風のささやき

深い調べ

瞳に映る空は
冬の冷気に冴えて
深い調べに澄んでいる

向かいの白いビル
花瓶が置いてある窓際
お茶を持った影が動く三時ごろ
僕はまたつまらないことに
顔をしかめて
重たい気持ちでいる

持っていたペンを止め
こんがらがる頭が重い
全てを放り出したくもなって
窓の外を眺める
一口 水を含むと
冷たさが広がって

あの澄んだ空に
触れることが出来ぬのならば
せめてその色合いを一時でも心に映して
流れ出る調べを一片の青い詩に
写しとることができるのならと