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2009/06/24
ビタミンCは抗がん剤よりも効果が大きい?
  http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/1262
     Japan Business Press > コラム[医療最前線] 2009/06/24 
 健康増進クリニック院長の水上治氏著『超高濃度ビタミンC点滴療法』(PHP研究所)に紹介されている新しいがん治療について

▼辛抱強く投与すれば副作用なくがん細胞を峻別攻撃

 ビタミンCに抗がん作用があることは、かなり昔から言われていた。ノーベル化学賞と平和賞を受賞したライナス・ポーリング博士が発表した1976年の論文は、下記のようなもので驚異的だった。

     治療不能の進行がん患者100人に、毎日10gのビタミンCを投与し、投与されないがん患者(コントロール群)1000人の生存日数と比較。500日の時点でコントロール群1000人全員が死亡したのに対し、ビタミンC群は11/100人が生存。平均生存日数は、ビタミンC群がコントロール群の4.2倍もあった。最終的に、ビタミンC群はコントロール群に比べ300日以上長く生存した。
 というもので、こうした貴重な事実が世界に浸透しなかったのは、米国のメイヨー医科大学が「効果がない」とする臨床結果を発表した為だった。後年、メイヨー医大の実験には問題点があったことが発覚。ビタミンCの血中濃度を高めるためには「点滴」が必要だったにも関わらず「内服」で行われていたというものだった。

▼過酸化水素ががん細胞を殺す

 なぜ、ビタミンCががん細胞を殺すのか? ビタミンCは抗酸化物質だが、自分が酸化されるプロセスの中で過酸化水素を大量に発生し、これががん細胞を殺傷することが分かってきた。
 正常細胞にはカタラーゼという酵素が存在し、過酸化水素を水と酸素に分解してしまうので、全く害を受けないのに対して、がん細胞はこの酵素が少ないので、過酸化水素によって殺傷される。こうした理由から、正常細胞を傷つけずに、ガン細胞だけを殺傷するという、非常に優れた特徴を持つことになる。
 抗がん剤がのような副作用を伴わずに、がん細胞だけを殺傷する「ビタミンC」は、抗がん作用、免疫力の増強、そして活性酸素を抑えるという働きによって、再発・転移予防の能力に優れている。

▼血中の濃度を高めることが重要

 「超高濃度ビタミンC点滴療法」で、重要なことは、血中のビタミンC濃度を目標数値まで上げること。血中濃度を350〜400mg/dL以上を維持するように点滴量を調整する。
 治療の難点は、効果が出る速度が遅いこと。25〜30回の点滴で効果が出てくることが多いので、待ちきれずに途中で中止してしまうケースもあるという。また点滴中のみビタミンC濃度を上げるが、終了後急速にゼロに近づくので、次の点滴までの期間が長いとがん細胞が増殖し易くなるので、頻度を多くすることが大事である。
 この治療を控える必要がある人は、腎不全、G6PD異常症の方。腹水、胸水、むくみがある人は、要注意だ。この治療法を実施している病院は、現在全国で300ほどで、詳細は『MR21点滴療法研究会』(http://www.iv-therapy.jp/)を参照。


2009/06/17
酒はほろ酔い、たばこはやめる がんから身を守る10か条〜その2〜
  http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/1217
     Japan Business Press > コラム[医療最前線] 2009/06/17 
 健康増進クリニック院長の水上治(みずかみ・おさむ)氏 へのインタビュー記事(その2)

▼酒は百薬の長

・第6条:「アルコール」。

     男性は、2合/日程度まで。ビールなら350mlを1本〜2本/日。女性は男性の半分の1合/日程度。二日酔いをするような過度の飲酒は、免疫力を下げ、風邪も引き易くする。1合/日 程度の飲酒は、逆に免疫力を高めることが知られており、飲酒量とがん発症のリスクとの関係はU字カーブを描いている。全く飲まないケースよりも1合程度を飲む人の方がリスクが低い。ほろ酔い加減になる位の飲酒は、血流を良くしリラックス効果があり「酒は百薬の長」という諺にも表れている。
・第7条:「保存・調理」について。
    1日の食塩摂取量を6g/日までとし、できれば5gを目標数値として挙げている。さらにカビの生えた穀物や豆類を避けるよう促している。日本人はおおよそ11g/日 摂取しているので、この数値はかなり厳しい。
     毎日味噌汁を1日に2〜3杯飲んでいる人は、胃がんと乳がんの発症が半分になったというデータもあり、大豆に含まれるイソフラボンががん予防作用を持つという、日本人の食生活を考慮する必要もある。

     米国「世界がん研究基金」が2007年11月に出版した「食べもの、栄養、運動とがん予防」に謳われた「がん予防10か条」は、欧米人を主対象としているので、食生活が違う日本人には異なる部分もあると考えた方がよいだろう。

▼がんの再発予防のためには生活改善が重要

・第8条:「サプリメント」。

     あくまでも通常の食事があって、その不足分を補うものとしてサプリメントがあることを認識しなければならない。食事をおろそかにしてサプリメントで健康を得ようというのは間違い。野菜を沢山食べてがん発症リスクを低くしたというデータはあるが、サプリで抑制できたというデータは極めて少ない。
・第9条:「母乳哺育」について。

     6カ月間は、母乳哺育をすることを勧めている。これは母親を主に乳がんから、子供を肥満や病気から守るために有効だからだ。
・第10条:「がん治療後」について。
    がん治療した後、食事や栄養、体重、運動について専門家の指導を受けることを勧めている。再発を防ぐために、9条までに提唱されてきたような生活習慣の改善が再発予防に有効だという。

2009/06/11
赤ワインの健康効果の機序が明らかに
  http://health.nikkei.co.jp/hsn/hl.cfm?i=20090618hk000hk
     NikkeiNet いきいき健康 ヘルスハイライト 2009/06/11
オーストラリア、クイーンズランド大学生物医科学部准教授のLindsay Brown氏らが、医学誌「Alcoholism: Clinical & Experimental Research(アルコール中毒症:臨床と実験研究)」オンライン版に6月10日に発表した研究によれば、ワインに含まれる成分の1つ、レスベラトロール(resveratrol)と呼ばれるポリフェノールの体内での作用機序について、癌予防、心臓や脳の損傷からの保護、炎症などの加齢による疾患の軽減、糖尿病および肥満の解消、等々が明らかになったという。

 Brown氏によると、レスベラトロールが効果を発揮する機序として以下のことが考えられるという:

  • * 高用量のレスベラトロールは、プログラムされた細胞死(アポトーシス)を増進することにより癌を予防する。
  • * 低用量では、細胞保護を増進し、細胞の損傷を減らすことによって心臓の健康状態を改善する。
  • * 活性酸素を体内から除去するのを助け、細胞への血液供給を向上させる。
 同大学のStephen Taylor氏によれば、赤ワインを、直ぐに飲み込まず、ゆっくりと口腔内の粘膜を通して吸収させると、血中濃度が100倍になることがあると述べている。

▼原文: Health Secrets of Red Wine Uncovered But for maximum benefits, sip don't gulp, research shows

生活習慣の改善により癌リスクを大幅に軽減可能
  http://health.nikkei.co.jp/hsn/news.cfm?i=20090507hj000hj
     NikkeiNet いきいき健康 米国発ニュース 2009/06/11
 米国癌研究協会(AICR)は世界癌研究基金(WCRF)と共に、7,000件を超える癌研究についてレビューした報告書「食品、栄養、身体活動と癌予防:グローバルな視点(Food, Nutrition, Physical Activity and the Prevention of Cancer: A Global Perspective)」を発表している。
米国癌研究協会(AICR)のKaren Collins氏は「食事、体重、運動の三つを改善することにより癌の約1/3を防ぐことができ、さらに禁煙を追加すれば現在の癌の半分以上を予防することが可能だ」と述べている。

 同報告書は、以下のように助言している:

  1. 体重:(BMI、肥満指数)を21〜23に維持し、成人後の体重増加を避ける。BMIは24.9までが正常とされるが、癌予防のためには正常範囲内の最低値がよい。
  2. 運動:早足で歩くなどの適度な運動(moderate exercise)を30分/日以上行う。理想は、60分/日の適度な運動、又は30分/日の激しい運動(vigorous exercise)をするのが望ましい。また、TVを見るなどの座りがちな行動を制限する。
  3. 食事:果物、野菜、全粒穀類などの植物性の食品を主に摂取し、糖分の多い食品、加工食品、ファストフードをなるべく避けるほか、赤身肉の摂取を約510g/週以内に抑える。塩分は2.4g/日以内、アルコールは女性で1杯/日、男性で2杯/日に抑える。
  4. サプリメント(栄養補助食品):癌予防に有効な栄養素は、食物から摂取するべきであり、サプリメントの利用は勧めない。
 この勧告は「全か無か」というものではなく、例えば、健康的な体重には程遠くても、少しでもそれに近づけることに価値があることを理解することだ。また、それぞれの面での改善が他の面の改善を促すことにもなる。

