風のささやき

冬空に

冬空に遠く鳴っている音がある
彼方へと旅立とうとうする
船の汽笛のように微かに

どこかへ行きたくて
どこへも行けなくて
そっと諦めた
悲しみは深く青い色

耳はその音を聞く
僕の心のか細い呻き
旅立つことを告げ
どこにも旅立てずに
燻っている

何者でもない胸が
冬空に共鳴している