルチャー >ヘルス 2010/12/09
 米NPO「Safer Chemicals」「Safer Families」「Washington Toxics Coalition」で作る研究チームは、国内の主要小売店・喫茶店22店舗で受け取る感熱紙レシートを調べたところ、がんや肥満等との関連が指摘されている化学物質ビスフェノールA(BPA)が相当量付着しているとする研究結果を、2010年12月8日に発表した。

 これらのレシートを10秒触っただけで、最大2.5μgのBPAが指に付着し、擦った場合はその付着量が約15倍になったという。指に付着したBPAは、紙幣へも移動していたが、その量はレシートの場合よりもはるかに少なかったという。

 世界保健機関(WHO)は、BPAは体内に蓄積しないという見解を示している一方で、最近の研究で少量のBPAにも健康被害との関連があることが分かってきているとも述べている。


2010/12/08
早期大腸がんを尿検査で発見 従来の方法より高感度
  http://www.asahi.com/health/news/OSK201012080062.html
     asahi.com > 医療・健康 >医療・病気 2010/12/08 
 東京都臨床医学総合研究所の川喜田正夫博士らのグループとバイオベンチャーのトランスジェニック(本社・熊本市)が、尿に含まれる化合物「ジアセチルスペルミン」の量を抗体検査で調べる尿検査にてがんを見つける方法を開発したという。

 既に特許を取得し、国内のメーカーと共同でがん検診用キットを開発しているという。血中のたんぱく質を測る従来の検査に比べて感度が高く、早期の大腸がんで6割以上の高率で見分けることができ、体への負担もないという。  研究グループは、マウスの免疫細胞からこの化合物を特異的にとらえる抗体を作り出すことに成功。この抗体を使って尿にある化合物の量を調べ、早期がんでも見分けられることをがん患者で確かめた。

 従来の大腸がん検査は、便の中に血が混じっていないか、血液中のたんぱく質「CEA」の量を調べ、さらに内視鏡で確認するが、がんが進行していないと見分け難く、早期がんを見分けるのが難しかった。この検査方法は乳がんなどにも使え、今後、他のがん検査に使えるか、治療後の経過観察や再発の有無などを確かめる検査にも使えかを調べるという。


2010/12/02
長寿のためにはαカロテンを多く含む果物、野菜の摂取が望ましい
  http://health.nikkei.co.jp/hsn/news.cfm?i=20101202hj000hj
     NikkeiNet いきいき健康 米国発ニュース 2010/12/02
 医学誌「Archives of Internal Medicine(内科学)」オンライン版11月22日に掲載された、米国疾病管理予防センター(CDC)のChaoyang Li博士らの研究によると、生活習慣・人口統計学的特徴または全般的な健康リスクに関わらず、カロチノイドの一種であるαカロテンの血中濃度が高い人は、生命にかかわる疾患リスクが低いことが判明したという。

 αカロテンおよびβカロテンは共に、身体内でビタミンAに変換され、その過程でβカロテンの効果が高いと考えられているが、今回の研究では細胞のDNAを防御する上ではαカロテンの方が重要な役割を演じているという。

 今回の知見は、果物や野菜を多く摂取すれば早期死亡リスクの低減に有用であるのだが、αカロテンだけを摂取しようとするのではなく、食物から摂取するべきであると、研究者は指摘している。

≪αカロテンを豊富に含む食品≫:

    ニンジン、サツマイモ、カボチャおよび冬カボチャ(winter squash)、マンゴーおよびメロンなどの黄色や橙色の食物のほか、ブロッコリー、サヤインゲン、グリーンピース、ホウレンソウ、カブラナ、コラード、ケール、メキャベツ、キウィ、レタスなどの濃緑色野菜。

▼原文: Eat Your Fruits & Veggies for Longer Life


2010/11/25
抗がん剤使用の5人死亡 厚労省が注意喚起
  http://www.asahi.com/health/news/TKY201011240505.html
     asahi.com > 医療・健康 >医療・病気 2010/11/25 
 抗がん剤の「イレッサ」と「タルセバ」を使った計5人の患者が肝不全や腎不全で死亡していたとして、厚生労働省は使用上の注意を改めるよう製薬会社に指示したという。

 ▼厚生労働省医薬品・医療機器等医薬品等安全性関連情報2010年11月24日 医薬品・医療機器等安全性情報274号


2010/11/17
5つの良好な生活習慣が大腸癌を予防する
  http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/bmj/201011/517431.html
     Nikkei Medical Online HOT NEWS 2010/11/17
海外論文 BMJ誌から

 デンマーク対癌協会のHelene Kirkegaard氏らが、BMJ誌2010年11月6日号に発表した研究によれば、非喫煙・適度な運動・適量の飲酒・大きすぎない腹囲・健康的な食事内容という5要因を満たした生活と大腸癌罹患の関係を調べたところ、こうした生活をすれば、大腸癌罹患が23%減るという。

 著者らはデンマークの93〜97年にDiet, Cancer and Health Cohort Studyに参加したCopenhagenとAarhusに住む5万5487人を対象として、ベースラインで50〜64歳、癌の既往がない男女で、生活習慣や健康状態、社会的な要因などに関する情報や、過去12カ月の各種食品の摂取頻度に関する情報が収集されていた人々に、以下の項目を満たしているかどうかを尋ねて、1項目ごとにYesなら1ポイントを加算した。

  1. 非喫煙者であるか?
  2. 1日に30分以上運動するか、または体をある程度動かす職業に就いているか(郵便配達など)、あるいは身体活動量の多い職業に就いているか?(林業など)
  3. 飲酒量が女性で7ドリンク/週、男性では14ドリンク/週以下か?
  4. 腹囲が女性で88cm未満、男性では102cm未満か?
  5. 健康に良い食事を摂っているか?(以下の4項目の全てが満たされていれば1ポイント)
      • 野菜と果物を合わせて600g/日以上摂取
      • 赤身肉と加工肉は、500g/週以下
      • 食物繊維は、摂取熱量1MJ(239kcal)当たり3g以上
      • エネルギー摂取の総量に占める脂肪由来エネルギーの割合(=脂肪エネルギー比率)が30%以下)
 スコアの合計が、0は「最も不健康」、5は「最も健康」と判断した。