▼原文: Want to Stop Cancer? You Can, Experts Say


2009/06/10
がんに罹り難い体を作る〜 世界の専門医が推奨する予防10カ条
  http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/1172
     Japan Business Press > コラム[医療最前線] 2009/06/10 
 健康増進クリニック院長の水上治(みずかみ・おさむ)氏 へのインタビュー記事

▼がんに関する論文や文献が満載

 米国の「世界がん研究基金」から2007年11月に出版された、がんに関する4400の文献論文集「食べもの、栄養、運動とがん予防」は、世界の権威者の論文が掲載されている素晴らしい本で、膨大なデータが収められており、非常に科学的だ。この文献はネットで閲覧することもできる。
 Food,Nutrition,Physical Activity,and the Prevention of Cancer
  http://www.dietandcancerreport.org/

 上記の文献論文集「食べもの、栄養、運動とがん予防」の中で提言されている「がん予防10か条」の中には、もはや喫煙は含まれていない。喫煙はあらゆるがんの発生率を高めることはもはや常識であり、あえて10か条に明示するまでもないという考えのようだ。

▼がんは、酸素を嫌う

・第1条:「肥満」について。

    肥満指数BMIの数値を21〜23にすること。これが30以上になるとがん発生リスクは5割増しにもなるという。「がん細胞は、ブドウ糖を大量に消費し、脂肪はプロモーターとなるので、肥満という栄養過多の環境は、がん細胞が増えやすい環境なのだ」但し、痩せすぎも免疫低下を招く。
・第2条:「運動」について。

    ウォーキングなど軽度の運動を毎日30分ほど実践することを提唱している。その後、60分程度のジョギングや水泳、テニスなどのやや激しいものへと移行することを推奨している。特に乳がんと大腸がんに関しては運動の重要性が高く、ほとんど運動しない人に比較してリスクが半分になるという。

     がん細胞は酸素を嫌う嫌気性の細胞だから、血流が良くて酸素が多いほど発症が抑制されます。軽度の運動は免疫力を高める。たばこがよくない理由のひとつは、酸素供給を阻害する点にある。

▼肉は、300g/週 以下に制限

・第3条:「高エネルギーの飲食物」について。

    砂糖入り飲料や脂肪などの高エネルギーの食べ物の摂取を制限している。和食主体の食事が望ましい。
・第4条:「植物性食品」について。

    600g/日の野菜と果物を摂取することを促している。また穀類に関しては、できるだけ精白されていないものを推奨している。 「精白すると表皮部分に含まれているビタミンやミネラル、そして食物繊維が激減する。五分づき米にするとか、五穀米にするなど工夫が必要で、できるだけ食物繊維を摂ることを意識しよう」
・第5条:「動物性食品」について。

    赤肉(牛・豚・羊)を制限し、加工肉(ハム、ベーコン、サラミ、燻製肉、熟成肉、塩蔵肉)を避けることを促している。具体的には、赤肉は300g/週以下が目標。 「肉食が多いと、腸内環境が悪化し、悪玉菌が増えやすくなります。300g/週以下というのは、ステーキならば週に1 回が上限だし、毎日の献立に肉が入る場合は、ほんの少しの量にすべき。和食主体の献立であればクリアする筈」

 できるだけ理想的な生活習慣に近づけることを心がけたい。毎日運動をし、和食主体の食事を心がけていれば、自ずと理想的な環境を作ることができる。


2009/06/05
Wiiのスポーツゲームはある程度の運動効果をもたらす
  http://health.nikkei.co.jp/hsn/hl.cfm?i=20090611hk000hk
     NikkeiNet いきいき健康 ヘルスハイライト 2009/06/05
 米国の医療保険会社 WellPoint(インディアナポリス)の運動生理学者Elizabeth DiRico氏が、シアトルで開催された米国スポーツ医学会(ACSM)年次集会で発表したところによれば、任天堂のゲーム機Wiiを用いて体を動かすゲームをすると、ある程度の健康効果が期待できるという。

 米フロリダ州ペンサコラPensacolaの高齢者センターで60〜80代の高齢者44人に、Wiiのボウリングゲームで遊んでもらった研究では、ゲームにより被験者の心拍数が約40%上がることがわかった。
 ゲームに熱中することにより高齢者は若返った気分になり、心理状態がよくなり、雑談を楽しむ場面もみられたという。

 もう1つの研究では、大学生13人が、Wiiのボクシング、テニス、エアロビクスうち1つのゲームを10分間している間、身体の状態を観察した。エアロビクス及びテニスでは、僅かな運動効果しかみられなかったが、ボクシングには軽いジョギングに相当する運動効果があることがわかったという。

 このようなTVゲームによる運動は、従来の運動の代わりにはならないが、運動をしない人が体を動かすきっかけにはなる可能性があるという。

▼原文: Interactive Video Games Offer Exercise Benefits


2009/05/20
たった50ccの血液でがんを撃退
  http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/10366
     Japan Business Press > コラム[医療最前線] 2009/05/20 
▼体への負担少ない「NK細胞免疫療法」

 がん細胞は、健康な人でも毎日3000個〜5000個発生しているにも関わらず、がんを発症しないのは、人間が持っている免疫力ががん細胞を殺傷するためで、その重要な働きを担っているのが、免疫細胞である。
 例えば、異物を探し出して食べるマクロファージ、連携プレーで異物を攻撃するT細胞やB細胞。その中で、がん細胞に対して強い攻撃力を持つのがNK細胞(ナチュラルキラー細胞)である。

▼がんの天敵の数を1000倍に増やす「NK細胞免疫療法

 このNK細胞を増やし活性化して、がんから体を守るのが「NK細胞免疫療法」である。
 具体的には、患者の血液を50ccほど採取し、白血球を分離する。さらにリンパ球だけを取り出して、約2週間かけて培養し、NK細胞の数を約1000倍に増やし、生理食塩水と共に点滴で患者に戻す。

 免疫細胞は自分のものなので、副作用の心配はほとんどなく、治療としては非常に楽な点がメリットである。問題は保険適用できないので、1回投与で32万円かかり、1クール6回投与だと約170万円と高価な点。

 病状がかなり進むと、NK細胞を特異的に増やそうとしても増えず、活性も高まらないケースがあり、NK細胞と一緒に他の免疫細胞であるT細胞も増やす「NK−T療法」という治療法もある。

▼東洋医学的なアプローチで免疫力を高める「自律神経免疫療法」

 免疫細胞に直接手を下さずに、東洋医学的なアプローチで間接的に免疫力を活性化させる「自律神経免疫療法」として、鍼を刺す鍼療法の一種「刺絡療法」や、爪の付け根を強くもむ「爪もみ療法」などがある。  この療法は、副交感神経を優位にすることで、免疫力を高めるもので、免疫細胞療法よりもゆっくりとした効果になる。治療費は比較的安く、5回で2万5000円程度。免疫細胞療法との組み合わせとしてのオプションの療法といえる。


2009/05/15
森林浴:免疫力アップ 効果に科学的裏付け
  http://mainichi.jp/life/health/archive/news/2009/05/20090515ddm013100158000c.html
     毎日新聞  ライフスタイル > 健康 > アーカイブ  2009/05/15 
森林浴の効果を科学的に明らかにし、病気の予防や健康増進に役立てようという取り組みが進んでいる。昨年、秩父多摩甲斐国立公園の一部の2,482haの森林浴効果が科学的に認められ「森林セラピー基地」に認定された。それを記念したイベントが2009年4月26日、奥多摩町で開かれた。

 森林セラピーとは「科学的証拠に裏付けられた森林浴効果」を意味し、NPO「森林セラピーソサエティ」(東京都千代田区)が公募し、専門家が森林浴効果を現地調査し認定する。これまでに認定されたセラピー基地やセラピーロードは、全国で38カ所を数える。

 35カ所で約420人を対象にした実験では、森林で15分椅子に座って景色を眺めた群では、都市部の駅前などで座った群に比べ、ストレスホルモンである「コルチゾール」濃度は12.4%低下した。リラックスしていることを示す副交感神経系の活動は55%高くなった。
 森林浴のこうした効果は、視覚(森林の景色)、嗅覚(木の香り)、聴覚(葉ずれの音や小川のせせらぎ音)、触覚(樹木や葉、地面の感触)、味覚(湧水の味など)の五感が刺激されることで起こるという。

