風のささやき

無人駅で

すれ違う電車も
随分とゆっくりとしている

いつもならばそろそろと
僕はイライラとしそうな物だが

そんなちっぽけな理由は見当たらない
電車さえもこの暑さに
草臥れているのだろうに

無人駅には風が吹く
雲はゆっくり動かない
たくさんの時間が僕にある

太陽に少し焼け焦げた
あの黄色の花はなんだったろうかと
記憶を掘り起こしている僕だから