アニばら観察日記
帰って来たチャッカマン。 あはん♪恋のスクランブル!?
なんつって浮かれていられない・・・
魂震えるオトナな展開に視聴者全員涙せよっーーー!!
第25話 「かた恋のメヌエット」
はいっどうもーーー!!長かった首飾り事件が一応終結し、アニばら後半戦はここからがホントの本番。異様な熱気で萌え度は急上昇!繊細でいて大胆な「原作クラッシャーーー出崎」の世界が画面いっぱい、遺憾なく響き渡ります。
炸裂する恋心、迸る男の我慢汁(誤解なきよう、変な意味じゃありません)日々凶暴化していく民衆の危ない様子等も余すとこなく盛り込みながら第25話は見どころ満載って言うか、全編クライマックスです。
ヒィーーーーーーーー♪♪♪あまりの熱さに雄叫びのひとつも上げてみない事には始まりません。
アニばらが放つ珠玉の(ほぼオリジナル)エピソード「かた恋のメヌエット」・・・今回は伝説の第20話に迫る出来映えの良さで、最初から最後まで23分間、とにかく魅せまくります。
皆様・・・雨ガッパのご準備はよろしいですか?今回25話の、実質的な降水確率はゼロです。で~も、濡れちゃいますからね・・・・・心にしっかりと雨ガッパを着こんで下さい。それでも、気付いたらやっぱり・・・私たちったら不思議なくらいにビッショビショ☆
何故かって?だって・・・あの人が帰って来たんですもの~!!!
許されざる愛のモーレツ着火装置、北欧のラブチャッカマン!
ハンス・アクセル・フォン・フェルゼン伯爵の夢にまでみた御帰還。
本日はジャルジェ家主催、世紀のモテ男に贈る“花の凱旋スペシャル”なのでありま~~~すっ!!!
第25話「かた恋のメヌエット」。このタイトル、初めて目にした時から現在まで心にややイレギュラーな引っ掛かり方をしております。「かた恋」というニュアンス、これなんですね。もし仮に「かた想いのメヌエット」だったなら、あるいはストンと腑に落ちたかもしれません。
そうか・・・“かた恋”か。普通に口語で使用する言葉ではありません。故に醸し出すムードはとっても文学的・・・かた想いとするより渋みが増し、切なさも増幅され、キャラクターそれぞれの孤独感がより一層際立つ感じがしませんか?だからむっしょ~に胸に引っ掛かるぅ・・・・・
嗚呼っ、アニばらのサブタイトルセンスに萌える晩秋。
と、まずは予告編でタイトルに感心しました♪
んで、晴れて本編。オープニングのつかみ具合からたっぷりと観ていきましょう。
見事な夕暮れっぷりです。アニばらには夕暮れに物思う演出が数多く登場し、そのいずれもが味わい深く・・・暖色系の色彩と共にとっても印象に残るのですが、今回の演出は特に冴えています。オスカル様が射撃の訓練をされているんですね。
そうですか・・・就業中以外の、このまったりしたムードは完全にオフなんだと思うんですが、そーゆー時にも訓練ってされるんですね。恐らく、お屋敷で飲まれる飲料の空き瓶が一定量たまったら、オスカル様はこうして標的にし、腕を磨かれるんだと思います。
現代を生きる我々は空き瓶の類はリサイクルに回しますが、18世紀のオスカル様にはまだリサイクルという概念がありません。なので、ただ廃棄するより標的にしてやった方がいいのです。なお、オスカル様の腕では静止している標的を撃ち損じる事などは考えられませんので、木っ端微塵に砕けたガラスの後片付けは大変だと思います。「アンドレ、私は馬を連れて来るから・・・おまえは掃除、頼むぞ」というわけで、もう少し長くこの場面を眺めていれば竹ボーキとチリ取りで華麗に清掃するアンドレの姿を拝めたかもしれません。要らん妄想で早速脱線、すみませんねぇ・・・
というわけで、「オスカール、りんごかじるかい?」・・・食べるかい?ではなく、齧るかい?なんですね。そうか、りんごは丸々食べるとなると量的に結構ありますので、オスカル様は喉を潤す為に一口二口齧るだけなんですね。で、残ったりんごは勿論アンドレが食べます。間接チッスというやつですね、オスカル様のお口が触れたと思えば芯まで無駄には出来ません。そーゆーわけなので、アンドレはまずオスカル様にりんごをすすめて・・・余った分は俺が美味しく戴く♪という?なんとなく恒例の場面のような気がして和んでるところにクセモノ登場ーーーっ!!
なんなんでしょうかーーー!?!?!?りんごが・・・りんごが空中爆発しました。
首飾り事件以来、治安は悪くなる一方なのでオスカル様もアンドレも、この時はさぞ驚いた事でしょう。もし民衆の襲撃だったら・・・こげな丸腰状態で一体ど~やって身を守るんですか!?なんて書いてはみましたが、実際驚いてはいますがそこまでではありません。振り向きざまのオスカル様の表情を見ても「敵襲か!?」と言う感じではありませんし、むしろ大変色っぽい「は!?」な瞬間に、いつもながら萌え♪くっ~~~・・・・・
さぁ、さぁ、逆光なのかなんなのか、“その男”の正体が判明するまで画面は非常にジリジリしています。聞き覚えのある声、懐かしく甘い空気、否応無く高まる期待感、オスカル様は速くなる鼓動を感じ全身がカッ~!!と熱くなった事でしょう。
不審者ではありません。高らかに笑ってカッコつけてはおりますが、たぶん黄金バットでもないでしょう。食べ物を粗末に扱うものではない。と若干の苦言は呈したいところですが、自分の腕前も見せたかったんだってさぁ~・・・(涙)
ハンス・アクセル・フォン・フェルゼン!名乗りましたー・・!!
ああ・・・夢じゃないかしら~~~全国の乙女、ここでアドレナリン噴射しないで何処でする?な、まさに最高の場面、恋と友情のクライマックスです!!
見よっ!!オスカル様のこの喜びよう・・・こんなに素直な彼女、いまだかつて見た事ないってくらいに手ばなしで喜び~のフェルゼンへ一直線!感激のあまり足元がおぼつかないようで途中コケそうになってます。それでも駆け寄る駆け寄る☆
どうです?ひとりの女を挟んで、アンドレの複雑な表情と感無量な様子で帽子を脱ぐフェルゼンの対比。そして、オスカル様大一番の笑顔です。
「分かってはいたけど・・・嗚呼、本当におまえはフェルゼンが好きなのだなぁー」と、五臓六腑に染み渡っちゃってアンドレはもう~・・撃たれたりんご以上にボッコボコ!! ハードなハードな、それはやはり凄まじい程の敵襲なのでした・・・♪♪♪
馬上の騎士にオスカル様は駆け寄って、勢いのままに抱きついたりとかしたんでしょうか?
・・・なんか可愛いねぇ。
何かと屈折したアニばら世界ですが、こーゆー場面は原作よりも遥かに直球。気のせいか男性陣にとって“素直に嬉しいシチュエーション”で女性たちが動いてくれる傾向にあるのです。
そーゆーわけで、戦場にて身も心も疲れ果てたフェルゼンを、オスカル様は大大大歓迎してお屋敷へ持ち帰って来たようです♪
だってね、7年間待った男です。安否を気遣い幾度眠れぬ夜を過ごしたことか・・・・・
「生きている」ただそれだけで、どれだけ神に感謝しても足りないくらいに、彼は愛しい愛しい男なのです。
その男が・・・真っ先に自分の元へやって来たんですよ。アメリカ大陸から、恐らくフェルゼンは船で帰還したんでしょう。身なりを整える十分な時間はあったはずです。嗚呼それなのに再会をよりドラマチックに演出する為なんだかどうだか知りませんが、彼ったら出来る限り“戦場モード”です。髭こそ生やしてませんが・・・あの髪!!伸び放題がワイルドかつセクシーでヤバいくらいに萌えますし、武骨な軍服姿も堪りません。「汚いまんまですまん・・・とりあえず君の元に、一目散で帰って来たよ!」なムード満点。彼ってば、コレで何度でも女を殺します。
話を本編に戻します(汗)。あたたかい暖炉のある部屋で、非常にアットホームなおもてなしをされ、フェルゼンは胸を熱くしている様子です。アンドレに給仕をして貰いワインも結構召し上がってるようですが、それ以上に美味い美味いと言ってモリモリ飯を食べる男。しばらく会わないうちに随分と体育会系になった・・・か?
私はも~胸がいっぱい過ぎて酒以外何も喉を通らんよ・・・
という雰囲気のオスカル様がいいです。
独立戦争が終わってから、フェルゼンは音沙汰無しで2年間も帰って来なかったそうで・・・熱病を患い、ここから生還できたのは二つの戦争に勝ったと言ってもいいくらいの武勇伝ですが、あんた心配かけ過ぎ!!
でも「良かった・・・」以外の台詞は出てきませんよね。ここに居る人々の胸の内には7年前のあの地獄のような苦しみが懐かしく、温かく、思い出されている事でしょう。
そんないい場面で又も要らん突っ込みを入れて申し訳ないんですが「こんな本格的なフランス料理」に、見えません。なんちゅうか、ユナイテッド・ステイツ・オブ・アメリカ帰りの白人さんにとにかくボリューミーな肉料理を出してみた。という感じの今宵のジャルジェ家です。フェルゼンが取り組んでいる、あれはビフテキですか?格闘家も吃驚なボリュームですってホント(笑)!そして、テーブルの真ん中にはカゴいっぱいにりんごが・・・どれだけりんご好きなんだ?
と、まぁ、こんな話はどうでもいいのです!お食事が終わって、改めてアルコールの時間♪
「終電なくなる時刻まで、とりあえず引き止めなくては」なんて事は18世紀のオスカル様は勿論思ってません。が、引き止める気はパンパン♪
てか・・・それ以上にフェルゼンには帰る気がありません。
ばあやさんに滞在用のお部屋を用意して貰い一応「そんな~!僕、ホント帰りますから!!」な態度をみせはしましたが・・・ポーズです。帰る気なんてないでしょう?貴方はジャルジェ家に戻って来たんでしょう?戦場で何もかも浄化され、まっさらになった気持ちが何%あるのか分かりませんが・・・貴方は何ひとつ変わってません。そして、オスカル様も、勿論アンドレだって、変わってなどいない。みんなあの頃のままです。だから涙が出る程に懐かしいし、心の底から愛しいと思うし、逢いたいと思ったんでしょう? あうっ・・・アニばら。言葉に出来ない想いで画面をびっしょり濡らしてくれますね~・・・うっうっうっ。
そんでコケコッコー!朝です。
昨日の夕焼けが見事だったように今日もイイお天気です。そして無駄に早起きなフェルゼン伯爵。爺さんみたいですが早起きは戦場での癖なんだそうで。一方オスカル様はというと、昨夜は興奮していてあまり寝てません。
総じて寝不足気味のアニメのオスカル様。
その体調が本当気になるんですが~・まぁまだ大丈夫みたいですね。
さて一夜明け・・・あえて爽やかなこの状況にて、ようやく本題とも言える話を切り出す感じのオスカル様。アントワネット様の元へ、一刻も早く会いに行った方がよい。しかしフェルゼンは「いずれは・・・とは思うが、お会いせずにスウェーデンへ帰るつもりだ」と答えるのです。朝イチでこのような重い話、ホントにお疲れ様なのですが、ここを避けていては今後はありえません。フェルゼンがフランスに舞い戻って来た理由、それを知りたい。そしてその答えはアントワネット様に対して自分は「もう萌えない(燃えない?)萌え上がらない(燃え上がらない?)」事を確認する為の作業だったと彼はいうのです。
じゃ~尚の事、ちゃっちゃとベルサイユへ行ってその確認作業とやら、して来いよ。と私だったら呟いてしまうのですが、オスカル様はそんな台詞、呟きません。
いろいろ考え出すと、これはとんでもなく複雑な事になりそうです・・・
が~、とりあえず“朗報”なんじゃないの、これ?おまけにフェルゼンは御言葉に甘えて一、二週間、この屋敷にご厄介になる事に決めたよ☆とか言ってるのです。
てか...一、二週間!?
思ったより長居する気満々なフェルゼンにオスカル様も返す言葉がありません。
あの~アントワネット様に会う気がないならとっとと帰国しても良さそうなものですが・・・“確認”作業にまだ時間がかかるんだそうです。しかしまー・・・この男のこーゆーところ、ソフトな図々しさ。これは今に始まった事ではないのでビックリはしませんが、オスカル様の立場、心境というものをこいつは本当に分かってるんでしょうか!?あんたが屋敷に居候している状態で今日からオスカル様は一体どの面下げてアントワネット様にお会いできると言うんでしょう!?!?トリアノンへ行かなければいいちゅうもんではありませんよ、あんた。それに「自分の屋敷に戻れば私が帰った事が公になってしまう」の意味も解りません!!自分んちでしょうが、それこそ口止めでもなんでもして情報の漏洩を防げばいいのでは!?
というわけで・・・理由はよく分かりませんが、うかつに自分の屋敷に戻れない帰還兵フェルゼンは、オスカル様に「しばらく俺をかくまってくれっ!」と朝っぱらから懇願する始末です。
7年経っても、貴方ってば相も変わらず甘えん坊ね・・・・・・
フェルゼンはオスカル様を翻弄する為にフランスへ立ち寄った。もぅそれ以外、理由等ありません。更に、あれ?今日はたまたま非番だったのでしょうか?まさかフェルゼンの為に仕事を休んだわけはありませんので、非番で良かったね、フェルゼン。戦場から戻って懐かしのフランスで大好きな人々から歓待を受け、彼ってばすっかり童心に還ってしまわれたようです。アンドレとのこのジャレっぷり!はしゃぎっぷり(笑)馬でどっちが速く走れるか競争ですか・・・「抜いてみろ私を!はっはっはっはっーーー」って、帰還したことが世間にバレてはまずいんだって、あんたさっき言ってたやん!?スウェーデンに帰ってからならともかく、ベルサイユと至近距離にあるジャルジェさんちで一体ナニしてんですか!?で、付き合ってあげてるアンドレは相当オトナです。オスカル様もオスカル様ですよ。こんなしょうもないノリのフェルゼンをじっとり眺めて「私がこの世でたった一人、愛しても良いと思った人」じゃないだろ!?見る相手を間違えてます。ここはアンドレを評価してやらなきゃならない場面なのに。
もー・・・しっかりして下さい!!と半ば泣けてきますが、展開の仕方が面白いので許します☆
いや~実際オスカル様ほど鬼一途な女性もおりません。フェルゼンが好きだといったら・・・そりゃも~地獄の果てまで好きなのです。
ご自分では一応冷静に判断している気でいるようですがハッキリ言ってのりしろはありません。嗚呼フェルゼン・・・LOVEっ!!
しかしです、この時まだ彼女はかなり高飛車モードで居る事も事実なわけで。
本質的な部分で究極に男に惚れた場合、アニメのオスカル様が高飛車でいる事は絶対にありません。故に・・・この時の想いはこれでいてまだまだ究極ではないのです。
そのあたりアンドレは承知のうえなので、細かい目の配り具合等でどうぞ楽しんでみて下さい♪というところで、キャ~!?アンドレ撃たれましたーーー!!目配りがどーのこーの言ってる場合じゃありません!でも、良かった・・・彼は無事です(安堵)更にこれをむしろイイ機会とばかりに「パリそしてフランスの現状」をお気楽フェルゼンに語って聞かせるシトワイヤンアンドレ。フェルゼンはさぞ衝撃を受けた事でしょう。というわけで、御一行はパリの街へ社会科見学に出掛けました。BGMは勿論この人♪今宵もベリーヘビ~に聴かせます・・・吟遊詩人のおっさん。
「死ねーーー!太った豚はみんな死ねーーーっ!!」って・・・
歯茎剥いて叫んでますが、これ一応少女アニメだから(汗)
勇気あるアニばらの黒い無茶演出、ハラハラしますが非常に好きです。
さぁ、フェルゼン。やっと今がどういう状況なのか分かって戴けたようで、貴方の真価が問われる場面です。きっかけを作ってくれたのは又もジャルジェ家の人々なのですよ。イレギュラーな方法でしたが背中を押してやったのはアンドレなのです。だからね「誰になんと言われようと!」なんて声を荒げる必要などありません。誰も止める人なんて居ないんですから。
そーゆー事で、いってらっしゃい!!アントワネット様によろしくね。
あ、髪は切って行った方がいいかもよ~・・・・
そんなこんなでアントワネット様の元へ戻ったフェルゼン&重い恋患いに翻弄されるオスカル様。彼女の感情の起伏を表現するのにアニメではバイオリンに変わってピアノが使われますが、ここはその効果抜群の場面です。決して派手な演出ではありませんが「ああーアニばらって巧いよなぁ~」と唸ってしまう。そっと鍵盤に触れようとするオスカル様の指・・・それが次の瞬間には銃声になります。これバイオリンでは出来ないでしょ?ドラマチックに作りますよね~意味なく設定変えてるわけじゃないのです、アニばらは。うぎゃーーーもう、痺れる~~~・・・(興奮)更に、今度の標的は動きます。てか瓶投げアンドレの「ほれっ~!」な感じがなんとなく犬の訓練風景っぽくて。湧き上がる想いをどうにか発散しようとする彼女の、犬のように無心な姿に泣けてきます。(この後飛散した瓶の破片を集めなきゃならないアンドレもまた大変)
というところで、今回のアンドレ。ファッションという部分に注目してみますと、なかなかのダサさです。彼に限って言えば射的や乗馬よりも、釣り人?このベスト、どーゆーつもりで着用しているのか分かりませんが絶妙にダサくて逆にカッコいいです。
パリの古着屋にて、ノリで買ってみたはいいものの着方がいまひとつ分からん。オスカ~ル、これってどうよ?しかしオスカル様もあまりパリカジュアルには詳しくないようで、適切なアドバイスが出来なかった模様です。
そんなダサルックで今回は「O.K.」を連発する男、アンドレ。フェルゼンに負けじと精一杯アメリカンナイズする姿が不可解ながらもたまらなく健気で可愛らしいのでした。
テンション上がったところで本日のBパート。後半戦はよりディープにアダルトに・・・大好きなアニばらワールドを深読みしていきたいと思います♪
さてアントワネット様。この人、フェルゼンの残りの人生を戴く事と引き換えにベルサイユへ戻る事を承諾されたようです。これまで色々な人々から説得を受けてきたでありましょうが、交換条件としてこれ程美味しいモノはなかったわけで、これで「戻ります。更にポリ一味ともきっぱり手を切ります」となったところで、なんと言いましょうか側近の胸の内は複雑だと思います。結局は“ゲンキンな二人”ですよね。
それはそうと、ここは二組のカップルの様子が交互で描かれ、なかなかどうして巧い!!のです。「セーヌの流れのごとく・・・」と改めて流暢に愛と献身を誓うフェルゼンとそれに涙するアントワネット様。対して・・・もうひとつのカップルは、深いです。
「見ろよオスカル、渡り鳥だ。帰って行くんだな・・・南へ。やつらはどんなに自由に大空を飛ぼうとも、結局は帰って行くんだ決まったところへ。誰にも止められはしない。誰にも」というアンドレの台詞がカッコ良過ぎて・・・言葉がありません。これは言わずもがな、フェルゼンがアントワネット様の元へ帰って行った事を意味するわけで、いわゆる“比喩”なんですがズバリ言われるよりも断然ズドンときます。
自然界の現象に喩えて言われたら、も~しょうがありませね。たとえ天変地異が起きたところで渡り鳥は大空をゆくでしょう。誰にどうする事も出来ません。つまり彼は「フェルゼンの事でおまえ、自分にも可能性があると思ったか?そういうものじゃないよ。男の真剣な想いとはそういうものじゃない」と言ったのです。オスカル様がこれ以上深入りして取り返しの付かぬ傷付き方をしてしまう前にアンドレは「叶わぬ恋だよ」と言ってあげた。とんでもない上から発言ですが、アニメのアンドレならそう言うでしょう。それこそ自然現象というものです。それにね・・・言う方は倍辛いはずですよ。こーゆーデリケートな問題を見て見ぬふりをしないで上手に諭してあげるアンドレは素敵ですね。
とはいえオスカル様、一度期待してしまったせいもあるんでしょう・・・点火されたフェルゼンへの想いは中途半端なところで消せるものではありません。自分は完全に蚊帳の外だと確認して尚一層燃え上がる感情もあるのです。アニばらには『恋に恋する』というようなカルピスチックな展開は似合いません。オスカル様は本当にフェルゼンと言う男に惚れてしまっているんです。そこには少女じみた理想もへったくれもありません。鍵盤を叩くオスカル様の心にはきっと「フェルゼンに会いたい。フェルゼンと触れ合いたい。フェルゼンとチョメチョメしたい」という当たり前な女の欲求が渦巻いていた事と思います。
嗚呼、ゴールデンタイムのアニメでありながら醸し出すムードはもはやR指定。
オスカル様に触れる事がまだ許されないアンドレは代わりに馬を磨きまくって、あまりに有名な『雑巾絞り』を披露します。
・・・こちらもチビッコに見せるにはあまりに生々しい・・・
そして大人には萌え度満点な超名場面なのでした。
さぁ、トリアノンからベルサイユへ。
首飾り事件以降、命がけ任務が定着した感のある近衛連隊ですが、今日は特に厳戒態勢で臨まなければならない重大な任務があります。アントワネット様を狙った輩は意気揚々とテロってくる可能性大なのだからして、全員普段以上に神経集中して持ち場に就くように!と部下に命令したはいいものの・・・連隊長御本人がまったく集中できておりません。一目フェルゼンを見るやいなや妄想の翼が羽根を広げ、フェルゼン・・・フェルゼン・・・あぁんフェルゼ~・・ン!
