第1話~第8話

アニばら観察日記


 


じゃじゃーん!!オスカル様誕生~っっ!
早速ですが、おかしな私的見解をズラズラとすみません。


第1話 「オスカル!バラの運命」



アニメのオスカル様は激しい雷鳴と共にお生まれになります。


その後のアニばら気象模様をみても、彼女は物凄い雨女なのでしょうか?
時期的には雪でもよかったでしょうに、この日は強烈な雷雨。
ベタな演出ですが、チラチラと粉雪舞って・・・とかよりも、このゲリラ豪雨的天候は痺れます。
恐らく、この先オスカル様を待ち受ける怒涛の運命を暗示しているのでしょう。
ところで、お気付きでしょうか?ジャルジェ将軍、この時まだ髪が茶色いんです。次に登場する時にはロマンスグレーですから、14年の歳月でさぞかしいろんな御苦労があったのでしょうねぇ。ってゆーか、そもそもこれって地毛なのか?
いえいえ、アニメの分かりやすい演出って事でこの変化なのでしょう。
とにかく茶髪の父上はレアなので、ちょっと注目してあげて下さい。

主題歌を挟んで、ジャルジェ家に生まれた可愛らしいお姫様は14歳になりました。
ベルサイユ宮殿の舞踏会の場面、記念すべき第一曲目は弦楽五重奏曲ホ長調G275の第三楽章、通称ボッケリー二のメヌエットです。とても良い曲ですね。しかしジャルジェ将軍を見て話しかけて来る貴婦人たちの髪、のっけから派手に色パカしとる・・・
いきなりのリアルな突っ込みどころに少しびっくりしますが、そんなところはまぁいいとして、いよいよオスカル様の登場です!

な、なんと妖艶な・・・!!
アニメのオスカル様ってば14歳の若さで、既にこの色香です。

アンドレとチャンチャンバラバラする姿もやんちゃと言うよりコケティッシュ。
なかなか末恐ろしいものがありますよ。


そんな娘をなんとしてでも近衛隊長の位につけたい父上。国王陛下に呼ばれ、期待は早くも確信へと変わっていきます。ちなみに陛下の横に居るのはブイエ将軍だと思われますが、原作と異なりアニメではジャル&ブイエは仲良しこよしの設定です。
まだそのあたりの細かいところは出てきませんが、とりあえず「ブイエも第1話から出てるのね」と気に留めておいて頂けると、より一層アニばら世界を楽しめると思います。

さあ上機嫌で帰って来た父上、早速娘を呼んで真新しい軍服を「まずは着てみなさいよ!ほれ!」とやりますが・・・あっさり拒否られます。

アニメのオスカル様は非常に手強い。
生まれた時から男として育てられているからといって、何の迷いもなく軍人の道を行けるような楽観的な人ではなく、言い方を変えればとても常識的な人なのです。

男のアニメーターさん達は「綺麗な女子が男なんかの格好させられてたら普通は不満に思うでしょうが?」と思ったんじゃないでしょうか?私もその方が自然だと思います。この迷いこそがアニばらの命!迷って迷って・・・まさに怒涛の迷路のなかを彷徨いながらオスカル様の辿り着く先。
それこそが物凄いのです!!

と言うわけで、オスカル様はしょっぱなから激しい葛藤の中で苦しみます。
自分のことを「俺」とか言っちゃってるあたりの無茶さ加減も、それは逆に色っぽい・・・。
それくらい実は男装には違和感ある~・・・って感じが、彼女の様子からはしますよね。



話は変わりまして、私はジェローデルと言うキャラクターが大好きです。
もちろん原作の彼も素晴らしいですがアニジェロには腰が抜ける程に萌えてしまう・・・。
そもそもこうまでアニメに入れ込んでしまう重大な理由のひとつが「第1話からジェローデルが出ているから♪」これなんですね。

アニメの彼は年下ではありません。恐らくオスカル様より2つ3つ上。
初登場時16歳くらいです。
違ったとしても私はそれで妄想しておりますので、ご理解頂ければと思います。

アニジェロってやけに屈折していて自虐的。革命の臭いが漂って来る前からこの人には貴族と言う立場をどことなく卑下している雰囲気があります。単純な貴族のお坊ちゃんじゃない。そーゆー複雑な役回りを見せ付けながらの素晴らし過ぎるこの負けっぷり!!
嗚呼ジェローデル・・・・・萌。

一方でオスカル様は・・・第1話からマドモアゼル扱いされています。
しかしながらジェロの従者ごときにそう呼ばれたところでグッとはこないのでしょう。マドモアゼルオスカルは失敬な物言いでジェロを挑発、力の差を見せ付けますが、この場面はオスカル様の優しさの表れでもありましょう。言葉通り素直に、「貴方に恥をかかせたくない」のです。

そう・・・やり方には少々(否、大いに)問題がありますが、アニメのオスカル様からは常に男を立てる姿勢を学べます。ジェロにしろアンドレにしろ、男性陣はオスカル様のそんなところを好きになるのではないでしょうか?



さて、私がアニメに拘る理由、その二つ目は『馬』です。馬と言う動物が好きなのです。

動物と言うのはどんな小さくても、たとえば小鳥やハムスターのようなものでも、身近にいればひしひしと生命の力強さを感じさせてくれるもの。それが馬ともなれば・・・サイズ的にもそこから受け取れる生命力はハンパありません。ここに登場する馬たちは、まさにメインキャストの存在感でアニばらの世界に命を与えていきます。

アニばらの名場面には必ずと言っていいほど馬が出るのです。
逆に言えば、アニばらを観ていて馬が出ていたら・・・その場面には是非注目して下さい。必ず「みどころ」となる大切な場面なのです。