 全員をメラノーマ以外の何らかの癌の診断を受けるまで、または、死亡、転居、もしくは06年4月27日の試験終了まで追跡した。

 55,487人中35,512人(64%)は、非喫煙者だった。32,737人(59%)が、指針が示す限度内の飲酒習慣を持っていた。45,499人(82%)が、指針が示すレベルの運動を行っており、42,170人(76%)の腹囲が指針の範囲内で、1,110人(2%)の食事内容が指針に沿ったものだった。

 生活習慣スコアの結果は、

  •   スコア0〜1 4,570人(8%)、
  •   スコア2  14,173人(26%)、
  •   スコア3  22,428人(40%)、
  •   スコア4  13,806人(25%)、
  •   スコア5    510人(1%) だった。
 スコア5であれば、大腸癌症例の23%(9-37%)は発症を回避できると推定された。
 結腸癌で同様に推定すると、スコアが1ポイント高ければ10%(1-18%)の大腸癌が回避でき、スコア5であれば14%(3-25%)の罹患が避けられたと考えられた。
 直腸癌については、それぞれ9%と13%で、結果は有意にならなかった。

 原題:「Association of adherence to lifestyle recommendations and risk of colorectal cancer: a prospective Danish cohort study


2010/11/11
新しいガイドラインでは癌患者の運動を推奨
  http://health.nikkei.co.jp/hsn/news.cfm?i=20101111hj001hj
     NikkeiNet いきいき健康 米国発ニュース 2010/11/11
 これまでは、癌患者は体力を温存するため、できる限り安静にすることが望ましいとされてきが、現在、癌の治療中・治療後の運動を肯定する科学的根拠が数多く蓄積されてきており、米国スポーツ医学会(ACSM)委員会は癌患者の運動に関するガイドライン(指針)を改訂する予定だという。

 米国スポーツ医学会(ACSM)委員会による結論は、癌患者および癌経験者は、普通の人と同じく週に約150分の中強度の有酸素(エアロビック)運動をするよう努めるべきというもの。負荷トレーニングやストレッチも推奨される。

 2010年6月に開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次集会でこのガイドラインを発表した米ペンシルベニア大学医学部(フィラデルフィア)准教授のKathryn Schmitz氏によれば、治療中の癌患者にとって運動は安全であるだけではなく、数々の便益があり、化学療法や放射線療法に耐えうる体力をつけることにより生存率の向上が期待できるという。

・倦怠感の軽減

     化学療法によって赤血球が減少するため倦怠感がみられることが多いが、有酸素運動をすることにより、倦怠感に対する治療の必要性を軽減することができる。
・筋肉量および骨量の低下を軽減
     化学療法やホルモン療法を受けると筋肉量および骨密度が低下するが、定期的な運動によって癌・癌治療による筋肉量および骨量の低下を軽減できる。
・生活の質の向上
     運動をすると、不安やストレスの軽減など情緒面でも利益を得られ、患者の全般的な快適さが向上する。

▼原文: To Best Fight Cancer, New Guidelines Urge Exercise

中年期にヘビースモーカーだと認知症リスクは2倍超
  http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/etc/201011/517377.html
     Nikkei Medical Online HOT NEWS 2010/11/11
Arch Intern Med誌から

 フィンランドEastern Finland大学のMinna Rusanen氏らが、Arch Intern Med誌電子版に2010年10月25日に発表した研究によれば、50〜60歳時にヘビースモーカーだった人の約20年後の認知症リスクは、非喫煙者の2.14倍、アルツハイマー病(AD)リスクは、2.57倍、脳血管性認知症(VaD)リスクは2.72倍になるという。

 医療保険グループである北カリフォルニアKaiser Permanente Medical Care Programに加入し、1978〜85年に行われた健康診断を受診して喫煙量に関する情報などを提供した人々の中で、年齢が 50〜60歳で、94年の時点で生存しており、引き続きこの医療保険グループに加入していた2万1123人(平均年齢71.6歳)を分析の対象とした。

 認知症の罹患率は、人種間で有意に異なっていて、白人に比べ黒人に多く、東洋人には少なかった。
 認知症リスク上昇は、2箱/日 以上喫煙していたグループで顕著だった。年齢、性別、学歴、人種、配偶者の有無、高血圧、脂質異常症、BMI、糖尿病、心疾患、脳卒中、飲酒で調整して、非喫煙者と比較した認知症リスクを求めたところ、喫煙量が0.5箱/日 未満群の調整ハザード比は1.04(0.91-1.20)、0.5〜1箱/日 群では1.37(1.23-1.52)、1〜2箱/日 群は1.44(1.26-1.64)、2箱/日 以上群は2.14(1.65-2.78)となった。過去の喫煙者のハザード比は1.00(0.94-1.07)で、リスク上昇は見られなかった。

 アルツハイマー病(AD)についても、2箱/日 以上の人々に顕著なリスク上昇が認められた。非喫煙者に比べ、喫煙量が2箱/日 以上の人々の調整ハザード比は、2.57(1.63-4.03)だった。それ以外のグループのリスク上昇は有意でなかった。1〜2箱/日 群は1.18(0.92-1.52)、0.5〜1箱/日 群は1.11(0.90-1.36)、0.5箱/日 未満群は 0.80(0.61-1.06)、過去の喫煙者は1.00(0.89-1.13)。

 1 日に2箱以上喫煙していた人々の認知症リスク上昇は、性別や人種にかかわらず認められた。中年期にヘビースモーカーだった人の約20年後の認知症リスクは非喫煙者の2倍以上で、喫煙の脳への影響は長期にわたると考えられた。

 原題:「Heavy Smoking in Midlife and Long-term Risk of Alzheimer Disease and Vascular Dementia


2010/11/10
砂糖甘味飲料を飲む女性では痛風リスクが高まる
  http://health.nikkei.co.jp/hsn/hl.cfm?i=20101118hk001hk
     NikkeiNet いきいき健康 ハイライト 2010/11/10
 米ボストン大学医学部のHyon K. Choi博士らが、米国医師会誌「JAMA」オンライン版の11月10日に発表した研究によれば、砂糖甘味の炭酸飲料やオレンジジュースなど、果糖(フルクトース)を多量に含む飲料を飲んでいる女性は、痛風リスクが高くなるという。