 調査にかかわる宮崎良文・千葉大教授(生理人類学)によれば、「森林浴は免疫力を高めて病気を予防したり、健康増進につながる。森林の香りが好きな人もいれば、風景を楽しむ人もいる。新緑が芽吹く季節を好む人もいれば、紅葉が好きな人もいる。自分の興味のある自然環境と同調することで、より効果的な森林浴ができる」という。

 ▼特定非営利活動法人「森林セラピーソサエティ」:   http://www.fo-society.jp/


2009/05/07
少量のワイン摂取で寿命が延びる
  http://health.nikkei.co.jp/hsn/news.cfm?i=20090507hj000hj
     NikkeiNet いきいき健康 米国発ニュース 2009/05/07
 少量のアルコールを飲む習慣が良い効果もたらすということは知られているが、オランダ、Wageningen大学のMartinette Streppel氏らが医学誌「Journal of Epidemiology and Community Health(疫学・コミュニティーヘルス)」4月号に発表した報告は、さまざまなアルコール飲料を対象に40年という長期にわたり定期的に追跡したもので、1日にグラス半分のワインを継続的に飲んでいる男性は寿命が5年長いこと、また種類にかかわらず少量(1日20g)のアルコール飲料を長期間摂取している人は、飲酒しない人に比べて寿命が2.5年長いという。

 そのほか、以下のことが明らかにされた。

  •  少量のアルコールを長期間摂取すると、飲酒しない人に比べて寿命が2.5年長かった。
     1日20gを超えるアルコール摂取では、2年近い寿命延長が認められた。
  •  1日に平均20g程度のワインを飲む人は、50歳の時点の余命が、ビールまたは蒸留酒を飲む人に比べて2.5年長かった。
     また飲酒しない人に比べると約5年長かった。
  •  適度な飲酒と死亡リスクの低さとの間には関連がある。
     ワインの摂取と心疾患、脳卒中などによる死亡リスクの低さとの間には強い関連がある。
 今回の知見は女性には当てはまらないが、ワイン、特に赤ワインに多く含まれるポリフェノール化合物が心臓に良い影響を与えていると推察。

 しかし、アルコールの健康効果を長年研究しているArthur Klatsky博士(カイザーパーマネンテKaiser Permanente メディカルセンター、カリフォルニア州)によれば、ワインを飲むことが良いのか、それに関わる別の何か(例えば、ワインを飲む人は運動や健康的な食事をする比率が高いなど)については不明であると述べている。

▼原文: Drink a Little Wine, Live a Little Longer


2009/04/27
どうする「未病」:女性ホルモンのエストロゲンに記憶改善効果
  http://mainichi.jp/life/health/archive/news/2009/04/20090424org00m100007000c.html
     毎日新聞  ライフスタイル > 健康 > アーカイブ  2009/04/27 
 女性ホルモンの一つ、エストロゲンについては、以前から研究者の間でも記憶改善効果が指摘されていたが、理研脳科学総合研究センター(利根川進センター長)から「記憶改善にも効果あり」とする研究結果が発表された。

エストロゲンの働きとしては、下記のものなどが知られている。
(1)血管を広げて血流を促進させる。
(2)コラーゲンの合成を進め、柔軟な皮膚組織やつやのあるみずみずしい肌を保つ。
(3)悪玉コレステロールを退治して、善玉コレステロールを増やす。
(4)多量の投与は、男性の場合、体毛が薄くなり、乳腺が発達するなど女性化の問題がある。
(5)多量の投与は、女性でも7〜8割に性器出血が見られる。
(6)子宮がん予防のために併用する黄体ホルモンによって、「うつ」になる確率が高くなる。

また、エストロゲンの記憶改善効果については、「閉経後に1年以上に渡りエストロゲンを服用した女性は、80歳を過ぎてもアルツハイマーになりにくい」「息子の顔はわかるが、夫の顔がわからなかった女性が、エストロゲンを服用して数週間ほどで夫の名前を呼んだり、化粧をして買い物にも行くようになった」などの報告例がある。

 今回の発表によれば、神経伝達物質のアセチルコリン受容体遺伝子を持たないマウスを観察したところ、脳の血液循環が低下すると、脳梗塞などが起きていなくても、脳細胞の膨張などが引き起こされ、学習能力が低下する傾向がオスのマウスにのみ見られた。研究班は性差に注目し、メスの卵巣から放出されるエストロゲンを調べ、アセチルコリンと同様の脳血管拡張効果を持つことを突き止めた。
 脳循環障害のあるオスに、エストロゲンを投与したところ、脳細胞の膨張などが回復し、学習能力が改善していることが判ったという。


2009/04/23
痩せると肥満より危険、5Kg以上減 死亡率1.4倍…厚労省調査
  http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20090423-OYT8T00613.htm
     YOMIURI ONLINE > 医療と介護 > ニュース 2009/04/23 
 全国の40〜69歳の男女約88,000人を平均約13年間追跡調査した厚生労働省研究班(主任研究者=津金昌一郎・国立がんセンター予防研究部長)の大規模調査によって、成人後に5Kg以上体重が減った中高年は、男女共に死亡する危険が1.3〜1.4倍高くなるが、体重増による死亡率増加の関係は認められなかったという。

 調査期間中に6,494人が死亡した。この内、5Kg以上体重が減少した人は、変化が小さかった人に比べ、男性で1.44倍、女性で1.33倍死亡率が高かった。一方、20歳時から5Kg以上体重が増加した男性は、死亡率が0.89倍に下がり、女性では変化が見られなかった。体重が10Kg以上増加した人で見ても、男女とも死亡率に大きな変化はなかった。

 日本人は、外国人とは異なり極端な肥満がもともと少なく、肥満が死亡率に与える影響が調査結果には反映しなかったとみられ、痩せると死亡率が上がる原因については、今回の調査からは判らなかったが、体重低下で免疫力が落ち、感染症などに罹り易くなることが考えられる。


2009/04/16
ブロッコリーの新芽に胃潰瘍や胃癌の予防効果
  http://health.nikkei.co.jp/hsn/news.cfm?i=20090416hj001hj
     NikkeiNet いきいき健康 米国発ニュース 2009/04/16
 東京理科大学教授の谷中昭典博士や米ジョンズ・ホプキンス大学(ボルチモア)医学部のJed W. Fahey氏らが、医学誌「Cancer Prevention Research(癌予防研究)」4月号に発表した研究結果によれば、約70g/日のブロッコリーの新芽(スプラウト)を食べると、胃潰瘍のほか、胃癌のリスクを軽減するという。この予防効果をもたらしているのは、ブロッコリーに含まれるスルフォラファン(sulforaphane)という成分だという。

 今回の研究は、スルフォラファンの豊富なブロッコリー・スプラウトの摂取によって、胃の損傷および癌リスクと密接に関連するピロリ菌が減少するかどうか、ピロリ菌感染者48人を対象に日本で実施されたもので、半数は70g/日のブロッコリー・スプラウト、残りの半数はスルフォラファンを含まないアルファルファ・スプラウトを摂取。8週間後、ブロッコリー群にはピロリ菌の感染レベルに有意な低下がみられたが、アルファルファ群には低下が認められなかったという。

 米ノースカロライナ大学栄養学研究所のSteven H. Zeisel博士によると、スルフォラファンはブロッコリーを歯で噛んで細胞が壊された時に初めて形成され、それによって肝臓から発癌物質を不活性化させるのに重要な酵素が産生されるという。

▼原文: Broccoli May Ward Off Serious Stomach Ailments

人は何歳まで働くことができるか
  http://health.nikkei.co.jp/hsn/news.cfm?i=20090416hj000hj
     NikkeiNet いきいき健康 米国発ニュース 2009/04/16
 「働くのに年を取り過ぎなのは何歳か(how old is too old to work?)」という疑問に対し、研究者らによれば、理想的な退職年齢というものはなく、高齢者でも新しいことを学び、鋭い思考力を保っていれば、雇用市場で引けを取らないことがわかっているという。

 米メイヨークリニック(アリゾナ州)神経学教授のJoseph Sirven博士によれば、健康的に年を取る秘訣は、忙しくあり続けること、それも運動や身体的活動ばかりでなく、むしろ精神面、認知面で常に活動的であることが重要だという。65歳を超えても仕事を続けたければ、自分の特質と短所を見極める必要があり、高齢者は機敏に動くことはできないが、知恵・経験があり、過去の不況を体験している点でも若い人から評価される可能性がある。

 米スタンフォード大学(カリフォルニア州)精神科臨床准教授のJoy L. Taylor氏らが、医学誌「Neurology(神経学)」2007年2月号に発表したところによれば、40〜69歳の非職業パイロットを対象に年齢が認知能力に及ぼす影響について検討した結果、60〜69歳のパイロットは、最初は若いパイロットに比べて技術が劣っていたが、フライト全体の成績では差が小さくなったほか、時間とともに「回避」能力については若手よりも大きな向上がみられることがわかったことより、技術を磨き続けることで仕事の実績に差が出るという。

 退職する平均年齢を過ぎても仕事を続けるには、新しい言語や楽器を学ぶなど、常に新しい取り組みに自分を駆り立てることが必要で、仕事の技術の維持、運動や健康的な食生活により、認知面と身体面の健康は両方とも同じくらい重要であるという。

▼原文: How Old Is Too Old to Work?