その馬たち、オスカル様の乗る白馬をシロ、アンドレの馬をクロとしましょう。
クロはオスカル様をとても気遣う優しい子です。命令に従わず父上に殴られるオスカル様を慮って嘶くクロ、主人であるアンドレと完全にシンクロしていると言っていいでしょう。
ってところで話を馬からレニエに移します。アニメの父上のドメスティックバイオレンスっぷり!これは殆ど犯罪的です。胸ぐらつかんで階段から放り投げる等まったく許せない行為です。現代ならば役所に通報したいくらい。
しかし、この横暴で非常に血圧高そうな父上、案外と他力本願なところもありまして、自分で説得不可能と判断するとアンドレに頼ります。「おまえの言うことなら聞くかもしれん!」って・・・嗚呼それこそが命取り!20年後にはそれでオスカル様は本格的な反逆者になってしまわれるのですよ・・・これも伏線だったりして。

話を戻しまして、14歳のオスカル様は単なる反抗期なわけではなく、本当に苦しい迷いの中にいるのです。自分の前には既にがっつり宿命のレールが敷かれていて、そこへ乗るしか生きる術はない。分かってはいるけど・・・この辛さ、誰かに気付いて欲しい。そーゆー部分があるのです。
それはそうと、オスカル様は盗み聞きのスタイルも半端ありません。「春の嵐か・・」なあの大雨の中、何ゆえ外から聞き耳を!?だいたいあんな激しい雨音の中、室内の会話が聞こえるはずがない。アナタ、一体どーゆー地獄耳?
・・・野暮なこと言うのはやめましょう・・・ドラマチックな演出とはこーゆーもの。非常に痺れます。



そしてそして、いよいよ場面は第一話最高のクライマックスへ!!

湖の前でのオスカル様とアンドレの殴り合い。
この場面は私のハートを永久に鷲づかみにしました。

素晴らし過ぎる~~~(涙)

アニメのアンドレは全てを分かったうえで、いつも背中を押してくれる存在です。そう、彼はいつだって突破口を拓いてくれる男なのです!

ここではとにかく、オスカル様の鬱積した思いを吐き出させてくれました。殴り合いとはいえ、これは決して暴力的なわけじゃない。若者同士が素手でやり合うのは煮え滾る友情の証、若いアンドレの思いやりの形だったのです。

二人が見つめ合って(にらみ合ってか?)ハァハァ言ってるところで朝日がさしてくるあの演出!見事です。うぉーーー・・・【青春】の二文字が胸を熱くします。

アニメの二人は最終的な局面でアラスの「あの素晴らしかった朝日」を思い出しますが、この日の朝日もきっと記憶の深いところにあったに違いない。

は、早くも・・・泣けます~~~・・・・・
ちなみにこの場面。遠景ではアンドレ、すかさず寝技に持ち込もうとオスカル様を押し倒しますが、すぐに蹴り倒されています(笑)そんな二人を心配そうに見守るのはやはりクロちゃんで、シロちゃんの方は特に関心ない様子で水を飲んでたりしますね。

そんなこんなで、殴り合いの後は積極的に手を握り・・・。
いや~・・・殴ったり、お手てギュッとしたり・・・こんなにイロイロできちゃうなんて、まだまだ子供なのねぇ?とちょっとビックリです!
なのにねぇ・・・運命は二人に子供でいることを許しません。

そーゆーわけで、アンドレはオスカル様の気付いて欲しかった部分に気付きました。そして、気が済んだのかオスカル様は密かに目をうるうるさせ決断をします。

しかし、第1話にしてアンドレのこの扱いの良さ!!
「女に戻るなら今だぞーーーっ!!」とか叫んじゃって・・・この二人、このペースで生きていったら成人式迎える前に結ばれてしまうんでないの!?この男が傍に居る限り、なんならいつでも女に戻れそうな感じですけど・・・オスカル様~~~っ!?
と私などは思わず身を乗り出してしまう・・・
あぁ二人のディープ過ぎるこのリレイションシップよっ!!

と、何やら興奮を抑えきれなくなりましたが、大丈夫です。次回以降はスキンシップを最小限に抑え、主従関係を重視して生活しますから・・・。



で、オスカル様のオトナとしての第一歩・・・こちらです!!

っか~~~~~~・・・
何度見ても色褪せない感動というのがこの場面にはあります・・・涙。。。


純白の軍服をお召しになった14才のオスカル様がメインテーマと共に皆の衆の前に降臨される第1話のラスト・・・
このワンシーンだけで「アニばらにはこの世のエンターテイメントのすべてが詰まっておる!!」と喝采せずにはいられない。

ズドンとハートを撃ち抜かれ、昔も今も、私はただひたすら「やられた・・・っ!」という感じですよ。



反逆で始まり反逆で終わるアニメのオスカル様。

その波乱の人生を描いたアニメ『ベルサイユのばら』全40話は長浜監督のこの強い押し出しあってこそ!一見バイオレンス三昧な中にも細やかな愛情が溢れる素晴らしいエピソードです。

「絶対に幸せな結末ではないな・・・」と激しく予感させる重々しいナレーションと、第1話から長過ぎるこのアニ馬鹿語り・・・
40話もつんだろうか?と心臓がビリビリしたところで・・・続く。

 


 

「とてもステキよ~~~!」って・・・。
ヤングオスカル様の飛び蹴りde一発乱入 まじサイコー!!


第2話 「舞え!オーストリアの蝶」



第1話の素晴らしい人物描写から一転、第2話はひとこと「能天気!」とも言えるめっちゃアニメチックな冒険活劇風になります。
しかし・・・のっけから父上のこの鬼畜っぷりよ・・・(怒)!
朝っぱらから「これを着て身代わりとなるのだ!」と物騒な事をほざいて中途半端なドレスを渡す父ジャルジェ。
あんた・・・娘を一体なんだと思ってる?

前回はあんなに軍服着ろ着ろとやかましかったくせに王室警護の為には手段を選ばない、彼は非常にわがまま且つ困ったおっさんです。ここまでテンパって近衛バカだと流石に腹が立ちますね。でも、オスカル様は相も変わらず素敵です。
覚悟を決めたからには「オスカル様をナメんなよ」な軍服宣言Deサーベルキラリ。
その背景なんですかぁ!?非常にオーバーで興奮します~~~!!

