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∇ 夫の転勤で初めて新潟市に行きました。西も東もわからない私でしたが、すぐ地元の皆さまの輪の中に入れていただき、6年間楽しい日々を送ることが出来ました。本当にありがとうございました。 食べ物はとても美味しく、人情は厚くやさしい・・・あれからもう10数年経ちましたが、いつまでも新潟の大ファンです。 今回は新潟の皆さまに教えていただいた代表的な郷土料理「のっぺ」をご紹介します。今ではすっかり我が家の味になって私の得意料理の一つになっています。材料の持ち味を生かした薄い味に仕上げ、夏は冷たくして、冬はあつあつをいただいています。 |
★材料・・・ さといも/10個〜 人参/1本 大根/250g こんにゃく/250g レンコン/150g 茹たけのこ/150g ゴボウ/1本 干し椎茸/3〜4枚 干し貝柱/4〜5個 鶏肉/150g かまぼこ/1枚 銀杏/20粒 調味料は作り方の中で記載しています |
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作り方 |
材料を切りそろえて、準備![]() ![]() |
@ 干し貝柱をさっと洗い、4カップの水に漬けて一晩おき、やわらかくなったら指でほぐしておきます。この汁はのっぺの味を決める大切なだし汁となります。干し椎茸も同じように一晩水に漬けて戻しておきます。 A さといもは皮をむいて大きいものは3つ位に、小さめは半分くらいに食べやすい大きさに切ります。人参、大根、レンコン、茹たけのこ、こんにゃく、椎茸、かまぼこはやや小さめに、形・大きさをそろえて切ります。ゴボウは乱切りです。れんこん、ゴボウはお酢を落とした湯で、さっとゆがいておきます。茹でたけのこももう一度熱湯を通すと美味しくなります。銀杏は鬼皮をむき、塩ゆでしながら玉じゃくしの背でこすり、甘皮をむき水にさらしてざるに上げます。 B 鶏肉は洗ってからやや大きめに切り、酒を振りかけておきます。 C 鍋にこんにゃく、ゴボウを下にしてその他の野菜を入れますが、さといもは煮くずれしやすいので最後に入れます。その上に鶏肉、かまぼこを入れます。@の貝柱とその漬け汁を入れます。だしが不足の場合はかつおと椎茸の汁で材料がかぶる程度にし、中火よりやや弱めの火加減にしてゆっくり煮ます。 D 材料に七分通り火が通ったら調味料を加えます。みりん/大さじ1 淡口醤油/大さじ2 塩/小さじ1.5 酒/大さじ4を加え、柔らかく味がなじむように、途中で浮いてくるアクを丁寧にすくい取りながらコトコト煮込みます。さといもに火が通って柔らかくなれば出来上がりです。最後に銀杏を加えます。 |
小鉢か深皿に煮汁も少し入れて盛ります。 材料の持ち味を生かした薄い味に仕上げていますので、煮汁も一緒にどうぞ。 |
∇さといもからの自然のぬめりでトロ味をつけます。ふきこぼれないように、さといもが煮崩れないように注意してください。 材料はきり方をそろえると綺麗です。多い目に作ったほうが美味しくなります。少しづつ何度食べても美味しいです。 我が家の味になってしまいましたが、切り方や中に入れるものもそこの家によって異なり、お客様にはこれも楽しみの一つになっているようです。 ∇新潟では魚介類が豊富で、材料の中に塩鮭や、ととまめ(鮭の子)なども入れます。ととまめは沸騰した湯の中で鍋をゆすりながら柔らかく茹でます。鮭は塩が強い時は塩出しをし、さいの目に切って熱湯を回しかけします。鮭は鶏肉などと共に入れて煮ますが、ととまめは最後に散らします。 |
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∇ 今回「のっぺ」で使用している陶器は、新潟県北蒲原郡安田町にある旗野三姉妹の旗野窯で作っていただいた「庵地焼(あんちやき)」です。「蹴ロクロ」でほとんどが純粋な手作業で仕上られています。 庵地焼は新潟に行ってはじめて出会いました。「炊き込みご飯などを入れるような器を・・・」とお願いして出来上がったものです。濃い黒地に茶色が美しく、素朴さと深みのある重厚感が漂って使うほどに艶を増して行きます。明治11年創業で麗子さん、聖子さん、佳子さんの美しい三姉妹の方が120年の伝統を守っておられます。大きさも良く10客作っていただいたので「炊き込みご飯」「のっぺ」「汁物」など大勢のお客様の時にも使っています。新潟での嬉しい出会いの一つです。 |