 果糖を多く含む飲料を摂ると血液中に尿酸が蓄積され、痛風の原因となり易い。
今回の研究は、1984〜2006年に看護師健康調査Nurses' Health Study(NHS)に参加した女性で、研究開始時に痛風の既往のなかった78,906人のデータを分析。22年間で778人が痛風と診断された。

 砂糖甘味の炭酸飲料の摂取量が1カ月に1サービング未満の女性に比べ、1日1サービングを摂取する女性は痛風発症リスクが74%高く、1日2サービング以上摂取する女性は2.4倍高かった。

 ※)serving サービングとは、動詞のserve サーブから来ていて「一食分として食べる量」の意。

 又、オレンジジュースについて、1カ月に1サービング未満しか摂取しない女性に比べ、1日1サービング摂取する女性は痛風リスクが41%高く、1日2サービング以上摂取する女性は2.4倍高かった。

▼原文: Women Who Drink Sugary Beverages Raise Risk of Gout


2010/10/21
ダイエットで脂肪を減らしたければ十分な睡眠を
  http://medical.nikkeibp.co.jp/inc/mem/pub/hotnews/etc/201010/517071.html
     Nikkei Medical Online HOT NEWS 2010/10/21
Ann Intern Med誌10月5日号から

 米Chicago大学のArlet V. Nedeltcheva氏らが、Ann Intern Med誌2010年10月5日号に発表した研究によれば、摂取カロリーを減らしてメタボ解消を狙う減量挑戦者は、睡眠時間を十分に確保しないと、体重は減っても脂肪は減らないという。

 肥満な成人10人を対象にクロスオーバー試験を行い、摂取カロリーを同様に減らしても、睡眠時間8.5時間のグループに比べ、5.5時間に制限したグループでは脂肪の減りが悪く、空腹感も強かったという。

 過去に行われた研究では、摂取カロリーを抑えられた状態で睡眠時間が制限されると、空腹感が強まり、食欲増進ホルモンのグレリンの血中濃度が上昇、食欲を抑えるホルモンであるレプチンの濃度は低下すること、一方、摂取エネルギーが消費エネルギーを上回る状態では、これらホルモンレベルに変化は見られないことが報告されていた。

※)グレリンは、空腹感を引き起こし、体脂肪の利用を抑制して脂肪組織の増大を招く作用を持つ。

 クロスオーバー試験を完了したのは10人(男性が7人)。これらの患者の平均年齢は41歳、BMIの平均は27.4、ベースラインの睡眠時間は平均 7.7時間だった。
 試験期間中の摂取エネルギーは、8.5時間群が1447kcal/日、5.5時間群が1450kcal/日だった。二重標識水法による消費エネルギーは、夫々2136kcal/日と2139kcal/日。14日間の試験終了時の体重減少は夫々2.9kgと 3.0kgで差はなかった。

 この結果から、効率良いダイエットを行いたいなら、一定期間睡眠時間が確保できるタイミングを見計らって開始した方がよさそうだと結んでいる。

 原題:「Insufficient Sleep Undermines Dietary Efforts to Reduce Adiposity

健康的な3つの習慣が乳癌リスクを軽減
  http://health.nikkei.co.jp/hsn/news.cfm?i=20101021hj000hj
     NikkeiNet いきいき健康 米国発ニュース 2010/10/21
 米ロチェスター大学メディカルセンター(ニューヨーク)家庭医学准教授のRobert Gramling博士らが、医学誌「Breast Cancer Research(乳癌研究)」10月12日号に発表した研究によれば、特定の“乳房に健康的な”生活習慣を維持する閉経後の女性は、近親者に乳癌患者がいる場合であっても乳癌リスクを軽減できるという。

 その“乳房に健康的な”3つの生活習慣とは・・・

  1. 定期的に運動をする。(定期的な運動とは心拍数を上げる20分間の運動を5回/週以上実施するもの)
  2. 正常な体重を維持する。(正常体重はボディマス・インデックス(BMI)が18.5〜25とした。)
  3. アルコールの摂取を適量に抑える。(適度なアルコール摂取の定義は、7/週杯未満)
 研究は、1993年に開始された「女性の健康イニシアチブ(WHI)」研究に参加した50〜79歳の米国女性のデータを分析。 5.4年の追跡期間中、1,997人の女性が浸潤性乳癌であると診断された。乳癌の既往歴のある女性および遺伝的要素の強い若年性(early- onset)乳癌(45歳未満で診断されたもの)の家族歴のある女性は除外した。

 その結果、晩期発症型乳癌の家族歴のある女性では、3つの習慣をすべて守っている人の年間の乳癌発症率が1,000人に6人であったのに対して、どの習慣も守っていなかった女性では年間1,000人に約7人であった。家族歴のない女性では、この習慣を守っている人は年間 1,000人に3.5人が乳癌と診断されたのに対し、いずれも守っていなかった女性は年間1,000人に4.6人であった。

 米国癌協会(ACS)の乳癌リスク軽減のガイドラインは、アルコール摂取を1杯/日未満に抑えること、健康的な体重を維持すること、45〜60分の「意図的な運動」を5日/週以上することが推奨されており、このACSのガイドライン通りに運動量を増やせば、今回の研究よりリスク軽減効果はさらに増大するだろうとのこと。

▼原文: Three Healthy Habits Cut Breast Cancer Risk, Study Finds


2010/10/19
カゴメと近畿大学、ラブレ菌に過敏性腸症候群(IBS)の症状を改善する効果を確認
  http://www.mylifenote.net/009/ibs.html
     マイライフ手帳@ニュース > その他ニュース 2010/10/19
 カゴメと近畿大学医学部堺病院の村上佳津美先生らが、3rd ASM Conference on Beneficial Microbes(第3回アメリカ微生物学会・有用微生物会議 10月25〜29日、ハイアットリージェンシー・マイアミ[米国])で発表するところによれば、Lactobacillus brevis KB290(以下、ラブレ菌)の摂取によって、過敏性腸症候群(以下IBS)の症状が改善することを明らかにした。

 過敏性腸症候群(IBS)は、下痢や便秘を繰り返す腸の病気で、ストレスや環境、腸内菌叢の乱れが関係していると考えられており、ラブレ菌は便通改善効果と腸内菌叢改善効果があるプロバイオティクスであることが明らかになっているため、小児を含むIBS患者に対して、ラブレ菌の有効性を明らかにするヒト試験を行ったもの。

