風のささやき

巡礼の旅

山並みに真っ直ぐに向かう
一本の赤い道
冬の夕日で瞳が一杯になる

燃えている煉瓦色の街
火を流す川
裸の木々の枝に咲く星
昇りかけの薄い三日月

冷たい風に手を握られる
小さな巡礼への
焦げる思いが
鼻の奥でまた
くすぶり始める