妄想の坩堝に落ちたところで、そこはオスカル様です。敵が襲って来れば「しゃらくせーっ想定の範囲だ!」といわんばかりのスムーズな対応&機動力でテロリストを追い詰め見事撃退(ちなみにこのくだり、目がすわっちゃってる風の作画が結構迫力あります)。
妄想に気を取られアントワネット様を殺られた!とかなら流石にどうかと思いますが・・・彼女はそんなミスをしたわけではないのです。しかし!嗚呼しかし!敵とは言え自分らが撃った弾で何人も人が死んでいるのです。目の前で、「フランス万歳」と呟きながら。これに衝撃を受けずに己は今朝のフェルゼンを飽きもせず再生。ご自分的には「貴・・貴様・・・同じ場面を何回リフレインすんねん!?」という感じでしょうか?これ程までに感情制御不能状態に陥るのはオスカル様にとって生まれて初めての事なのです。寝ても冷めてもフェルゼンのことで頭がいっぱい。これ以上もう一歩も前へ進めません。こんなドロドロとした想いを抱えて仕事も何もあるかいな。隊長として部下の命を預かっている身なのに、こんな浮ついた精神状態で何が指揮官よ。そして勿論アントワネット様にも、気の毒ですが会わせる顔がないと深く思い悩んでいらっしゃるに違いない。
ぅお~~~・・オスカル様、そんなに自分を責めないで下さい!ぐすんぐすん。。。
んでオスカル様、ついに平常心を保てなくなりました。
私は色恋沙汰でプチ逃避行~!なアニメのオスカル様が本当に愛しく思えるので、ここでのやや職務放棄な態度も凄く好きです。
こーゆー時の為にジェローデルがいるんですから、しんどい時には遠慮せず帰っていいんです。
と言っても、まぁ~・・・フェルゼンの為にこの人が人知れず流した涙の量は計り知れません。そして誰にも打ち明けられぬ想いを、愛馬にだけはいつも聞かせちゃうんですよね。この馬、私はシロちゃんと呼んでいますが、雑巾絞りアンドレのたまらない情念もバリバリ引き受けてますからね、寿命縮んじゃうのでは?とちょっと心配になります。
この期に及んで脱線しかかりましたがアニメのオスカル様の好きなところ。想う男性に対して呼びかけ方が「あなた」になるのです。
自然でしょう。一目置いて真剣に眺める相手の事を「おまえ」と言ってしまう女性って・・・私は理解できません(ああ、原作オスカル様の事はちゃんと例外だと思ってますので生涯「おまえ」支持者の方怒らないで下さいね) 好きで好きでどうしようもない相手、フェルゼンの行動すべてを精一杯肯定し、尊敬し、そんな自分の事も少し好きになれたのでしょうか?勢い余ったのか水の中に突っ込んでいってしまう彼女がとても痛々しく・・・っか~!そんなおまえが好きで好きでたまらんわっーーー(視聴者&アンドレの叫び)!!!
そーゆー流れで、アニメのオスカル様もドレスを着て下さる事になりました♪
ここへ来るまでの行程があまりにハードで既にお腹いっぱい。だいぶ贅沢させて貰った感がありまので、私としてはここから先はおまけと言うか・・・思いがけないスペシャルデザートをど~もご馳走様ですっ!!!といった心境です。
先ずはジャルジェさん家から聞こえる「痛っ!」という女性の悲鳴。田島令子様の醸し出すムードが規格外に妖艶だった為、なにやら違うシチュエーションを妄想してしまう・・・
ムッハーーーーーーここはなかなかどうして美味、かつ危険な場面です!そしてアニメのアンドレ、ここでは何故か原作通りの台詞を喋ってくれておりますがこの人はオスカル様がこうしたイレギュラーな行動に出て来ること、ちゃんと想像できていたはずなんですけどね。まぁいっか・・・
不安のあまり憎まれ口を叩いて「やれやれ」だった彼が、彼女を一目見て「あらーーー・・(キラキラキラ~・・)」となるのところ、やはり可愛らしいものがありますね。その後の「フェルゼンのためか!?云々・・・」という箇所がすっかり割愛されておりますゆえ、こちらはウェディングドレスの試着にやって来たカップル。と言う事で勝手に萌えて遊んだりしてます。「どれでもいいよ~・・俺よく分かんないし」とか無関心ぶってた彼氏が実際にドレスを着てみた彼女に恍惚となり・・・なんて、初々しいカップルですね。
ここぞと言う場面で私の個人的遊戯に巻き込んでしまいすみません。ラストは真面目にやります。
御覧下さい!!
アニメのオスカル様のドレス姿は原作のそれより圧倒的に露出が多くアダルトです。
このデザインだとそれなりにお胸がないとサマになりません。背中のVカットもかなり思い切った印象ですし外国の伯爵夫人、身分が高いのでお名前は伏せる・・・という触れ込みとの相乗効果もあり、タダモノではない海外マダムオーラdeむんむん!!日照り続きのベルサイユ、こりゃ~老若男女が一斉に色めき立つのも無理はない。ましてや「三度の飯より美人とダンス!」が座右の銘なフェルゼンはひとたまりもなかった・・・というところでしょう。
いいのか、オスカル様?(いいのです、フェルゼンに関しては全肯定なのです)
オスカル様はダンスの最中、フェルゼンとお目を合わせる事をなさいません。真正面から見つめあえば・・・当然正体はバレるでしょう。
終始うつむいてビジネスライクに踊ってる風がまた~・・・萌☆等と、アニメ激LOVEな私は思うのです。そんなこんなでポケーーーとしていたら・・・あ、目を合わせてしまいました!そして、はい。バレましたね?てか、倒れた時の「あ」、ひと文字だっつ~のに色っぽかったなーーー。更に逃げ切り方が彼女ったらシンデレラみたい。空耳でもなんでも、ボー・・ン、ボー・・ンという切なく無情な時計の音が我が頭にはこだまするのです。
第25話「かた恋のメヌエット」。
誰もが経験する初恋の痛みというにはアニばら制作者の重過ぎるこの作り込み。。。
そして長いね・・・観察日記。読んで下さった皆様ありがとうございます(涙)え~・・確実性のある予感なんですが、この先もっと長くなっていきます。
この回最後になりますがアニメのオスカル様、黒い騎士やアンドレに襲われるハプニングがなかったので、あの噴水のところで時間をかけて、思う存分気持ちを整理できたんだと思います。「アンドレ、青いレモン」の回でそうおっしゃってます。ですが~・・・その言葉とは裏腹にモーレツ悲愴感迸っておる!ああ貴女・・・寄り掛かられた噴水もタジタジですよ~・・・
ちゅうところで、つづく!
独自路線を貫くアニばら物語、急展開に次ぐ急展開で事態は絶叫マシン並みの激しさです・・・
きゃあぁぁ~!!黒い騎士よぉーーー♪
第26話 「黒い騎士に会いたい!」
皆さま、とうとうこの時がやって来てしまいました。
お別れです・・・おリボンなアンドレ、そして一見平和なベルサイユと。
・・・うっうっうっ・・・・・
第26話、激しいです。何が激しいって・・・一言で言うと東京ムービー新社の名のもと「ベルサイユのばらをアニメ化しよっ!」と集まったスタッフさんのたゆまぬ暴走っぷりがです。今までもそうでしたが、全くもって生唾ゴックンな程にストーリー変えてくれちゃってます。
ムッハーーーえらいこっちゃーーー・・・・・・・・
ここまで来ると、覚悟を決めるしかありません。
「どういうつもり!?」などと言って眉間にシワ寄せてる間に物語はどんどん高度を増し、クライマックスへ向け、あとはひたすら加速するのみなのです。付いて行く行けないに関わらず、観る側は「これはこーゆー物語なのだ」とハッキリ認識するより他ありません。
ああ、私はアニばらという物語に“DANGER”の張り紙を巻きつけて差し上げたい。
タイトルの下に、この注意事項そっと書き入れて差し上げたい★
というわけで、人間トランキライザーアンドレの人生に劇的な変化が訪れます。
第26話は彼の中に在る“大人っぽさ”と“子供っぽさ”が『黒い騎士』というある種シンボリックな存在の前で激しく揺れ動く様を描きます。またそれによって視聴者に来たるべくフランス革命をビンビン意識させる事に成功しました。また、そーゆー彼の前で、オスカル様の中にあったアンドレ像をもアニばらは木っ端微塵に打ち砕いてみせるのですから・・・これは当時想定外の展開だったのではないでしょうか?
てか、ここでですよ!?原作だとこのあたりってまだまだギャグ色が強めではないですか!?ギャグというのは語弊がありますね・・・アンドレはオスカル様の支配下にないですか?これは良し悪しの問題ではなく、もともとのキャラクターの性格や関係性によるところなのですが。それにしても、こーゆー展開に持ち込んだスタッフさんの勇気には息を呑みます。ベルばらという題材を得て出崎監督のやりたい事が、このあたりになってようやく分かって来たような・・・いや、まだまだ油断は禁物ですが、とにかく、こうまで積極的に変えて来るのはオモロイ♪
『ベルサイユのばら』という物語に対して非常にアグレッシブ&ハングリーな姿勢を感じるので、どんどんやって下さいっ!!!
とまぁ、本放送から45年以上経ちますが、いまだこれを煽り続けることを至上の喜びとする私のテンションはそう、めっちゃハイボルテージでナイアガラの滝でも昇ってやろうか!という勢いなのであります♪
さぁ第26話!!・・・
つかみの部分からして若干・・・和物の匂いが漂っているのは気のせいでしょうか?
私がアニばらを本当に意識してのめり込んで観始めたのは80年代に入ってからの再放送なのですが、この時はアニメでも『泥棒モノ』というジャンルが確立していて、代表作をあげれば「ルパン三世」や「キャッツアイ」(偶然なのかなんなのか制作会社一緒ですね)あたりになりましょう。とにかく学級会などで先生に「将来なりたい職業は?」などと訊かれれば「わたしは不二子やキャッツアイのようなカッコいい泥棒になって人生おもしろおかしく遊んで暮らしたいです」などと答え、クラスメイトからそれなりの共感を得ていたなぁーなんて、そんなしょうもない事を思い出す黒い騎士エピソード。それに時代劇で有名だったのは何と言っても「ねずみ小僧」ですね。時代がちょっとズレますが大地真央さんが演じた女ねずみ小僧は結構ハマって観てました♪
つ~事で、泥棒が登場して来た事により、必然的にアニばらはニッポン的な雰囲気を醸し出す事になるのです。すいません完璧に私見です(汗)しかし、26話の冒頭部、「黒い騎士だーーー!!」とザワザワする貴族たち・・・ベルサイユというよりなんとなく江戸城なムードないですか?更に、コテコテ貧民層な家族に窓から金品を分け与える黒い騎士、それに「おまえさん!金貨だよ」「ありがてぇ・・・きっと黒い騎士のお恵みだ。ありがてぇことだぁ」と言うスタンダードな夫婦の反応、あきらかに日本昔話系です。
義理と人情と反骨精神を糧に夜の街を馬で疾走する黒い義賊。その向こうに十手と提燈を持った火付け盗賊改め長谷川平蔵が見えるのは、きっと私だけではないでしょう。
というわけで、本日のAパートはばあやさんの戸締りシーンから。ジャルジェ家には雨戸があるんですね?今までも事ある毎に激しい雷雨に見舞われているジェルジェさんちですが、雨戸初めて見たような。いや、オスカル様も指摘しているように、このように厳重に戸締りをするのは珍しい事なのです。それもこれもみ~んな黒い騎士のせい。いつ忍び込まれるか分からない状況なので貴族のお屋敷では出来る限りの警戒を強いられるようになりました。ところで、これって「かた恋のメヌエット」からどれくらい日が経ってるんでしょうか?原作ではこの辺いろいろな事が同時進行だったように思うのですが・・・
アニばらではオスカル様の気持ちがそれなりに沈静化してから“黒い騎士事件”が起こったように感じます。
だって、まぁ舞台進行上当たり前なんでしょうが26話のオスカル様はフェルゼンの事なんかこれぽっちも妄想してません。
恋の嵐が去って我に返った矢先に・・・
突如馴れ親しんだ男が見知らぬ顔をして立っているのです。
なんという衝撃!!
どーにもならない恋愛でテンパってる間に幼馴染は一体全体どこにイッてしまったの!?!?
という、これまた人生始まって以来のミステリーゾーンに突入なオスカル様。
神は彼女に休む暇を与えません。・・・お可哀相に。。。
とにかく第26話の作り込みは妄想無限大です。
全体的に夢かうつつか分からない感じもありますし、何しろ身分差、男女間の歴然たる隔たりというものをも~イヤッ♪ちゅう程に見せてくれるのです。これって面白くないですか?幼馴染だろうが光と影だろうが、謎な部分はあるのです。どんなに近くにいようと別々の人生を生きているのですから、何もかも理解できているなんて事は有り得ませんし、他者の人生に強引に踏み入る事も普通に考えれば到底出来ない事なのです。というわけで、この時点で強烈に個人としてのアンドレをアピールしてきたアニばらは「群像劇にミステリーを加味する上で物凄くカッコいい!」と私なんかは思うのです。
つっても、これは殆どが誤解であるわけで、もっと言えば分かってないのはオスカル様ただ一人という事になります。例えば視聴者は瞳の色や声などから「こいつはアンドレではない」と始めっから分かってますよね?嗚呼それなのにそれなのに~
細かいトラップとアンドレ自身の「あんた・・・それって“誤解”へ誘導してるよね?」という紛らわしい行動によって、いつのまにか【疑惑の塊】と化すオスカル様・・・
この辺りは『アニばらサスペンス劇場』と呼んでいいと思いますが、とにかくゾクゾクさせてくれるよ~この野郎★
あ、余談ですが最近立ち読みした「男がモテる為の○箇条」みたいな本に「時には“女の入り込めない男の世界”を持つことも必要 女は常に新しい体験をさせてくれる男に好意を持つ」とありました。
26話のアンドレ・・・実際にたいしたことはしてなかったのですが、たまたま勘違いされちゃうような出来事が続いたお蔭で、ある意味ラッキーでした。オスカル様に超話題の義賊“黒い騎士”と疑われたなんて美味しいにも程があります。てか、オスカル様とアンドレ・・・お二人は一致団結すると外野に対して異様に開けっ広げな面があると私は思うのですが、団結する前の、なんちゅうか手探り状態?とってもジリジリするのです。本来単刀直入がお好みなオスカル様なんですから、気になるなら胸ぐらつかんで「おまえが黒い騎士なのか?ええ~!?」とやってもいいようなもんですが。
二人はこれでもかというくらいにデリケートな関係性を保っていらっしゃるので、ここぞという時にこそ、そんなガサツな真似は出来ません。最も信頼している相手だからこそ、真実を知るのが怖かったのかもしれませんよね・・・
人間関係のリアルな難しさです。
そんなこんなで日増しに熱くなる疑惑の炎・・・偶然もここまで来ると恐ろしいですが、アンドレを同行しない日に待ち人は現れました。しかも、黒い騎士、あんな目立つ格好でどうやるのか謎ですが至近距離に近付いて実際はめている指輪なども盗んでしまえるらしいのです!!それに何の為に目立とうとしているのか解りませんがスパイダーマン風天井張り付きからシャンデリアに飛び移り大笑いしながらのクラッシュ逃走劇・・・奴の辞書の不可能と地味という文字に赤線引いてやりたいですね。これではオスカル様じゃなくても「お~の~れ~!!」という気になりましょう。
なんつってる間に、ここで会ったが百年目!さぁ、近衛連隊長が単独で追いかけます!!(他の隊員は一体何してるんでしょうか・・・泣)
さて、ベルサイユとパリは結構離れてるはずなんですが・・・そんなの関係ねぇ!パリ市街に逃げ込まれ、撃って撃たれての攻防戦の後、ヤローを見失った路地で振り向いたオスカル様。唖然として思ったことを声に出して喋りまくります。こーいった事を敵に聞かれてしまうのはあまりうまくないと思うのですが・・・てか、声に出てしまうくらいに驚いた!という事なのでしょう。そして驚いてる女性を後ろから殴りつけるなど言語道断の卑劣行為です(怒)・・・ぐぬぬぬぬ~・・・許せん!!
ちゅうか、ここから始まる今度は近衛連隊長の逃走劇ですが、なんだか凄いのです。
まず敵の一人に加えた鮮やかな頭突きが素晴らしい。ぐえ!となってる間に逃げる逃げる、頭部の痛みが酷いため前方不注意なので途中ポリバケツを豪快にひっくり返したりもします。・・・大丈夫ですよ!朝になれば酔っ払いの仕業だと言っておきます!だからここはそのままにして、連隊長逃げて下さ~い!!って声援も虚しく、どうやら限界のご様子・・・どうなるのかしら、どうなるのかしら~と心配していると、どうやら寄りかかった扉が開いたようです。
気を失ったオスカル様、それでも彼女の意識を苛むものがあります。
それが本日のミステリー大賞!アンドレ・グランディエ~!!!
追いかける時、特に「アンドレか!?このやろ~!!」な様子は見られませんでしたが、潜在意識の中では相当気になっておられた事でしょう。エコーの入り方が変なのでアンドレの笑い声が「うはっうはっ!!」と聞こえ「なんだかなぁー」なのですが(苦笑)しかもクラッシュに失敗し墜落してるし・・・・・オスカル様の激しい混乱ぶりがそのまま映像化されているようで泣けてきます。しくしくしく・・・
「アンドレ・・・そうなのか?だからわざと私の命を助けたのか!?」
オスカル様は殺されなかった事一点にこだわって、
夜通し悪夢にうなされたことでしょう・・・
うわーーー・・・アンドレ!アンドレの命が危ない~・・・!!!
という恐怖からでしょうか?恐らく全身汗びっしょりでオスカル様は昏睡状態から復活されます。そしてここは何処?私は誰!?と戸惑う間も無くあの人が再登場~ロザリーでっす。
この人、随分と久し振りな印象ですが実は1回お休みしただけなんですよね。コンスタントに出て物語を支えております!お疲れ様!!
いやぁーーー・・・この娘、出て来てくれてよかったです。なんせ癒しの“春風”ですし、ロザリーの前ではオスカル様の精神的キャパシティーが拡張されますから。いま現れてくれて良かったホントに。
アニばらの独自解釈の影響を受けるのは何も男キャラだけではありません。
このロザリーちゃん、この人の性格も原作とは一味も二味も違うものになりました。強いという共通点はありますが、強さを発揮する場所が異なります。迷い込んだオスカル様に再度口説かれお持ち帰りされる原作ロザリー。一方こちらは大恩人の前で拳を振り上げ「貴族なんか大嫌い」と言ってしまうばかりか、戻っておいでの言葉に静かに首を(横に)振る女の子なのでした。
と・・・その前に、オスカル様自身に大きな大きな違いがあります。
私の印象なのですが、原作オスカル様は完璧な貴族のお嬢様なのです。特殊な男姿をしてはいますが中身は純水培養、感じたことは即行動に移される素直な素直なお嬢様です。
それに比べてアニメのオスカル様はだいぶ屈折されています。
ストーリーはまだ道半ばでありますが・・・既に酸いも甘いも噛み分けたアダルトなムードが漂いますし、実際オトナなのです。
ちゃんと意味があって、アニばらが彼女をそのようにデフォルメしました。だから、基本このオスカル様は何が起きても相応の対応が出来る人です。
ド貧民スープを涙しながら口に運ばれるオスカル様、・・・
落雷のように派手に訪れるばかりが衝撃ではないのです。
ロザリーと別れド貧民スープの回想をしているオスカル様の馬車を、黒い騎士応援団の大行列が止めます。これ、これがもし本当にアンドレだったら・・・もう悠長なことを言ってる場合じゃ~ありません。こんなにガッツリ殴られてるところへ「良かった。その程度の怪我で」とかほざいた罪だけで私なら監獄に送ってやりたいところですがオスカル様にとってはその辺どーでもいいみたいなんですがね。そんなことより!ハッキリ「黒い騎士なのか!?」と訊いたわけではありませんが、アンドレは察したようです。
てか、やっぱり気づいて撹乱してたのね?なんて奴なんだ・・・溜め息。
で、アンドレの外出先(いろいろな意味で)パレ・ロワイヤルではありませんでした。郊外の教会で行われる“勉強会”だったのですね。現代でもそうですが、例えば『主婦のためのカンタン経済学セミナー』とかは講師の方があえて面白く掻い摘んで話してくれるのでいいんです。ここでの勉強会もそんな感じだったんじゃないかな?この牧師さんがハイジのおじいさんみたいな声で優しく力強く・・・平民の魂を揺さぶり起こしていったのです。
しかし、アンドレ、勉強熱心なのはいいのだけどその格好どうにかならんか?
連れが近衛連隊長のカッコしてるんだから自分だけ溶け込んでみてもしょうがないでしょうに。やけに薄着で寒そうだしさぁ・・・
ああ、すいません。衣装はどーでもいいんです。ここはどうか・・・二人の深い会話に耳を傾けて下さいね。
場面転換☆はい、アニばら屈指の名場面です!
アニメのオスカル様は黒い騎士のニセモノを自らやろうとするんですよ!?