 ▼カゴメニュースリリース(2010年) >「ラブレ菌に過敏性腸症候群(IBS)の症状を改善する効果が期待 〜カゴメ、近畿大学医学部堺病院の共同研究〜


2010/10/12
夜間に光に当たり過ぎると体重が増えやすい、米研究
  http://www.afpbb.com/article/life-culture/health/2765900/6317081
     AFP BB News > ライフ・カルチャー >ヘルス 2010/10/12
 米オハイオ州立大(Ohio State University)の研究チームが、米科学アカデミー紀要(Proceedings of the National Academy of Sciences、PNAS)の10月11日版に発表したマウスを使った研究によれば、夜間に光に当たり過ぎると体重増加につながる可能性があるという。

 研究は、マウスを3グループに分け、「24時間明るい部屋」、「16時間明るく8時間暗い部屋(通常の昼夜のサイクル)」、「16時間明るく8時間薄明かりにする部屋」のいずれかに8週間置いた。
 その結果、夜間薄明かりの環境下に置かれたグループのマウスの体重は、通常の昼夜のサイクルに置かれたグループに比べて、1週目から著しく増加し、その傾向は実験期間を通じて変わらず、このグループの実験終了時の平均体重増加率は約12gと、通常の昼夜のサイクルに置かれたグループ(実験終了時に平均8g増)より約50%も多く、24時間明るい環境下に置かれたグループの体重増加率も、通常のサイクルに置かれたグループよりは多かった。

■「食べるタイミング」が重要
 食べた餌の量は、他のグループのマウスと変わらなかったが、食べるタイミングが変化し、夜間に食べる頻度が増えたので、食べるタイミングが体重増加に大きく関わっていると考えられることから、更に「活動する時間帯に餌を与える」グループと「休息する時間帯に餌を与える」グループに分けて実験を行った結果、夜間薄明かりの環境下に置かれ、活動する時間帯に餌を与えられたグループの体重増加率は、その他の「活動する時間帯に餌を与えられた」グループとさほど変わらなかったことより、食事をいつとるかが体重の増加に大きく影響すると推測される。

■夜間の活動で食べるタイミングが変化
 これまでの研究では、コンピューターの使用とテレビ視聴の時間が長くなることと肥満とは関連があるとされて、運動不足に関連付けられることが常だったが、夜間にコンピューターを頻繁に使う人、夜間にテレビを長時間みる人は、誤った時間帯に食事をして代謝作用を混乱させている可能性があるという。


2010/10/08
もの忘れと認知症/ 野菜、運動、勉強で予防を
  http://mainichi.jp/life/health/archive/news/2010/10/20101008ddm013100157000c.html
     毎日新聞  ライフスタイル > 健康 > アーカイブ  2010/10/08 
認知症予防5カ条とは?

 脳に病変が生じてから認知症を発症するまで20年以上かかるといわれており、病変により神経細胞が減り始めても、残った神経細胞を使って脳の「余力」を引き出せば、発症を遅らせることができるため、「認知症予防は生活習慣病とほとんど変わらないというのが定説になりつつあるという。

 埼玉医大総合医療センターの大貫学医師が、高齢者約1200人を約20年間追跡調査し、その結果から予防法を纏めた。

■認知症予防5カ条

  1. 十分な野菜を摂る
      毎日サラダボウル1皿分の生野菜を食べる。
      時間がなければジュースやサプリメントでも可だが、
      美しく盛りつけて食べることが脳への刺激になる。
  2. 水は毎日1.5L以上飲む
      夜間のトイレが気になる人は、午後4時までに約1.2L飲む。
  3. 1日おきに60分以上の運動を
      運動量の目安は「1日おきに60分以上汗をかく」。
      運動の種類は問わないが、ひざや腰にあまり負荷をかけずに、
      筋力がつく水中ウオーキングがお勧め。
  4. 毎日、新聞の見出しを10個覚える   生活習慣病予防との違いは脳を使う「勉強」が大切
      朝10項目のニュースの見出しを選び、夕食後、新聞を開かず思い出す。
  5. たばこを吸わない。周囲も禁煙
  6. 番外 週3回、家族以外とのコミュニケーションを取る

2010/10/04
昆布ぬめりでインフル予防
  http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=31629
     yomi Dr. > ニュース > 医療ニュース 2010/10/04 
 「タカラバイオ」(大津市)は、富山大の林利光教授との共同研究で、北海道の函館近海に生育するガゴメ昆布から取れるぬめり成分「フコイダン」に、インフルエンザウイルスを予防する効果があることをマウスを使った動物実験で確認したと発表した。

 抗インフルエンザウイルス剤タミフルに耐性のある新型インフルエンザウイルスについても効果が期待できるという。


2010/09/09
ビタミンBに脳萎縮の抑制効果、アルツハイマー病予防に期待
  http://www.afpbb.com/article/life-culture/health/2754224/6160421
     AFP BB News > ライフ・カルチャー >ヘルス 2010/09/09
 英オックスフォード大学(Oxford University)とノルウェーの研究チームらが、米科学誌「Public Library of Science ONE」に発表したところによれば、毎日多量のビタミンBを摂取することで、アルツハイマー病(Alzheimer's)の兆候の1つである脳の萎縮の速度を最大で半分に抑え、発病を遅らせたり予防したりできる可能性があるという。

 調査は、2年間にわたり軽度認知障害(MCI)と診断された70歳以上のボランティア168人を対象に実施され、被験者の半分には高濃度のビタミンB(葉酸、B6、B12)の錠剤を投与し、脳萎縮を調べた。残りの被験者には薬効のないプラシーボ(偽薬)が使用された。
 ビタミンを摂取した被験者の脳萎縮の進行は、平均で30%、最大で53%遅くなったことが確認されたという。

但し、研究で使ったビタミンBは通常の食事やサプリメントに含まれるより大幅に高濃度だったことで、長期間摂取した場合の影響が分かっていないため、この研究を鵜呑みにし、大量のビタミンBを摂取しないよう呼びかけているという。

≪筆者コメント≫:
 サプリメントで多量のビタミンを摂取すると云うことではなく、日頃から、ビタミン類を意識的に摂取することでアルツハイマー病を予防できると云う風に理解すれば良いのではないでしょうか・・・。

