風のささやき

夏の木陰で見た夢を

夏の木陰で見た夢を
人はどれ程覚えてる

夏の木陰で見た夢は
陽射しに満ちる青く澄む

人はいつから忘れ行く
夏の木陰で見た夢を

目の前に積むガラクタを
数えることに執心し

目の前に積むガラクタは
誰から見てもガラクタで

それが宝と見えている
顔にかかった色眼鏡

人はいつから忘れ行く
夏の木陰で見た夢を

人を高みに誘い出す
木陰の眠り若き日の

人はいつから見なくなる
心の底にまだ光る

その輝きの意味深さ
若き日に見た空の色