メタボ:死亡率との関係調査 肥満でなくても危険性大−−厚労省研究班
  http://mainichi.jp/life/health/archive/news/2009/04/20090416dde001040003000c.html
     毎日新聞  ライフスタイル > 健康 > アーカイブ  2009/04/16 
 国は昨年度からメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)対策を目的に肥満に重点を置いた「特定健診」を始めたが、厚生労働省研究班(主任研究者=津金昌一郎・国立がんセンター部長)が全国の40〜69歳の男女約34,000人を対象に約13年追跡した大規模調査で、肥満でなくても血圧や血糖値など血液検査値に異常があれば、死亡の危険性が高まることを、日本循環器学会誌などに発表した。

 この調査によれば、心筋梗塞など虚血性心疾患は、メタボの場合、男性で約3倍、女性で約2倍、死亡する危険性が高かったが、肥満ではない人でも血圧や血糖値などが診断基準を超えた場合、死亡の危険性はメタボの人と同様に高かった。病気の種類を問わない男性全体の死亡率もメタボの有無による違いはなかったという。

 また、8県の23,000人を対象に実施した分析では、虚血性心疾患の患者のうち、高血圧が原因で発症したと推測されるのは全体の5割近く。一方、メタボによって発症した割合は2割未満にすぎず、メタボ対策の効果は限定的とみられ、日本人の死因の第1位であるがんの発症にもメタボの有無は関係なかった。

体格指数「BMIが22.5〜25」死亡率最低
  http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20090416-OYT8T00565.htm
     YOMIURI ONLINE > 医療と介護 > ニュース 2009/04/16 
 英国心臓財団などの研究グループが、英医学誌「ランセット」に発表した研究によれば、欧米を中心とした世界57の研究について約90万人分のデータを分析した結果、肥満の程度を表す体格指数「BMI」が、22.5〜25の人は死亡率が最も低いという。

 BMI=体重(Kg)を身長(m)の2乗で割った数。

 BMIの値が22.5〜25の範囲を超えた場合、心臓病や糖尿病、腎臓病などが原因で死亡する人が多く、BMIが30〜35だと2〜4年、BMIが40〜45だと8〜10年、寿命が短かった。一方、BMIが22.5未満の場合でも、呼吸器系の病気や肺がんなどで死亡する割合が高くなった。


2009/04/09
緑茶やオリーブ油の抗酸化作用は保存期間の長さに伴って消失
  http://health.nikkei.co.jp/hsn/news.cfm?i=20090409hj000hj
     NikkeiNet いきいき健康 米国発ニュース 2009/04/09
科学誌「Journal of Food Science(食品科学)」3月号に掲載された研究報告によれば、抗酸化物質が豊富に含まれる市販の緑茶およびオリーブ油の抗酸化作用は、保存期間に伴って減少していくことが2つの新しい研究で示された。

 第1の研究は、米国農務省(USDA)西部地域研究センター(カリフォルニア州)のMendel Friedman氏らが、長期保存によるカテキンの持続性を検証。米国、韓国および日本で市販されている8種類のティーバッグの緑茶を元の包装のまま20℃の暗い室内で1週間〜6カ月にわたり保存し、その後、茶葉を粉砕して熱湯に入れた後、冷まして分析を行った。
 その結果、保存期間の早い段階から抗酸化物質の減少がみられ、6カ月後には8種類の緑茶のいずれもカテキン濃度が急激に減少した(平均32%)。最も多く含まれるカテキン類であるエピガロカテキンガレート(EGCG)は6カ月後には28%、次いで多く含まれるエピカテキンガレート(ECG)は51%減少することがわかったという。

 第2の研究は、伊、Foggia大学のAntonella Baiano氏らが、含有するフェノール化合物が抗酸化物質として作用し、心疾患・脳卒中・ある種の癌のリスクを低下させるといわれているエクストラ・バージンと呼ばれるオリーブ油に着目したもの。
 アプーリアApulia地区の2箇所の果樹園でオリーブ収穫後24時間以内に製造された数種類のエクストラ・バージン・オリーブ油について製造、包装の過程を通じて分析した結果、3カ月までの保存では抗酸化作用に変化はみられなかったが、6カ月後にはほとんどのオリーブ油で抗酸化作用が40%低下することがわかった。

 オリーブ油を保存するには、色付きの小さめのガラス瓶で、室温 20〜25℃の暗所に保存するのが理想だという。

▼原文: Antioxidant-Rich Foods Lose Nutritional Luster Over Time


2009/04/02
赤身肉の摂りすぎは寿命を縮める
  http://health.nikkei.co.jp/hsn/news.cfm?i=20090402hj001hj
     NikkeiNet いきいき健康 米国発ニュース 2009/04/02
 米国立癌研究所(NCI)のRashmi Sinha氏らが、米医学誌「Archives of Internal Medicine(内科学)」3月23日号に発表した研究によれば、赤身の肉及び加工肉の多い食事を摂取していると、癌や心疾患だけでなく、アルツハイマー病や消化性潰瘍などさまざまな疾患により寿命が短縮するという従来の治験を裏付けた。

 研究は、50〜71歳の被験者50万人強を対象に、10年以上にわたり食事内容を調べたもので、最も多く赤身肉を食べていた群は、最も少ない群に比べて、あらゆる原因による死亡リスクが男性で31%、女性で36%高かった。また、加工肉を多く摂取した群は少ない群に比べ、死亡率が女性で25%、男性で 16%高いこともわかった。

◎癌による死亡率について、
 赤身肉(牛肉、豚肉など)の摂取が多い群では、男性で22%、女性で20%高かった。
 加工肉(ソーセージなど)を多く摂る男性では12%、女性では11%高かった。

◎心血管疾患による死亡率は、
 赤身肉(牛肉、豚肉など)の摂取が多い群では、男性で27%、女性で50% 高かった。
 加工肉(ソーセージなど)を多く摂る男性では9%、女性で38%の増加がみられた。

 そのほか、白身肉(鶏肉、魚肉など)の摂取が多い群の死亡率は低いが、喫煙経験のない集団で白身肉を多く摂取する人は、心障害による死亡リスクが男性で24%、女性は20%高いという興味深い結果が出ているが、白身肉には飽和脂肪のほか、多数の発癌物質が含まれており、これが死亡率を高める原因ではないかと推測している。

▼原文: Too Much Red Meat May Shorten Life Span


2009/03/26
“適度”な運動とは1分間に100歩前後の歩行
  http://health.nikkei.co.jp/hsn/news.cfm?i=20090326hj000hj
     NikkeiNet いきいき健康 米国発ニュース 2009/03/26
 以前の米国では、「30分の適度な運動」を少なくとも「5日/週」行うことが推奨されていたが、2008年秋にガイドランが改訂され、単に「150分/週」の運動を推奨するとの記述に変わったが、適度”の意味がわかる人は少ないのが実態であった。
 米サンディエゴ州立大学のSimon J. Marshall氏らが、米医学誌「American Journal of Preventive Medicine(予防医学)」5月号に発表したところによれば、この適度な運動とは、「10分間に1,000歩」というきびきびとした歩行に匹敵することを示した。

 今回の研究では、女性58人、男性39人(平均32歳)にランニングマシン(トレッドミル)上で歩行してもらい、エネルギー消費を測定することにより、どの程度の運動が「適度」の範囲に入るのかを判定した。その結果、適度な運動とは男性で1分間に92〜102歩、女性では1分間に91〜115歩に相当することがわかった。これは「のんびりした歩き」ではなく、「きびきびした歩き」だという。