2010/08/31
食事の前に水、コップ2杯で減量効果 米化学会で発表
  http://www.asahi.com/health/news/TKY201008300103.html
     asahi.com > 健康 >健康・生活 2010/08/31 
 米バージニア工科大のブレンダ・デービー博士らが、2010年8月26日までボストンで開かれた米化学会で発表したところによれば、食事の前に水をコップ2杯飲むだけで、減量に効果があるという。

 実験は、55〜75歳の48人を2グループに分け、1グループには 3回/日 の食事前にコップ2杯(約470cc)の水を飲んでもらった。両グループとも、食事制限による12週間の減量プログラムに参加、終了後、食前に水を飲み続けたグループは7Kg減量したが、水を飲まなかったグループの減量は5Kgだった。

 食前に飲むのは水でなくてもいいが、砂糖がかなり含まれるジュースなどは勧めていない。


2010/08/27
癌予防にはサプリメントよりも健康的な食事を
  http://health.nikkei.co.jp/hsn/hl.cfm?i=20100902hk000hk
     NikkeiNet いきいき健康 ハイライト 2010/08/27
 大規模研究の「女性健康調査(Women's Health Study)」及び「医師健康調査II(Physician's Health Study II)」によれば、ビタミンE及びビタミンCには癌予防効果が無いことが示されており、他の研究でも、一部のサプリメントが身体の栄養バランスに影響を及ぼし、癌リスクを増大させる可能性も示されていることより、米テキサス大学M.D.アンダーソンメディカルセンターのSally Scroggs氏は、「丸薬、カプセル、錠剤、液剤などによってミネラルやハーブ等の植物成分を摂取することが、本当に癌の予防になるかは未だ確証がなく、野菜、果物、全粒穀類、豆類を多く食べれば、癌などの疾患リスクの軽減に必要な繊維・ビタミン・ミネラルなどの栄養を摂取することができる。錠剤では健康的な食事の代わりにはならない」と述べている。

 一方、食物アレルギー、遺伝性疾患または慢性疾患のために十分な栄養を摂取できない場合などは、サプリメントの利用が有益であるという。妊娠中または授乳中の女性、ビタミンD欠乏症または骨粗鬆症のリスクのある人、50歳以上で動物性食品を一切摂取しないベジタリアンなど、B-12欠乏症のリスクのある人がこれに該当するという。

▼原文: Food Better Than Supplements for Cancer Prevention: Expert


2010/08/22
2型糖尿病予防には緑色の葉もの野菜が有効、英研究
  http://www.afpbb.com/article/life-culture/health/2749731/6094501
     AFP BB News > ライフ・カルチャー >ヘルス 2010/08/22
 英レスター大学(University of Leicester)のパトリス・カーター(Patrice Carter)氏率いる研究チームが、英医学誌「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル(British Medical Journal、BMJ)」の8月20日版に発表したところによれば、果物や野菜の摂取と2型糖尿病との関係を扱った研究6件(対象患者数は計22万人以上)を分析した結果、ホウレンソウなどの緑色の葉もの野菜の摂取量が増えると糖尿病のリスクが減少することが分かった。一方で、果物と共に摂取すると効果があまりないことも分かった。

 研究チームは、抗酸化物質とマグネシウムが豊富であることから緑色葉野菜の有効性を指摘している。

 2型糖尿病は、糖尿病の最も一般的な型で、脂肪・糖類過多の食生活やデスクワークなどの普及と共に、先進国から新興国にかけて広がりを見せている。

≪筆者コメント≫:
 全てのサプリメントが効かないかということでは無いと思います。サプリメントの製法等まで考慮して、効果がある良質のものもあるので、そう云うものを選ぶ目を持つことも、必要だと云うことだと思います。

2010/08/16
ノート型パソコン使用による身体的損傷に注意
  http://health.nikkei.co.jp/hsn/hl.cfm?i=20100826hj001hk
     NikkeiNet いきいき健康 ハイライト 2010/08/16
米ノースカロライナ大学(UNC)チャペルヒル校医学部のKevin Carneiro博士らの研究グループが、ノート型パソコンのビーユーザーは、姿勢の悪さが促進され、頭痛・筋肉の損傷をはじめ消耗性の首・肩・手の障害を引き起こす可能性があると注意を呼び掛けているという。

 ノート型パソコンにおけるキーボードとモニターの一体型構造上、指と身体の位置が良くないと手首の神経損傷や手根管症候群の原因となり、首の位置や肩の姿勢が悪いとその部分の筋損傷や痛みを引き起こすことにつながり、徴候としては頭痛、手首の痛み、手指のうずき、首や肩の痛みなどの形で現れるという。

対策:

  •  ノートPCを使用するときは、肘・膝および腰の角度が90°になるようにする。
  •  正しい姿勢が取れるよう、外部モニターや外付けキーボードを利用する。
  •  ドッキングステーションを用いて、首を曲げずにスクリーンを見られるよう調整する。
  •  背もたれのついた調節可能な椅子を選ぶ。
  •  首を曲げずにすむようにスクリーンの傾きを調節し、手首が自然な位置になるようマウスを置く。
  •  約20分ごとにこまめに休憩する。
  •  十分に水分を摂ることで、椎間板の潤いが保たれる。

▼原文: Students Warned to Beware of 'Laptop-itis' / Computer design can lead to injuries in heavy users, but simple steps can minimize risk, expert advises


2010/08/11
薬剤耐性示す細菌の遺伝子、南アジアから世界に拡散の恐れ
  http://www.afpbb.com/article/life-culture/health/2747390/6064750
     AFP BB News > ライフ・カルチャー >ヘルス 2010/08/11
 インドを中心とする南アジアで、形成外科手術や美容整形術を受けた人が、薬剤耐性の高い細菌に感染する例が増えているという。

 8月11日の英医学専門誌「The Lancet」に掲載されたカーディフ大学とインド・マドラス大学(Madras University)による研究において、異なる種の細菌を行き来できるNDM-1(New Delhi metallo-beta-lactamase-1)という遺伝子を持つ細菌の感染例が報告された。
 インドで疑わしい症状を示した入院患者を調査したところ、インド南部のChennaiで44人(検査した患者の1.5%)、北部のHaryanaで26人(同8%)の感染者が見つかった。さらにバングラデシュとパキスタンに加え、英国でも37人が感染していることが分かった。英国の感染者の一部は、最近、インドあるいはパキスタンで美容整形手術を受けていたという。

