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その昔、こんな意見がありました。
当時、毎年歌合戦の舞台におよそ曲のイメージとは無関係な衣装で登場していたある女性歌手に対して、「あれでは曲を作った人に対して失礼である」というものです。
何を考えているのでしょうか。
歌合戦の舞台でいつも通りの衣装を着て登場する歌手などほとんどいません。
そんなことしたらしたで「歌合戦の舞台を何だと思っている」と非難されます。
過去にセーターとGパンで登場したフォークシンガー、あるいはTシャツとGパン姿で登場した若手俳優の姿を見て一般視聴者が抗議の電話をかけてきたというエピソードがあるそうです。
歌合戦の舞台では誰もが多かれ少なかれその曲のイメージから逸脱した衣装を着ていることは一回でも歌合戦をご覧になったことがある方ならわかるでしょう。
だいたい、曲のイメージに沿った衣装しか着てはいけないのであれば、生活の貧しさや恋愛の苦しさを歌った曲はどんな衣装を着ればよいのでしょうか。
女性演歌歌手のほとんどは豪華な着物を着ていることを非難されることになります。
意味のない話です。
確かに、この女性歌手の場合、衣装がもはや衣装とは呼べない状態になっていることに関しては、ライバル視される男性演歌歌手も含めて、大いに議論の対象になってしかるべきでしょう。 しかし、曲のイメージがどうといったことは的はずれだと思うのです。 ましてや「曲を作った方に失礼」など大きなお世話です。
以前は確かな歌唱力を持った歌手として評価を受けていた彼女が、今や歌合戦の舞台ではその衣装だかセットだかわからなくなった見てくれしか評価されなくなったわけで、その唯一の評価対象がなくなったとき、彼女が歌合戦に出場できるという保証はどこにもないのです。
そんな彼女も、豪華衣装(装置)を辞めたから、ヒット曲が出なくなったから、という理由ではなく、長年連れ添ったスタッフと袂を分かったことが原因で、2012年に歌合戦を去るという展開となりましたが、「お客様はこれを期待しているから」と特別出演として復帰した2015年も豪華衣装(装置)での登場となりました。 彼女の場合、完全に歌合戦の場で彼女といえば、誰もが豪華衣装(装置)を連想するわけで、失礼かどうかを超越した存在になっています。
ところで、「失礼」というなら、歌合戦といいながらオリジナルを無視したテンポアップ、歌詞や伴奏のぶったぎりをするNHKの方が、よっぽど曲を作った人に対して失礼だと思うけど。
オリジナル編曲者の方には失礼かもしれないけど、オリジナルの音に管弦楽器の音を加えたり、全く歌合戦独自のアレンジにしてしまう、ということは好きです。