 又、研究グループによれば、1,000歩の歩行を 3回/日、5日/週実施すれば米国の運動ガイドラインを満たすことが出来、この基準値に満たなくてもウォーキングは心血管に多少の利益をもたらすが、心疾患やその他の合併症のリスクを軽減するには、30分の「適度な運動」が重要だという。

▼原文: Walk 100 Steps a Minute for 'Moderate' Exercise


2009/03/22
ヘルシーリポート:イミダペプチド 疲れ予防、回復に効果的 活性酸素の発生を抑え
  http://mainichi.jp/life/health/archive/news/2009/03/20090322ddm010100049000c.html
     毎日新聞  ライフスタイル > 健康 > アーカイブ  2009/03/22 
 疲労の研究に取り組む理化学研究所分子イメージング科学研究センターの渡辺恭良・大阪市立大大学院医学研究科教授(58)への、疲労の仕組みと抗疲労物質としてのアミノ酸結合体「イミダゾールジペプチド(イミダペプチド)」の効果についてのインタービュー記事。

抗疲労物質としての「イミダゾールジペプチド(イミダペプチド)」について

 渡辺教授によれば、疲労とは体が本来持っている神経・免疫・内分泌系の3者による恒常性が破綻・低下した状態で、その結果、作業能力の低下などが引き起こされる状態という。
 過労となると、ストレスや過度の身体活動で活性酸素が大量発生してバランスが崩れ、身体が持つ恒常性だけでは十分に対応できなくなり、その結果、細胞の機能が低下し、作業効率の低下などが起こる。

 酸化ストレス状態の発生を抑えることが疲労を軽減する。活性酸素の除去に役立つ「抗酸化物質」として有望視されるのが「イミダペプチド」だ。
 この「イミダペプチド」は、カルノシンとアンセリンという二つのアミノ酸結合体の総称。人の体にも存在するが、渡り鳥やマグロ、カツオなど、長時間連続した運動を必要とする生物の骨格筋中に多く含まれる。

 「イミダペプチド」の抗疲労効果は、臨床実験でも明らかで、日頃から疲労を自覚している207人を対象にした実験でも、イミダペプチド200mgを毎日摂取した群では、プラセボ群よりも疲労感が軽減され、このほか、酸化ストレスの上昇を抑制し、自律神経機能の乱れを調整する作用も確認された。激しい運動後の疲労だけでなく、日常生活で感じる疲労軽減にも効果があるという。

 渡辺教授によれば、「疲労を和らげる概念は二つ。一つは疲れる状態を事前に予防すること。二つ目は、疲れを回復させること。初めから疲労を抑えれば治りも早い、予防に重点を置くほうが効率的。その点から考えても、「イミダペプチド」は疲労予防的な働きをするため効果的な物質」という。

1日200mg、鶏胸肉から摂取

 イミダペプチドは、鶏胸肉からも摂取できる。1日200mg/日 程度の摂取が効果的で、これは鶏胸肉に換算して50g/日程度だ。


2009/03/20
ヘルシーリポート:コエンザイムQ10 体内の酸化抑え、老化防止
  http://mainichi.jp/life/health/archive/news/2009/03/20090320ddm010100091000c.html
     毎日新聞  ライフスタイル > 健康 > アーカイブ  2009/03/20 
 老化防止の基本は「バランスのある食事」「適度な運動」「精神的なストレスのないポジティブな生き方」だが、アンチエージング(抗老化医学)の素材として注目されているコエンザイムQ10についてのレポート。

 コエンザイムQ10(英語のエンザイムは酵素の意味、コは補助や協働の意味)は1957年、米国の研究者が心臓から発見した物質で、エネルギー生産のほかにも重要な働きとして、抗酸化作用がある。

 アンチエージングの研究で知られる山本順寛・東京工科大学応用生物学部長(日本コエンザイムQ協会理事長)が、コエンザイムQ10に関心を抱いたのは自身の実験で、約10年前、血液中にある脂質の酸化と抗酸化物質の関係を研究していたとき、ビタミンEの抗酸化作用がコエンザイムQ10の助けで衰えないことを発見し、「私たちの体が錆びつかないような働きの一端をコエンザイムQ10が担っている」と考るようになったという。

■年齢とともに減少
 コエンザイムQ10自体は、体内の細胞でつくり出されているが、20代あたりをピークに徐々に減って、40代で約3割、70〜80代で5割以上も減ってしまう。減った分を補っていこうというのがコエンザイムQ10を活用した健康法だ。

 コエンザイムQ10が一番豊富といわれるイワシからでさえ、1日に必要な量とされる100mgを摂取するには、毎日20匹以上食べねばならないので、山本教授はコエンザイムQ10を300mg/日、サプリメントから摂取している。

 一般的には中高年の老化防止や疲れやすい人などに向くが、コレステロールの合成を抑える抗コレステロール薬を服用している人にもコエンザイムQ10がお勧めという。
 コエンザイムQ10が体内で合成される経路はコレステロールが合成される経路と同じで、メバロン酸の生成を阻害して、コレステロールを低下させるスタチン系高脂血症薬を服用すると、コレステロールが低下するだけでなく、同時にコエンザイムQ10も減ってしまう。コエンザイムQ10が減ると心臓の働き(心拍出量)も衰えがちになる。

 バランスのとれた食事や適度の運動も大切だが、頼りになるサプリメントも摂る必要がありそうだ。


2009/03/15
飲酒:ワインならグラス2杯「健康に害なし」−−豪で指針
  http://mainichi.jp/life/health/archive/news/2009/03/20090315ddm016040034000c.html
     毎日新聞  ライフスタイル > 健康 > アーカイブ  2009/03/15 
 オーストラリアの国家保健・医療研究評議会が、8年ぶりに見直した飲酒についての指針を発表した。

がんなどの疾病リスクを高めない摂取量は、男女とも純アルコール量で20g/日まで。ワインで小さめのグラス2杯、ビール(アルコール度数3.5%)なら375ml缶2本までになる。


2009/03/11
肝がん予防、野菜は◎ 果物は△
  http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20090311-OYT8T00362.htm
     YOMIURI ONLINE > 医療と介護 > ニュース 2009/03/11 
 厚生労働省研究班(主任研究者=津金昌一郎・国立がんセンター予防研究部長)が、40〜69歳の男女約2万人を約12年間・追跡調査した。野菜や果物の摂取量の多寡で「多」「中」「少」の3グループに分け、肝がん発症との関連を調べた結果、野菜を多く摂る人は、少ない人に比べ、肝がんを発症する危険性が4割低くなるが、果物の取り過ぎは逆にリスクを高める可能性が高いことが判ったという。

 この調査期間中、約100人が肝がんになり、うち8割はB型かC型の肝炎ウイルスに感染していたが、野菜摂取量「多」のグループは「少」に比べ、肝がんの発症率が約40%低かった。一方、果物摂取量「多」のグループは「少」に比べ、発症率が45%高まっていた。

 緑黄色野菜に多く含まれるカロテンは、肝がん予防作用が確認できたが、果物に多いビタミンCは肝がんの危険性を高める傾向があった。 ビタミンCには肝炎の原因となる鉄分の吸収を助ける作用もあるため、発症率が高まるらしい。


2009/03/10
大豆:女性は食べ過ぎないで 乳がんリスク減も肝臓がん危険性高まる
  http://mainichi.jp/life/health/archive/news/2009/03/20090310dde007100023000c.html
     毎日新聞  ライフスタイル > 健康 > アーカイブ  2009/03/10 
 厚生労働省研究班(主任研究者=津金昌一郎・国立がんセンター予防研究部長)が、93年〜05年まで、6府県の男女約2万人(開始時40〜69歳)の健康状態を追跡し約12年間・追跡調査し、うち101人(男性69人、女性32人)が肝臓がんになった。アンケートで大豆食品をどれぐらい食べるかを尋ね、イソフラボンの2成分の摂取量と発症との関連を調べた。大豆製品を沢山摂る女性は、あまり食べない女性に比べて「肝臓がん」になる危険性が3〜4倍に高まることが判ったという。

 大豆に含まれるイソフラボンは、乳がんのリスクを減らすことが知られているが、食事を通して適度に取るのが良いようだ。

 イソフラボンの2成分の摂取量と発症との関連を調べた結果、摂取量とリスクの関連が明らかになったのは女性だけで、摂取量が最も多い群(豆腐80g以上/日、納豆2/3パック以上/日)が肝臓がんになるリスクは、最も少ない群(同豆腐40g未満/日、納豆1/3パック未満/日)のリスクの約3.2〜3.9倍だった。

