暇人の雑記帳
読むー好きな作家などについての寸評
エッセイ・雑文
<注目する作家>
大江健三郎
カズオ・イシグロ
北杜夫
鷺沢萠
高橋和巳
多和田葉子
野間宏
村上春樹
<1968-1972>
1968に関する本
1972に関する本
<文学史・文壇史>
文学史、文壇史について
文学史
文壇史
<最近読んだ作品>
五木寛之
大下英治
沢木耕太郎
新海均
岡崎武志
石原千秋
漱石と日本の近代
梯久美子 著
島尾ミホ伝『死の棘』の謎
ノルベルト・フライ 著1968年 反乱のグローバリズム
<トピックス>
英語で読む村上春樹
芥川賞作品を受賞間もなく読む様になったのは、確か丸山健二の「夏の流れ」(1966年下半期受賞)からだった、と記憶している。余りに瑞々しい作品に感動し、高校時代の担任(国語、書道担当)に僭越にも「是非、読んで下さい」、と言ったのが今でも眼に浮かびます。特に最近(数十年?)は、毎回の様に文藝春秋の掲載誌で読んでいる。
abさんご/黒田夏子(2012年度下半期)
受賞者の年齢(75歳9ヵ月)ばかりが注目されたが、なかなかの意欲作である。
ストーリーは一人娘である主人公が父や母、そしてあたらしい家事がかりとの関わりを追想する話しである。しかし、この作品はストーリーで読ませる作品ではない。主としてひらがなを使い、横書きにして、読者の読み進むリズムで読ませる作品である。そういう意味では、どこかで読んだのだが詩的な作品である。選考委員の中には数回読まないと分からないところもある、と書いていた人もいるが、私にはそれ程苦にならずに読めた。使われている言葉もストーリーも美しい作品である。しかし、しかしである。こんなに美しい作品であるならば、ひらがなを主にした横書きの作品にしなくても充分に感動を呼ぶのではないだろうか?もっとも、私にとっては上流階級の家族を描いた、この手の小説を好みにはしていないので、詩的でなくて(そして思い入れが強くなくて)良いので、もっと散文的な作品を書くことを望みたい。
爪と目/藤野可織(2013年度上半期)
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