暇人の雑記帳
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蔵書の苦しみ/ 岡崎武志 著
蔵書の整理に関する泣き笑いの話しであり面白いと思うと同時に、日頃、妻から「本を捨てて頂戴」と言われている私にとっては参考になるのではないかという思いから、書評家である岡崎武志の「蔵書の苦しみ」を読んだ。
私はこの本に出てくる人たちのように数千冊、数万冊という数え切れない程の本を持っているわけではない。しかし、実態は同じ様なものだ。本が棚に収まりきれなくなったために、箱に詰めて押し入れや物置に入れてしまっていたり、棚に前後二列に本を入れたりしているので、どこに何があるのか分からなくなっている様になってきている。最近は以前に買った本をまた買ってしまったりする。
それとは別に、本棚の前に更に本棚やレコード(LP)の入ったカラーボックス、ミュージックテープの入った整理箱を置いたりしまっていて、奥の本棚に何が入っているかが見えなくなってしまっている。また、取り出せなくなってしまっている。せめて今後半年くらいで、この雑然とした状況を何とかしなければならない。
著者に言われなくても、以前から本の背表紙は見えるようにしなければ、と思っている。著者曰く、蔵書の理想は500冊であるという。そこまで減らせるだろうか?
この本を読んでいると、著者の蔵書は3万冊以上はありそうだ。2、3千冊一挙に処分しても5%に満たなそうだというから5万冊以上あるのかも知れない。そういう人の理想が500冊なのだから、狭い家に住んでいる私は本棚一つ、すなわち200冊でも良いかも知れない。妻は日頃、「あの本を私が処分するのは嫌よ!」、と言っている。せめて私が死んだ時、妻が処分する気が出るくらいには減らしたい。
著者と同じ様に私にとって蔵書は非常に大事なものだ。所持金が少ない時代から本の購入を優先してきた。だから、「あんな本、どうせいらないのだから捨ててしまうわ!」、と妻が言った時、「本は命の次に大事なのだから、そんな事をしたらお前を殺すぞ」、とまで私は言ってしまった。
そんな私には200冊に減らすのはつらい。せめて、現有の本棚の内、単行本用本棚3台、文庫本用本棚2台、カラーボックス5台を残し、背表紙が見えるようにして1000冊弱くらいだろうか??ここは私の事情を書くページではないので、私の話しはこれで止める。(閑話休題)
この本の「教訓」などを以下に記す。
1)本は想像以上に重い。二階に置き過ぎると床をぶち抜くことがあるのでご用心。
2)通常一万冊あれば、店の規模にもよるが、一軒の古本屋が開けると言われている。
3)自分のその時点での鮮度を失った本は、一度手放すべし。
4)ポピュラーな五段のスチール本棚で、普通の単行本が二百冊ぐらい収納されている。
5)ミカン箱くらいの段ボールだと、四六判の単行本が四十冊ぐらい入る。
6)古本屋さんに出張買い取りをお願いする時は、どんな本が、どれだけの量あるかを、はっきり告げるべし。
7)本棚は書斎を堕落させる。必要な本がすぐ手の届くところにあるのが理想。
8)段ボールに溜めておくと、本は死蔵する。背表紙は可視化させておくべし。
9)本棚は地震に弱い。地震が起きたら、蔵書は狂気と化すことを心得ておくべし。
10)蔵書はよく燃える。火災にはよくよく注意すべし。
11)ふつう、家を建てる場合、床の積載荷重をだいたい180kg/m2以内と見積もります。ところが、本棚にびっしり本を並べると、軽くその倍はかかる。
12)四六判の単行本一冊の重量を四百グラムとして、スチールの本棚五段に収納できるのが約二百冊。それだけで八十キログラム。前後二列に並べるとその倍。本棚そのものの重量が別にかかる。
13)本は家に負担をかける。新築の際は、蔵書の重さを概算しておくこと。
14)トランクルームを借りたからといって安心するべからず。やがていっぱいになることを心得ておくべし。
15)公立図書館をうまく使えば、特に古書に興味がない一般的な読書人にとって、ほぼ自分の蔵書など不要とも言える。
16)地味な純文学作家の作品は、売ってしまっても図書館で再び出会える可能性が高い。閉架扱いを要チェック。
17)蔵書を一気に処分するには、自宅での「一人古本市」がお勧め。うまく売るためのポイントは値段のつけ方にあり。
気になるので自分の蔵書数を推し量るためにチェックしてみた。そして、このページに記そうとしたのだが、このページには相応しくないので他の自分のページ(ブログ:定年過ぎたら自由なる生活)に記すことにした。
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