 異なる種の細菌を行き来できるNDM-1(New Delhi metallo-beta-lactamase-1)という遺伝子は、英カーディフ大学(Cardiff University)のTimothy Walsh氏が、2009年に、肺炎桿菌(クレブシエラ菌)と大腸菌の2種類の細菌を行き来できることを初めて特定したもので、保菌者はインドの病院で手術を受けたスウェーデン人だった。

■他のサイトの関連記事

市中感染の懸念も国内に治療薬はなし
 多剤耐性菌で厚生労働省が事務連絡
  http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/int/201008/516412.html
     Nikkei Medical Online HOT NEWS 2010/08/23

2010/08/10
胴回りが大きい人ほど病死の確率が高い、米研究
  http://www.afpbb.com/article/life-culture/health/2747146/6061814
     AFP BB News > ライフ・カルチャー >ヘルス 2010/08/10
 米国がん協会(American Cancer Society)の研究チームが、50歳以上の男性4万8500人、女性5万6343人について、胴回りと病死の関連性を調べ、その結果を8月9日、米国医師会(American Medical Association、AMA)の内科専門誌「Archives of Internal Medicine」に発表したところによれば、肥満の有無に関係なく、胴回りが男性で120cm以上、女性で110cm以上の人では、何らかの病気で死ぬ確率が約2倍高いという。

 標準体重か、過体重か、肥満かは関係なかった。胴回りが非常に大きな人の死因で最も多かったのは、呼吸器疾患で、心疾患とがんの順となった。

■内臓脂肪が原因か
 これまでの研究では、大きい腰回りと心臓病、炎症性疾患、インスリン抵抗性、高い血中コレステロール、2型糖尿病の間に関連性があることが示されており、胴回りが大きいと内臓脂肪も多くなり、病気にかかりやすくなる可能性がある為で、内臓脂肪は皮下脂肪よりも健康への悪影響が大きいと考えられる。


2010/08/05
ビタミンD欠乏の高齢者は認知機能低下が早い
  http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/etc/201008/516249.html
     Nikkei Medical Online HOT NEWS 2010/08/05
Arch Intern Med誌から

 英Exeter大学のDavid J. Llewellyn氏らが、Arch Intern Med誌2010年7月12日号に発表した研究によれば、ビタミンDが欠乏している高齢者は、ビタミンDが充足した高齢者に比べて認知機能の低下が有意に早いという。

 ビタミンDは、骨折や様々な慢性疾患に関係することが知られているが、認知機能の低下との関係を調べた研究は、これまでなかった。著者らは、血清25ヒドロキシビタミンD低値が認知機能の低下と関係しているか、集団ベースのInCHIANTI試験に登録された患者を分析調査した。

 InCHIANTI試験は、老後の障害に関係する危険因子を同定する目的で、イタリアで計1154人を登録、98年〜06年まで追跡。今回の研究は、3年ごとの認知機能の評価を1回以上受けていた858人を分析対象としたもの。

 血清ビタミンD値に基づいて対象者を以下の4群に分けた。重症のビタミンD欠乏症(25nmol/L未満)、ビタミンD欠乏症(25nmol/L以上〜50nmol/L未満)、ビタミンD不十分(50nnom/L以上〜75nmol/L)、ビタミンD充足(75nmol/L以上)。
 認知機能は、 MMSE、Trail-Making Test(TMT)AとBを用いて、ベースラインと3年後、6年後に評価。MMSEにおいて3ポイント以上低下した場合を認知機能低下と判定した。 TMT-AとTMT-Bでは、試験終了までに要した時間が長いほど認知機能が低いと判定されるが、ベースラインと比較した所要時間の延長幅が大きい方から 10%に分類された高齢者、または、試験を終了できなかった人々を認知機能低下と判定した。

 ベースラインの認知機能検査でも、その時点の血清ビタミンD値が低いほど認知機能が低いことが示唆され、ビタミンD充足群に比べ重症欠乏群では、MMSEのスコアは、0.3ポイント/年 多く低下していた。
 血清ビタミンD充足群に比べ、重症欠乏群では、MMSEによる認知機能低下のリスクは1.6倍だった。
TMT-Bにおいても、充足群に比べ重症欠乏群が認知機能低下と判定されるリスクは1.31倍だった。
TMT-Aの結果は、ビタミンD値と有意な関係を示さなかった。

 ベースラインで認知症ではなかった829人に限定して分析しても、上記の結果は変化せず、高齢者の血清ビタミンD低値は、6年間の認知機能の低下と有意に関係していたというもので、今後の研究で血清ビタミンDが、認知機能に直接影響を与えることが明らかになれば、認知症に対する新たな治療法と予防法開発に向けた可能性が広がるだろうと結んでいる。

 原題:「Vitamin D and Risk of Cognitive Decline in Elderly Persons


2010/08/02
「7時間睡眠」が心疾患リスク遠ざけるカギ、米調査
  http://www.afpbb.com/article/life-culture/health/2745262/6037358
     AFP BB News > ライフ・カルチャー >ヘルス 2010/08/02
米ウエストバージニア大(West Virginia University)医学部の研究チームが、睡眠時間と心疾患の関係を調査するため、2005年の成人3万人以上の健康診断のデータを分析した結果を、8月1日の米睡眠専門家協会(APSS)の機関誌「SLEEP(睡眠)」に発表したところによれば、昼寝を含めた1日当たりの睡眠時間が7時間より多くても、少なくても、心疾患リスクを増大させるという。尚、短すぎる睡眠は狭心症と関連するが、心臓発作は、短すぎる睡眠と長すぎる睡眠の両方に関連するという。

 昼寝を含めた1日当たりの睡眠時間が5時間未満の人では、狭心症、冠動脈性心疾患、心臓発作と診断されるリスクが2倍以上になったが、一方、睡眠時間が7時間を超える場合も心疾患リスクは上昇し、例えば、1日当たり9時間以上の人は、7時間睡眠の人よりも、心疾患リスクが1.5倍だった。

 最もリスクが高かったのは、1日当たり5時間以下で年齢は60歳未満の集団で、1日7時間寝る人に比べ、心疾患リスクは3倍以上という。また1日の睡眠時間が5時間以下の女性では、心疾患リスクは2.5倍以上に跳ね上がるという。