さて第2話、「舞え!オーストリアの蝶」です。
エピソードの主軸はオルレアン公率いるアニばらヒール軍団が企てる、あり得ない花嫁拉致事件ではありますが・・・それはそれ!ヤングなオスカル様の気持ちのいい活躍っぷりにはやはり痺れてしまいます。

アニメのオスカル様は基本スタンドプレーの方らしく、急な思い付きって事もあるかもしれませんが全編を通して派手な行動に打って出る時は大概おひとり・・・と言うパターンが多い。今回もアンドレがちょっと目を離した隙にはい。単独で出動してしまいました。

一方、「もうお嫁に行くのはやめました♪」なアントワネット様、ドッキリカメラみたいなイタズラはお好きなようで、結局何がしたかったのかは分かりませんが、順調に罠にはまっていく姿はおバカそのもの!!これではオーストリアの偉大なる母でなくとも胃が痛くなりましょう。

そんな駄目駄目なアントワネット様を助けんと、颯爽と現れるオスカル様!!
アンドレ曰く、こちらもさんざん駄々をこねましたが、やると決めたら流石はオスカル様。並外れた観察力と行動力でいきなり「うわ!女の直感炸裂っすね!」な働きっぷりなのです。

とにかく、ピチピチヤングな隊長なので、やる事が清々しいです。
敵の巣窟に、まずは飛び蹴りにて一発乱入!更にキックで暴れなさるのかと思わせて二発目はアッパーカット!!このフェイントがたまりませ~ん。とても素敵よ~~~!なんつって、120%的外れな歓声を上げて喜ぶアントワネット様に共感度もMAXな名ファイティング場面であります。
ちなみに闘いながらアントワネット様を連れて逃げるオスカル様、何故かご自分の馬には乗らずに敵方の一頭を拝借しておられますが・・・シロちゃんは何処へ?
はい、恐らくは後で探しに来たアンドレが無事保護して連れ帰ったものと思われます。

それにしてもオルレアン公、彼もギリギリのタイムスケジュールで悪事を働く男です。「王太子妃殿下ご到着にございます」の時には何食わぬ顔をして王族の列に並ぶオルレアン。スカポンタンな部下を口封じのため殺した際のナイフ投げはお見事でしたが、あの後猛ダッシュで国王陛下の元へ帰るのはなかなか大変だった事でしょう。しかし、悪い奴ですね。最初からうまくいきそうにない作戦で事を実行し、ボロが出たら直ぐに殺してしまう。どうせならもっと頭を使って、人の命はなるべく粗末にしないで頂きたいものです。

*掲示板にてご指摘頂きました件を追加します。
 
このエピソードをトンデモたらしめている最大の理由が「え?偽アントワネットって男なの?」という部分だと思うのですが・・・・・・
いくらなんでも性別を合わせるくらいしろよ!とオルレアン公には突っ込み以前の苦情を申し立てたいくらいの気持ちになりますよね、そりゃ真っ当なご意見です。
しかし、ずさんな計画だと笑うなかれ。
何故バレずにそこそこのところまでいけたのか?
そこにこのエピソードの真の怖さが隠れているのです。

オーストリアからフランスへ、花嫁として引き渡されたその場所に居た召使の多くがオルレアン公の配下の者だった!ということなのです。というか、そうだったら面白いじゃないか~という私の希望です。
計画失敗により当然この者たちは口を噤まされ、中には殺された哀れな人も存在しますが、まぁ、オルレアン公の権力をもってすればそれくらいの事はきっと屁でもないのでしょう。


ぞわぞわぞわ~…
ベルサイユって、こわいところなんだなぁ!



さて、すったもんだで大騒ぎしながらお輿入れされたアントワネット様。
彼女はそう・・・オスカル様にこそ『恋』をするのです。

「オスカルは命の恩人!」
この思いをしっかりと胸に刻んでフランスの人となるアントワネット様。その姿にこちらの胸もすっかり共鳴し、じぃ~んとなる大変印象的な場面です。バックで流れる音楽もマイナーコードですが非常にドラマチックな良い曲です。
ってところで、なんとフェルゼン伯爵登場!!・・・あんた何故そこに居る??と突っ込むのは、野暮なのでしょうね、はい。

第2話にしてベルばらの主人公を三者揃えたこのサービスカット、複雑に織り成す運命に向かって・・・
しっかりとドキドキしておきたいものです。つづく。

 


 

デストロイヤーデュバリー登場!!
もう、どうにも止まらない・・・ベルサイユは浪花節の調べ。


第3話 「ベルサイユに火花散る」



早速ですが、私はアニばらの効果音に非常に萌えます。

耳に響く鋭い銃声に、激しく剣先が擦り合わさる金属音。鳩が一斉に飛び立つ羽音や馬の穏やかな嘶き声。噴水や雨の水音に宝石がキラキラするイメージ音、そしてパリの街に歓喜と哀愁を運ぶノートルダム寺院の鐘の音・・・

アニばらにはこれらの効果音が非常にうまく入ってるなぁと思うのです。そのノートルダム寺院の鐘の音をバックに、セーヌ川を中心にパリの街を俯瞰で描いた出だしの場面。アニばらは美術さんも素晴らしい仕事をして下さいます。こーゆーのはアニメーションならでは。ひとコマひとコマ区切られたマンガの世界とは違った魅力が映像の世界にはあるのです。

と言うところで、さぁ!物語はいよいよベルサイユに舞台を移し【女の確執延々エピソード】に突入していく事になります。
ここで長浜監督は「巨人の星」並みのベリーオーバーな演技を声優さん達に要求したと聞きますが・・・なるほど、ベルサイユはかなりのクサさです!!って言うか、宮殿内に自然と充満する浪花節ムードはどう考えてもニッポン的。・・・恐るべしデュバリー、演歌の花道・来宮良子さん。

