詩編:四季彩々
春
つつじ
人知れず終わってゆくつつじがいるポンカン
ポンカンを白いてまり
満開の桜は白い手まりパン屑
小鳥にあげたパン屑遠い日の桜
いつか遠い日の桜歌声
そう言えば今日は道すがら節分
鬼の面をつけて子供たちは春の兆し
青信号だ休まない指
空には新緑の唇
若い葉っぱの笑いはあどけない新緑
湖に映る若葉は掴めない春の楽しみ
自分を春風に渡して青の色見本
春の空は枝垂桜
枝垂桜が風に嫌々をする辛夷と道祖神
祝福に満ちた萌えいずるもの
突き刺され青空に突き刺され深く小さな銀杏の葉
小さな銀杏の葉が風に打ち落とされていた日しじみ蝶
蝶かと思えば桜の花であることの驚き春の夕日
二両編成の八戸へ向う芽ぐむ木々
今日の雨は瑞々しい滋味
芽吹いたばかりの道楽息子
道楽息子のように春風
くしゃみをする人が多い花吹雪
花吹雪よりも鮮やかに新しい春に
春一番が春の畑で
枝垂桜は春(畑を耕して)
さっき耕した畑に春の日
春がたたずまいをただし菜の花の春
菜の花が一斉に手を振る