■考えられる理由:
 睡眠時間が内分泌腺と代謝機能に影響を及ぼすため、睡眠が短いと耐糖能が損なわれ、インスリン感受性が鈍って血圧が上がる可能性があり、これら全てが動脈を硬化させると考えられるという。


2010/07/30
テロメア長が短い人は癌罹患と癌死亡のリスクが高い
  http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/jama/201007/516147.html
     Nikkei Medical Online HOT NEWS 2010/07/30
JAMA誌2010年7月7日号から

 オーストリアInnsbruck医科大学のPeter Willeit氏らが、JAMA誌2010年7月7日号に発表した研究によれば、染色体の末端にあるテロメアの短縮は、染色体を不安定にし癌化のリスクを高める可能性があるというもので、テロメア長と癌罹患、癌死亡の間に有意な関係を見い出したという。

 イタリアBruneckの住民の中から40〜79歳の人々1000人を無作為に選び、5年ごとに調査した。95年の評価で癌ではなかった人のうち、05年までの癌の罹患と癌による死亡に関する情報が得られた787人を対象に行われた(対象となる癌は、メラノーマ以外の皮膚癌を除く全ての癌)。

 ベースラインの白血球のテロメア長は、Cawthon氏らが開発した方法を用いて、定量的PCRにより測定した。テロメア長は、T/S(テロメアの繰返配列のコピー数/単一遺伝子のコピー数)比で表した。

 全員のベースラインのテロメア長(T/S比)の平均は、1.48(1.43-1.54)。癌罹者群の平均は1.12(1.02-1.23)で、非罹患者の1.53(1.47-1.59)に比べ短かった。
 ベースラインのテロメア長に基づいて登録者を3分し、短いグループ(264人)のテロメア長は 0.78(0.76-0.80)、中間グループ(258人)は1.30(1.28-1.32)、長いグループ(265人)では 2.36(2.27-2.45)となった。
 短いグループの47人、中間グループの32人、長いグループの13人が癌に罹患していた。

 テロメア長が短いことと有意な関係を示す要因は、高齢、性別男性、糖尿病、身体活動が少ない、高感度CRP高値などが同定され、これらと、社会的な地位、喫煙歴、飲酒などで調整してCox回帰分析を行ったところ、ベースラインのテロメア長が短いことは、独立した癌罹患の危険因子であることが明らかになったという。

 テロメア長が長いグループに比べると、テロメア長が短いグループの癌罹患リスクは3.11倍、中間グループでは2.15倍(1.12-4.14)だった。

 癌死亡について、癌死亡は44人で、テロメア長が長いグループは2人、中間グループが14人、短いグループが28人だった。1000人-年当たりの死亡率は、全体では6.2(4.6-8.3)、長いグループは0.8、中間グループは6.0、短いグループでは、12.9となった。

 原題:「Telomere Length and Risk of Incident Cancer and Cancer Mortality


2010/07/29
座っている時間が長いほど寿命が短い
  http://health.nikkei.co.jp/hsn/news.cfm?i=20100729hj000hj
     NikkeiNet いきいき健康 米国発ニュース 2010/07/29
 米国癌協会(ACS)のAlpa Patel博士らが、医学誌「American Journal of Epidemiology(疫学)」オンライン版・7月22日号に発表したところによれば、(ACS)による癌予防研究II(Cancer Prevention II)に参加した特に病歴のない成人12万3,216人(男性5万3,440人、女性6万9,776人)への質問表の回答を分析し、被験者を 1993〜2006年の14年間追跡・調査した結果、座って過ごす時間が長いほど平均寿命が短くなるという。

 今回の研究では、癌よりも心疾患で死亡する人の比率が高かった。BMIおよび喫煙などのいくつかの危険因子(リスクファクター)について調整した結果、1日6時間を座って過ごす人は、座る時間が3時間未満の人に比べて死亡リスクが女性で37%、男性で17%高かった。
 1日当たり僅かでも運動をすれば、座っていることによる死亡リスクが軽減される傾向がみられたが、運動を考慮に入れても死亡リスクへの影響は依然として有意なものであったという。

 一方、長時間座って過ごし、かつ運動や体を動かすことをしない人は、更に死亡リスクが高く、女性では94%、男性では48%高くなると云う。

 筋肉、特に脚の筋肉を動かさないと、さまざまなホルモンの分泌が変化し、中性脂肪、コレステロールなど、心疾患やその他の疾患のマーカーに影響があるためと推測される。

▼原文: The Longer You Sit, the Shorter Your Life Span: Study


2010/07/27
日本人の平均寿命過去最高に、女性86.44歳 男性79.59歳
  http://www.afpbb.com/article/life-culture/health/2743437/6014722
     AFP BB News > ライフ・カルチャー >ヘルス 2010/07/27
 厚生労働省が、7月26日に発表したところによれば、2009年の日本人の平均寿命が、女性が86.44歳、男性が79.59歳と、共に過去最高となった。

 '08年比で、女性は4ヵ月以上、男性は約3カ月伸びた。

 女性の平均寿命は、2位は香港の86.1歳、3位はフランスの84.5歳。男性は、1位はカタールの81歳、2位は香港、アイスランド、スイス、日本は第5位。

 ▼厚生労働省報道発表資料 2010/07月>「平成21年簡易生命表の概況について


2010/07/22
ビーチパラソル利用に思わぬ落とし穴、紫外線の34%が「素通り」
  http://www.afpbb.com/article/life-culture/health/2742273/5996125
     AFP BB News > ライフ・カルチャー >ヘルス 2010/07/22
 スペイン・バレンシア大(University of Valencia)の研究チームが、医学誌「Photochemistry and Photobiology(光化学と光生物学)」の7/19の週に出版された号に発表したところによれば、ビーチパラソルでは、皮膚がんや白内障などの原因になる太陽の紫外線を期待するほど防げないという。

 半径80cm、高さ1.5mの青と白で塗られたキャンバス地のビーチパラソルの下に、紫外線センサーを置いて測定した結果、太陽からの直接放射はほぼ全てが遮断できていたが、横から侵入する拡散放射(全紫外線の34%に相当する)には無防備であることが判ったという。