さて、そんな中で我らが隊長オスカル様、田島令子さんはあくまで淡々と、まだ自分を「俺」と言ってしまう無茶さはあれど、華の浪花節からは確実に浮くオスカル様。
アントワネット様同様、ベルサイユデビューしたての彼女は汚染知らずでとっても淡白&クールビューティーなのでした。
そんなオスカル様、ライン河での活躍が評判になった事と長い間神秘のベールに包まれていたお顔が割れた事で、今や押しも押されぬ超アイドル!!そのモテモテっぷりときたら御本人のサービス精神ゼロな態度とは反比例して、グングン加速傾向にあるようです。

ああ・・・ベルサイユ・・・デュバリーが支配する浪花節ムードといい、オスカル様による【貴婦人マゾ化現象】といい、状況はやや深刻なもののように思われます。

ちなみにヤングなオスカル様の瞳のアップ、とにかく綺麗です。
・・・あの目で見つめられたい・・・凄まれたい・・・ムッハーーーーー・・・♪

ところでデュバリー夫人のイリュージョンについてなのですが、ベルサイユデビューの妃殿下が早速気に入らない様子の彼女。そのイヤリングの摩訶不思議に皆さま気付いておられるでしょうか?私室へ帰りイライラと外して宝石箱に投げ込んだはずのイヤリングが・・・次の瞬間から実に面白い動きをしますので、お暇な方は是非注目してみて下さい。

そーゆーわけで、ベルサイユという虚飾の世界で次第に事件に巻き込まれていくオスカル様。一体どうなっちゃうのかしら~と思う前に、引っ掛かるのは父上です。二言目には(てか一言目からだし)「国王陛下のご命令なのだ」って・・・あんた第1話からそれしか言わないし!
もはや問題なのはデュバリーでも単純おバカなアントワネット様でもオールドミスのおば様方でもありません。
「我が父の絶対国王陛下主義なんじゃねえか!?」とオスカル様も思われたに違いない。「この近衛バカ・・・」と。

・・・まぁ仕方ないんでしょうがね・・・。
と言うところで、アンドレも巻き込んで多少オカルトチックにロールが効いたところで・・・
つづく。





女の八つ当たり炸裂!!世界遺産も大ピンチ!?
どんなにイラついてもモノに当たってはいけません。


第4話 「バラと酒とたくらみと・・・」



第4話です。
今回は、はい。サブタイトルからして明確に演歌の香りが漂っていますね・・・ごくっ・・・

女のつまらない意地の張り合いから状況は宮廷を二分する不毛な勢力争いに発展。
あろうことか自分のモテっぷりが原因で大切な母上までもが巻き込まれていく・・・それが我慢ならない様子のオスカル様です。

そんな彼女の「嫌です!」の一言が、とても胸に迫ります。

このようにズバッと歯切れよく「嫌です!」と言えた時代があるのです。
オスカル様・・・今のうちに「嫌です!」を満喫なさって下さい。そのうち、嫌でも口にできなくなるのです(涙)。
しかしそうは言っても、決断は早く早くと迫られているわけでして。こーゆー場合には突破口を拓く男、ムッシュ~(シトワイヤンですが・・・)精神安定剤アンドレ・グランディエが説得係として登場します。また父上にお願いされたのか?たとえそうであったとしても、アンドレは「頼まれてやって来ました」ではなく、自分の言葉でお話する気概がありますので、オスカル様もちゃんと聞く耳を持って下さるのですね。「忠告なら無駄だ」と言いつつも。

さて、内心逃げられない事は分かっていたのでしょう、アンドレの「心配したくても俺にお袋はいない!」の台詞に何かを感じた様子のオスカル様。お袋とゆー呼び方、男臭くていいではないか。平民だからね。肉じゃがやきんぴらの匂いが染み付いた母・・・そんな下町割烹着系な感じが、なかなかどうして味わい深いぞ。という感じでしょうか?
それにしてもオスカル様、形勢逆転の為とは言え、腹にキックは反則じゃないかひ?アンドレ・・・かなり「ぐえっ・・・!」でした。

さて、今回から新たに登場するキャラクター、メルシー伯爵はとってもジェントル&ダンディで芝居上手なおじさんです。単純おバカなアントワネット様の振る舞いによる同盟の危機を察知した彼の見事なAパート〆っぷり!浪花節デュバリーに対抗するのに、これは心強い味方でありましょう。
「頑張れ!オーストリアの燻し銀」なんつって。


しかし・・・敵はやはり強いのです。
度重なるアントワネット様のシカト攻撃に首飾りを引き千切って悔しがるデュバリー夫人。彼女って本当にリアクションクイーンです。貴女こそ見てすぐ分かるウーマン!いろいろなものを破壊しながら「うおあああああ~~」と呻く様子は・・・だんだんと妖怪化してきた模様。怖い怖い。

そんな妖怪浪花節デュバリーの見え透いたお芝居で、若い小間使いの一人が・・・なんと命を落としてしまいます。
ああ悲劇!それはそうと、緊急事態を知らせに部屋に飛び込んで来たアンドレの台詞回しも、そーとーにクサい。明らかに丁稚奉公、時代劇だよ、あんた!!と突っ込みたくなりますが・・・直後「しまった」とだけ口にして駆け出してゆくオスカル様だけは依然として浪花節でも妖怪でも時代劇でもないのです。

周囲の過剰演技に汚染されないスタンドプレーなひと、田島令子さん。

いつもイキ過ぎを止めて下さってありがとう!!
オスカル様の声が貴女で本当に良かった・・・

そして珠玉のBGM「優しさの贈り物」、この回ラストのオスカル様、そのキメの台詞のバックが初出です。ほんまにええ曲です・・・うっうっうっ・・・つづく。





ついに決着か!?女のプライド合戦。その影で謎のパレロワイヤル初登場~っ!!