 イソフラボンの分子構造は、女性ホルモンのエストロゲンに似ている。エストロゲンは「乳がん」のリスクを高める半面、「肝臓がん」には予防作用があり、イソフラボンの過剰摂取がこうした作用を妨げると考えられる。 肝臓がんの最大のリスク要因はB型、C型肝炎ウイルス。

 女性の場合は、まず感染の有無を調べ、感染が分かれば大豆製品の取り過ぎに注意が必要で、感染していなくても過度の取り過ぎは注意が必要のようだ。


2009/03/06
ストレスへの耐性を高めるセロトニン神経
  http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/676
     Japan Business Press > コラム[医療最前線] 2009/03/06 
朝の日光浴と軽い運動が働きを良くする

 ストレスに強い心と体を作るために重要な神経は、脳内のセロトニン神経だ。セロトニン研究の第一人者である東邦大学医学部の有田秀穂教授は、この神経がストレス耐性を高めるカギを握っていることを解明した。セロトニン神経の強化でストレス耐性は高まるという。

セロトニン神経の働きは5つ。

第1:「睡眠から覚醒へのシフトを行う」。
   働きが不十分だと、目が覚めても頭がすっきりしない状態になる。

第2:「心の不安や緊張を取る」。
 セロトニン神経が活発に働くとアルファー2という特別な脳波が出現する。癒しやリラックスの働きをする脳波で、有田教授が「クールな覚醒」と呼ぶものだ。緊張や不安が取れ混乱も静まるので、ネガティブ思考が減少し、元気になる。

第3:「自律神経を適度なレベルに保つ」。
 覚醒時には交感神経が、睡眠時には副交感神経が優位になるが、それらが低レベルであれば上げ、過活動なら下げ、適度なレベルに保つ。

第4:「痛みの制御」。
 痛みに対して過剰反応しないように調整する働きを持つ。

第5:「正しい姿勢を保つ」。
 朝起きてセロトニン神経が動き出すと全身の抗重力筋が活性化し、姿勢がシャンとし、瞼もパッチリで引き締まった顔の表情になる。

 このように、セロトニン神経は、過剰ストレスで生じる様々な症状、例えば、不眠、不安、心の緊張、ネガティブシンキング、自律神経のバランス破壊、疲れた表情や姿勢などと、深く関わっている。この神経を活発に働かせることが、ストレス耐性の高い心と体を作ることになる。

 セロトニン神経を活性化するには、日常生活の中で次の2つのことを実践すればよい。

 1つは、朝、しっかりと太陽の光を浴びる。
 重要なのは明るさで、蛍光灯の灯りは明るく見えても照度は低く、太陽の明るさには及ばない。30分以上、外で日の光を浴びる。

 2つ目は、「基本的なリズム運動」をする。
 人間の様々な運動の中でリズムを伴うものとは3つある。歩行、咀嚼、呼吸、だ。

 歩行については、ウォーキング、ジョギング、スクワットなどを5分から10分実践する。朝、起きて、日の光を浴びながらウォーキングをするということは、まさに一石二鳥。
 咀嚼については、朝、しっかりと朝食をとること。野菜ジュースやヨーグルトだけで済まさない。
 呼吸については、リズム正しい呼吸を繰り返すのがポイント。リズム正しい呼吸を意識しながらウォーキングするとよい。

 朝起きて、日の光を浴びて歩き、朝食を取り、夜はできるだけ暗くする。ストレス耐性を高めるこの基本は、昔の日本人の生活だったことを思うと、現代社会で健康的に生活することの難しさを痛感すると結んでいる。


2009/03/04
アルツハイマーの症状抑制→漢方薬の効能裏付け…阪大グループ
  http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20090304-OYT8T00317.htm
     YOMIURI ONLINE > 医療と介護 > ニュース 2009/03/04 
大阪大の遠山正彌教授、松崎伸介助教らの研究によれば、幻覚や妄想などアルツハイマー病の周辺症状にも処方される漢方薬「抑肝散(よくかんさん)」に、このアルツハイマー病の症状の原因と考えられる脳の神経細胞死を抑える効果があることが判ったという。抑肝散は子供の夜泣きや疳(かん)の虫などを抑えるために使われてきた漢方薬。

 松崎助教らが着目したのは、遺伝性のアルツハイマー病患者に変異が多いプレセニリン1(PS1)で、このPS1を変異させた実験用の神経細胞を使い、小胞体内のカルシウム濃度を変化させる薬剤を投与。約60%が死滅したが、抑肝散を加えると死滅率は約25%に減ったというもので、老年性アルツハイマー病も小胞体の機能低下が関係しており、今回の結果と同様の仕組みで周辺症状を抑えている可能性が高い。


2009/02/26
コーヒーや茶の摂取で脳卒中リスクが軽減
  http://health.nikkei.co.jp/hsn/news.cfm?i=20090226hj000hj
     NikkeiNet いきいき健康 米国発ニュース 2009/02/26
 米サンディエゴで開かれた米国脳卒中協会(ASA)主催の国際脳卒中会議で発表された2件の研究結果によれば、コーヒーや茶の摂取で脳卒中リスクが軽減するという。

 第1の研究は、米カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)のDavid Liebeskind博士が、1988〜94年に実施された第3回米国民健康栄養調査(NHANES)のデータを調べ、コーヒー消費量と脳卒中との関係を評価したもの。

 40歳以上でコーヒーを飲む習慣のあった9,384人のうち、脳卒中の診断を受けたのは500人(5%)、自己申告による脳卒中の症状または一過性脳虚血発作(TIA)の経験があったのは2,793人(29.8%)であった。分析の結果、6杯/日 以上コーヒーを飲む人の脳卒中罹患率は 2.9%であったのに対し、1〜2杯/日 しか飲まない人の罹患率は5%であることが示された。

 第2の研究では、3杯/日 を超える茶を飲む人は、1杯/日 未満しか飲まない人に比べて脳卒中リスクが21%低いことが示された。

 UCLAの Lenore Arab博士は、194,000人強を対象とした9件の研究について、一般的にカフェインが含まれる紅茶および緑茶について分析を行った(多くがアジアからのデータ)ところ、4,378人が脳卒中を発症していたが、どの研究でも一貫して茶の摂取量が多いほどリスクが低下することが判明。その機序は明らかにされていないが、抗炎症作用や紅茶や緑茶に含まれるアミノ酸のテアニン(theanine)の作用によるものと考えられている。  米マイアミ大学ミラー医学部のRalph Sacco博士は、コーヒーの研究は、被験者のある一時期でのコーヒー摂取について尋ねたものであり、コーヒーよりも茶に関する研究の方が信頼性は高いと指摘している。

 この研究が発表される前に、米医学誌「Circulation」オンライン版2月16日に掲載された研究では、脳卒中、心疾患、糖尿病、癌の既往のない女性83,000人強を追跡した結果、4杯/日 以上コーヒーを飲む人は脳卒中リスクが20%低く、5〜7杯/週 飲む人では12%低いことが報告されている。

▼原文: Coffee or Tea Consumption May Lower Stroke Risk

免疫効かないHIVが増加
  http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20090226-OYT8T00271.htm
     YOMIURI ONLINE > 医療と介護 > ニュース 2009/02/26 
 ワクチン開発見直しも
 熊本大などの国際チームによる8か国2000人の感染者調査結果が、26日付の英科学誌ネイチャーに掲載されたところによれば、遺伝子変異で人間の免疫が効きにくいエイズウイルス(HIV)が広がっており、ワクチン開発戦略の見直しを迫る内容となっている。

 HIVが体内に入ると、細胞内で増殖を繰り返しエイズが発症する。体内の免疫細胞は、感染した細胞内で、ヒト白血球抗原(HLA)と呼ばれる特殊なたんぱく質と結合したHIVを攻撃するが、ウイルス内のある遺伝子に変異が生じると、免疫細胞が攻撃できなくなる。


2009/02/20
がん予防 まず禁煙・節酒…厚労省研究班
  http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20090220-OYT8T00537.htm
     YOMIURI ONLINE > 医療と介護 > ニュース 2009/02/20 
 ダイエットより効果
 厚生労働省研究班(主任研究者=津金昌一郎・国立がんセンター予防研究部長)が、40〜69歳の男女約96,000人を、生活習慣の喫煙、飲酒、肥満の三つの要因と、がんや心筋梗塞など循環器系の病気との関について、10〜13年間追跡調査した結果から、がんや心筋梗塞などの予防には、肥満の改善よりも、まず禁煙やお酒を飲み過ぎないことが重要であることが判ったという。

