風のささやき

節分

鬼の面をつけて子供たちは
部屋から部屋を走り回った
豆の礫でおいかけられた
それは笑い声であった

鬼の出て行った家の床
鬼たちに踏みつぶされた豆
さっきまで確かにそこに
鬼がいた動かせない証拠

それをついばむ子供たち
年の数だけ食べればいいと
だから僕は直ぐに降参をして
大して無くならぬ豆の数よ

君たちの笑いで
確かに追い払われた鬼
ずっと君たちが笑っていられれば
もう入ってくることのできぬ鬼