生まれつきスタンドプレー傾向の人ではありますが、相談くらいしてくれよオスカル。とアンドレはちょっとばかり寂しかったかもしれません。
でもね、ここのアンドレはかなり男前です♪「俺ならぴったりだ」と惜しげもなく自ら断髪式をやってのけるアンドレ・・・
ひょ~~~・・・逃げ回る男もキュートですが、私の好みはやっぱりこっちです。
さてさてアンドレ、偉そうに出て来て盗人テクが伴わないんじゃダサダサですが、なんと彼の腕はプロもビックリの超ド級!!天職か?と思う程の忍び込みっぷりで、見上げるオスカル様は「やっぱりあいつが黒い騎士なんじゃ・・・?」と疑惑再燃だったかもしれません。そんなこんなで駄菓子屋のおもちゃリングの類までごっそり盗んで来てしまう黒いアンドレ♪こんな場面を誰かに見られたら現行犯逮捕で一切言い逃れが出来ないと思うのですが・・・この二人は和やかともいえる雰囲気で茶など啜っているのだからたいしたもんです。でも、はい。ひとたび我に返れば状況は悪化する一方であることに気づきます。
今に始まった事ではありませんがオスカル様がふとした時にみせる他人行儀な言い草。これは寂しいを越えてちょっぴり怒りでもあったらしく、アンドレ・・・よく堪えました。
てか、オスカル様はきっとわざと素っ気無い言い方をしてるんですよ・・・
あーーーしかし、任務でやるにはあの高さのナイフクライミングは怖過ぎます!本当にアンドレにはこういった作業が天職だったのかもしれません。生き生きしてますもん・・・こんな楽しそうな彼を見るのは久し振りです(涙)
なんつって喜んでいたら、不穏な空気が漂って参りました。出たーーーっ、ホンモノ!!最初こそ余裕かまして笑っていたアンドレですが黒い騎士は言ってみれば某国の特殊工作員みたいなもので正規ルートではない訓練を独自に積んでる輩なのです。なのでどーゆー攻撃をしかけて来るか分からないわけで、アンドレの剣の腕はそれなりだったでしょうが、斬られてしまいました・・・!!!!!!
これ、とんでもなく痛い想像ですが、眼球に到達するほどの切り傷ですから、額から頬にかけて相当深く刃が入ったんだと思われます。実際こんな事されたら骨まで切れてしまいますよーーー!!
しかしアンドレの手の動き、これよく描けてますよね~・・・
どうしようもなく痛い感じがよく出ています。ブラボー!!描いたひと★
オスカル様・・・オスカル様・・・混乱して引き金を引けなかったオスカル様ですが、この時はすぐにアンドレが斬られたと分かったようです。
出掛けに感じた不吉な予感が現実になってしまった事に一瞬呆然となりますが・・・
その後、絶叫が森にこだまします。
ぎゃーーーーー・・・ここでつづきとなるのは酷ですが、続きます。
ごめんよ!トランキライザーーー・・・
アンドレ~・・・どうかどうか死なないで下さいねっ!!
おリボンをほどき、断髪式の後、真のトランスフォームを見せる男。
独眼流と化した奴の名はアンドレ・グランディエーーー!!!
うぉ~・・・視界が狭ひ。
第27話 「たとえ光を失うとも・・・」
突然ですが皆さま(途中で消えてしまいましたが)
エンディングでのアンドレの雄叫び・・・あれ好きですか?
賛否両論(独自に統計を取った結果、賛が2割弱・否が3割強・よく分からないが5割くらいだと思われます)あると思いますが、私にとっては~あの叫びこそがアニばら萌えの出発点であり、原点そのものです。
嗚呼ー・・・志垣太郎氏の決して滑舌がいいとは言えないあの喋りは凄い。
「・・・え?この人なんて言ってるの!?」と毎回スピーカーにへばり付いては必死で意思疎通を試みましたが、彼の頭の中にあるのはオスカル様のことだけ。どんなに視聴者が困惑しようと、そんな事はお構いなしに終了間際、熱い熱い想いを吐露してやまないのです。
そして絶叫、オスカーーール!!!・・・アーメン。
と言うわけで「愛の光と影」の名物と言っても過言ではない珠玉のあの喋りですが、これに対する世間の評価がいまひとつなのを知った時には驚きました。恥ずかしいから止めてくれ・・・と、実際たずさわっているスタッフさんすら思ったと言うのだから、その恥ずかしさたるや確かに半端ありません。てか、改めて冷静に考え直してみようではありませんか。
恥ずかしい?恥ずかしい・・・って、一体何が恥ずかしいのだろう?
うちに秘めた想いを全国ネットであのように、あのように叫んでしまう大胆さが恥ずかしいのでしょうか?本来“鳴かぬ蛍が身を焦がす”のアニばらワールドでありながら「ちょっと、あんた・・・・・」と、猛烈いたたまれない複雑な気持ちになるのでしょうか?
もしかしたら、週刊マーガレットや宝塚歌劇という『女の園』を飛び出した時点で、アンドレという存在自体が、恥ずかしいのかもしれません。
と、軽く暴言吐いたところでハッとするのですが、あのナレーション。「アンドレ・グランディエです」と名乗ってのものじゃありませんけど、聴いた瞬間から「こりゃアンドレだね」と分かりますよね?これ、原作を読んでからアニメを観た方には「なに当たり前のこと言ってんの?」でしょうが私のようなアニメから入った人間にとっては、結構スゴい事だと思うんです。
私はあの雄叫びが大好きです。
言ってることを完璧には聴き取れませんでしたが、むっしょーーーに惹き付けられました。ちなみに、後からサントラを買って判明(笑)した全文はこうです。
「愛しても、愛と呼べない、
僕の目は もう君を見ることができなくなる・・・
ああ~・・オスカル、オスクァーーール!!」
若干意味不明なところがまた・・・笑
切羽詰った感じ、よく出ていてブラボーです(何があろうと全肯定)。
で、この台詞を初心者に無理なく「アンドレだね」と思わせたのは第1話の功績だと言ってよく、長浜監督は改めて・・・あの時点において最高の仕事をしたと思うのです。
フランスとか言う日本ではない遥か異国の物語、威勢よく殴り合っていた金髪と黒髪の若者たち・・・名前は確かオスカルとアンドレだったはず。そうか、アンドレはオトコで、オンナのオスカルの事を察するに気が狂う寸前くらいに好いているらしい。というか、これから紆余曲折を経てメキメキと好いていくのに違いない。しかし・・・目が見えなくなるって、どーゆーこと!?病気?怪我?呪い?なんなの・・・誰か教えて!!!と、ベルばらに関して白紙状態、何も分かってない私はブラウン管の前で早くも身悶え全開!親が嘆くくらいに七転八倒したものです。
後から考えて恋愛関連のネタバレは、これだけ有名な物語だから、むしろあって良かったと思います。では、どうやら彼は目が見えなくなるらしいという不安感はどうか?この部分に異常に共鳴した私は・・・実は生まれつき右目が見えません(アンドレとは逆ですね)。かなり幼い時点で水晶体(カメラで言えばレンズの役割を果たす箇所)を手術で取ってしまっている為、この先見えるようになる可能性はゼロです。
【見えなくなる一方】この暗闇へ一直線!という部分で、私はアンドレ・グランディエというキャラクターに異常共鳴し、猛然と(勝手に)一体化しました。アンドレがどのような悲劇に巻き込まれるのか、それはいつ何処での事なのか、常に全力で気にしていたのでアニばら視聴中は心の休まる暇がありません。改めてアニばら・・・それはそれは緊張感のある物語でした。
それが、今回27話で・・・
ある意味「あ~~~スッキリした!!」と言ってよいでしょう。
不謹慎極まりない発言なので、ベルナールと一緒に、激怒したオスカル様に成敗されるおそれあり・・・でも事実だからしょうがないです。
というわけで、前置きだけで恐ろしい長さですが、第27話「たとえ光を失うとも・・・」始まり始まり~でございます~!
前回「グチャッ!」というか「ザァクッ!」と言うか、たいそう物騒で痛々しい効果音と共にアンドレの片目がえらい事になりました(涙)。アンドレ・・・この男の、ニセの黒い騎士を務める際の情熱というか、ノリっぷりがあまりにもアレだったので、はっきり言ってオスカル様は引いていたと思います。任務遂行にあたって「この作戦を思いついた私って随分と無鉄砲だよね」な思いがあったからこそ、極力犠牲は少なく、彼女は誰の力も借りず一人立ち上がろうとしたんです。それが傍らの人に見つかり「アイデアはいいが・・・」と意外にも褒められ「(おまえじゃ)実行は難しい」と役を奪われ、異様なほど予想外に盛り上がられてしまった揚げ句、嫌な予感が的中!とんでもないこの大惨事なのです。
オスカル様にとっても、この展開は最低最悪・・・
考えられる中で、恐らく最も大きな犠牲を払ってしまいました。
前回から引き続きですが、冒頭「アンドレーーー!!!!!」と絶叫した時には・・・彼女ときたら黒い騎士逮捕の事なんかはブッ飛んでいます。
自分が負傷したのならば、オスカル様は出血多量で息絶える瞬間まで敵を追い掛けるくらいの気概はある人ですが、連れが倒れた際にそのまま放置して行けるような残忍(?)な人ではありません。
念のため断っておきますが、アンドレを置いて黒い騎士を追い掛けた原作オスカル様を非難する意味ではありません。あれとこれとは違う場面なのです。追いかけなきゃいけない理由が異なりますし、負傷したアンドレの描かれ方にも結構な違いがあり・・・要は人質を取られているわけじゃなし「この瞬間何が一番大事なのか!?」という事です。アンドレを気にして敵を逃した場合、もしかしたらロザリーが殺されるかもしれないといったら「すまんが自力で帰宅してくれ!」と言うでしょう。それなら仕方ないんです。
アニメに話を戻します。かといってこちらのオスカル様、苦しみ呻くアンドレに気をとられている隙に黒い騎士に一瞬でも意識が向けば・・・オスカル様には反撃の余地があったかもしれない。逃げようとする黒い騎士を、それこそ背中から撃ち殺す事も出来たかもしれないんです。しかし、万にひとつ、のたうち回るアンドレにとどめを刺される可能性だってあった。
つっても実際オスカル様はあの瞬間なにも複雑な事は考えてません。あの場面、彼女の中で“プライオリティー・ワン”はとにかくアンドレなのです。残念ながらOPの歌で途切れてしまいましたが、帰宅場面は壮絶だった事でしょうね・・・顔面からドクドクと出血し呻くアンドレを馬に乗せ「アンドレ、アンドレッ!!もうすぐだからどうかしっかりしておくれ」と励ましながら、恐らく心臓が潰れる程の罪悪感を抱えての帰路だったと思います。
痛いし、苦しいし、も~~~・・・こーゆーのってほんま辛い。沸々と怒りが漲るので私が代わりにベルナール・シャトレ氏に報復してやりたいよ。くっ・・・・・・・
というわけで、今回もどこまで長くなるのか先が知れない勝手気ままなアニばら観察日記でございますが「たとえ光を失うとも・・・」。これ、続きは何が入るのでしょうか?「たとえ光を失うとも・・・おまえの為なら俺は構わない」とか「たとえ光を失うとも・・・黒い騎士を見逃してやってくれないか?」とか「たとえ光を失うとも・・・まだ片方あるので大丈夫」とか、アンドレの心境に寄り添えば寄り添う程いろいろと想像が膨らむ絶妙でいて泣かせるサブタイトルなのでした。
本日のAパート、ジャルジェ家の皆さんが頼りにする医学のスペシャリスト、ラソンヌ先生。漫然と暮らす一般的貴族家庭よりもジャルジェ家は大病、大怪我が多いのではないかと思われ・・・あんた往診のし甲斐があるのう!!内科、外科、小児科、産婦人科(いや恐らく)、そして眼科も兼ねる彼はスーパードクターです。
んで、今回の患者さんはアンドレなわけですが、診察し、家の者に指示を出す姿はいつになく深刻な様子。人間の器官の中でも目というのは特にデリケートな部分であると思うんです。この場合、眼球に傷がいってるのは確かだと思うのですが、そうなると皮膚と違い再生はかなり難しそう・・・それに切り傷は感染症の類が心配です。
沈鬱としたムードに包まれる中、包帯で左目をおおったアンドレが昏睡状態から目を覚ましたように右目を開けます。そして、事故直後はそれどころじゃなかったんでしょうが、冷静になってみると気になるのは黒い騎士・・・あいつはどうしたんだっけ?で「残念ながら取り逃がした」というオスカル様を彼は一瞬責める口調になりますが「バカを言うな」と言われ「そっか、置いていけないくらいにザックリやられちゃった俺なのよね。ショボーン」等と思ったかどうか分かりませんが、黒い騎士云々よりも「おまえの目でなくて、良かった・・・本当に」と呟き、涙を誘うナイスな場面。窓辺に一輪だけ飾られた薔薇がオスカル様のお部屋とは明らかに違う質素な雰囲気を醸し出しています。そして何もかもが悪い夢であったかのように静かに訪れる朝、「夜明けだ、アンドレ」の声がどうしようもなく愛しいオスカル様・・・「おまえの目でなくて―」そう言われれば言われる程、尚更に心が痛むオスカル様なのでした。(いいムードだからと言って「あぁっ私のアンドレ~・・・」とすがり付く。とかは有り得ない、精神的に厳し過ぎる場面なのですね。)
場面変わりまして、敵方ですが三頭のお馬さんのお顔が大変キュート!
取り逃がした黒い騎士は良心の呵責に耐え切れず・・・なんて事は微塵もないようで、ああ憎ったらしいったらありゃしない(激怒&震)ピンピンしながら笑顔で奴は武器の大量奪取に成功!お蔭で武器の調達運搬の最高責任者であるらしいジャルパパのストレスも最高潮!ここへ来て手負いにしたわけでもないのに黒い騎士のタタリが続く悲惨極まりないジャルジェ家なのです。
あれから何日が経過したのでしょうか?アンドレの具合は快方に向かっているとは言い難く益々もって重たい空気が垂れ込めるジャルジェ家ですが、やられてばかりおられまい。何やら決意した様子のオスカル様が単身パレ・ロワイヤルへと赴きます。そこで出てきたこいつ、誰なんでしょうか?出崎監督よ、オルレアン公のこの変化は・・・ホントに必要だったんですか?ジャンヌの一件以来、何があったか知りませんが枯れ果てた感のあるインチキオルレアン公が登場し、何やら強引に設定の転換を図ります。私は前半ベルサイユの住人だった頃のギラギラした彼が好きだったので、この変貌ぶりはちょっと残念でした。
まぁそれはいいとして、謎のオルレアン公に対して「黒い騎士を出せ」と暗に言ってのけるオスカル様。丁重な物腰ですがこういうのって隠し事をしている人には厄介でしょうね~。変に煙に巻こうとするより、恐らくはある程度見せちゃった方がいいな・・・と思わせたんでしょう。まんまと“私のサロン”とやらに潜入、アンドレ(と父)の仇を討つべく捜査開始!となったのです。
ってところで、このサロン。見渡す限り男、オトコ、♂・・・芸術家というよりゲイの巣窟みたいになってます。何が「カビ臭いサロンから陽の光の中へ」だ。窓ひとつ無い部屋に籠もって、おまえらの方がよっぽど暗いし不健全だよ。と私は言ってやりたい。それになんですか「ほ~君のラテン語は大変なものですね」とか「古典もいいけどルソーも読んでみたまえ」と妙に上から目線でものを言う男たちに囲まれ・・・ちょっと悦に入ってる場合じゃないでしょ!?オスカル様ぁ~・・・うっうっうっ・・・と言ってる矢先に蠢く黒い陰謀。
オルレアン公の誘いでワインの貯蔵庫なんかに足を踏み入れるもんじゃありません・・・怪しさ満点じゃないですか。てか、虎穴に入らずんば虎児を得ず!?じゃ~これで良かったの?と、行き当たりばったりなようでいて何気に順調。サクサクと任務を遂行していく流石は我らがオスカル様なのでした。
とは言ってもオスカル様、パレ・ロワイヤルに出掛け、それっきり戻らなければ普通は心配しますよ。ばあやさんが意外に冷静なのに逆に私は驚くくらいです。というかパレ・ロワイヤルは国王さえ手が出せない言わば治外法権を決め込む場所なので、騒いだところでどうしようもない。助けを求めようがないので実際問題コレは相当なピンチなのです。この状況を打破できる者は誰もいない。そう、あの男以外は・・・・・!
オスカル様は良かったのか悪かったのか仇の罠にハマり、念願(?)叶って黒い騎士と再会したわけですが、そこでなかなか屈辱的なめに遭っておられるようで、心配は尽きません。
・・・やっぱり無謀だったよね!?この作戦。
「近衛連隊長の命と引き換えに・・・」と言って、具体的にどこを脅せば一番効果的かは別として、とにかくオスカル様を人質にすればそれだけでいくらでも身代金請求が出来ると思うのですが、一捻り加えて来るので黒い騎士は余計にムカつきます。「パパ!!私は死にたくない・・・お願い~助けて!」なんて書けるわきゃ~ないじゃないですか。そんなもん書くくらいなら死んだ方がマシだと思うでしょう、オスカル様なら。(書いたところで父ジャルジェがどう出てくるのか多少気なるところではありますが)
そーゆーわけで、オスカル様。自分がどうなろうとその辺りを今更逡巡する人ではありませんが、自分が帰らない事によって巻き起こるかもしれない事態に思いを馳せれば流石に焦るものがあったであろうな~と、私も胃をイタくして彼女の胸中を思いやったりするわけです。が・・・それに第一、飲まず食わずで人はどれだけ生きられるのでしょう!?
そーゆーわけで貴方、出番ですよ。
大怪我してもコスチュームをまとえば不敵な笑みを浮かべ再びノリノリモード!?
彼とて失明を恐れないではありません。ただ「俺が回復するまで、なんで大人しくしててくれないかな~とほほ~・・・」なんて事を愚痴ってるような男じゃ~オスカル様に相応しくない事くらいは分かってるはず!てか、軍隊から武器を奪われ今やガッツリ実害食らった事ですし、もともとは自分の任務と思うオスカル様に「アンドレの仇~!!!」という復讐心が加わって、大人しくしていられるわけがない。
夜になり、迷子になった場所がパレ・ロワイヤルってところにシャレにならないヤバさを感じるアンドレ、ここで包帯取って無理すれば自分の身も相当ヤバい事になるのを覚悟の上でいざ!出陣です!!
やって来ました、パレ・ロワイヤル。思うんですが、アニメは『ベルサイユのばら大辞典』の出版前に制作されているわけですから・・・ここに花の吉原的なエロっぽい施設はないと思われます。ここでのパレロワって半端なく黒い存在で、キナ臭くはあっても香水の匂いには縁遠い感じ。あ、でも“私のサロン”では野郎同士が盛り上がってる可能性大ですがね。
すいません、脱線しました。
アンドレはここまでどうにか順調に行動できているようでパレロワにもサクッと侵入、きょろきょろしつつオスカル様の匂いを辿ります(犬か)。ってところで敵の一人とバッタリンコ☆これ、彼にとちゃーラッキーでしたね。怪しまれなかったので黒い騎士がパレロワに出入り出来る人物である事が判明しましたし、出会った相手が下っ端のボケだったので「近衛連隊長が云々」と言い、居所まで的中である事がなんとなく分かりました。更に・・・鍵ゲット!!これが大きい。
で、用済みの奴は一撃加えてサッサとお休みしてて貰いましょ♪
んで、辿りついた監禁部屋。軍服をめくってみるまでもなく・・・どう見てもオスカル様ではないんですけど、まぁ目を悪くしているアンドレなので仕方がないです。それより何ですか!?オスカル様ときたら黒い騎士もタジタジの見事なスパイダーマンっぷり!!ど~やって登ったの?なんて野暮な突っ込みは無しにして、華麗な天空ペケ字拳をお見舞いするべく飛び降ります。これ、実際の黒い騎士ならやられていたかもしれません。アンドレはテレパシーで辛うじて難を逃れましたが「ま、待て!オスカル!!俺だっ、俺だよ!!」って危機一髪はいつもあんただよね、アンドレ・・・涙。オスカル様にしてみても首をへし折ってからアンドレと気付いた日には・・・第27話にして再起不能の大痛手を被るところでした。
あぅ、くれぐれも気をつけて下さいよ~・・・心臓バクバク。
ってところで、気を取り直して脱走を謀るとしましょう♪
異常に気付き二人を追う黒い騎士。途中でドッペルゲンガー現象に遭遇し凍りつきます。この時銃を持っているのは黒い騎士なので優勢なのは奴だと思うんですが、油汗すらかいている。ってか、アンドレ怖ひ。あれだけ傷めつけてやったのに・・・何故こいつが此処に居るんだ!?という驚きに対してアンドレのこの不気味な佇まい。
や~い、や~い、見たか!?たまに見せるアニメアンドレの必殺凄み技!極東の極道さんも裸足で逃げ出す謎のド迫力カット。圧倒されている間に形勢逆転されてやがんの~♪
さぁ、本日のクライマックス★ここから先は特に真剣に観て下さいよ!
黒い騎士の部下は軒並みアホらしく、まんまとパレロワを脱出する二人ですが・・・
ここからの演出はかなり痺れます。
オスカル様の指示に従わないばかりか笑みさえ浮かべ「人を背中から撃つような卑怯な真似があんたに出来るか?」と言い放つ黒い騎士。オスカル様の人間性をこの短期間によう見極めたもんだと感心しますが、それを逆手に取った実に卑劣なやり方です。しかし、黒い騎士はオスカル様の心境を読み切れてはいなかった。
「それは、相手によるぞ!」に続く「アンドレの目をやったのはおまえだっ!」
任務として黒い騎士を捕獲しようとしたのなら、オスカル様は背中から撃つことを躊躇したのかもしれません。しかしアンドレの仇を討つのに一体何の迷いがありましょう?
銃弾をくらい「なにーーー!?」という顔で振り向いた黒い騎士。気絶だか失神だかする瞬間、奴はオスカル様の形相をどんな気持ちで見たことでしょうね。
一夜明け、黒い騎士の正体が判明しました。
ベルナール・シャトレ。1760年生まれ、ヴィユー・コルドリエの新聞記者。
更に・・・その後に続くオスカル様の台詞で想像しましたが、怒りのあまりオスカル様は黒い騎士を殺してしまおうと思ったのではないか?肩口を狙って的を外したのではなく、むしろ話は逆で引き金を引く瞬間、理性でギリギリ急所を外してやったのではないか?ベルナール・シャトレがまだ息をしているのは真面目な話、奇跡的なことかもしれません。だから、オスカル様には奴が絶対に脱走不可能である事が分かるのです。
ま、逃げても構わないんですけどね。道すがら死ぬだけですから。
アニメのオスカル様は普段決して感情的な人ではありません。稀にこの人も爆発的に感情を表現する時がありますが、そーゆー時にはたいていアンドレが絡んでいる・・・ように思います。
一度は冷静さを取り戻したオスカル様ですが、アンドレの左目が永久に失明・・・という現実に直面し、次のシーンではちょっと信じられないようなキレ方をします。
「目には目を、歯には歯を!」のハンムラビ法典スピリット大炸裂で寝ているベルナールに斬りかかろうとするのだから、アニばら全40話中オスカル様が最も怒ったのがこの場面ではないでしょうか?
