風のささやき

春の夕日

二両編成の八戸へ向う
初老の電車の横顔を
春の夕日は飴色に照らします

その車両に揺られて窓側の席に座る
僕の瞳も飴色に
淡い郷愁に色づきました

まだ手入れされていない田畑の
流れて車窓の風景の一枚一枚が
何故かとても懐かしく思われてきて
丸い飴玉 快い涙が
濡らしそうになりました