 このことより、ビーチパラソルの下に隠れる際にも、日焼け止めや帽子、衣服などで紫外線対策は必要のようだ。


2010/07/15
パーキンソン病リスク減、ビタミンDに効果ありか フィンランド研究
  http://www.afpbb.com/article/life-culture/health/2741060/5967696
     AFP BB News > ライフ・カルチャー >ヘルス 2010/07/15
 フィンランドの国立保健福祉研究所のチームが米医学誌「アーカイブス・オブ・ニューロロジー(Archives of Neurology)」 7月号に発表した研究報告によれば、ビタミンDの摂取量が多いとパーキンソン病のリスクが下がることには関連性があるという。

 フィンランドの研究は、パーキンソン病に罹っていない同国の50〜79歳の男女3173人を対象に、1978〜2007年の29年間追跡し、研究終了までに50人がパーキンソン病を発症した。
 研究結果を運動量や肥満度指数といった関連性が考えられる要因を調整した上で、体内のビタミンD量が多かった上位1/4のグループと、少なかった下位1/4のグループを比較すると、体内のビタミンD量が多かったグループのほうが、パーキンソン病発症率が67%低かったというもの。

 ビタミンDは、抗酸化活性を通じて脳を保護する作用があるほか、カルシウムレベルの調整や、解毒作用、免疫システムの調整作用、ニューロンの電子回路を強化する働きがあるという、従来より示されていることを、その理由としている。

 ビタミンDは、太陽光の紫外線に当たることによって体内で作られるほか、少量は食事からも摂取でき、骨の健康に重要な役割を果たしていて、がんや心疾患、2型糖尿病の発症リスク低下とも関連性があると考えられている。

バイオガイアジャパン、第11回国 国際統合医学会で抗菌作用を発表
  http://www.data-max.co.jp/2010/07/18_30.html
     Net IB News 企業・経済ニュース一覧 企業ニュース 2010/07/15
 バイオガイアジャパン(株)(広島県広島市)は、2010年7月17〜18日に開催される第11回国際統合医学会学術集会において、ヒト由来のプロバイオティクスであるL.reuteri菌の病原性腸内細菌に対する抗菌作用を発表する。
 L.reuteri菌は、ヒトの腸管内に棲息する嫌気性の腸内細菌の一種。同社は、4種のL.reuteri株より生産された「ロイテリン」について微生物学的活性を評価したところ、抗菌因子がL.reuteriにより産生され、様々な因子は「ロイテリン」と共に相互的に病原性腸内細菌を抑制する作用があることを確認したという。

「ロイテリン(3-ヒドロキシプロピオンアルデヒド)」とは・・・・一部の乳酸菌などの微生物によってグリセロールの代謝産物として生産される物質

 ▼ バイオガイアジャパン株式会社・研究開発と情報公開


2010/07/08
寿命を予測する遺伝子変異体が判明
  http://health.nikkei.co.jp/hsn/news.cfm?i=20100708hj001hj
     NikkeiNet いきいき健康 米国発ニュース 2010/07/08
 米ボストン大学医学部准教授のThomas Perls博士らが、米国立加齢研究所(NIA)および米国立心肺血液研究所(NHLBI)の資金提供により実施した研究報告が、米科学誌「Science」オンライン版に7月1日に発表された。この研究によれば、100歳まで生きられるかどうか77%の正確さで予測できる一連の遺伝子配列が判ったと云う。

 先進国の平均寿命は80〜85歳で、100歳まで生きる人は約1/6,000人、110歳を超える人は1/700万人にすぎない。 100歳以上の人は世界で常に約8万人生存しており、その多くは女性だという。

 今回の研究では、Perl氏が率いる「ニューイングランド長寿研究(New England Centenarian Study)」に参加する100歳以上の1,055人および対照群1,267人を対象に、ゲノムワイド関連解析を実施した結果、150種類の一塩基変異多型(SNP)を含む遺伝子モデルにより、77%の正確さで寿命を予測することができたという。
 残りの23%は、環境や生活習慣などの因子や、現時点でまだわかっていない遺伝的因子によるものだという。  また100歳を超える人の90%が、さまざまな「例外的長寿」と相関のみられる19種類の「遺伝子シグネチャー(genetic signature: 遺伝子特性)」を持つことが判明した。意外なのは、長寿の人は疾患になり易い遺伝子を持たないわけではなく、疾患に関連する変異体の影響を打ち消す長寿関連変異体を豊富に持つこともわかったという。

▼原文: Scientists Spot Gene Variants That Predict Longevity



●2010.01〜2010.06 記事情報(バックナンバー27)へ
●2009.07〜2009.12 記事情報(バックナンバー26)へ
●2009.01〜2009.06 記事情報(バックナンバー25)へ
●2008.07〜2008.12 記事情報(バックナンバー24)へ
●2008.01〜2008.06 記事情報(バックナンバー23)へ
●2007.07〜2007.12 記事情報(バックナンバー22)へ
●2007.01〜2007.06 記事情報(バックナンバー21)へ
●2006.07〜2006.12 記事情報(バックナンバー20)へ
●2006.01〜2006.06 記事情報(バックナンバー19)へ
●2005.07〜2005.12 記事情報(バックナンバー18)へ
●2005.01〜2005.06 記事情報(バックナンバー17)へ
●2004.07〜2004.12 記事情報(バックナンバー16)へ
●2004.01〜2004.06 記事情報(バックナンバー15)へ
●2003.07〜2003.12 記事情報(バックナンバー14)へ
●2003.01〜2003.06 記事情報(バックナンバー13)へ
●2002.07〜2002.12 記事情報(バックナンバー12)へ
●2002.01〜2002.06 記事情報(バックナンバー11)へ
●2001.07〜2001.12 記事情報(バックナンバー10)へ
●2001.01〜2001.06 記事情報(バックナンバー9)へ
●2000.07〜2000.12 記事情報(バックナンバー8)へ
●2000.01〜2000.06 記事情報(バックナンバー7)へ
●1999.06〜1999.12 記事情報(バックナンバー6)へ
●1998.08〜1999.05 記事情報(バックナンバー5)へ
●1997.10〜1998.07 記事情報(バックナンバー4)へ
●1997.01〜1997.09 記事情報(バックナンバー3)へ
●1996.01〜1996.12 記事情報(バックナンバー2)へ
●   〜1995.12 記事情報(バックナンバー1)へ




新着・更新情報