第5話 「高貴さを涙にこめて・・・」



なかなかしつこい女の勢力争い・・・飽きっぽい方はそろそろネをあげていらっしゃるのでは?

本放送時はこのエピソードを延々やってしまった事で視聴率、かなり苦戦したと聞きます。私はデュバリーが好きなのでいくらやっていただいても構わないのですけど。難しいですね、このへんのペース配分。

さてさて第5話の今回ですが、この回は画面の演出がかなり冴えていると思いますよ。
まずオープニングテーマに入る前のイントロ部分、ここの処理の仕方なんかは画期的にカッコいいではないですか!!

アニばらは当時としては異例とも言えるほど演出凝ってます。
連続アニメと言うより壮大なドラマ、ひとつの映画を団結して作り上げるような気持ちでスタッフが取り組んだ最初のアニメ作品なのだとある資料にありました。

そーゆー気合の演出が随所にみてとれるのが第5話なのです。特に画面が徐々に分割され効果音と共にキャラクターがカッカッカッと映し出されていく・・・正式に何と言う手法なのか分かりませんが、とにかくこーゆー演出は新鮮だったし、かっちょええですよ~~~アニばら!!


ところで、相も変わらずデュバリーの悔しがり方、怒り方ときたら・・・
今に始まった事ではありませんが、激怒した彼女のベルサイユ宮殿破壊活動っぷりは半端ありません。
おまえ世界遺産に対してそんな乱暴働いていいと思っとるんか?許されない犯罪行為です。どのような場合でも、ものに当り散らす女は美しいとは言えません。しかし、その破壊活動の中にもなかなかの名演出があったりするのですね。私が好きなのはオルレアンの「死刑」の台詞に合わせて、けたたましく鳴り響く壊れた置時計とか。痺れちゃいます。そうそう、ベタですが蝋燭の長さを変化させる事によって時間の経過を表現するやり方も上手かったですねぇ。


と、そう言えば、今回は悪の殿堂パレ.ロワイヤルが初登場しています。

アニメのパレロワって容赦なくキナ臭いんですけど・・・本当にこんなところに娼館があるんか?アニメのおリボンは別ルートで覚えたのかもしれません。。。


そんなこんなで顰蹙買いながら引っ張りまくった女のエピソード。いよいよ決着が付く時が来たようです。
アントワネット様は結局母君マリア・テレジア陛下の為に折れるのですが、あのむっちゃ巨大な肖像画が彼女にとっての母の存在の大きさなのかもしれません。

しかしこのあたりのプライドって・・・私のように現代を生温く適当に生きる者には到底理解できない領域にあります。ここまで引っ張るからどうしようもなく注目される結果になってしまったわけで。嫌いな相手ならそれこそ適当に、早期段階で一言 言葉をかけて、文句を言わさないようにしてですねー、そこから晴れて無視すればいいのにねと思うわけなんです。
・・・それじゃドラマになりません。オスカル様にも全く感動して貰えません。。。

でもね、アントワネット様がデュバリーを忌み嫌った理由が「もと娼婦だから」と言うんじゃ、ちと切ない。実際、世の中にはそこまでしなきゃ生きられない人々はいるのです。そして、その方たち無しでは健康に発育するカラダをどうにも持て余してしまう方も現実におられるわけで昔も現在も。プロの存在はある意味、性犯罪の抑制にも通じているわけで。
・・・って、こんな話、別にいらんよなぁ?

とにかく、ああ誇りって・・誇りって。・・・つづく。





続々と登場するいじめっこ。人材豊富な【アニばら悪役組合】にもう夢中・・・


第6話 「絹のドレスとボロ服」



第6話はいろいろな意味でフレッシュと言えます。

ベルサイユ宮に轟いた浪花節はひとまず小休止。デュバリー夫人は今回お休みです。で、入れ替わりにド・ゲメネ公爵とジャンヌが登場。

私は日本昔話でもディズニー作品でも何故か【わるもの】の方を好きになってしまいます。ジグソーパズルが好きなので家にテンヨーの1000ピースパズルを飾っていますが、その絵柄には、訪れた人10人のうち9人が「なんでまた」と呟きます。『ディズニーヴィランズ』と言うタイトルのそのパズル、白雪姫の魔女やフック船長やジャファーやアースラと言った悪いキャラクターばかりが総出演しているものなのです。更にそのパズルの悪趣味&素晴らしいところ、暗いところで変身するんです。特殊な加工がされていて明るい場所と暗い場所とで見える絵柄が違うんです。すごいでしょ?
と言うことで・・・悪者萌えの私にとって、アニばらは大変な宝庫です!

明らかに、原作よりも人相悪く屈折したひとが多い。徹底した極悪人から権力者に唆されついつい悪事に加担してしまう人まで、バリエーション豊かで人材豊富なアニばら悪役組合。

今回はその中からスター級の二人がデビューするのです。
特にアニメのド・ゲメネのいやらしさときたら。「あなたでご飯3杯食べられます」と言うくらいの味付けの濃さ。同じく原作よりキャラとして格段に昇格したオルレアン公とつるんで場を盛り上げて下さいます
この二人、利害の一致なのかなんなのか、いつも一緒で悪事三昧な雰囲気です。その姿はまるで往年の時代劇を観ているよう。友情も信頼関係も無いけれど何故か居ないと寂しい。悪代官とそれにせっせと媚を売るケチな領主風のムードを漂わせ、なかなか楽しませてくれる名コンビなのですね。
そしてそんな彼らに使われる「近衛隊に恨みを持つ男」シャルル・コルデー。これはアニメのオリジナルキャラですが単発ゲストとして、それなりの働きをみせています。どこでどう拾われたのかこの男、アンドレに尾行されたうえオスカル様には飛び掛られ(これはかなりラッキーでもありますね)、作戦は見事失敗。しかしミッションは不成功でもなかなかマニアックな死に様で、オスカル様に衝撃を与えることに成功しています。しかしこいつとの密約場面、あんな近くに近衛兵が居てるのに・・・不注意にも程があろうが?と言う感じ。元軍人ならば、ひとの視線にはもう少し敏感になった方がいいですね。しかもド・ゲメネ公爵自ら依頼に来るあたり慎重派なのでしょうか?とにかく、パシリ・ド・ゲメネ公爵に会ったら「いつもお疲れ様です」と言ってあげたい私が居ます。