でも、やはりオスカル様にはベルナールを殺す事などは出来ません。月並みな言い方ですが、報復したところでアンドレの左目は元に戻らない。それに黒い騎士ばかりが悪いのかと言えば・・・決してそーゆーわけではないのです。そして圧巻はここから始まる二人の会話の内容です。
ズドーーーンと落ち込むオスカル様に、自分にはまだ右目がある。陽の光も木々の緑も見えるのだから、実際にはまだ何も失っちゃいないよ。と静かに語りかけるアンドレ。これだけでも十分過ぎる程にカッコいいのですが、衝撃的なのはその後です。「いま飢えているのは貴族じゃない。民衆だ。我々は何も出来ないが、彼なら民衆のために何かをする。(だから、奴を逃がしてやってくれ)」と。
恐らく、アンドレは黒い騎士の正体がロベスピエールと関係のあるベルナール・シャトレという人間だった事に心を動かされたのでしょう。もしかしたらアラスでの出来事が頭をよぎったのかもしれませんし、勉強会とは別に彼らの演説(この時点ではそれ程本格的じゃないかもしれませんが)だって聞いて共感した事があるかもしれない。ただでさえ黒い騎士と言う存在を否定しきれていなかったのだから、正体を知って尚更、彼の背後にあるものを想像して益々、アンドレの心は「逃がせ」となったのです。
オスカル様にしてみても、哀しいかなこの時の彼の言葉は驚きはしても困惑する類のものではなかった、と思うのです。ただ片目を失うという悲劇に見舞われていながら敵を恨むどころか処遇を心配し、微かではあるけれど信頼すら寄せるその姿に、今まででは考えられなかった“アンドレだけの世界観”を見ずにはいられないのです。これってオスカル様にとっては相当なショックですよね。もはや落雷のような!ではないけれど・・・一連の出来事はボディブローのように彼女の価値観を揺さぶり彼女の世界そのものをも変えていく、大きな大きなきっかけになったと思います。
「偽の黒い騎士をやったり、片目を潰したりで、俺は頭がどうかしちまったらしい・・・」で自虐的に笑った後「すまない・・・貴族に雇われているという事を、ときどき忘れてしまう」って、コレなんちゅ~ドライな言い方なんでしょうか(大泣き)オスカル様がこーゆー事を言うならサラッと流す事もできますが、アンドレの発言だと思うとー--、ああ重い。哀愁と疲労感がたっぷり漂う貴方のその広い背中に向かって「グランディエーーー!!カムバッ~~~ク!!!」と叫んで、しとど泣き崩れてしまいたい気分です。
こうなったら・・・オスカル様に出来る事はひとつだけ。決してアンドレに言われたからというわけではありませんが、彼の発言が相当の影響力を持っていた事は事実です。
オルレアン公の謀略は今に始まった事ではなく、パレロワとの関連性もたいしたことない事を一応確認。盗んだ銃についても商談が成立したのでしょう。オスカル様はオスカル様なりに精一杯納得して、ベルナール・シャトレを再びシャバに放ちます。(ついでに言うと、オスカル様はベルナールは半殺し状態なので危険はないと判断しロザリーに後を任せることにしますが、それにあたって相当な額のお金を援助された事と思いますよ。ロザリーのプライドの為にただ金を送るわけにはいきませんがこの計画だと何気に一石二鳥なのです!賢いね、オスカル様って)
さ~感動のラストです。いろいろな思いが交差する冬の夕暮れ、鮮やかなオレンジ色の光を背景に最後は素直に「ありがとう」と言うベルナール。それに対してのオスカル様の台詞が秀逸です。
「礼を言うなら私ではなく、アンドレに言え」 「・・・アンドレ・・・(俺が負傷させた男か?)」と注意を引き付けてから、「ひょっとしたらあいつ、おまえ以上に黒い騎士らしい男だったかもしれない」
この台詞はベルナールに向けたものではありますが、同時にオスカル様自身が声に出して確認した事だと思います。
正真正銘の黒い騎士にとってはこんな事言われ、ちょっと屈辱的だったでしょうね。
当然死刑になるはずの自分が逃がして貰えるという信じられないこの状況の背景にあるものを、ベルナールは頭の悪い男ではないので道中ずっと考えていたはずです。
そう、彼の中でも・・・この出来事は革命だったに違いないのです。
一足はやく、人々の心に革命を起こした男、アンドレ・グランディエ。
・・・顔がどんどん長くなる事だけが心配です。てか馬面上等じゃねえか!
アンドレ~・・・あんた、ほんとにカッコよかったよ。
ところで、ベルナールが直接彼に礼を述べる機会は巡って来るんでしょうか・・・?
後半戦にきて妄想どころ満載のアニばら世界。話は尽きませんが~・・第28話へ続く。
謎多き、青いレモン。酸っぱいくせにまだ青いのか!?いっちょまえに青くても酸っぱいのか!?
答えろアンドレ!!その答えによっては~・・・・・♪
第28話 「アンドレ 青いレモン」
さぁさぁ、やって来ました☆第28話。
27話との間に冬季オリンピックが入り、パソコンが壊れ、ベル妄想が一時中断致しましたが・・・気分一新、灼熱のアニばら世界に無事戻って参りましたので改めて、この珠玉の愛の物語にズブズブと身を沈めてみたいと思います!!
なかなかどうして意味深長な今回のサブタイトル。観る側の期待感も一層増そうかと言うもので~・・・はい、「アンドレ 青いレモン」でございます。
あくまでも予備知識という範囲でですが、原作で読むとこの辺りの展開は大変激しく悩ましく~・・・何度目のターニングポイントでしょうか、失恋モードでやおら「うっ・・・」となるオスカル様の“貞操危機一髪!”な場面と共に、ページを繰っているだけで純潔を奪われかねないアンドレ・グランディエ氏の迸る劣情。哀しくも美しい性犯罪未遂事件が(とうとう)勃発し、乙女のボルテージは一気に上昇!登場人物たちの関係性はじっとりと湿り気を帯びて、帯びるどころか滴る愛のエキスにまみれ、もぅ~身も心もビッショビショだわさっ♪という超見どころ満載、萌え萌えな部分である事が分かるのです。
そこでなんですが・・・「果たしてこんなハードな場面、夕食時のお茶の間に流してよいのだろうか?」という疑問が、ある程度社会を知るお年頃になった少女たちの脳裏には浮かんだ事と思うのですが・・・
アニばらはなんせ80年代初頭(70年代末期というべきか?)の作品ですからね・・・哀しかろうが美しかろうが、アニメーションという枠組の中で性犯罪未遂な場面が電波に乗ったら相当衝撃的であることは間違いなく、実行した制作者は殆ど「そんな無茶な!」なんだと思ふ。しかし、週刊マーガレットという少女雑誌を舞台に数々のチャレンジ的展開をして炎の人間ドラマを繰り広げた原作に倣い、ここは無茶してなんぼのアニばら!というか、この性犯罪未遂事件をスルーしてのベルサイユのばらのストーリー展開は有り得ないわけで。
頑張れっスタッフ!頑張れっっアンドレ!!
そして幸せな視聴者である私たちも、この感動巨編・・・決して漫然とは観るまい。
という事で益々もって、頑張れーーーっ!!!私たちのアニばらウォッチング♪なのであります。
というわけで第28話。原作のこの辺りと同様、見どころ満載です。しかしこちらは思いがけない相手から突如告られてしまった乙女の「わ~吃驚」なドッキドキエピソードというよりは・・・なんか全ておいて「大丈夫だろうか?」と心配になるほど生々しい・・・とにかくアダルト臭むんむんの雰囲気の中進行する感じでして。あくまで突発的な出来事だった印象のある原作と比べて、志垣アンドレはやや確信犯的ですらある・・・
実際「おまえ、全然青くはないだろう!?」と突っ込みながら、男の情熱に身も心も濡れ濡れぇ~・・・なんとも濃ゆい、禁断の「青レモ」の回なのでした。
というところで、予告編を見てみましょう。
フェルゼン・・・黒い騎士事件やらアンドレの片目失明やらで彼のことはすっかり忘れていたので、お姿を見て「あぁ~・・・」と思いました。 ジャルジェ家の皆さんがとんでもない不幸に見舞われ七転八倒してる時にも、貴方の悩み事といえばアントワネット様との忍ぶ恋なのよね~なんて事を考えると、なんとなくその温度差にイラッときたりもするのですが、それはそれ。フェルゼン伯爵とオスカル様のジリジリとしたリレイションシップ云々はアニばらにとってとても意味深く、内容的にも比重の大きい要素である事は間違いないのです。それに、これはもう条件反射と言って良いのですが、フェルゼン伯のお姿を見ると気分が高揚します。物語の中でも特にLOVEな要素が彼の登場する回は“ガガガッーーー”と音を立てて動くから。つっても、たいていろくな事にはなりませんがね、故にドラマチック!!!
乾いた心を潤す男・・・(人命救助はしても結果として)悲劇を運ぶ男・・・・・
アニばら内で恋愛沙汰と言えば貴方を抜きに語れない・・・それがハンス・アクセル・フォン・フェルゼン。なのであります★
そんな彼が再登板して、どうやら独眼流と化した従僕が心理的に乱れに乱れるらしい第28話。
「一方幼い頃から共に生きてきたアンドレは、今オスカルを女として見ている自分に愕然となる」とかってナレーションが入りますが、あたしゃ「何を今更ーーーっ!!」という感想だよ(笑)
あんた、放送第1回目から『女』なオスカル様をガン見しとるし、大声で「女に戻るなら今だぞーーー!!」ってな台詞も叫んでたよな~~~!!!
彼ってば人生で何度【愕然】としてるんでしょうか?
いや~この予告編の作りに関しては制作者が意図しないところで突っ込みどころが多数あり、楽しめました。「許されるのか、この愛・・・!?」許すも許さないも愛さずには自らも生きられないアンドレの心の叫び、ジュテーム・オスカーーールッ!で、めっちゃテンション上がる~~~!!
予告編の段階で血圧が急上昇しておりますが・・・
サブタイトルからしてどうやら独眼流の本領発揮の舞台であるらしい第28話。興奮度MAXの『アンドレ 青いレモン de オスカル様・貞操クライシス』の巻、場外でつべこべ言うのはこれくらいにして、いざっ!本編へイッてみたいと思います。
はい、雰囲気のある夕暮れ時。遠乗りというデートに誘っておきながら、彼女を待たせ大声で捜索されるアンドレの、大変緊張感漂う様子から物語は始まりますね。彼はいつの時点でオスカル様をデートに誘ったのでしょうか?オスカル様の様子を見ると・・・彼女は誘われてわりとすぐ馬小屋へ行きシロちゃんを連れて来て「支度できたよ~」だった感じです。それなのに、彼氏が「いねえ?」ので、憤慨こそしてませんがだいぶ訝しがってる風ですよ。アンドレはオスカル様を誘った後、急に目に異変を感じたのでしょうか?そもそもアンドレは何故塔の上に居るのでしょうか?塔で何か仕事でもしてたんでしょうか?しかも、この塔・・・あれ程高いところに設けられながら(そりゃ“塔”ですからね)安全対策の何もなく、目を回したアンドレが落ち放題の構造をしているじゃあ~りませんか。
嗚呼っ~怖いっ!!・・・私はこの場面、本当に怖いのです。
油汗をかきながら立っていられなくなる程に打ちのめされるアンドレの堪らない焦燥感と絶望感。そこに響くオスカル様の叫び声。
「ちょっと・・・ちょっと待ってくれオスカル・・・(中略)見えるようになったらすぐにおまえのところに行く・・・ほんの少し、待っていてくれ・・・」
最後真っ赤に燃えて沈まんとする夕日とかぶって、暗闇に怯えるアンドレの姿がどうしようもなくカッコイイのです!!
この時点で“オスカル様を待たす男”にキャラ設定されている事に異様にテンションが上がる私は視点がおかしいのでしょうか?物凄いトラジックな中にそこはかとな~く漂うモテ男の贅沢感。「なんだよ~~~この続き、どうなるんだよ~~~♪」と萌えに萌え、期待感で胸をいっぱいにしたところで本日のAパート。遠乗りデート云々の話は無かった事になってました(涙)・・・もういい!自分で妄想する。。。
そーゆーわけで、頭を切り替えるのがちょっとばかり大変だったのですが・・・ここもなかなかズドンと来るいい場面なんです。
突然の高熱により激しくうなされ苦しむ王太子。彼が助けを求める相手は母であるアントワネット様ではなく「お父様」なわけですね。こーゆーのってショックだろうなぁ。離宮に引き籠もってまで子供たちと多く関わってきたアントワネット様にとっては相当の衝撃かと思われます。そして、もともと不倫の負い目があったのでしょう・・・こーゆー事態になり、彼女は突然神に懺悔し始めるんですね、当のフェルゼンに立ち聞きされているとも知らずに。で、これを聞いたフェルゼンも大ショックなわけですよ。
空白期間があったとはいえ固い信頼関係を築き、密かに愛を育んできた女性に今まさに厄病神的な言われ方をされる自分。それはあまりにも悲観的な解釈かもしれませんが、少なくとも自分にとって『この世のすべて』だった女性には他にもっと愛するものがあったわけです。それと引き換えに自分との事は切り捨ててしまえる程にその愛するものの存在というのは究極なのですね。そして、それが『子供』という存在である以上、自分の敗北は決定的です
若い頃の私はここでのアントワネット様の発言が、どうにもこうにも身勝手に思え好きじゃありませんでした。でも年をとるにつれて分かる分かるとなり、今では一緒に泣いてしまう。ガックリと肩を落とし去っていくフェルゼン伯の後姿も堪りませんし、アニばらよっ!!この悲惨のてんこ盛り状態・・・どーにかならんのか!?と、ハンケチーフ3枚くらいを握り締め、グショグショにしながら叫んでしまいたくなるのです。
場面変わって・・・王太子殿下の高熱がどうにかこうにか下がられたという事が、すんごい景色の大窓をバックにお茶を啜られるオスカル様の台詞で分かり、少しホッとしました。
オスカル様は護衛の立場という他にジョセフ様には特別な愛着というか、想いがおありでしょうから・・・今後の殿下の体調の事を随分と心配しておられるご様子です。そんなオスカル様の言葉には特に反応することなく、いきなり話を変え「剣の相手をしてくれないか?」というアンドレは、一瞬「それでいいのか?」と思ったりもしますが、オスカル様に気分を害された様子がないので、別にこのへんは気にしなくてもよかったようですね(又してもホッ)
お庭に出て剣のお稽古を始める二人。静止しているものすら霞んでしまうアンドレの右目は動いているオスカル様をうまく捉える事が出来ません。故になかなか情けない負けっぷりだったりしますが・・・深い事情を何も知らないあんたに笑われたかぁ~ないわ!で、フェルゼン登場。
絶対来ると思っていましたよ。
あれだけヘコんだら、もうオスカル様にすがって慰めて貰う以外フェルゼンに立ち直る方法はありません。
王太子殿下が熱を出されたのが昨夜で、熱が下がったのが今朝という事ですから・・・フェルゼンはとりあえず半日以上オスカル様に逢うのを堪えていた事になります。お互い仕事があったのでしょう。で、結果・・・フェルゼンは夕食時に合わせて現れたね(笑)アメリカ大陸から帰還した際に振舞われたジャルジェ家の骨付き肉の味も、あるいは恋しくなったのかもしれません。何はともあれ・・・私はどうもこの辺りのフェルゼンに「おいおい、オスカル様は傷付いた時に話を聞いてくれるスナックのママさんじゃないんだよ」という気がしてならない。だってさ、オスカル様も彼が来たら決して嫌な顔しないで「あら、いらっしゃい!お久し振りだわね~」な反応だし、アンドレの方がよっぽど「げっ・・・!」って思ってるよ~・・・・・スナック『青いレモン』、いよいよ開店だね(笑)
夕食を終え(勝手にそーゆー事にします)、まったりとしたお酒の時間が始まり、じわじわと探りを入れて来る風のフェルゼン。一方オスカル様は何か後ろめたい事でも?と思われちゃうくらいに彼と目を合わそうとなさいません。そして「一体いつ以来だ、覚えているかい?」の問いに「いつからだったかな・・・」と言葉を誤魔化すオスカル様。ここでサクッと「女装して舞踏会に行った事があってさー、そこで踊った時以来?」とかって答えたら、違う展開があったのだろうか?いらんこと想像してる場合じゃありませんね、言葉には出しませんが二人の頭には“あの時”のことがしっかりと思い出されているのですから~・・・・・・
お互いなんとなく近況を報告し合った後、いよいよフェルゼンが核心へと迫ります。
自分には特別嬉しい事も哀しい事もなかった。
等と言って枯れ木のような寂しさを醸し出すフェルゼン。
そんな彼が「そう、そういえば・・・」と語り出すのはひと月前のあの舞踏会・・・君にそっくりな女性に逢った。あの舞踏会一度だけ。それきりもう何処の舞踏会に行ってもお目にかかれなかった・・・暗に「私は君の事を探して此処に辿り着いたのだ」と言ってるようにも思えますが、当然オスカル様が自白する事はないわけで。というか、答えを聞く間もなく身を乗り出して彼女の手首を掴みます!!
“あの時”とは状況が違い過ぎるのでフェルゼンの台詞は若干言い掛かりっぽい気がしないでもない・・・しかし突然女性の髪をグイッ!とやるよりかは、アニメフェルゼンの確認方法はだいぶスマートだったように思います。
「どんなに隠そうとしても、瞬間的な身のこなしは隠しようがない」と真正面から断定的に言われ、オスカル様はプチ星一徹化☆ ひっくり返せるくらいの小さなテーブルだったので、ガチャン!とやり、タタターーー・・・と逃げ出します。
これも瞬間的な身のこなし?フェル伯ったらあの舞踏会を彷彿としちゃってちょっとボー然としちゃってました。
スナック『青いレモン』・・・盛り上がって参りました・・・♪
てか、部屋に残されたフェルゼンと、二人の様子を見てしまったアンドレ。気まずかったでしょうねえー・・・・・会話とか、したんでしょうかね?
男同士の葛藤のあれこれも、すんごい気になるわ。。。
「オスカル、もしも初めて出会った時から君が女性だと分かっていたら」
・・・分かっていたらどうだったんでしょうか?オスカル様と恋の成就が有り得たとでも言うんでしょうか?
分かっていたところでオスカル様は既に男の道を邁進する運命を選択されていたわけですし、考えられる展開はといったら「ねぇ君!君ホントは女の子なんでしょ!なんで軍服なんて着てるのさ~、ねぇねぇ、ねぇってば~」とやたら慣れっこいフェル伯に対してオスカル様がむしろ恋心を抱かなかっただろうな。という事だったりするわけで、まぁそんな事はこの際問題ではありません。
ここから、ここから、アントワネット様に「フェルゼンにはもう会わないと誓いを立てても構いません!」と号泣されたショックと同等、もしくはちゃんと対峙して(対峙とは言わんか?)言われてる分だけ余計重い、別離の宣言があるわけです。
自分の心はとっくに整理がついているんだというオスカル様が言う「この世に愛はふたつある。喜びの愛と、そして苦しみの愛が・・・」という台詞。これだけでも相当深いと思うのですが・・・続くフェルゼンの答えに胸がつまります。
「いいやオスカル、この世の愛はたったひとつ。苦しみの愛だけだ」
・・・・哀れ、フェルゼン・・・これってもはや断末魔の叫びのように私には聞こえます。
誰も幸せではなく、生まれて来たが最後、もうそれが不幸の始まりなのだという響きすらある。愛にはいろいろな形があって・・・とかいう理論は、もう彼にとっては綺麗事でしかなく、とにかく苦しみだけなんだ・・・という心境は、察するに地獄です。
しかし、友情という彼を長年支え続けてきた柱まで折れる事は決してありません。かといって、両者の間で相手に何を望むかという基本部分が崩れてしまった、というかそのへんのズレに気付いてしまった以上「今まで通りの関係を続けるわけにはいかぬ=お別れ」となるのは仕方ない事・・・なのかなぁ~(涙)・・・
とにかく、私は・・・去って行くフェルゼンの後姿をボロボロ涙を流しながら見つめて神よ!フェルゼンにご加護を!そしていつか喜びの愛を彼にお与え下さい!と心で叫ぶオスカル様の気持ちの在りように、激しく・・・激しく感動するのです。これは共感とかいう馴れ馴れしい感覚ではなく、利己的な思想が蔓延する現代社会においてむしろ驚愕に近いというか「ああぁっ!この人って、本当にフェルゼンを愛してるんだ。自分よりも・・・去ってゆく他人が大切なんだ。こんなに泣いて心身ボロボロなのに、何よりも先ず愛する人の幸せを、こうやって必死に祈るような人なんだ」と、尊敬に値するオスカル様の台詞。
“初恋”と呼ぶにはあまりにも深過ぎたオスカル様の想い・・・
ここまで彼女の心の動きを自分なりに精一杯妄想、観察して参りましたが、
・・・うっうっうっ・・・臓物が捩れそうな程にホントに愛しい・・・
愛しくてたまらん・・・・・。
アニメでこんなにも上質な台詞や演出に、出逢えるなんて思ってもみなかったよ・・・という場面がアニばらには多く登場し、その度になんだか自分のココロまで浄化され豊かになってゆくような感覚に浸れるわけですが、第28話・・・素晴らしい情操演出テクニックに涙も鼻水も甘く悲しく惜しみなく流れてぇ~・・・水分&塩分補給しながら観ないと干乾びちまいますのでホント気をつけて下さい。
プチ星一徹となり思わずひっくり返してしまったテーブル、そして散乱するワイングラスの破片・・・それらを自ら片付けようとなさるオスカル様に一応「手伝おうか?」と声をかけるアンドレ。しかし手伝ったとしてそんな気まずい時間、両者共にとてもじゃないが堪えられんだろう!!
