歌合戦:戯言「リハーサル」


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 このページの内容は、ほとんどちゃんとした裏を取っていない、「こんなこと言ってた気がする」程度の信ぴょう性です。 予めご了承ください。

 和田アキ子が「歌のリハーサルはあんまりさせてもらえないのに、オープニングやエンディングのリハーサルは何度もやらされる。」と時々こぼしていました。 これは「歌合戦」というんだから、和田アキ子の意見もごもっともという気がします。

 歌合戦のリハーサルがギリギリなのは有名な話で、ディレクターが「アメリカのグラミー賞やアカデミー賞だったら一か月くらいリハーサルするのに(歌合戦はリハーサルの日数が短い)。」と発言しています。 特に、ステージ上のリハーサルは本当にギリギリで、放送当日になってようやくカメラリハーサルという歌手の方々もいらっしゃるようです。

 そもそも曲目が決まるのが12月中旬なもので、そこから曲のどこを歌合戦で歌ってもらうか(フルコーラスとか、いつものテレビバージョンそのままなら話は早いのですが、いつものテレビバージョンからさらにカットされたり、テンポが速くなったりします)、歌詞はどうするのか(1ハーフの時に、1番を歌ったあとのサビの歌詞はCD通りの最後のサビなのか2番のサビなのか、3コーラスの曲を2コーラスにするなら、1番と2番なのか、1番と3番なのかなど)、アレンジはどうするかなど決めたあとで、スタジオでの音合わせがあります。
 ここも単なる音合わせで済まないケースがあります。 第28回(1977年、昭和52年)には、キャンディーズミキちゃんがテンポをゆっくりにできないか、もしくは通常のテレビバージョンと同じく2コーラスにできないか、と交渉していましたし、第41回(1990年、平成2年)は作・編曲家の宮川泰が、植木等の「スーダラ伝説」の演奏時間について、最初は1番の後の間奏を短くしてもいいと言ったけど、やっぱりカットできない、と交渉していました(「さだまさしから20秒取ろう」なんて発言も)。

 次にあるのが、ダンサーがついているときの振り付けの練習や、集団演技の練習。 昔は歌合戦のみオリジナルの振りが付くことがあったり、紅組白組双方の歌手で洋楽のヒットや民謡、童謡・唱歌を歌って踊るといった、余興も数多くありました。 年末は他局の年末年始の番組収録などで出場歌手も忙しいので、練習に参加できない歌手は代役がついて振り付けを覚え、時間があるときに振りを伝授するといったことが真夜中までよく行われていました。

 ステージ上でのリハーサルは、たしか29日から31日の本番直前までの3日間弱です。 この頃にならないとセットもできあがっていませんし(これは早くできる気がしますが)、歌手によっては衣装も完成していません。 で、時間がないのでリハーサルは一歌手につき1回ずつくらい。 衣装も、気合をいれて着込んで破けたりしては大変なので、軽く羽織るだけだったり、隣で別の人が衣装を持って、照明のチェックをしたりします。

 当然、こんな状態なので残念ながら本番でリハーサル通りにいかないこともよくあります。 カメラ割りを間違えたり、スイッチが入っていないマイクを渡して歌声が聞こえなかったり、ダンサーが振り付け間違えたり、セリを上げるタイミングが早かったり、関係のないテロップが表示されたり。 失敗したシーンを集めるだけで特番組める時間になると思います。

 このドタバタ、なんとかならないのかね。
 何とかしようと思うと、グラミー賞みたいに

といったことが考えられますが、NHKはやらないよね。
 1980年代前半まで、まだステージ上にバンドがいて、紅組白組の歌手が基本紅組寄り、白組寄りの場所で歌っていたころは、実質ステージが紅組側と白組側で2分割されていて、一方の歌手が歌っている最中にステージの反対側では次の歌手のための準備が進められていたから、ステージ分割くらいはできるかもしれませんが、ただでさえ大きくないNHKホールのステージがさらに狭くなってしまいますし、NHKホールのステージの売りの一つであるスライディングステージが使えなくなるし、やっぱりやらないよね。

 無理にセット転換せずに、昔の歌合戦みたいにセットは1種類か2種類でもいいと思うんだけど。

 話が前後しますけど、ステージ上でのリハーサルが一組の歌手につきだいたい1回しかできないため、本番でリハーサルと違うことをする歌手もいます。
 まずかわいらしい例としては第43回(1992年、平成4年)のDreams Come True。 この年のメンバーの衣装は和装で、ボーカルの吉田美和はパッチワーク柄の着物に傘をさしながら歌うことになっていました。 しかし、本番では吉田美和は傘を持っていない。 この年は「晴れたらいいね~紅白バージョン~」ということで、「決戦は金曜日」と「晴れたらいいね」のメドレーでした。 そして、「決戦は金曜日」を歌い終わったあとに、開いた傘を受け取り「晴れたらいいね」を歌いました。 おそらく、パフォーマンスに変化を持たせるために途中で傘を持つことにしたのでは、というのがNHK関係者の意見です。

 あとで大きな問題になった例もいくつかありますが、ここでは二つ。 こちらはもう最初からリハーサルとは違うことをする気満々です。
 Dreams Come Trueと同じく第43回に出場した本木雅弘はリハーサルではつけていなかった、「白い液体入りの膨らませたコンドーム」を束ねたものを首からぶら下げ、間奏でジャケットの後ろについていたファスナーを上げると、ジャケットで隠されていたズボンから尻が半分ほど見え、さらに大きな白い液体入りの風船を持ちながら怪しく動いていました。 このとき、「やばいですよ。放送禁止ですよ。」とつぶやいていたNHKスタッフもいたとか。
 もう一つは、第57回(2006年、平成18年)のDJ OZMA。 もともと脱ぎながら歌うというパフォーマンスで人気だった「アゲ♂アゲ♂EVERY☆騎士」を歌いましたが、リハーサル以上に脱いでしまったのがバックの女性ダンサー。 全裸のように見えるボディスーツ姿になったため、NHKには「裸ではないか」という問い合わせの電話が多数寄せられ、番組中に総合司会の三宅民夫アナウンサーが急きょ「裸のように見えるボディスーツです」と説明することになりました。

 サプライズを狙っている場合、当然リハーサルでは隠しているわけで、入念にリハーサルしたところで本番では違うことをするわけですが、DJ OZMAの一件以来、「リハーサルと違うことはしないように」というお達しが出ているようです。

最終更新 2017年7月22日