それはそうと、パレードの道筋を下見に来られた麗しき近衛隊の方々、今日はパリから直帰なのでしょうか?そうではなく、まだ就業中なのだとしたら・・・ベルサイユまでの帰路、結構あるんでしょうからね。出先で一休みの一杯。てか、みんなまだ未成年なのに・・・ワイン飲んでいいのでしょうか?飲めるなら細かいことはいいのかもしれないですね。18世紀のフランスだし。

まあ、いずれにしろオスカル様は意外にも話の分かる隊長のようです。

脱線しましたが第6話は悪役組合の方々が続々登場。皆様なかなかどうして不敵な面構えでして、悪いキャラは非常に濃い目です。その為いまひとつパッとしませんが、今回は重要人物《春風ロザリー》も初登場であります。
置かれた境遇で人は成長するものなので、ロザリーは結構オトナです。原作のように大きな瞳にいっぱい涙をためた可憐な少女と言うより、アニメの彼女はいかにも「苦労して生活支えてます」なしっかり者なイメージ。
ああ・・・それにひきかえアントワネット様、前回へこむだけへこんだ彼女、今回は普通に元気なようです。マイペースに我儘かましてテンション高めに花の都パリを妄想する上田みゆきさん。この人の醸し出す雰囲気ってホント可愛いですよね。

アニメの前半、アントワネット様はいかにも世間知らずなお姫様していて、バカだけど憎めない感じがよく出ています。

宝塚の娘役さんが演じる王妃様は台詞も仕草も大袈裟過ぎてちょっと苦手なのですが、上田みゆきさんは天真爛漫そのもの。アンドレ曰く「人は自分の持たぬものに魅力を感じるのか」だそうですが、その通りなのかもしれません。「この人に誠心誠意『国の実情』を語る者が居たならば、あるいは本当にフランス革命は避けられたかも」アニメの妃殿下を見ているとそんな風に感じ、とても切なくなります。

最後に、この回でもフェルゼン伯爵はドキドキ感を煽りに登場しています。
派手なキャラが次々と問題を起こし、物語が動いていく中で微妙なサブリミナル効果のようにチラチラと顔を出し、ファンの期待を煽る北欧の貴公子フォン・フェルゼン!!本格的な貴方の出番を・・・私は待ってますよ~!!!つづく。





待ってました!フェルゼン伯爵!!
僕ちゃん、ベルサイユを潤しにスウェーデンからやって来ました。


第7話 「愛の手紙は誰の手で?」



いよいよ、いよいよ・・・世紀の色男、キングオブ愛人、北欧の貴公子ハンス・アクセル・フォン・フェルゼン伯爵の登場で~す!!

彼に逢うため、いざっ!オペラ座の仮面舞踏会へ!!!!!
しかし、このように重大なエピソードのある今回、『愛の手紙は誰の手で?』と言うタイトルは少し意外な気がしませんか?

いきなり脱線しますが、アニばらはこの一話ごとのタイトルのつけ方が非常に巧いと思います。ファンならば全40話分丸暗記は必須項目ですが、ホント、どれをとってもダサくない。
中にはただのサブタイトルだけでは惜しいくらいにドラマティックなものもありますね。たとえば「アンドレ、青いレモン」なんかはその代表格ではないですか?他にも「フェルゼン、名残の輪舞」や「嵐のプレリュード」なんかも素敵な響きですし「お前は光、俺は影」なんて直球も、それだけで泣けてきます。
学生時代、授業が暇だとおもむろに《趣味のノート》を取り出し、このアニばら全40話のサブタイトル、書き出してみたもんです。飽きもせず何回も。するとです・・・不思議なもので確かに文字には命が宿っていました。
1話から40話までのサブタイトル、それだけで流れるようなドラマがあります。

サクランボのアニばらサブタイトル萌え・・・語り出したらキリが無いのでここでは自制しときます。あ!でもこれだけ!アフレコ前の仮タイトルですと、けっこう酷いのがありました。一番笑えたのは31話。仮のままだとタイトルは「女隊長大きらい!」だったようです。子供か?本タイトルは皆さんご存知「兵営に咲くリラの花」という・・・とても趣のあるものになってますので、ホントに良かったです。

話を戻しまして第7話。ただの気まぐれで夜の街へ遊びに行くアントワネット様ではないんですね。結婚以来、何かとヲタクな王太子殿下にまったく構って貰えず寂しく切ないアントワネット様。史実だと更に【王太子はインポ】なのですから、かなり不幸な結婚生活であることは否めません。で、この事を少しでも事前に説明しておく脚本は親切です。オーバーな言い方をするなら、不倫という難しいテーマに対して前置きがあって良かったと思います。まぁ、そこまでは深刻に書いてませんけど・・・
とにかくアントワネット様はどうしようもなくお寂しい。だから多少の我儘には目をつぶってさしあげた方がいいのだ―というオスカル様の心理に対する説明にもなりましょう。

オスカル様は近衛隊長という立場で、実に様々な場面で王太子ご夫妻をサポートしていらっしゃるのです。

まずはアントワネット様の満たされない思いを慮り、一方では王太子ご自身からも悩みを打ち明けられている。

ひとは誰かれかまわず心中を吐露するわけではありません。なのでアントワネット様はともかく、王太子殿下がふとした時にオスカル様に話しかけ「こんなこと、ひとには言わないで欲しいんだ。」と照れくさそうに頼む場面を作った脚本家さんは素晴らしいと思います。ご夫妻はオスカル様にならなんでも話せるのです。

アニメのオスカル様とはそーゆー人。

人々の苦しい胸のうちをそっと聞いて受け止めて、言葉ではない優しさで返して下さる方なのです。

細かいところで《オスカル愛》がヒートアップしていきますが、この回やはり注目すべきはパリ・オペラ座。本格的に三人が揃う運命の仮面舞踏会なのです!