く~・・・そーゆーわけで、ここから数分間の演出は有名ですので是非ともご注目戴きたい。
暗闇に倒れこみ、光に向かって必死に手を伸ばすアンドレ・グランディエ。そんな彼のバックにエンディングの「愛の光と影」が歌入りで流れます。そして当初アンドレが叫んでいたラスト部分に「オスカル・・・助けてくれぇ・・・!」の台詞。顔の怖さもあいまって迫力満点、大変印象深いアニメグランディエ氏の名場面なのでした。
更に!傷心のグランディエ氏のスタンドプレーは続きます。
馬小屋に助けを求めるアンドレ。クロちゃんは髪を切り、片目をなくし、ヨレヨレになるご主人の姿を、さぞやヒヒ~・・ンと憂えたことでしょう(涙) 「運ばなくては!マスターを癒しの空間へ・・・運ばなければっ!!」という事なんですが、アニばらの場合行き先はパレ・ロワイヤルではありません。むしろパレ・ロワイヤルなんて二度とごめんだ~・・・でしょうからねぇ。つ~わけで、入ったお店は売春宿、性感マッサージ、ファッションヘルス等ではありません(すいません!不適切と思われる箇所はどうかスルーして下さいませ)
さぁさぁ、やりきれない思いを発散するのにやって来た場末の安酒場『LA BONNE TABLE』普段はどうだか知りませんが今夜は月に一度のスペシャルナイトらしく、超~・・やかましいです。
落ち込んでる時によりによってこんな店をチョイスしなくてもなぁー・・・と思うのですが、恐らくアンドレが先に飲んでいたんでしょう。キタナイ店の片隅で陰気にショボくれる男、アンドレ・グランディエ。しかし、静かにそしてニヒルにショボくれたいという彼の願いは叶わず、ドヤドヤと押し寄せ席を占領し、コンパニオンさんを呼ぶでもカラオケをやるでもなく、ひたすらセルフで盛り上がる青い集団・・・。
あ~ば~よ~ ミレーユ 浮気はするな~ おいらのげんこつは敵の弾より おっかねーぜっ!!
ゆくぞ~ ゆくぞ~ 戦うぞ~ でっかいケンカは男の望みさ~
だ~か~ら~ ミレーユ おまえのくちびるは~ おあずけさ~~~・・・
という、当時の流行歌なのか、はたまたこの青い集団のオリジナルソングなのか知りませんが、この歌詞とメロディ!これはアニばらのスタッフが考える“男らしさ”を「これでもか!」と凝縮して華麗に謳い上げた・・・まさに珠玉の漢・応援歌なのであり、ワンフレーズ口ずさめばたちまちオトコの免許皆伝!!決して笑ってはいけないアニばら後半部の重要なテーマ、なのであります。
と、やかましい野獣の集団にやや熱くなってみましたが、これっあんた!なんてお行儀の悪い・・・・・テーブルの上にブーツのまま立ち、大ジョッキを高々と掲げ、もう片方の手は腰!ワハハハハ~ッと豪快に笑いながら粗忽なオトコ賛歌を熱唱する・・・ここまで男らしさ満載だと一般常識などはどうでもよくなり・・・・・・
きゃーーーーーーっ!!アニばら最後の大物キャラ、
アゴがケツ化したアラン・ド・ソワソン氏のご登場で~す!!!
鳴り物入り・・・というのはまさにこの事か?と思う程の華やかな登場っぷりのケツアゴアラン班長。原作より、こちらの方だいぶ加齢臭を漂わせ~もとい、大人のムードでズカズカとテーブルを渡って、やって来ましたショボくれ男のところへ♪(しかし、この店の無秩序っぷりときたら今の分煙問題云々のレベルじゃ~ありません。店主よ!いいのか、これで!?)
陽気な酔っ払い男に突如からまれた傷心のアンドレ。(ちなみに「おい!若いの!」という第一声がアランの年齢設定の変更を如実に物語っていますね)意外とお節介なアランから「沈んでねえで一緒に魂のオトコ賛歌を歌わねえか!」と誘われ、「ありがとう・・・じゃ、仲間に入れてもらおうかな」なんて答えちゃうアンドレは、やはり育ちがいいのよね~・・・☆
んで、ようやく本日のBパートです。
楽しく飲んで歌った後、アンドレとさしでトークタイムに入ったアラン。さっきまでの豪快さはどこへやら~という感じで、だいぶしんみり・・・卑屈なニュアンスで職場環境の劣悪さ(?)を愚痴ります。デカい背中を丸めて話し込む二人の後姿がいい感じに枯れていて、なんか泣かせるわ。
んで黙って話を聞いてくれる「若いの」がすっかりお気に召したようで、アランはおまえも腹ん中のもん出しちまえよ~とか言いますが・・・職場の愚痴のあと、語れるような話ではないわけで、ほのかに微笑んで青い野獣たちに差をつける青いレモン、アンドレ・グランディエ。
こーゆー空気、アランにとってはなかなか新鮮なものだった事でしょうね☆
といったところで、お祭り騒ぎはいよいよクライマックスを迎えます。
くだらない事から店を崩壊さすほどの大乱闘へと発展!しかし、これもプログラムのうちらしく、居合わせたアンドレも巻き込まれ~の、思いがけずストレス解消できたわけですね♪
しかし、一人になれば頭の中を支配するのはオスカル様への行き場のない想いだけ・・・さっきまでのバカ騒ぎが余計に孤独感と焦燥感を浮き彫りにするのか、うっすらと明るくなり始めた空に向かって大きく咆哮!!!
志垣の雄叫び、こーゆー感じもなかなかね、Goodでした♪
ちゅうことがあり、やっと帰宅したアンドレ。ジャルジェ家に門限はないようで。てか彼は鍵を持ってるんですよね。当たり前だけど。で、入って来ましたら寝ないでもの思いにふけるオスカル様に遭遇。益々酔いも醒めるってなもんで・・・きっちりシラフな頭で彼は「私は、近衛を・・・辞める」という宣言を聞きました。
翌日、アントワネット様のもとへ伺候したオスカル様。どう考えても「何かあったわね!?・・・何がど~したって言うの!?オスカルッ、答えて!!」と相手を動揺させまくる言い方です、それは。溜め息・・・
しかし、これだけ正直者なオスカル様のこと、適当な退職理由なんて思いつくわけもなく、「理由は言えないが・・・ってゆ~か言ったらあんたひっくり返っちゃうだろうから、マジ絶対言えないけど、忠誠心だけは変わりませんから・・・これだけは本当、年季入ってますから・・・・・だから、どうかここからは解放してやって下さい」みたいな事を言って、近衛を去ろうとします。私がアントワネット様だったら、も~どうしていいか分からず発狂してしまうところですよ。
んで場面転換。鬱積した想いを処理しきれないオスカル様が馬に八つ当たり(に見える)している風景を眺めながら、果てしなくじっとりした目つきのアンドレ。今回のこの場面、どうしてこーゆー演出が出来たものか、とにかく巧いのです。二人の距離感って言うか・・・
まだまだ過激にすれ違ってる様子がバッチリ表現されているーーー・・・。
アンドレの台詞なんてホント凄いから、
皆さんご存知と思いますがちょっと書き出していいですか!?
「何故だオスカル・・・何故近衛を辞める? フェルゼンとの決別の辛さに耐えきれずにか・・・ フェルゼンの愛するひと、アントワネット様のお傍から逃れたいためか? 逃げて逃げきれるものならオスカル、俺だってとうの昔におまえの傍から逃げ出していたぞ!おまえがもがけばもがくほど、俺は・・・俺は・・・・」
ぎゃ~~~・・・俺は何だって言うのーーーっ!?片目の青いレモン、視聴者をどこまで興奮させれば気が済むんでしょうか?
場所を変え、ジャルジェ邸内癒しのスポット、馬小屋にて。
アニばらの絶妙過ぎるストーリー展開、ここから先は・・・っていうか毎度のことですが、原作を離れて観て下さい。完全にオリジナルストーリーとして楽しむか、理代子先生の世界と比較して唸ってみるかは御覧になる皆様それぞれの自由であると思いますが・・・とにかく原作に忠実でないなどという詰まらない突っ込みは引っ込めて戴きたいのです。
くれぐれも、アニばらは余計な先入観なしで観て貰いたいと私は思う。
本当にディープでエモーショナルな世界が、そこには在るから。
馬小屋はオスカル様とアンドレの想い出が、こてこてに詰まった場所です。
初めてアンドレが屋敷にやって来た頃に、二人はどれだけ外を駆け回り、はしゃぎまくっては心を通わせたことでしょう。貴族と平民の身分の差、女の子と男の子の性別の差、そういった境界線を意識しなかった頃、仲良く肩を並べて背くらべをした、嗚呼あの頃のスイートメモリー・・・・・今もがきにもがいているオスカル様の視界に入ったのは、何故なんでしょうか。
オスカル様は現実逃避をしている。もっともらしい理屈を並べ、揺らいだ精神状態をなんとか立て直そうと必死になっていらっしゃいますが、実際おっしゃってる事はめちゃくちゃです。男として育てられた貴女だから、しなくていい苦労をたくさん経験したのです。男として生きなきゃならなかったから、知らなくていい地獄を見たのです。それらに全部蓋をし、孤独に抱え込んだまま修羅の道を突き進み、たとえ世間は不思議と思わなかったとして、貴女自身はどうなるのです?すべて経験してしまってから何も知らなかったあの頃に戻るなんて・・・そんな生き方は不自然の上塗りでしかなく生きていけるはずがありません!実際、貴女はアンドレの微妙な立場に、もう気付いているでしょう?気付いているのに、あえて彼を傷つける事を承知でそんな無謀な宣言をしてみせているんでしょう?
オスカル様、それは甘えですよ・・・行き場のない感情をこんな形で爆発させて、気付いてないかもしれないけど、貴女はとんでもないおバカさんですよ・・・・
でも他に、彼女に何が出来たでしょう?何をすれば救われたのでしょう?精一杯バランスをとって、綱を上をギリギリ歩いているかのような彼女の人生。こんな時にどんな言葉をかければいいのかなんて誰も分かろうはずがありません。アンドレだって伝えたい思いは溢れる程にあったに違いありませんが、瞬間的に言葉に出来るような類の感情ではなかったはず。なので、グッと堪えるしかなかった想いが、急所にきました。
オスカル様に与えられた運命があまりにも酷で、それをただ見ているしか出来ない自分の運命があまりにも呪わしくて「オスカール!!」と・・・断末魔の叫びをあげるアンドレ。
この時オスカル様は振り返って彼に声をかけましたが、今はまだそれだけ。二人の関係に光が射すのは、残念ながらもっと先のお話です。
オスカル様が弾くピアノのアンニュイな調べに乗って・・・アンドレは自分の容体が芳しくない事に思いを馳せ、おっと・・・この人の現実逃避は酒なんですね~。こんなところも原作とは180度捉え方が違います。酒に逃げるは男の性。高いモノなんでしょうに、使用人が勝手にあおっていいものなんでしょうか?
ま、今回はおばあちゃんに見つかって未遂に終わったんですけどね・・・。
一触即発の二人の危険な関係(?)を知らないばあやさん。寝入りのお茶のデリバリーで青いレモンな狼をお嬢様のお部屋に派遣しちゃうなんて超大変っ!!!と残り数分間に起こり得るであろう出来事に想像を巡らせ視聴者は前のめりになるなる~第28話♪
ああ~・・・オスカル様ぁ、アンドレはピアノの演奏だけ聴いて去るつもりだったんです。それをそれを~・・・馬小屋の続きをここでやる?
口調こそ穏やかですが、その発言って殆ど世捨て人のそれのようで・・・はい、そうですか。って言えるわけないじゃないか。オスカル、おまえ、俺が今どんな気持ちでいるか分かってないだろ?ええ?愛するがゆえ・・・おまえの宣言する全てが静かに俺の逆鱗に触れちゃってるんだって事を、おまえサッパリ気付いてないだろ?・・・・・・・ボ・ボ・ボ・ボ・ボ~~~・・・画面は大地震発生直前警報が鳴りまくってる感じ。
そして、何重にもオブラートに包みまくった言い方だけどなぁ、俺の話を聞け。
「紅く咲いても白く咲いても、バラはバラだ」
意訳スタンダード編:どんなにもがいてみたところで、状況は変わらないよ。
意訳ハード編:失恋したあげくの悪足掻きか。痛々しくて見てられん。
言~っちゃっ~~た★
続く「バラはライラックになれるはずがない」を「女はしょせん女だと言うことか!?」とスムーズに解釈したオスカル様の理解度はかなり上級だと思われ、・・・ズバリ言い当てられたのでブチキレてしまわれたのですよね、オスカル様。自分でもたくさんの不安要素を抱えておられたのでしょう・・・それを短い言葉で指摘され尽くされたかのような展開です。
バッチーーーーーンッ!!って、映像がリピートするため一瞬往復ビンタかと思いましたが・・・ってか、片道キップだったとしても、今のビンタで完全にスイッチオン★だよ。
ヤッホーーー♪青いレモンの反撃開始~~~!!!
ベッドと目と鼻の先での反撃なので寝技になるのは当然っ!!
女がどんなに“男”を目指したところで根本的な違いと言うのがこの世にはあり、たとえば腕力とか暴走する情熱とか突発的に湧き上がる性欲とか。どんな手段を使ってでもく食い止めたい事態、自棄気味になってイバラの道を無理に突き進まんとする愛する女性をなんとしても引き止めたい複雑な心理とか・・・・
あ、ところで・・・アニメではビリビリビリビリではなく「ビリッーーー!!」とひと裂き、豪快に衣服が破かれました。
オスカル様がノーブラでいた可能性は何%くらいかなぁ・・・もう寝るぞって時だったら、あれは実は寝巻きだったという事でノーブラ率は80%、いくかなぁ。いや、問題はノーブラだったか否かではなく(だってアンドレの様子からして目撃してるしね、絶対)。
お互いがお互いに対してブチキレた結果、二人は合意ではないにせよ熱い接吻を交わし、ベッドに倒れ込み、衣服を破き破かれ裸体を晒し、衝撃を受け、固まり、泣く。という・・・この悶絶のプロセス。そりゃ~ちったぁ暴力的かもしれん・・・だけど、口で言って分からないなら体で分からせろという言葉もあるくらいで、・・・むしろよくやったよ、アンドレ(涙)・・・
しかし襲われるオスカル様、「離せ」から始まって反応がいちいちセクシーなので・・・火に油を注ぎまくってるんだよね~貴女!!
それはそうと、今までアンドレは最後の砦じゃないけど、オスカル様のストレスを一方的に受け止め過ぎていたように思います。オスカル様が悪いわけでは決してないけれど、アンドレはもっと悪くないんです。彼の心にあったのはドロドロとした嫉妬心や独占欲とはちょっと違う・・・本当に「愛する人よ、どうか壊れないで」という、切実な危機感だったと思う。本来の素敵な性を無謀にも捨て去ろうとするオスカル様に「はやまってくれるな!」と、叫ばずにはいられなかったんだと思います。
美しい姿と心を持った世界で一番大切な人、オスカル。
少しの傷だって負わせたくない、自分にとってただ一人の女性が目の前でボロボロになって更に険しいケモノ道へ、たった一人で歩き出そうと言うのです。
これが、止めないでいられましょうか・・・・・?
「自分を男だと信じていたあの頃に戻る。戻ってみせる」なんて・・・ひとに優し過ぎる貴女だから、いつだって矛先は自分自身。お願いだからそんなに自分を追い詰めないで、オスカル様!!そーゆー視聴者の気持ちを、アンドレは確かに汲み取ってくれました。
決してスマートな展開ではなかったけど、
やっと告白できて良かったね、アンドレ(泣)・・・
第28話。初めて観たあの日の衝撃は今もまったく色褪せません。
繰り返し再生する度に人の優しさとか残酷さとか激しさとか脆さとか・・・いろいろ、本当にいろいろ・・・勉強させて貰っています。
ようやく想いを伝える事が出来たアンドレ。
台所にて、あの後・・・晴れて飲んだくれたと思いますよ。
一体どんなお味のお酒だったのかしらね~・・・・・つづく!!
いよいよファイナルステージ!衛兵隊B中隊編に突入だ!!
今までお人形だったとは思いませんが、ここからウルトラハードデイズなのは確かです・・・涙
第29話 「歩き始めた人形」
これを書いております2010年6月下旬現在、世界はFIFAワールドカップ・南アフリカ大会に燃えているわけです。ということで、変化するオスカル様の軍服が私にはどうしても“ジャパンブルー”に見えてしまう。とは言え、ジジむさく、ふてぶてしい面構えのB中隊の奴らの中には「サムライ」と呼ぶにはやや品位に欠けた輩も数多く居てるわけで~・・・が、ええじゃないか!この際萌えられる要素があれば何でも利用し感動の限りを・・・皆さん!!共に味わい、しゃぶり尽くそうではないですかーっ!!!
もっとも、青いユニフォームをまとって闘うのは日本だけではありません。ベルサイユのばらの本場(つ~かなんつ~か)フランス代表のユニフォームにも是非注目してみて下さいね(って、彼らはグループリーグで敗退しましたけど)。フランス代表は3色のユニフォームを試合ごとに使い分けているのです。その3色とは当然『青・白・赤』、革命軍の帽章にちなんで青=自由、白=平等、赤=博愛の意味を持っているわけで。更にご存知の方も多いと思いますが、彼ら(代表選手たち)の愛称、これを『レ・ブルー(Les Blues)』といい、なんとフランス語で「青」の複数形・・・・・サッカー選手としての誇りと国の名誉のために、広いピッチを駆けずり回って必死に闘う、彼らも素晴らしき青獅子たちであるわけなのですよっ!
うぉ~~~・・ん。日本、フランスに限らず大変ポピュラーな色ではありますが、今ちょっとセンシティブになっているので、青という色に対してオーバーに反応してしまいます。。。
Les Bluesの皆さん、試合での闘いぶりよりもチーム間の不仲や練習ボイコット等マイナスの部分で有名になり、スキャンダルにまみれたまま早々に姿を消してしまった今大会ではありますが、はよ立ち直って、いつぞやの勇姿をまた見せて下さいね。
と、現代のW杯ユニフォームでもその由来はいろいろあるわけですが、ベルばらのキャラクターたちが着用するお衣装にも、きっと明確な理由があるんでしょうね。それは・・・まぁ単純にトリコロールカラーだと思います。18世紀フランスの輝くスタァ、オスカル様のお召しになられる軍服が白から赤になり、最終的に自由を表す青へと変化。リバティーブルーとでも言うんでしょうか。
とにかく彩色さんが寒色系を大量に使うので、すっかり地味になったアニばらワールドはこの先益々もって『革命』の色を濃くしていくわけなのです。
んで、改めて・・・アニばらってばどーゆージャンルのアニメなんだか解らない。
私は再放送でこの物語に夢中になり、まもなくビクターから発売されたビデオを買って貰って日々感動を噛み締めた世代なのです。で、当時4話収録全10巻(総集編別)だったビデオの「歩き始めた人形」は8巻アタマの作品だったのですが~、この8巻。特に貪るように観まくりました。大好きな場面が満載です。でも一言でいうと「もー・・・なんだこりゃ!?」ですよ。
少女モノでありながら画面を支配するのはケダモノすれすれの厳つい男、男、男!