 全体的には、禁煙した場合と飲酒量を減らした場合、10年後の生存率は全ての年齢で上がるが、BMI(体重Kgを身長mの2で割った値で、標準は22)を改善しても生存率に変化は無かった。
 男性の「たばこは吸わず、飲酒は時々、BMI=25〜27」のグループについては、10年後も、がんや循環器系の病気にならずに生存する割合が最も高く、健康的だった。逆に「喫煙40本以上/日、2合/日(日本酒の場合)以上の飲酒、BMI 30以上」のグループが、最も不健康

 50〜54歳の男性で「最も不健康なグループ」は、「最も健康的なグループ」に比べると、10年間でがんになる人は2.8倍、循環器系の病気は4.8倍となる。

風邪予防には睡眠が効果あり−−米大学の実験で明らかに
  http://mainichi.jp/life/health/archive/news/2009/02/20090220org00m100054000c.html
     毎日新聞  ライフスタイル > 健康 > アーカイブ  2009/02/20 
 米・カーネギーメロン大学の研究チームにより2000年〜2004年にかけて平均年齢37歳の健康な男女153人を対象に実施された調査結果が、米国医師会雑誌(JAMA)の1月12日号に掲載されたところによれば、「睡眠不足の人は風邪をひき易い」という。

 調査は、1人2週間、睡眠時間などについて毎日聞き取りを行うと共に、風邪の原因ウィルスを含んだ点鼻薬を投与して経過を観察。その結果、毎日7時間未満しか寝ていない人は、8時間以上寝る人に比べて約3倍風邪を引き易く、更にたとえ睡眠時間は長くても、ぐっすり熟睡する時間が短いと風邪をひき易いことが分かったという。

 具体的には、睡眠時間に占める「実際に寝ていた時間」の割合が92%未満の人は、同98%以上の人に比べて5倍以上も風邪を引きやすいという結果。

 現代の日本人の睡眠時間は、総務省が5年ごとに行う社会生活基本調査の2006年の結果では、世代別で45〜49歳の睡眠時間が最も短く、平均7時間5分。全体でも、数値は過去20年で最短となり、世界的に見ても日本人の睡眠時間の短さは突出しているという。

 昨年秋に米国の企業が17カ国で行った調査では、日本の平均睡眠時間は6時間24分で最短。最長だったフランス、スイス、メキシコなど6カ国の7時間12分と、48分も差があった。


2009/02/04
命の燃料、酢が肝心 東大チーム解明
  http://www.asahi.com/health/news/TKY200902030390.html
     asahi.com > 健康 >健康・生活 2009/02/04 
 東京大先端科学技術研究センターの酒井寿郎教授(代謝学)らがマウスを使った実験で、極度の飢餓状態にある場合や糖尿病患者にとって、酢がかなり重要あることを突き止めたと、3日付米科学誌セル・メタボリズム(電子版)に発表した。

 体内では、代謝によってできるATP(アデノシン三リン酸)が、体を動かしたり体温を維持したりするエネルギー源となっており、このATPを生み出すには、瞬発系の運動ではブドウ糖を、持久系の運動だと脂肪酸やケトン体を主に使うことが知られている。
 遺伝子操作で、ブドウ糖や脂肪酸を代謝できるが酢酸は代謝できないマウスを創り、エサを与えた場合と48時間絶食させた場合を正常なマウスと比較。酢酸を代謝できないマウスだけが、絶食状態のときに著しく体温と持久力が低くなることがわかったというもので、ブドウ糖の吸収・利用が極端に低い糖尿病患者に、血糖値を上げないエネルギー源として酢が役立つかもしれないという。


2009/01/31
効果が見える新抗がん剤開発、治療効果の予測も容易に
  http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20090131-OYT8T00494.htm
     YOMIURI ONLINE > 医療と介護 > ニュース 2009/01/31 
 放射線医学総研が開発
 放射線医学総合研究所(千葉市)の青木伊知男チームリーダーらが、国内未承認の脳腫瘍の抗がん剤に、造影剤を結合した薬剤「SLENU(スレニュー)」を開発し、マウスを使った実験で脳腫瘍の抗がん剤が脳内に運搬される様子を画像で示すことに、世界で初めて成功したという。

 また、スレニューは、がん細胞が死ぬときに出る活性酸素で性質が変化するため、この薬剤でがん細胞がどれくらい死んだか、治療効果の判定が予測し易くなるため、患者の特性に応じて抗がん剤の投与量を調整する手法の開発につながりそうだ。


2009/01/29
女性のメタボ基準緩すぎ? 最適腹囲90cm→80cm
  http://www.asahi.com/health/news/TKY200901290132.html
     asahi.com > 健康 >健康・生活 2009/01/29 
 特定健診で使われているメタボリック症候群の現行の復位の基準は、男性85cm、女性90cmで、女性のサイズを男性より大きく設定しているのは、世界的に例がない。
 この現行基準は、高血糖などが起き易くなる内臓脂肪の面積を画像診断で調べて100平方センチと判断し、それに相当する腹囲を導いたが、「女性のサイズが大き過ぎてリスクのある人を見落とす」という批判があった。国際糖尿病連合は07年、「男性90cm、女性80cmがいい」とする独自の日本向け基準を出していた背景が有り、この診断基準を検証している厚生労働省研究班(主任研究者=門脇孝・東京大教授)の中間解析がまとまった。
 研究班による中間解析は、測定値と実際に起きた病気とのかかわりを調べた初めての全国調査を3万人以上の住民を対象に、腹囲サイズや血圧、血糖値などを測定し、その後の心筋梗塞や脳卒中の発症を追跡した。 このうち男女16,000人のデータを使い、心筋梗塞との関係を調べ、見逃しや過剰な判定が最も起こりにくいサイズを計算した結果、新基準の復位は「男性84cm、女性80cm」。
 腹囲がこれより大きいと、小さい人に比べて心筋梗塞を起こすリスクが男性で2.4倍、女性で1.6倍高いという。診断基準値の見直しに影響を与えそうという。

 日本の特定健診では、腹囲が基準値を上回ったうえで、血糖か脂質、血圧のうち2項目以上で基準を超えた場合、メタボ症候群と判定される。

       
■各国の基準復位(単位cm)
米国 男性 102、女性 88
欧州 男性  94、女性 80
南アジア・中国男性  90、女性 80
日本男性  85、女性 90
今回の研究班の数値男性  84、女性 80


2009/01/27
カロリー制限で中高年の記憶力向上
  http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20090127-OYT8T00608.htm
     YOMIURI ONLINE > 医療と介護 > ニュース 2009/01/27 
 独ミュンスター大学の研究チームが、米科学アカデミー紀要電子版に26日発表したところによれば、健康な中高年が摂取カロリーを制限すると、記憶力が向上するという。

 痩せ過ぎていない50〜79歳の男女49人を3グループに分け、19人にはカロリー摂取量を普段より30%減らし、別の20人は認知症の予防に役立つという不飽和脂肪酸の摂取を普段より20%増量し、残る10人は従来の食生活を続けた。
 実験前と3か月後に言葉を覚えるテストを行った結果、カロリーを抑えた19人の点数は、約20%も上昇。他の2グループの成績に変化がなかった。

 カロリー制限により、体内の血糖値を調整するインスリンが効きやすくなった人ほど、成績の伸びが著しかったという。


2009/01/20
睡眠時間が短いと冠動脈石灰化リスクが上昇する
  http://medical.nikkeibp.co.jp/inc/mem/pub/hotnews/jama/200901/509170.html
     Nikkei Medical Online HOT NEWS 2009/01/20
 米Chicago大学のChristopher Ryan King氏らが、JAMA誌2008年12月24/31日号に報告したところによれば、睡眠時間が1時間延びると、5年間の冠動脈石灰化リスクが33%低下することも明らかになった。

 CTによって検出される冠動脈石灰化は、冠疾患の予測因子とされ、最近の研究では、睡眠時間と睡眠の質と石灰化の危険因子(高血圧、炎症、性別、年齢、教育歴、肥満など)の間の関係が示唆されていたが、精度の高い客観的な方法で睡眠を評価した研究は少なかった。

 対象は、Coronary Artery Risk Development in Young Adults (CARDIA) Study(1985〜86年に始まり、現在も進行している多施設前向きコホート研究)に参加したシカゴ在住の健康な中年男女495人(白人または黒人)で、2000〜01年時の年齢が35〜47歳、この時点でCTにより石灰化が認められず、2005〜06年に追跡データが得られた人々。