さぁ、好奇心パンパンで繰り出した生まれて初めての娑婆のパーチー!妃殿下は何でもかんでも新鮮で楽しくって仕方ないって感じです。そんなノリノリなお嬢さんに、斜から熱~い視線を送る一人の青年貴族。ここでフェルゼンが見せる北欧風キメの微笑みときたら~~~・・・

このキラキラ感、恥ずかしいです。

以前隣でこの場面を観てしまった旦那が弾けたように、爆笑しました。
更に仮面の下に隠された優雅なかんばせを一目・・・で恋に落ちる瞬間!ここのご両人の絵も相当・・・笑
運命のひとに出逢う時、ひとはこのように恥ずかしくキラキラしてしまうものなんですね。
と言ったところで、オスカル様登場~!!

ああ田島令子さん、台詞の内容のわりに、やけに冷静な口調が素敵です。
彼女のこれがツボなのです。

こーゆー重要な場面ほど、無駄に熱くなって欲しくないと私は思うのです!
シリアス劇の場合、くどい演技は客をしらけさせます。それはアニメーションだって同じ事。田島令子さん独特のこの冷静さ!アニメのオスカル様の魅力は間違いなくここにあるのです。

それはそうとこの第7話、運命の出逢いatオペラ座の場面は意外にあっさり終わるんですねぇ。
じゃあメインのエピソードは何なのかと言うと・・・はい、小休止を終えて再び登板!デストロイヤーデュバリーが企む『愛の偽手紙事件』なのです。あの女、まだ勢力衰えてなかったんですね。

さて今回の事件。解決への一番の功労者はジェローデルです。

前回のアンドレといい今回のジェロといい、アニメの彼らはなかなかどうして鼻が利き尾行も上手。非常に役に立つ男たちなのです。そんな優秀な部下たちの手柄で今回も悪役の計画は失敗に終わるのですが、興味深いのは証人確保に乗り込む場面。オスカル様、ジェローデル、アンドレの三人は仕事中殆ど行動を共にしている雰囲気です。そして、フィジカルワークはやはり平民担当。ドアを蹴破ったり、窓ガラスを叩き割っての荒技はアンドレが自然とやらされています。思うに・・・火炎瓶が投げ込まれて「しまった!謀られた!」の時もジェロではなくアンドレが体当たりすれば、ドアは開いたのです、きっと。

ジェロの品のいい当たり方で格段にハザードレベルが上がった三人は揃ってセーヌへダイハード!!!
演出としては滑らかでした。

さて翌日、デュバリー夫人は三人を見て一瞬「幽霊!?」と思ったかもしれません。内心怒髪天を突いていながら「あんたが犯人やろ!?」とハッキリ言わないオスカル様と部下二名。去ってゆく後ろ姿があまりにかっちょええので、デュバリーもそりゃ悔し涙、流しますでしょうってなもんです。

そんなこんなで、何も知らずにときめく胸を押さえきれない暢気な妃殿下・・・先がめっちゃ思いやられるーーーな苦労症オスカル様にビンビン共感したところで、つづく。





オスカル様への愛に、ついにエンジン全開!!
アンドレと一体化して皆さん、がんがんテンション上げましょう。


第8話 「我が心のオスカル」



第1話の素晴らしい心理描写から・・・思えば長かった。苦笑。

しばらく低迷していた(?)アニばらワールド。第8話「我が心のオスカル」は「オスカル!バラの運命」に続く感動力作。

若き日のオスカル様とアンドレの姿はひたすらいじらしく、ひたむきで・・・
そして何より二人は命がけです。

OAの愛と友情の軌跡はこのあたりからググッとテンションを上げ、やがて来る激動の時代へ向け、無限の強さと柔軟性を併せ持つようになるのですね・・・
何もぐだぐだ言わずとも、今回は泣けます。
事前に原作を読んでいなくっても「ベルばらって・・・ベルばらって・・・凄い話なんじゃなかろうか?」とイヤでも盛り上がって来る前半部のハイライト的エピソードです。独りキーを叩く私もムラムラと身体が火照ってくるこの感じ。ここはアンドレに憑依したつもりになって、アニばら世界に入り込んでみて下さい。

はい、冒頭からいきなり衝撃的です!憑依した途端・・・ビンタきたーーー!!・・・一体何が起きたのか!?これにはアンドレでなくとも焦りますね。これ、彼の夢です。では何故このような悪夢にうなされるのでしょうか?彼は寂しいのです。不安なのです。たとえるなら二人目が生まれてママを独占できなくなった子供みたいな(違う?)とにかく彼はオスカル様が自分から離れて行ってしまう不安から一人寝ができません。馬小屋のみんなと一緒ならどうにか・・・な日々なのかもしれません。馬たちは皆アンドレの味方。妙な夢みて早朝から大絶叫する迷惑者でも優しく話を聞いてくれるのが馬たちなのです。動物って素晴らしい。そしてアンドレは、動物には無条件に愛される男のようです。垣根が無いっちゅうか・・・なんかフツーに会話が出来ている感じ。


で、肝心のオスカル様ですが、ご出勤時に姿をお見せになる時には確かにクール。せめてもうちょっと静かに扉を閉めて下さい・・・でもその後は、二人はちゃんと一緒に居るのです。アンドレは最近ろくに顔も合わせていないと嘆いていますから久し振りのお供だったのでしょうか?違うのでは?と思いますよ。要は「一緒に居るのにオスカルってば全然俺を見ていない」って事が不満なんでしょう。・・・青臭い男だなぁ。