雑に描き殴られた男まみれの渋いというか汚い群像劇に孤高の白薔薇が一輪・・・
後半に入り監督が変わって「このアニメのメインターゲットはいったい誰なのだ?」と思うところは多々ありましたが、ここまで荒れ放題になるとは連載当時の大ブームを知らない再放送世代も流石に仰天し引っ繰り返ると言うものです。
しかし「嗚呼~オスカル様の孤立無援の切ない御奮闘っぷり、とても見ていられない」なんてグダグダ言って感傷に浸っていると、遠く取り残されるので気をつけて下さい。オスカル様はそんなにヤワではないのです。事情はどうあれ、メインターゲットが誰であれ、気高きハートブレイカーは自ら望んだ修羅の道を険し~いお顔つきで一切めげる事なく果敢に突っ走ってゆくのです。その雄姿ときたらケダモノたちの中にあって一層神々しく、女を捨てようとすればするほど何故だか破滅的な程にエロティックで美しい・・・も~辛抱たまらん。。。
と言うわけで私などの真性アニばらヲタクはどんなにデザインを簡略化されようが“蒼い軍服のオスカル様”に萌えに萌えてしまうわけなんですが、一方で解りやすいラブ要素が徹底的に排除される展開についてちょっとした懸念もあるわけで・・・(一応)少女モノというカテゴリーにあるという現実と極力リアリティーにこだわろうとする姿勢。これを天秤にかけた時に出崎氏のやり方は少し後者に偏ってしまったのではなかろうか。しかし私は「こんなの私たちの好きなベルサイユのばらじゃない!」と原作ファンが言うのなら、それでいいじゃないか。と思うのです。
意地やプライドが拮抗するも世の中に対してはこれといって夢も希望もなく、ただ金の為に雇われてる雑魚の集団。そーゆー荒れた男の世界を描こうとしたら間違いなく衛兵隊はこうなります。
現実的な恋に目覚めてドキドキするオスカル様や反発しながらも新隊長に惚れてってしまう若い隊員たちのようないかにも女子好みの甘酸っぱいムードはALL削除といった殺伐とした画面の中で、こっちにはこっちの萌える場面がてんこ盛り盛り!分かる人には分かる!!のであるのですから♪
とにかく別ばらと割り切って、殆どオリジナルの衛兵隊編。まずは黙って観てみよ~よ。
そーゆーわけなので、ここから先は1話1話毎のエピソードを細切れにして云々言うのではなくラストまで一気に流れる壮大な人間ドラマを、ただただ見守るのがイイと思います。もう「本当は○○は△△が好きなんだよ~!」とかって学園モノみたいなノリで胸をときめかせている場合ではない・・・キャラクターたちはエブリディ「生きるか死ぬか」の精神的戦場を果敢にサバイバルしているのです。「ばかやろーっ!色恋で飯が食えっかよーっ!」という野次が飛び交う中、充満する粗野な男臭。男汁de大洪水警報は南アフリカ大会名物ブブゼラのそれよりも熱く、けたたましく・・・世界中に鳴り響いているのです。
さて自分勝手に盛り上がったところでなんですが、アニばら鑑賞の醍醐味はまず第一に「ひたすら静観することにある」と私は思います。
妄想の塊めが何を言うか?とお思いでしょうが・・・実際問題、落ち着いて最後まで観てみない事にはアニばらの制作者たちが何を言いたかったのか解らないと思います。ベルサイユのばらという素敵な作品を借り、それを汗水垂らして捻って捻って、新しくそこにどんなメッセージを込めようとしたのか、そこんところ、これから根気よ~く観察していこうではありませんか。
と、ここまでもしかして前置きだったのか?と驚かれるかと思うのですが、好き過ぎて簡単には前に進めない私の想いというのをタップリ込めながら、改めて「歩き始めた人形」、観ていきたいと思います。
黒い騎士事件で血圧上昇、だいぶ皺と白髪が増えたと思われるこのひと、父ジャルジェ将軍の「オスカルーっ!」の呼び声から今回の物語は始まります。
日頃から何かとテンション高そうな人ですが、今日はまたシャレにならない様子で娘を探しています。ところが、殺気を感じたのか一足先にオスカル様は馬に乗り出ていってしまいましたので、仕方ない・・・鳩に囲まれ妙に哀愁漂う娘の下僕、アンドレに詰め寄ったろう。
と、まぁ分からないではありませんが口調がいきなり喧嘩腰だったりするので(←いつもの事ですが)アンドレは口を割りません。
てか「フェルゼン伯と決定的に別れる事になったオスカルはこれ以上ベルサイユにいる事が耐え難くなり、必然的に近衛隊を去る決意をしたようですよ。でもそんなあいつを見ていたら俺の方もたまんなくムラムラしてきて~、我慢できなくなっちゃって~、なんか引っぱたかれたし~無理矢理チッスして、とうとう押し倒しちゃいました!そんな事があったもんだから、俺にはもう詳しい動向なんて話してくれやしませんよ。まったく娘さん、何考えてるんだか、心配は尽きないですよね~」
なんて、アンドレ口が裂けても、言えやしない、言えやしないよおやじさん。
言ったが最後、二度と鳩と戯れることは叶わないでしょう。その場でお手打ちか、よくてジャルジェ家から永久追放?むしろ、何も知らないでいるあんたは幸せだよなぁ~。。。と、ジャルジェ将軍を見る度に私は複雑な思いでいっぱいになるのです。
そんな困った男たちをよそに馬で疾走する娘さん。一度スイッチが入るとなかなかどうして破天荒な行動を起こす方なので、いやホントにいろいろとベクトルの方向が間違ってると思うのですが、とにかく「激しい勤務先求む!!」の姿勢は強固なようです。
トホホ~~~付き合うシロちゃん(馬です)はたまったものではなく、ヒヒヒ~・・・ン(溜め息)ですよ、まったく。
さて、オスカル様から頭を下げられたアントワネット様。流石に海軍や国境警備隊という無茶な希望はきけなかったようで【フランス衛兵隊B部隊、部隊長】という任務を任す事になりました。これならまだベルサイユの範囲に居るわけだし、一応陸軍である限り様子も逐一チェックできるだろうという配慮があったのかもしれません。
で、これはあくまでもついでなのですが、アニメのオスカル様は何か理想を持って転属を希望したわけではありません。なんせ行き先は海軍でも国境警備隊でも何処でもよかったのです。そこに「近衛隊よりも“国民”を守る為の軍隊へ!」等というホットな思いがあろうはずがありません。とりあえず目の前の辛い事から逃げ、衛兵隊に配属されたのはたまたま・・・まぁこれが後にたまたまではなかったという事になるのかもしれませんが、とにかく現時点では、原作オスカル様とアニメのオスカル様とでは転職におけるモチベーションに雲泥の差がある。と思って戴けると、これからの展開がより納得しやすいものとなるかもしれません。悪い意味ではなく、アニばらはそーゆーところが面白いのですから。
さて、気の毒なのは深い事情を何も知らぬ部下たちです。
彼らは・・・恐らく突然、本当に突然、「今日、最後の閲兵式だから」と言われたのです。てか閲兵式の最中もひょっとしたら詳しい事は知らされてなかったのかもしれません。
あぅ~・・・そうせざるを得なかったオスカル様の心中を思うと、それも相当切ないのですが、やはり理由も告げられず突如去られる側はたまったものではありません。どーゆーわけなんすか!?と必死で詰め寄るジェローデル。彼なんぞはアップで映った顔色がもう土色になってもうて内心「急性パニック障害」のような状態なはずですよ。可哀想に・・・・・涙。
辛うじて平静さを保ってはおりますが「あの!あのっ!!我々に何か落ち度でもあったんでしょうかっ!?きゃー・・・隊長があんな低レベルで腐ったヤンキー揃いの衛兵隊に転属するなんて信じられない!お~ジーザス、一体どうしたって言うのだ!?」なジェローデル。以下、そこまででないにしろやはり未練たっぷりでテンパり気味な名も無き部下たちよ・・・すまん、あまりに憐れで申し訳なくて、これ以上見ていられん。という感じでしょうか。「私の後任にはおまえを推挙した。あとはよろしく頼む」と精一杯ドライに必要事項だけを告げるオスカル様、哀愁漂いまくりの余韻を残して静かに近衛の司令官室(かどうかは定かではありませんが)を後にします。
というところで、胸に鉛の弾を撃ち込まれたような心境のオスカル様。の前に・・・出たよ、鉛の元凶(アンドレ)が。
ところでこの場面って、例の出来事からどれくらい経ってるんでしょうか?
あれ以来、二人は初めて顔を合わせるんでしょうか?
お互いチラ見くらいはする機会くらいは、この前にもあったかもしれない・・・でも、がっつり待ち伏せされるのは、ねぇ・・・あれ以来初めてだと思いますよ。だからこそのこの気まずさっ!どうしようもない他人行儀感っ!逆に萌える~~~・・・
シカトすんのかと思わせて「アンドレ」と話しかけるオスカル様が極力平静を装っているのに対して、アンドレの「はい」って返事・・・そりゃないだろ。ここで出来ればもっとカジュアルに「嗚呼よかった~・・・無視されんのかと思っちゃた~~~!オスカル、この間はごめんよ。反省してます、反省してます、反省してます」と繰り返していれば、もしかすると仲直りできてノルマンディーにも連れて行って貰えたのでは?いや、それは無い(反語)
この二人のこーゆーヘヴィーなムードに、アニばらマニアはとにかく萌えます。
キラキラと降り注ぐ春の明るい陽射しの中、背中越しの「今日から私の供はしなくてもよい」が絶望的な響きをもってアンドレを直撃。更に、この間のこと、オスカルは別に怒ってはいない。だが記憶にも留めないんだってさー・・・・めっちゃズド~~~ン。
あの~、お互いイイ大人なので、こーゆー事はそもそも怒るとか怒らないとかの問題ではないような気もします。勿論ここには身分制度という鉄壁の障害が立ちはだかってはいるのですが・・・とはいえ、本人たちがその気になればいくらでも打開策があったはず!?特にアニばら世界では貴族の権威などこの時点で半壊しているも同然なので、都合よく考えれば結ばれた二人は移民としてアメリカ大陸にでも渡っちゃえーっ!!てな話なのです。
嗚呼メイフラワ~・・・♪(←時代考証めちゃくちゃですみません)
話を戻しまして、ここでショックなのはオスカル様から頑として「おまえの気持ちは受け入れられん」と宣言された事にあるわけで、鬼の形相で断固拒否ってわけではないんですが記憶にも留めない=なかった事にしよう=決死の告白は完全玉砕ってこと・・・?
という、アンドレにとっては悲劇的な図式が頭に浮かぶわけです。
ぅぉ~・・・もっと激しく怒ってくれればまだマシなのに(?)氷のようなそのクールさが余計ハートに突き刺さる~・・・しかし、彼らのことですから!ただ素直じゃないだけ。心の奥では「私ひとりでは何もできない」というえらく控えめな原作オスカル様の心境に近い想いだって、きっとあるはずなのです。でも、この人のケースはそーゆー事を言葉にしてる場合ではないの。涙
返す返す、性格も状況も違うのです。
オスカル様もアンドレも、本当は溢れる想いで辛抱堪らないくせに~・・・言葉に出来ない歯痒さよ。てか、見つめ合ってしまうだけで、きっと張り詰めてる糸がまたもプッツリと切れてしまいますからね。
馬に乗り足早に去るオスカル様の後姿が今この瞬間も愛し過ぎて、またも大きく咆哮してしまいそうだぜ・・・わ~~~オスカーーーッル!!!
嗚呼・・・苦しい。嗚呼・・・切ない。
この時、何処までもひとりぼっちのアンドレなのでした。
という展開で、次の場面ではピンで思い悩む二人の様子が交互に描かれます。
先ずはノルマンディーの海岸をひとり歩きながら自分とアンドレの愛の形を重ね合わすオスカル様・・・こわいくらいに似ている~~~似過ぎていて逆に気付けなかった、と言うか気付いちゃいけなかった私たちの恋、恋、恋。波打ち際の難破船は一体なんなんでしょうか・・・かつて栄えたと言われるバイキングが乗り捨ててったんでしょうか?何気にドラマチックな演出満載なこの場面。今度はしゃがんで通りすがりの野良犬に「おいで」とやってみるも、何かの暗示なのか「ぷい」と返され、ノルマンディーの海に太陽は重た~く沈んでゆくのです。
私が犬だったら、猛烈なついてその後パリまで連れ帰って貰うのにな~ァオォ~・・・ン・・・
さ、お次はとっぷりと日が暮れた、こちらはパリです。
画面を盛り上げる(あるいは盛り下げる)絶妙なキャラクター、なんか、このおっさん、久しぶり?で謎の吟遊詩人の登場です。メインキャラとのこのまさかのガッツリ共演に「おー・・・」となりますね!傷心のアンドレ、アコーディオンの泣き声につい吸い寄せられちゃったんですねぇ・・・でも一期一会の語らいに救われる事もあるわけで、てか、この二人、これまでもこれからも結構なニアミス人生なんですけどね(笑)とにかくこのおっさん、てっきりネガティブサイド担当なのかと思いきや~土壇場でなかなかのポジティブシンキング、しみじみイイこと言うのよね~~~・・・アンドレ見て若かりし頃の自分なんかを思い出しちゃったりもしてるのかしら?ねぇ、おっさん・・・いつも眼帯してるって事は、足だけじゃなく目ぇも悪いんでしょ?見れば分かるけど、あなたも辛い事をたくさん抱えて生きてるんだよね。
一升瓶(?)を後生大事に抱え、じっと固まる恋わずらい中の兄さんの横で、自らの言葉に感極まり、しまいにゃ~涙ぐんでしまう猛烈ナルシストな吟遊詩人のおっさん。。。
そんなおっさんを一人残し、おやおや・・・酒が切れたのでしょうか。アンドレはまたもフラフラと場末の酒場へ向かいます。そして、運が向いて来たのか再会したのはこの男っ!佐々木功もビックリな程に真っ赤なスカーフを靡かせたアラン・ケツアゴ・ド・ソワソン。勝手にミドルネームを足して申し訳ないのですが・・・この人のこと、こー呼んでる人って物凄い多いと思ふ。。。
嗚呼~・・・フランス衛兵隊のアランさん。貴方のその、ケツのように割れた魅惑のアゴ、アゴ・・・・・なんちゅ~か、吸い込まれてしまいそう。
というわけで、急激にデスティニーを感じるアンドレ。
特別警戒中に突如入隊をキボン!!!是非とも力を貸してくれーーーっ!!!
となるわけですが、この時酒場の入り口から「おい、アラン。いい加減にしろや~」と声をかける同僚の後ろに居るのって、ダグー大佐じゃないんですか?おぉ~大佐自ら夜勤に・・・って、それだけ衛兵隊は人手不足なのだと思えば納得できるのですが、大佐の目の前で仕事をサボろうとするアランって一体。もともと冗談だったと言うのなら分かりますが、マジならダグーちゃん、ちょっとナメられ過ぎです~涙。ちゅ~かですね、これがダグー大佐ならばアランに頼むより直接ダグー大佐に「入れて下さい」と志願した方が早い気がします。
細かいプロセスはともかく!その夜アンドレに舞い降りた幸運の王子様、ケツアゴが堪らなくいなせなアランさんよ!酔いも焦燥感も吹っ飛ぶ、アンドレにとっては恐らく・・・これも運命的な一夜だったに違いないのです。
数日後。あれ~~~!!
なんて新鮮、ブルーにモードチェンジしたオスカル様の、それは1日早く、殆ど奇襲とも言える着任のご挨拶から始まります。
オスカル様といえどこの時はきっと緊張なさっていた事でしょう。初めて足を踏み入れた衛兵隊。その内部には異様な男臭が立ち込め、宿舎ともなれば乾く暇のない男汁で床や壁はじっとり湿り気をおび、今まで嗅いだ事のないような臭気でパンパンに満たされ、流石に「うっぷ~」だったに違いない。しかし、いやだからこそ!いい感じやんか~~~な想いがあったんではないかい!?
オスカル様が転職先に望んだのは一番に「他のことが考えられなくなるくらいに厳しく劣悪な環境であること」なので(そうか?)、「キケン、キツイ、キタナイ」を超え「クサイ、ケダモノゾロイ、ケンカゴシ、コロサレソウ」等の要素を追加した6K、7Kの職場は、オスカル様にとってさぞや「トレビア~ン♪」だった事でしょう。
そーゆーわけで、やって来た新隊長♪この突然の顔見せに酒気帯びの隊員たちは大慌て!なんとか整列するも寝癖がついていたり軍服の前が中途半端にはだけていたり酒臭かったり丸めたティッシュがそこらじゅうに散乱していたりと、恐らく近衛隊に比べて散々な光景だった事でしょうとも。
うわぁ~・・・まさにアウェイっっ!!!
扉を開けた瞬間襲い来るこのむあ~~~・・・っとした空気!歓迎する気ゼロですと言わんばかりの殺伐とした隊員どもの眼つき!おぉー・・・思い切ってとらば~ゆした甲斐があったわ。と改めて気合が入った瞬間「はっ!」なんつって、ちょっと不自然なとこ見せちゃいましたよ、オスカル様。だって、この男がいてるから。
もう供はしないアンドレ・グランディエ。
除草剤撒いてもどうにも出来そうにないくらいの雑草の中にあって、彼の佇まいはすこぶるノーブルではありますが・・・ストーカーと化した内面はもう今までのアンドレではありません。さっそく呼び付けられた司令官室にて、若干声殺し気味に激昂するオスカル様に向かって「どんなことがあろうが、おまえになんと思われようが、おまえを守れるのは俺だけだ」と宣言する、この男のタフさに先ずは乾杯。
てか、うっひょーーー久しぶりに目ぇを合わせて貰った喜びで「パワー・フル充電!!」というところなのでしょうね。
「まぁまぁオスカル、そう興奮しなさんな。従僕ではなく、俺のことは隊員のひとりだと思ってなさいよ。その間にがっちり守ってやるぜっ」という主旨のことを一方的に伝えるとご丁寧に敬礼までして去るアンドレ。
オスカル様にしてみれば「てか、私のキモチ・・・分かってんのか?」という場面でしょうが、ここで「おい、こら!まだ話は終わっとらん!!」と引き止めたところで、無駄。彼とて、がっつりスイッチオンしているのです。
はぁ~・・・雨降って地固まる。と言いますが~、絆ブッた斬って強引な程のプラス思考に転じたアンドレ。その異様な程の迫力と言うか、ミステリーなくらいに自信満々な態度に流石に引かざるを得ないオスカル様。振り上げた拳をおろし「勝手にしろ」と呟いた彼女・・・
でもね、こういう展開ならば実際そんなに悪い気はしなかったはず☆
アンドレ、なんか知らないけど“とりあえず勝った”って感じが良かったですよ!
で、ケダモノもとい隊員たちの反応なのですが、案の定“女隊長”の就任について文句たらたら、オスカル様の今後に早くも暗雲が立ち込めてる様子にアンドレの心は痛みます。
そんなアンドレをじわじわと問い詰めるケツアゴアラン。「おめぇにゃ~俺のでぇ嫌いな貴族の臭いがする」と絶妙な一言でもってビビらせて来るこのスタイルがアニメのアランの持ち味、とってもキレていて痺れます。
追及され、動揺する心を悟られまいとあぶら汗カキカキなアンドレを眺めてニヤつくアラン、彼はなんとなくですが酒場でアンドレがグダグダになっていた理由というのが読めて来たようで・・・面白がってんのか?う~む、こーゆー展開になるんだろうなとは思っていたけど、アランというキャラクターの一言一言がとにかく魅力的なので予想を上回るドキドキ感があります。
出崎監督は男の心理を描くのがとても巧い人だと思うのですが、そのせいもあってか今回の衛兵隊編の滑り出し、すっごく面白い♪(ちなみに29話の脚本を担当しているのは男性です)
少女モノの雰囲気から逸脱すればする程に、アニばらのうまみ成分は視聴者のココロにぐんぐん染み渡って来るようでありますよ!嗚呼~なんて頼もしいっ~!!
で、場面展開。ご出勤前の朝のジャルジェ邸の風景です。
最近アンドレの姿が見えないと心配そうなばあやさんにお嬢様は「当分帰っては来ないと思う。アンドレは兵舎で寝泊りをしているからな」と微妙な言い方・・・なんでそうなったかは言えないし子供じゃないからこそいろいろと大変なんだけど、とにかく心配するな。というオスカル様が優しい“いつものオスカル様”のお顔をなさっているのでホッとします。
といったところで本日のハイライトシーンに行ってみましょう。
記憶に新しい南ア大会『Les Blues』の練習ボイコットでありますが、こいつらのそれはその何倍もタチが悪いと言えましょう。だってね理由が単に「女にあれこれ命令されたくねえ」という・・・てか、我々視聴者はこれまでの経緯があるのでオスカル様の実力について絶対的な信頼感を持っているのですが、普通に考えれば新隊長が女って、冗談でしょ?っていうか、有り得ない事態だと思いますよ。とにかくバカにされているとしか思えないのでボイコットする気持ち分かるなぁー。
というわけで「B中隊全員、新隊長の閲兵を拒否するそうだ」と、この人が唯一伝えに来る訳なんですがアンドレ・グランディエよ、しょっぱなからそんな目立つ行動してて大丈夫なのか?それとも新人なのでみんなから「おめぇが行って一言状況を伝えてこいや」とでも言われたのでしょうか?更に「閲兵式が中止なら俺も兵舎に戻りたいが」って、う~・・・む。従僕を解雇され一兵卒になってからというもの、な~んか掴みどころが無い感じで困るのう。
ちゅうわけで、オスカル様、再び単身で不潔な宿舎へと向かいます。
B中隊は全体で50名くらいいるらしいので部屋もいくつかに別れているはずなのですが、リーダー格が居るのはだいたいこのへんだろうという事で・・・オスカル様がドアを開けた途端、猛スピードで凶器が飛んで来るのだから嗚呼~サバイバル!!近衛では考えられない状況に流石のオスカル様も汗たら~んと言う場面に、ナイフを投げた張本人の男は更に冷や汗ダラダラ。閲兵式をボイコットするのはいいけど出会い頭に隊長の顔面を刃物で突き刺したとなれば極刑は免れません。「いけねえや~隊長さん」等と言って、たどたどしく言い訳する様子が笑っちゃいますね。貴様が凍りつくのはこれからだっつ~の!!