 睡眠時間の測定は、登録から3年後と4年後に実施し、水曜から土曜までの3夜連続で、手首にアクチグラフを装着し、睡眠時間と睡眠の断片化の状態を調べた。主要アウトカム評価指標は、2000〜01年と2005〜06年に行ったCT検査の間の、冠動脈石灰化の新規発生に設定。

 登録された495人(平均年齢40歳)のうち、5年間に石灰化が新たに認められた患者は61人(12.3%)だった。自己申告による睡眠時間の平均は6.5時間、測定値は6.1時間で、自己申告の睡眠時間と実測値の間には中等度の相関が見られ、睡眠時間の実測値が大きいほど、石灰化のリスクは低かった。

 睡眠時間1時間延長当たりの石灰化発生のオッズ比を求め、人種、性別、年齢、喫煙、教育歴、無呼吸リスクで調整したオッズ比は0.67。
 さらに BMI、HDL-コレステロール、LDL-コレステロール、血圧、糖尿病といった心血管危険因子で調整しても、オッズ比は0.66と、ほとんど変化しなかった。
 著者らの用いたモデルでは、睡眠時間の1時間延長は、収縮期血圧16.5mmHg低下と同程度の石灰化予防効果をもたらす。

 原題: 「Short Sleep Duration and Incident Coronary Artery Calcification


2009/01/16
糖尿病があると癌患者の死亡リスクが高まる
  http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/jama/200901/509142.html
     Nikkei Medical Online HOT NEWS 2009/01/16
全死因死亡は糖尿病のない癌患者の1.4倍

 米国Johns Hopkins大学Bloomberg公衆衛生学部のBethany B. Barone氏らが、JAMA誌2008年12月17日号に報告したところによれば、癌発症前に糖尿病があった患者となかった患者の全死因死亡を比較する系統的レビューとメタ分析を行い、糖尿病があるグループの死亡リスクは有意に高いことを明らかにした。

 著者らは、2008年5月15日までにMEDLINEとEMBASEに登録された文献と、それらが引用していた文献の中から、1型糖尿病と2型糖尿病の患者を対象とし、癌発症後の死亡について評価し、最低3カ月の追跡を行っていた英語の論文を検索し、ヒットした計7858件の中から、全死因死亡率または全生存率を報告していた48件の研究を系統的レビューの対象に選んだ。
 糖尿病の存在が生存に有意な利益を及ぼすと報告していた研究は1件もななく、有意水準や影響の大きさを問わないとすれば、糖尿病と死亡リスク上昇の関係を示していた研究は32件、糖尿病と死亡リスク低下の関係を示していた研究は7件だった。次に、リスク推定(回帰モデルを用いて糖尿病とその後の死亡との関係を評価し、ハザード比または相対リスクなどを提示)と、推定の精度を示す95%信頼区間や標準偏差などが記載されている研究23件を対象に、メタ分析を実施した。

 次にサブグループ解析を行い、癌の部位(乳癌、大腸癌、子宮内膜癌、胃癌、肝細胞癌、肺癌、膵臓癌、前立腺癌)ごとに、診断時の糖尿病の有無と長期的な全死因死亡との関係を調べた結果、

 死亡リスク上昇は、子宮内膜癌(ハザード比1.76、1.34-2.31)、乳癌(1.61、1.46-1.78)、大腸癌(1.32、1.24-1.41)で有意だった。
 以下の癌については、有意ではないがリスク上昇傾向が見られた。
  前立腺癌(1.51、0.94-2.43)、胃癌(1.36、0.92-2.01)、肝細胞癌(1.30、0.99-1.70)、肺癌(1.15、0.99-1.34)。

 糖尿病患者が癌と診断されると、長期的な全死因死亡のリスクが上昇することは明らかになったが、なぜ糖尿病があると死亡リスクが高まるのかについては不明だ。

 原題: 「Long-term All-Cause Mortality in Cancer Patients With Preexisting Diabetes Mellitus


2009/01/20
電磁波:影響を考える冊子発行−−市民団体グループ
  http://mainichi.jp/life/health/archive/news/2009/01/20090120ddm013100137000c.html
     毎日新聞  ライフスタイル > 健康 > アーカイブ  2009/01/20 
 市民団体で組織した「電磁波から健康を守る百万人署名連絡会議」(東京都)が昨年4月、福岡市で開いた電磁波に関するシンポジウムの講演などを収めた報告書(59ページ)をまとめた。
 1冊500円。問い合わせは〒113-0033 東京都墨田区江東橋4-29-16-702、墨東行政書士事務所内の同連絡会議(電話03-5600-8246)

「電磁波から健康を守る百万人署名連絡会議」のホームページ
  http://denziha.net/


2009/01/18
生活習慣病:危険度、腹囲を基準に アジア人の特性に配慮、BMIから変更−−WHO
  http://mainichi.jp/life/health/archive/news/2009/01/20090118ddm001040062000c.html
     毎日新聞  ライフスタイル > 健康 > アーカイブ  2009/01/18 
 世界保健機関(WHO)は、これまでは肥満度を示すBMI(体格指数=体重Kg/身長mの二乗)が25以上の「肥満」を高リスク集団としてきたが、アジア人にはBMIが低くても心臓病などで死亡する例が多いことより、WHO本部(スイス・ジュネーブ)で12月開かれた専門家会合で約600の文献を検討した結果、新しい基準としてアジア地域では「男性85cm前後、女性75cm前後」とすることをとして決め、6月ごろ正式決定する見込み。

 新基準は、体格などの違いを考慮して3種類とする。
 ▽アジアなど、腹囲が細くても病気になりやすい人が多い地域(男性85cm前後、女性75cm前後)
 ▽欧米など、腹囲が太いと病気になりやすい地域(男性100cm前後、女性90cm前後)
 ▽中東などどちらでもない地域(男性95cmチ前後、女性80cm前後)−−とする方向で検討中だ。

 日本では08年度、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)対策の特定健診(メタボ健診)が始まり、基準は「男性85cm以上、女性90cm以上」となっており、WHOの新基準が導入されれば日本の「メタボ健診」の腹囲基準に影響を与える可能性がある。

■解説:「やせ=健康」先入観排除

     WHOが、生活習慣病の危険性を判断する目安として、肥満度を見るBMIに代わって腹囲を採用することになった背景には、「肥満でなければ生活習慣病にはかからない」という先入観が、予防や発見・治療を遅らせる例が少なくないことがある。
     例えば日本の糖尿病患者はやせていても発症する例が多く、WHOはこうしたアジア人の特性を考慮し、腹囲の方が、隠れた病気を見落とす可能性は低いと判断したもので、腹囲も肥満の人ほど大きい傾向はあるが、新基準はアジア人の基準を欧米など他地域より細めに設定し、高リスク集団を見つけることを目指す。
     一方、日本のメタボ健診は、診断の第一条件に「腹部肥満」を据えたため「男性85cm以上、女性90cm以上」という数値が独り歩きし、「腹囲が基準以下なら健康」との先入観を受診者に広げた。今回のWHOの新基準をこのまま日本人に当てはめたた場合、大勢の男女が該当したり、メタボ基準との並立で混乱を招く可能性もあり、メタボの腹囲基準の見直しも含めて、整理が必要だろう。

2009/01/08
血糖値の上昇が加齢による脳損傷の原因に
  http://health.nikkei.co.jp/hsn/news.cfm?i=20090108hj001hj
     NikkeiNet いきいき健康 米国発ニュース 2009/01/08
 米コロンビア大学メディカルセンター(ニューヨーク)アルツハイマー病・加齢脳タウブTaub研究所准教授のScott Small博士が、医学誌「Annals of Neurology(神経学)」12月号に発表したところによれば、正常な加齢現象の1つである血糖値の上昇が、海馬(学習および記憶に不可欠な脳部位)に影響を及ぼすことが判明したという。

 アルツハイマー病では海馬の損傷が顕著にみられることが知られており、一部の研究からは、正常な加齢によっても海馬が損傷されることが示されている。研究グループは、健康な高齢者(平均年齢約80歳)240人を対象に、MRIを用いて海馬の機能を記録した。被験者のうち60人が2型糖尿病であり、74人の脳に「梗塞」(脳組織の損傷)がみられた。糖尿病と梗塞はそれぞれ海馬の別の部位との関連がみられ、それぞれの疾患で異なる機序が働いていることが示された。この知見は、動物を用いた試験でも裏付けられた。

 今回の知見は、運動をしている人は年齢の割には認知力障害が少ないとされる理由を説明するものかもしれない。つまり、運動が血糖値を安定化させるという解釈である。

▼原文: Rising Blood Sugar May Harm the Aging Brain



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