それにしても第8話、作画の調子がとってもいいです。朝露に濡れるバラの花や白馬のキラキラ感も素晴らしいですし、何よりオスカル様がとても美しい!髪が急に伸びましたね~彼女の持ち味、妖艶さにグッと磨きがかかったようでドキドキします。
この美しい人を、一体どう眺めれば【男】に見えるんでしょうか?
フェルゼン伯爵に面と向かって尋ねたいところです。しかし彼は妃殿下に一直線!順調に道を外していっている感じが結構いいムード、黙ってバラの花を手折ってくれる仕草などはウブな女人にしてみれば「ひえぇ~~・・」なのでしょう。ところでフェルゼン伯爵の声、基本的には永遠の色男ボイス野沢那智さんですが前半部分は堀勝之祐さんがやってます。これは代役が先に登場するというすごく変則的な珍しいパターンだそうで、なんでも那っ智が盲腸でアフレコ間に合わなかったらしいです。とにかく堀さん、17歳とは到底思えぬダンディなお声で見事な代役っぷりですね。


横道に逸れましたが今回のエピソード、主軸は勿論オスカル様とアンドレのあっつ~いリレイションシップです。

彼らの間に介在するのは主従愛であり、兄弟愛であり、友情であり、子供っぽい独占欲であり・・・「絶海に取り残された、あなたは私のたったひとりのパートナー」と言わんばかり、とにかくその救出のため無条件に体が動く愛なのでしょう。
私はそのへん、アニメ世界の方が原作より濃密に感じられ・・・好きなのです。


それとアニメのこのエピソード、馬のわき腹を蹴ったのは妃殿下でした。アンドレが蹴躓いたわけではないようですよ。
製作者の方々、それではあまりにマヌケ過ぎると判断したのかも。
しかし不注意は不注意なのです。一瞬の油断から妃殿下を乗せたまま白馬は暴走。物凄いのは途中まで手綱にぶら下がったまま引きづられるアンドレですが・・・「死ぬぞー!!」と叫ぶオスカル様もなんか凄い・・・(笑)
人々はとにかく『ものすんごいオスカルとアンドレ』の一部始終を目の当たりにする事になるわけです。

ここでひとつ疑問なのですが・・・馬って運河に飛び込みますかね?いくらなんでも見て行き止まりなのは分かるわけで、最低限の危機回避能力があれば自らストップしそうなもんですけど。・・・つまらない突っ込みをごめんなさい。


アニメのオスカル様はとにかく体を張って、怪我をして、病魔に冒され、顔にタテ線入れまくって物語を支えます。

うっうっうっ・・・中でも今回の超ロデオ救出活動のむちゃくちゃぶりは半端なく、容体は危篤までいってしまうのだから視聴者もビビります。
特に左腕に突き刺さった枝を引き抜く時の音!これがえらい痛い音しています。とにかく「うわぁ~」となる効果音なのです!そしてオスカル様、そんな大怪我で妃殿下抱っこは有り得ない!やめてください~・・・しかし直ぐに誰かが追い掛けて来る状況なので、実際に抱っこして歩いた距離はそう長くないのかも。その際、追い掛けて来た人はアンドレじゃありません。彼が来たのならオスカル様の怪我にすぐさま気付いたはずなので。

好きなエピソードにつき、いつも以上にダラダラ語ってすいません!

ちなみにこの回、ジェローデルが報告に来なければ
全てが手遅れになっていたかもしれません。

アンドレは死刑。オスカル様はもっと深刻な感染症か、あるいはシンプルに出血多量のため、やはり死亡。二人を死なせたアントワネット様だって自分の我儘を苦にして、死なないまでも猛烈に不幸になったと思います。

そう考えると(フェルゼンなんかよりも)あそこで報告に来たジェロは偉い!!
超絶素晴らしいお手柄と言えるでしょう。

アンドレ逮捕に愕然となるオスカル様、そんな彼女に「いい加減なことを言うな」と締め上げられる彼も味わい深いし。
彼ひとつも悪くないのにね・・・・・溜め息。。。




アニメのこのエピソード、最初にアンドレの疎外感を入れ込んだ事により、オスカル様の命がけの行動がより際立つものとなりました。

表面的な部分で判断し、遠ざけていたのはむしろアンドレの方かもしれません。彼は瀕死の重傷を負いながらも自分の為に命を投げ出そうとしたオスカル様に心底感動すると共に己の愚かさを猛烈に悔いる事になります。たっぷり一晩、このまま死んでしまうかもしれない大好きな人の手を握りながら、アンドレは様々な事を考えたことでしょう。
それにしても幼かった頃の回想シーン。
アニメでは原作を遡ること2年、5歳と6歳で出逢った二人ですが、アンドレ・・・髪型が既におリボンです。今の彼をそままスモールライトで小型化したみたいだ。そして草の上に寝転んでちょっとひと眠りなオスカル様。このスタイルは幼い頃からの癖のようです。なのでね、外で寝るのはそこまで抵抗ないんですよ。これはいずれ・・・37話のお話です。
脱線しましたが、生死の境を彷徨いながら、オスカル様は夢をみます。
三途の川を目撃したかもしれない彼女を・・・必死で呼び起こしたのはアンドレでした。立場は違えど二人は一晩中、闇の中を彷徨い、お互いを求め合った事でしょう。そしてその求め合う相手の為に、彼女は目を覚ますのでした。

少女マンガにまるで関心を示さないうちの旦那ですが、たまにつられて観ている事があります。
この回、彼は泣いてました。だいぶ情けないアンドレが、「我が心のオスカル」様をしっかりと自覚し、命をかけてゆく契機となるエピソード。ファンでなくとも胸を打ちます。ファンならばアンドレに自分を投影し共に号泣・・・オスカル様に生涯の忠誠を誓ってマグマの如く熱くなったところで・・・つづく。