「ドアをノックしろだと?そういう言葉は礼儀をわきまえた者の言うことだ」の台詞とともに、抜いたナイフを今度は衣服を引っ掛けながら男のベルトわずか数ミリのところへブッ刺すオスカル様。
勢いよく振り下ろされたナイフはあとちょっとで男の腹をえぐって、その下のお○ンチンを直撃するところだったわけで~・・・どっひゃーーー・・・つくづくおっかねえ女です。しかも物凄く冷静でいるところが、怖ひ、ぶるぶる。
というところで、いよいよ声を荒げるオスカル様♪服装を整えて練兵場へ来い!というわけなんですが、ケダモノたちが言うこと聞きそうな気配はなく、班長のアラン氏が答えます。いやー、アニメの場合は皆が一斉に「女、女、女」と言ったわけではないのであれなんですが、もしそうだったとしても、こちらのオスカル様は「あっはっは☆嬉しくなってしまうではないか」というような爽やかな対応をして下さるイメージでは、ありゃ~しません。不敵な笑みを浮かべているのは原作様と似ておりますが・・・とにかくアニメの進行の仕方は徹底的にシリアスです。荒っぽいのが売りと言うならそれがどの程度のものなのか見せてみろと言い放ち、いきなり決闘モード。彼女はケダモノどもを練兵場へ連れ出す事に成功します。
で、練兵場。臭気漂う宿舎の薄暗がりで見るツラもあれだけど、青空の下で見るB中隊の連中の汚さよ。
「女は相手にしねえ主義」←これって一番屈辱的ですけどね・・・というアランに代わって目の前に立ちはだかった男(名前わからん)、こいつが醜いうえに「ぬりかべか?」と思うくらいの巨体をしており、まったく憎々しいったらありゃ~しない。あんたオスカル様を相手によりによって剣を選ぶなんて・・・命知らずなヤツ。悪いこと言わないからアームレスリングくらいにしとけばよかったのよ!と唾を引っ掛けたくなりますが・・・こいつ、動き出したら意外と俊敏で、荒っぽいというか~無駄にアクロバティックな戦法にオスカル様も一応納得。「腕は確かだ」なんてだいぶ甘口ですが好評価して貰えたんだから幸せ者です。でも、決着はつけとかないとね。右手の甲をビシュッ!!と斬り付け静かに剣をおさめるオスカル様。そこで止めときゃ~いいものを・・・素手で背後から襲い掛かって、それでどうする気よ?飢えた熊のような男の殺気に反応したオスカル様は振り向きもせず、今度は男の右頬ッツラをドスッ!とやります。鞘に入ったままだったからいいようなものの、抜いていたらばこの男、頭部を串刺しにされ死んでいたことでしょう。その凶行を見てビビリながらもキレるその他大勢の隊員たち。ルールを無視し集団で襲い掛かろうとするそいつらを、アラン班長が制止します。
こうして、どうにか閲兵式を行うことが出来たわけですが、式の間中、オスカル様の頭には「俺たちは貴族や、ましてや王宮を守る為に軍隊にいるわけじゃねえ。ハッキリ言って給料の為さ。食う為さ」という極々シンプルなアランの言葉が繰り返し響いていたことでありましょう。
というわけで転職第一日目。正直疲れました~・・・なオスカル様が帰宅すると、意外なお客様が待っていて、Aパートに続いてジェローデル登場~♪わ~癒される・・・泣
客人の顔を確認して思わずオスカル様だって笑顔になります。あんな辞め方しちゃって実際「すまん!」と思っていただろうし、何よりケダモノとすったもんだして来た後なので尚更、おぉ・・・おまえのノーブルさに心が洗われるようだ!というような感覚でありましょうか?しかし・・・ジェローデルが現れた=真っ先に「近衛で何か困ったことでも起きたのか?」と心配してしまうところがアニメのオスカル様ならではの母心というか、まだまだ近衛に対して想いを残していらっしゃるあたりが、なんとなく泣けてきます。
この人の為にジェローデルよ、もっとしっかりせいよーーー・・・・・
オスカル様って、ジェローデルのこと、好きなんですよね。
会えば凄い安心感があるし、人として、絶対好きなはずなんです。くぅ~~~しかし、軍服以外の格好をしているジェロって、えらい新鮮ですね。今まで見た事ありましたっけ?いや~私服の彼が自分の帰りを待っていたってだけで、オスカル様にとっては予想外のレアな出来事なわけですが、更に驚くべき事に・・・彼はとんでもないお願いを父上にしたようなので。
「お嬢様をいただきたい」って、またえらくカッ飛ばしてきたもんだのうっ~~!!
荒れ狂う野獣に早速手を焼き疲労した後、待っていたビッーーークサプライズ。詳細がごっつ~気になるよってところで第30話につづく!!!
あんた、そんなキャラだったのか!?
原作を知らない私は当時、歓喜のあまり小躍りしましたっけ♪
第30話 「お前は光 俺は影」
晴天の霹靂と言っていい事態です。
いや、ここ最近のアニばら世界は決して晴天とは言えません・・・
曇天、雨天、嵐天、それでもとにかく決行。という波乱に満ち満ちた展開がすっかり寒色系に様変わりした画面いっぱい、繰り広げられているわけです。
あー・・・このまま行ったらこのアニメ、一体ど~なるの!?という堪らない不安感に苛まれながら手に汗握り、息を殺しつつ状況を見守る私。
嗚呼、アニばら。20話を過ぎたあたりからそれは少しの予断も許さない、まさに「緊張と驚愕の玉手箱や~~~★」という状態だったわけです。
それというのも当時まだ小学生だった私。観ていたのは既に再放送として流れるアニばらで、当然池田理代子先生の原作は知らないわけで、も~ホントにマッサラな気持ちでアニばらという物語を追っていました。そんな私にとって・・・
あのジェローデルがプロポーズして来たっつ~のは事件を超え天変地異にも似た“異常な出来事”として、先ず最初は映ったのであります。
ジェローデル。原作の彼のことはこの時点でまだ知らないわけですが、アニメの彼だけ観て、それでも私は彼のことが大好きでした。
物語の中でこれといって何をするわけではないのですが、彼が出るとむっしょ~に胸がときめきました。何かをするわけではない事を知りながら、必死で注目しエールを送る時間がただそれだけで充実していました。妄想なんちゅう言葉もまだ知らなかったと思いますが、彼のプライベートを夢想し「ああ~ジェローデルが○○してくれたらいいのになぁ~」なんて呟きながら通学路をモタモタと漫ろ歩いたあの頃。それでも!「ああ~ジェローデルがオスカル様にプロポーズしてくれたらいいのになぁ~」なんて大それた事までは考えていなかった・・・彼は異性であって異性でなく、とにかく恋愛に絡んで来るような、そーゆー生々しいキャラではないような気がしたから。
かといって、今流行りの「草食系」という感じでもないのです。
彼は、ジェロ系・・・というしかない。
肉も草も彼には無縁で、ひたすら連隊長の片腕ガンバッてます!!という・・・オスカル様にとってはもはやアンドレ以上に空気な感じで、最高の箸休め的存在だったのだと思う。荒れる物語の中で「心が休まります。ジェロに想いを馳せると」な感じ?
それもちょっと違いますか・・・なんか凄く綺麗な造花を眺めるような感覚で彼を愛でていたのかもしれません。そんな生温い感覚が、第29話のラストで一変しました。
私はいてもたってもいられなくなり初めて母に「ねえねえ!ベルサイユのばらって知ってる!?」と尋ねるに至ったのです。母は当然知ってました。が、肝心の内容に関しては殆ど空白で「池田理代子って人が描いたマンガだよね?そういや、あの人って思いきった行動して有名になったっけね!」と父と一緒に当時ワイドショーを賑わせていたらしいカッコいいスキャンダルの方で盛り上がってしまったのです。あのー・・・それはまたの機会に聞かせて貰うとして、ベルサイユのばらの内容は?と訊いても、「はて・・・?宝塚でやってた事があるくらいだから、そーゆー感じの話なんだろうね」「フランス革命がどうとかじゃなかったか」「しかし池田理代子は有名だね」と、まったく的を得ないまま時は過ぎ「ジェローデル?誰それ?」という事で、それっきり親とは決別しました・・・。
(この数年後、母は購入したビデオを一気鑑賞して泣きまくったのですよ。初めて「心が通い合った」と思いました・笑)
予想通りというかなんと言うか親がまったくもって当てにならないので、私は全神経を集中して考えました。今日はジェローデルの行動について全力で考えたいから学校は休ませてくれ。という感じだったのですが、そうもいかず。仕方ないのでクラスメイトが星新一のショートショート等で非常にフワフワとしている時、あるいは新美南吉のごんぎつね等でさめざめとしている時に、私は黒板を凝視しながらも頭の中はジェローデルの事でいっ~~~ぱい☆
完全に孤立しながらジェローデル進化論についてひたすら想像を巡らせていたのであります。
(こんなだから通信簿には毎回必ず「いい加減、うわの空でいるのを改めましょう」と書かれるのです)
アニメを観て、何故こうも苦しまなければならないのか!?情操教育云々と言われ「いいことだ」とか言われたりする傾向もあるんでしょうが、アニばらに関しての『視聴する悦び、または苦しみ』というのは時として限度を超えて私の上に重く圧し掛かりました。
私とて、バカですがある程度の常識はそれなりにありましたので、たかがマンガ、たかがアニメなご都合主義が随所にあらわれるのは仕方ない、っていうか、それは当たり前なので全然気にせず楽しめていたのです、他の作品に関しては!
ただ、アニばらだけは好き過ぎて、信頼し過ぎて、あらゆる事がスルーできませんでした。
他のアニメのキャラクターが突如空を飛んで解脱しようがなんだろうが構いませんが、アニばら内では理由のない出来事が起こるはずがないのです。特にジェローデルに関しては!!
少女マンガの常識として“主人公の女の子はモテる。彼女が傷ついた時には誰かが必ず助けてくれるし男キャラはどういうわけか彼女の素晴らしさを見抜いていて時期を見て必ず交際を迫って来たりして、とにかくそーゆー展開で読者をドキドキわくわくさせるものなのだ”という一般論で納得してる場合ではない。オスカル様が失恋して傷付き、身近な男にちょっと乱暴な告白のされ方をして驚き、更に転職して疲れているので、ここらでジェローデルでも投入してひとつロマン要素追加しとくか。なんつ~理由でジェローデルが動くわけがない。ジェローデルがここまで思い切った行動に出るにあたっては相当、相当~やむにやまれぬ理由があるはずなのだ!というヲタクの信念です。他のもっと普通の勉学に励めばなんぼか評価もされましょうが、アニばら以外興味なかったので。今も昔も・・・こればっかしで生きてます♪
というわけで、考え抜いたジェロの心理。
それを一言で表現するのは大変難しいのですが、彼はつまり“責任を感じている”のだと思います。
連隊長が連隊長でなくなって目の前から消えてしまって、どうしようもなく湧き上がるこの想い。嗚呼~どうした事か身も心も切なさで引き千切れそうだ。でもなんか甘くてとろけそうでもあり・・・何っ!?なにっ!?これって・・・恋ですか?連隊長~~~(萌っ)!!!なハイテンションな部分は勿論彼にもあったと思います。が、それより深い心理として彼は「彼女を軍人に推してしまった」という今更悔恨にも似た複雑な感情があるのではないか?
30話内に漂う独特にヘビーdeビターなムードはそーゆー「THE 罪悪感」で縛られ、絶妙にシンクロする頑固一徹軍人コンビ、ジャルジェ将軍&ジェローデルがバリバリ醸し出すものでまず間違いありません。
アニばらを観る限り、このエピソードは主人公二人を揺さぶる思わぬ恋のハプニング♪という感じではありません。惚れたはれた以前に、なんというか掟破りに渋いのです。何が渋いって燻し銀レニエの泣きのバリエーションが、です。
おとっつぁん・・・娘のクーデターに遭い、それまでの子育て方針っていうか、考え方を急速に改めていくわけですが、その過程たるや想像すればするだけ切なく過酷なものがあります。
というわけで、原作とは一味違う『愚かなまでの親心』、そして不器用な男の精一杯の告白の形。30話のすべてはラスト、どアップで描かれるジャルジェ将軍の泣き顔に集約されるのだと思いますが本当にいい話です。決して派手ではありませんが、そこらじゅうに愛が溢れております。やるせなさで胸が掻き毟られます・・・
そう、アニばらはアンドレが草毟りする変わりに、我々視聴者が心を掻き毟って咽び泣きするべきで、もーーー・・・あんた、出崎さん、ヤバいよホント、こーゆーやり方・・・涙。というヒューマニズム溢れる珠玉中の珠玉エピソードに仕上がっております。なので読んで下さる皆様!古今東西アニばらを愛する皆様っ!!
・・・共に咽び泣きましょう・・・最高の家族愛に。
そしてジェローデルのフラれっぷりに・・・うっうっうっ★
前回までのあらすじ
男子に恵まれなかったジャルジェ将軍はやむなく6番目に生まれた女の子をオスカルと名付け、自分の跡継ぎにするべくスパルタ教育を施し、その結果、予想を上回る逸材に育て上げたまではいいものの、なんせ相手は複雑なお年頃の女子なのでここぞという時に「NO!」と言われ、焦って暴力に訴えた彼はかえって娘との溝を深めてしまう。
一方、親父のこの駄目っぷりをよそに娘は名誉を守るべく独自のやり方で勝負をつけに行くのだが、如何せん無鉄砲なので当時の国王の怒りを買い、あやうく厳罰処分!というところに人知れず敗北した男が「彼女、凄い人材ですよ!本当、処分なんかしてる場合じゃないですよっ!あーゆー人こそ重用すべき、これ絶対ですよ!!!」と国王に対し熱心に進言したようで、すったもんだはあったもののオスカルは当初の予定通り近衛隊長という地位に就任する。しかし、これって自分の意志とは明らかに異なる展開なのであって、のっぴきならない事情がテンコ盛りだし、経緯は非常に複雑なのだけれど・・・とにかく愛と死の怒涛の運命に本格的に出発進行ーっ!してしまったオスカルは、その後の人生、もぅ本当に・・・*泣@★♪美○$~~~・・・!!!
というわけで、前回までっていうか・・・第1話のあらすじです。←ホントか?
これをもとに考えると「じゃ~他にどんな道があったと言うのだ!?」という思いはひとまず置いておいて、晩年(そりゃなくね?)時代が荒れて来た時にふと立ち止まって自らの言動を振り返ったジェローデルが猛然と苦悩するのも頷けようというもの・・・そう思いませんか?
ちなみに、原作のジェローデル。6巻で殆ど初登場で出て来て若干敵役ムードも漂わせながらの猛烈な活躍っぷり。そんで、いきなり婚約者扱いされたうえでの過激に美味しい場面の数々・・・その爆発的な台頭ぶりは他のキャラクターの比ではなく、存在の重要性とか身元が案外不確かだよなぁーとか、そんなもの以前に、てか得体が知れないからこそ!否応なく萌えざるを得ない特殊キャラとして、私は大好きなのです。
が、やはりここは第1話から登場しているアニジェロにあらゆる意味で軍配が上がります。
とにかく「ジェローデルというキャラクターを何のために第1話から登場させていると思ってるんだ!!」ということを私は声を大にして主張致したい!!
第30話までの紆余曲折を経て、オスカル様は疲れ果てています。
彼女自身がたとえ強がってなんか抗議して来たとしても、とにかくオスカル様は心底打ちひしがれているのです!
その主な理由はフェルゼンとの決別です。
アニメのオスカル様にとって『フェルゼンへの恋』はいわゆる『初恋』以上のものでした。
フェルゼンはガッツリ刺さり過ぎて何があろうが生涯抜けない棘です。
これからの人生、フェルゼンはオスカル様の身体の一部なのです。
でも二度と会えない・・・すべて予想していた事だけど、いまだ動揺が続く自分も許せない。という大変な葛藤の中に彼女はいるのです!!それを一体どうすくい上げてあげられると言うのか?いざ、周りの男たちの力量が試される時です。
は~~~・・・オスカル様ぁ~~~~~・・・・・
と言ったところで、オスカル様。周囲の人々とのベクトルの違いというか、あまりの展開に大笑いしちゃいます。いよいよタガが外れてしまいましたか!?という程に、もうゲラゲラ笑っちゃった事でしょう。で、「あーーー・・・お腹イタイ♪」と呟いたところで、はたと考え込みます。・・・またも眠れぬ夜をお過ごしになったかもしれません。疲れが全然取れん~・・・SOS!!!
最も放っておいて欲しい時に次々と・・・
知らぬところでモテオーラ大放出中の彼女。人生最大のモテキを向かえ、眠れぬ夜は容赦なく続くのでした。
アポロンの泉を背景にした・・・はい、第30話「お前は光 俺は影」 アンドレの心境をごくごくシンプルに表現したサブタイトルが美しいです。
なんというか、二人の絆が一時的にブッ千切れている今だからこそ、余計に「お前は光 俺は影」というアンドレらしい当たり前な想いが美しいのです。
「どんな事があろうが、お前になんと思われようが、お前を守れるのは俺だけだ。だって、お前は光・・・俺は影なのだから。嗚呼~オスカル。オスカーーールッ(咆哮)」なんつって、日記にも熱くしたためていたんじゃないのか、アンドレ!!
くぅ~~~・・・あんたのそーゆー、なんちゅーか不屈の精神?意外にポエマーなところ?ジェロとはべっこでとにかく無条件に愛しいわ。。。
で、Aパートでまず最初に登場するのが燻し銀代表コンビのこのおっさん達です。ブイエ&ジャルジェ。立場的にはブイエ将軍の方が格上らしく会話にも上下関係の様子が顕著に漂ってはおりますが、ブイエ将軍、決して偉そうなわけではなく・・・いろいろな意味でジャルジェ将軍に気を使っているのが分かります。信頼し合い、仲が良いのでしょうね。だからこそ、言いにくいのだが~オスカル君の無謀な転職によって様々な波紋が~~~・・・いや、優秀ってのとは別に女性ってだけで普通は、ねぇ?等とおっしゃる格上ブイエ将軍に「娘には今、結婚の話をすすめております」と伝えるジャルジェ将軍。「ほぅ」と振り向いたブイエ氏に「相手はジェローデルなんですが」と付け足していれば更に「ほぇ~・・・」となり、「何なに?近衛連隊の上層部でわしが知らない間にナニかあったのかえ!?」と、さぞや熱い関心を引けた事と思うのですが、疲れたお顔で「父親として、あれもそろそろ武官としては潮時であろうと・・・」等と続けてしまいましたので~いまひとつ盛り上がりに欠け残念でした。
それにしても、31、32歳で武官として潮時はないだろう?なんかそれって男尊女卑!あんたらは一体いくつなのさーっ!?ついこの間までは潮時どころか「これで少将に昇進間違いなしだーっ!!」とか叫んでいたのに。衛兵隊では出世の見込みがないとみてガックリきてるのでしょうか?それもあるとは思いますが・・・ジャルジェ将軍、流石のスパルタ親父も突然のクーデターにいろいろ考えるところがあったのでしょう。過去を振り返るいい機会だったと思うのです。それで、嘘偽りなく、「潮時であろう」と思うに至ったのだろうと・・・。
オスカル様の転職は彼の中でもまた、物凄い変化が起きた出来事だったのです。
(潮時⁼「ある事をする為のちょうどいい時期、好機」なんですが、ここでの会話の雰囲気では「引き上げ時」という意味合いが強いと思い、それで妄想しています)
場面展開。この人、誰・・・?はい、字幕スーパーのテロップがなければ解りませんね。「サン・ジュスト」と出ました。アニメから入った私は自然に受け入れる事が出来ましたが原作のサン・ジュストが深く入ってる方には抵抗大だと思います。てか、史実ともだいぶ違うし。
この曲芸テロリスト、本当なんなの!?
ベルナールといいサン・ジュストといい、ロベスピエール先生は手下に特殊訓練を施す“THEロベピ道場”でも持っているんでしょうか?しかしどうやら・・・こういったテロ行為は先生の命令ではないようで、むしろ困惑している様子です。「あいつ、目がイッっちゃてるよ~・・・この先も絶対何かやりそうだし、怖いよー・・・」という気持ち、よう分かりますとも。
さぁ、ひと悶着あった後なので気まずい空気が依然充満しているでしょうが、衛兵隊の宿舎です。
ああ、ただの点呼でガラの悪さが解ります。「ふぁい」とか「はいよ~」って返事があるか?まったく普通に返事してるだけなのにアンドレのノーブルさが際立ちまくりですね。
それから外へ出て、とりあえず隊員たちは命令をきいているようでパリ市内特別巡回とやらに出払って行きました。それを待っていたのかどうだか分かりませんが、やって来ましたよ~ジェローデルが♪片手をあげて優雅に闊歩(馬がですが)してくる様子が先程までの衛兵隊と非常に温度差あるなー・・・笑
パカランパカランと近寄って来て、暗に「今夜デートしましょう」と誘うジェローデル。雰囲気からして「貴女さえお暇だったら、今から二人で出掛けませんか?」というような・・・仕事モードとはかけ離れたとってもジェントリーな物腰です。
こんなジェローデル、見たことないなぁ・・・(笑、でも感動)てか、見て分かると思うが暇じゃないし(泣)・・・プロポーズの事がなければ優しいオスカル様のことなので「どうしたジェローデル、こんなところまでわざわざ・・・さては近衛で何か困った事でも起きたのか?」と相手にしてくれたでしょうが、すっかり警戒態勢に入ってしまわれたオスカル様は先ず敬語になります。能面のような無表情なお顔で「ご都合は、悪いです!」という事だけ告げ、去る彼女。でも、こーゆー感じ、僕ぁ~すっかり慣れてますから。と、特に傷付く様子でもないジェローデルは愛しい人の背中を見送り「十分お気をつけて・・・私のオスカル・フランソワ」とか呟きます。・・・ま、言ってみただけだと思いますけどね。それだけで嬉しい~♪ってな感じだと思います。これも相当健気な男ですから。
というわけで、あっという間に日が暮れて、先ずはアンドレがケツアゴからこんなアドバイスをされとります。「お前があの女隊長の従僕だってことはみんなにもうバレている。中にゃ~おめえが女隊長のスパイだって言ってる奴もいる。一人の時は十分気を付けるこったな」って、スパイだのテロリストだのと・・・そのうちFBIとかCIAとかモサドとかアルカイーダとかまで登場して来るんじゃあるまいな?てか、従僕ってところもワケあって既に解雇されてるんで、結局その噂いっこも合ってないんですけど。あ、ワケの部分・・・もしかして知りたいかい♪とかって言ってる場合ではなく、事件発生!!
やめろと言われているのに又もあの曲芸テロ師・サンちゃんがオペラ座にて人殺しを決行。そして現行犯逮捕は無理でも、とにかく現場に急行するぞー!つってんのに誰も動かねえ!?流石のダグー大佐も焦って声を荒げますが、野獣どもってばまったく言う事をきかず、疲労感でいっぱいになるオスカル様なのでした。
夜勤明けでトボトボ帰宅する娘の姿を窓から眺め、てか、疲れてる時に何もねぇ~・・すぐに呼び付けなくてもいいと思うのですが、疲れてるからこそ!頑固娘を説得できるチャンスかも。。。そーゆーわけで、いざっ、親父の出番です。
しかし母上はどうなったのでしょうか?6人も御子をお産みになったものの大層か弱く儚げな風情の方だったので、もしかしたら既に他界されてしまっているのかもしれません。
細かいことはどうあれ、アニばらで親子愛と言ったら『父と娘』であります。非常によく似た性格の二人であると思うのですが、異性であるのでそこには特有の葛藤が生じます。
てか、親父ぃ―これまで本当に酷い振る舞いが多々ありました。それが今回、突然娘のクーデターに遭い、一瞬は憤ったものの流石に考えを改めたご様子で・・・珍しく物腰柔らかに娘を呼び出すお父さん。反対に娘は目をつり上げご立腹モードだったりするのですが、まぁまぁ今日は冷静に話し合おうって言ってるだろ?そこへお座んなさい。という事で、娘も着席。先ずは娘の苦労を静かに労うところから会話がスタートします。
我が娘よ・・・弱音を吐くな!強くあれ!!とこれまでどれだけ厳しく指導してきた事だろう?その結果なのか今も目の前のお前は、お前は~・・・と、堪らず涙が込み上げる父ジャルジェ。その様子に「はっ」となるオスカル様が美しいです。てか、突然父に泣かれる娘の気持ちになってみろや~・・・レニエよ、それ反則だから!
涙を流し拳を震わせながら「わしの一生の失敗であった」と自分の人生を嘆かれたオスカル様の心境を思うと・・・それこそ涙が溢れます。こういった行為が実際どれだけ残酷な棘となってオスカル様の心に突き刺さるのか察するに余りありますが親父の方も、こればっかりは本音なのでありましょう・・・二人とも哀れです。
そこから、父の突然の懺悔というか謝罪の言葉にオスカル様もモードチェンジし、じゃ~・・・ちょっとばかり私もぶっちゃけますよ。という感じになります。だからってここから始まる一連の台詞って、親父に語って聞かせるにはちと大胆過ぎるのでは!?白薔薇一輪を丁寧に毟りながら、非常に淡々と時間は流れておりますが・・・この親子の語らい、私などは物凄くドキドキしてしまいます!!それに、ジェローデルが気に入らないのなら他にもっと素晴らしい相手を探そう!ってのも引っ掛かります・・・そうかと言って「いや、ジェローデルが気に入らないとかではないのであって」等と言おうものなら「そうか!そうか!!」と即日結納とかにもっていかれそうなので困ったものです。
ちなみに、アニメの場合この父は「婿を貰うので跡継ぎを産め」と言ってるわけではないのです。この際、後継者なんかはも~どうでもいいのだと思う。一刻も早く安全で自然な環境に娘を戻す為に、気前よく嫁にやる気でいるのですよ。
だって、なんかこっちのジェローデルって長男な気がしますし『ワタクシごとのお願い』に来た時にハッキリ「お嬢様を戴きたい」と言ってるようなので、それって婿に貰って下さいっていうよりかは嫁に下さいという話なんだと思われます。で、将軍はOKした。相手がジェローデルでなくなるなら話は別だと思いますがね。
というわけで、白い薔薇。アニメのオスカル様は食わずに吹き飛ばしました・・・ふぅーっってされてみたいでっす(ムッハーーー☆)
そーゆー感じで名場面だらけの今回30話ですが、こっから特に熱いです。とってもアニばららしく燃える仕上がりなので目をこらしてよく観ましょう♪
おばあちゃん、オスカル様に面会日をきいたようで会いに来てくれました。おばあちゃんの味が恋しくなったから休暇になったらすっ飛んで帰るさ!と可愛い事を言う孫に、これ隠しておいたらかえってあれかねぇ・・・と言う事で、お嬢様の結婚話が起こってるんだよぉと。アンドレのその後の荒れっぷりを見ると、恐らく相手がジェローデルである事もばあやさんは話したのだと思われます。アンドレ・・・何故そこまで動揺するのか?結婚しろと言われてあのオスカル様が「はい分かりました」と言うはずないんです。でも、相手がジェローデルだったらどうだろう?絶対にないとは言い切れないかも・・・うわ~~~っ!!なんだこの不安感!?フェルゼンの比じゃねえーーーっ!!!と、テンパり、とりあえずダッシュするアンドレ!よりによってこんな火の玉状態の時に喧嘩を売って来たヌリカベ&野獣どもよ、ありがとうっ★ 景気よく買ってやったアンドレは「げ!!こいつ、こんな性格だったのかよ~~~!?」と、傍観者たちをさぞや驚かせ、ビビらせた事でしょう。
Bパートに突入しています。アンドレ、どうやら5対1の喧嘩だったようで、なかなか豪快な暴れっぷりだったとは思いますが残念!負けてしまいました。集団リンチで袋叩きというやつです。
嵐が去った後に現れたアラン。騒ぎになる前に十分止められたと思うのですが止めては駄目なんでしょうねぇ。どうやら男の世界の、こーゆーのは一種の掟のようです。
普段からニヤニヤしてる事の多いアランですけど、喧嘩が始まった時も二度とやるなと言って牽制した時も、なんか妙に嬉しそう。きっとアンドレがどれだけやれるか興味があったのでしょう。それで結構むちゃくちゃやってくれたので爽快さもあったのだと思う。女の人は怪我とか後遺症とかについて激しく心配するものなので、こーゆー心境はよく分かりませんが・・・アンドレ、晴れてアランに「おめぇ合格っ!!」と太鼓判を押された感じ。更に、なんでこんなになるまで暴れちゃったのかっていう部分が、ツボをついたようです。
オスカル様だって喧嘩を止める事は出来たと思ふ。なんで黙って見てたんでしょうか?いや、実際ボコボコにされてる現場を見ていたら何かしたと思うので、やられ終わってから現れたんだとは思いますが、きっといろいろ思って動けなかったんだと思ふ。アンドレったら自分の為にこんなに乱れちゃって、殆ど気絶しながら「結婚なんてやめてくれぇ・・・」とか言っちゃって。ブラビラれた時の衝撃がまだ生々しく残っていると思いますけど、だからこそ「アンドレ、そこまで私が好きか?」という感動・・・いや、屍みたいになってる姿を見て感動してる場合じゃないんですが、でも、女なら絶対胸を熱くしているはずです。
同時にそこまでの“熱血LOVE”にまだ全然応えられない自分がいるわけで、彼女の事だからこーゆー時、罪悪感を抱いちゃったりするんですよ~・・・
そんな複雑で繊細で、みんなには内緒♪な二人のご関係。
気付いちゃったもんね~!!でひとり上機嫌なアラン班長。
こーゆー演出、男性の監督ならではって感じで初めて観た時、萌えまくりました(何百回観たって萌えは色褪せずヨ♪)
さて、燃えるような夕日をバックに、次に待ち構えていたのはジェローデルです。
・・・ええなぁー・・・モテモテやんか~・・・
誰もかれもが非常に切羽詰り、寿命を縮める感じで告白して来る様子が本気を物語ります。
重い・・・重いよ、アニばら。
こんなにもモテフェスティバル♪という回でありながら、全く浮かれていられない・・・どうしようもなく切なくて、嗚咽してしまいそうな場面が畳み掛けるように続きます。
アニメのジェローデルは不自由の化身のような人ですね。
彼にとってオスカル様は永遠に崇拝する天上人みたいな存在なのかもしれません。だから結婚等という形でなくても良かったんです、きっと。傍で支えて同じ目標を持って信頼し合えていれば、ただそれだけで幸せな人生だったような気がします。妻にしてチョメチョメしたい・・・なんて!っか~~~!!!何恐れ多いこと考えてやがんだ、馬鹿!俺の馬鹿っ!!!!!みたいな、一見クールな男ですが内面はそんなアホみたいに生真面目なところがあって、それが彼の魅力のひとつだと思う(そうか?)
更に、彼は「貴族という家柄でなかったら・・・」と、暗にアンドレ・グランディエが羨ましいという事を言って精一杯想いのたけを伝えておりますが、貴族の身分なんかいつでも捨ててやるくらいの気概はあったと思いますよ。しかし、それをして追いかけてみたところでオスカル様が困惑するだけだと解っているのです。
自分はアンドレのような存在ではないし、近衛を退かれた今、完全に己の役目が終わりを告げた事を悟っている。でも、伝えずにはいられなかったんでしょうね。しょうもないくらいに愛してしまった事を・・・彼とてオスカル様に、せめて知っていて貰いたかったのです。
苦しみの愛じゃーーーっ!!
ここにもまたひとつ、最強クラスの苦しみの愛があったのじゃーーーっ!!!
でも、苦しいだけで終わらないように・・・彼にはきっと、いい事が起きるような気がします。オスカル様の魔法というやつです。たとえ今は「貴族である以上、従僕のことを言う資格はない。あなたにも私にも」と若干八つ当たり気味に言い放たれ冷たく去られても、彼はきっと大丈夫です。
で、大丈夫でないのはこの人です。お父さん。この間の話し合いは何だったのでしょうか。娘の幸せを願うのは結構なことですが、またもや「命令する!」とか言って威圧的なんだよなぁ、もう答える気にもなりませんよ・・・というムードでひたすら鍵盤をブッ叩くオスカル様なのでした。
一方、盛大に的を外した企画なんですがパーティーを結構楽しみにしている様子のブイエ将軍。これまで舞踏会の主催者になった事なんかないでしょうからね・・・変なことしそうで、いろいろと不安が募ります。ってところで・・・出たっ!?神出鬼没、曲芸テロ師サンちゃんの今回のターゲットはブイエ将軍だったようで、おいおい!顔も知らずに待ち伏せしてたのかよ!?いつかのロザリーを上回るうっかり者です。もっとしっかり事前調査しとけ~~~・・・!!
血相を変えて馬をカッ飛ばすオスカル様。
「ジャルジェ准将ーっ!お父上が暴漢の襲撃に遭い危篤だそうですーーーっ!!」とかなんとか報告を受け猛ダッシュで帰って来たのでしょう。部屋へ飛び込んで行った瞬間ばあやさんから「大丈夫ですよ・・・」と言われ、思わず泣き崩れてしまいます。
突然親が危ないと言われたら、会えなかった事、言えなかった事、きっと様々な事が頭を過ぎると思います。後悔だってたくさんする事になるでしょう。ましてやオスカル様と親父の関係です。とてもとても言葉にならない感情が、いっーぱい込み上げて来たのでしょうね・・・。
最悪の事態を免れてホッとした瞬間、涙がドバーーー・・と溢れて来てしまうなんて素敵な親子関係だし、つくづく優しい娘です。そして暇だったんでしょうか・・・何故か先に屋敷に戻っていたアンドレがそっとハンカチを差し出す仕草が「嗚呼~他人じゃない」と、しみじみ・・・しみじみ“家族”の絆を感じる美し~い場面なのでした。
意識が戻って結構元気なジャルジェ将軍。今や猛然と「娘のフツーの幸せを願うのみ!」なので犯人を捕まえるよりもおまえが早く花嫁衣装を着てくれる方が嬉しい・・・等と言い。
最近のあんたの一挙手一投足、全てに胸が痛いわ by オスカル・フランソワ
更にオスカル様がお着替えなさってるというのに給仕をする時も何故か軍服姿で謎なアンドレ。彼をつかまえ無神経な頼みごとをするので、もー・・・ホントに頭イタイってところかもしれません。【何も知らない】って、罪ですよねー・・・
んで、「明日」になりました。
奇跡的に助かった旦那様とのお約束なので律儀に「舞踏会の時間ですよ」と声をかけに来るアンドレ。あんた・・・本当にいいの?と突っ込みたくなる場面ですが、これって仕方ないんじゃないですかね~・・・溜め息。オスカル様もどう反応していいかよく解らなかったと思いますが、とりあえずキレてます。
しかしねー「よい、供はいらぬ!」って怒鳴られた瞬間、私がアンドレならカッチー・・ンときて即座にキレ返すか、さもなくば泣きますが、固まる彼はホント、打たれ強いと思いますわ~笑。
お陰で、オスカル様から意味深な言葉を掛けて貰えたのだから・・・良かったねっ、アンドレ♪
「アンドレ、そう簡単に私は 嫁にはいかん」って・・・・・・そりゃそうだ。そうなんだろうけど、もっとなんか、希望の光が燦燦と降り注ぐ感じ?
うぉ~~~!!やっぱりオスカルっ!!!俺、ついて行きたいんですけどーーーっ!待ってぇ~~~・・・(はぁと♪)ですな。
そーゆーわけで、ようやくラストです。これ、読んで下さった方には本当に感謝ですから。長過ぎていつもすいません!
いや~・・・やっちゃいましたね。舞踏会慣れしてないブイエ将軍。
彼ったら会場のレイアウトや揃えた楽団や提供するお飲み物やお食事には気合いを入れたのかもしれませんが、男ばっかし呼んじゃいました。
これでどう舞踏するって言うんでしょうか?
男女で踊るわけではなく、もしかしたら・・・花婿選抜特別プログラムはひとりづつ順番に舞を披露して貰い、その中からセンスのよかった者をオスカル様がチョイスするというベルサイユ宮も驚く程の近年稀にみる“オスカル様争奪 ストレンジ ダ~ンス甲子園!”になる予定だったのかも。
あ~ぁ、それなのに、オスカル様ったら軍服で来てしまい「これは奇妙な舞踏会ですねぇ」なんつってミモフタモナイことをおっしゃって・・・。
冗談はさておき、この場に集まったのって全員独身なわけですよね?
地味な奴からチャラ男まで、まぁ~よくぞ集まったもんです。ここへ来ただけでも一定量以上のハンター精神と、何より“大いなる夢”を持ち合わせた男という事で平均点以上の評価をしてやってもいいんじゃないかと私は思います。
その中でジェローデル・・・「頼むからこいつらと一緒にしてくれるな」という居た堪れない様子の佇まいが痺れるなーマジで。
彼、舞踏会を開いて大勢の中からオスカルに相手を選ばせるからと言われた時に、信じられなかったと思うんです。自分がすんなり夫になれなかった事では勿論なく・・・連隊長、本気で結婚とかってする気あるんですか!?というような。。。
矛盾しておりますが、そこらのヘタレ貴族のものには決してならず、自分のものにもなってはくれない連隊長。というのが一番自然で納得できる状態だったんでしょう。それ故に「オスカル・フランソワを軍人にしてしまった」という小さな罪悪感の棘は彼の心をチクチクと刺激し続けるのです
で・・・チクチクどころではなく、グッサリ心臓をえぐられる感じのお父さん。人目もはばからず号泣する姿に、号泣です・・・
最後の台詞、最初はブイエ将軍に話しているのだと思っていました。
でもこれ、ジェローデルに話しているんですよね・・・
よく観るとジェローデルの髪や肩が確認できます。
ひとまわり小さくなったような将軍が目の前で泣き崩れるのを見て、かけてあげられるどんな言葉が彼にあったでしょうか?
彼らもまた、オスカル様をめぐる運命共同体なのだという事を強烈に語りかけてくる演出は、ごっつー・・見事です。
こうして・・・男女のラブアフェアーの前に第30話は深く切なく美しい、大きな家族愛のエピソードなのでした。つづく!!
オリジナルの闘魂エピソード炸裂でいまいち影薄いけど・・・
待ってましたよ!春風要員最終兵器=ディアンヌちゃあ~ん!!
出番少ないけど貴女が好きです。
第31話 「兵営に咲くリラの花」
むむむ~・・・「兵営に咲くリラの花」。
何やらほのぼのとしたムードが漂い「え?じゃ~今日はちょっと息抜きできるのかしらね」と、なかなかどうして視聴者を油断させるサブタイトルですが、そんなんじゃないから。
タイトルのリラの花=ディアンヌ嬢は冒頭ほんのちょっと出て野獣どもを欲情させますが、それだけ。メインテーマには一切絡みません。果たして、サブタイトルにする必要あったのか?
という若干疑問を内包しつつの31話、本日のメインテーマは【プロテクターオスカル:テロリストとウルトラファイト!!】であります。
スペインからやって来たアルデロス公とかいう見たことも聞いたこともない人の護衛を突如命じられ“コンボイ”と化す衛兵隊B中隊!!
あぅ~・・クラッシャー出崎は益々もってこの先何をしでかすか分かりません。
穏やかなサブタイトルに油断して気を抜いていると大怪我しますので、皆様、今回も緊張感を持ってじっくりと内容を観察していきましょう。
いやぁ真面目な話、以前初めてアニばらを視聴するに至った友人がこんな事を言っていました。
「原作持ってて、もちろん展開知ってるのにまったく先が読めない。どーしてそーなるの!?」って。それを聞いた時、羨ましかったですよ。毎回毎回そのようなドキドキ感を味わえて、本当に彼女が羨ましかった。私はアニばらから入ってしまったので味わう事のなかった感覚です。ホントそうなんですよねー・・・アニばらを観る時、原作は道標にはなってもガイドブックにはなりません。原作のあの場面、この場面をアニばらの中で探してみたところで出会える確率は非常に低いのです。なのでこれはベルばらとフランス革命と男のロマンの奇跡のコラボレーションだと思って「もーっ、目ぇつぶってあんたに付いて行きますよ!」ぐらいの感覚になりましょう。
と言ったところで、ひえーーーっ!!パン屋のショーケースがカチ割られ、金貸しはめためたに殴られ、盗るもの盗ったら犯人逃走。パリの至るところでカツアゲやカッパライやコロシが頻発し治安維持に努める衛兵隊は出動しっぱなしの連日超激務。とにかく全域無法地帯なので一体どこを取り締まればいいのか分かりましぇん・・・といった感じの隊長オスカル様。その疲労感に満ち満ちたたお顔から今回のお話はスタートします(涙、涙)
さてOPソングを挟みましてケツアゴアランのむさい胸元に浮かんだサブタイトル、リラというのはライラックの事で、指しているのはケツアゴの妹=ディアンヌちゃんです。
わーーー・・・原作知らない私は一瞬、駆けて来るピンクな彼女を「アランの女房か?」と勘違いしたわけなのですが、直後「兄しゃ~・・ん!!(兄さんと兄ちゃんの間の発声だと思われる)」を聞き、妄想する間もなく「妹なのね」と納得・・・・・できねえ!!妹って、血の繋がった?どーゆー遺伝子なのだろう。フリデリーケちゃんみたく妹、捨て子だった。みたいな複雑な家庭事情があるのかな!?まぁ細かい事は置いといて、ディアンヌと呼ばれた彼女はケツアゴアランの妹なんだそうです。・・・カワユイのう・・・!!野獣でなくともこれには感動します。近頃画面全体が殺伐としてますんでこのピンクな色合い、ホント癒される~・・・・・前半と違って今はもうねぇ、女ってだけでばあやさんでも貴重がられるアニばらワールドですから、貴女の華麗さには思わず腰が砕けそうになりますね。
嗚呼ディアンヌよ!君が居る、それだけで汚い兵営もたちまち南のオアシスさ!!
はぁ~申し込んでみよっかな~デート♪と言ってみるだけでハッピーな気分!だって実際は近寄れないからね!と、兄貴に半殺しにされるのを恐れて物陰で萌えるのが精一杯な野獣たち。そんな情けない連中を尻目に陽射しの中を堂々と近付いて来られたこちらも美しき隊長さん。もしかしたらこの方も「女房か?」って一瞬思ったかもしれませんよね。でも女房ではないの。妹なの。しかし、お行儀よくご挨拶する妹の横で兄貴のケツアゴ、醸し出す空気がやはり亭主って感じ、するんだよなぁ。という話はまぁいいとして、可憐なご挨拶にお答えになったオスカル様。
「こちらこそ、いつも面倒をかけている。オスカル・フランソワだ」って・・・
何気ない台詞ですが隊長だからって決して偉ぶらない、謙虚なオスカル様らしい一言です。優しい表情といい、振り返って眺める仕草といい、こーゆー場面こそ・・・
地味にグッときちゃう・・・・・涙。
というわけで、どうやら今日は面会日らしいのです。で、オスカル様にもご面会?
うっへー・・・春風とは程遠い。ドア開けて、充満する威圧感と加齢臭に忘れかけていた疲労感がもあもあと甦って来る瞬間でございますよね、オスカル様ぁ。
両脇にボディーガードを立たせ自分は着席にて入室する者を凝視、威嚇。
寂れた寺のあんたは仏像か?と突っ込みたくもなりましょう。しかしながらそんな事言ってる場合ではありません(溜め息)
「これは・・・ブイエ閣下、あの~先日は~せっかく気合入れて下さった舞踏会なのに始まった途端にブチ壊してしまい、大変失礼しました」と流石に顔向けできず、うつむくオスカル様。それを意外にも寛大な態度で・・・てか、口では「何とも思っとらんよ」と言ってますけど、あんた顔は怒ってるから。特殊任務を申し渡しに来たのはズバリあの時のペナルティーでしょうっ!?ああー・・・・・近衛は他の事で手がいっぱいっていうのは嘘だね。だって、国賓の護衛って近衛隊の最優先事項じゃないんですか?他の事は後回しにすりゃ~いいんじゃないんですか?でも、傷心のジェローデルが殆ど腑抜け状態でいるので頼りにならず、責任をとって君がこの仕事引き受けなさいよ。とまぁ、そんな感じだと思えば仕方ないですね、オスカル様。久々のロイヤル仕事、ガチで暴力沙汰をどーのこーのな任務ではないかもしれませんし。ところがどっこい、ブイエのおっさん「テロリストどもが狙っておる」ってハッキリ告知しちゃってますからっ!統制がとれているとは言い難い今のB中隊に酷いのう。
でもまぁ、引き受けますよ、引き受けりゃ~いいんでしょ。
って感じで無理難題を押し付けられたオスカル隊長。急な話な上に今まで雑魚仕事の経験しかないであろう隊員にいきなり「外国の皇族の護衛を任されたので云々・・・出発は明日早朝」と淡々と言って聞かせるオスカル様。隊員たちは「おいおい、あんたが来たからそんなやった事ねぇ仕事回って来るようになっちまったんだろうが。めんどくせ~・・・てか・・・なんだよ、それ!?」って反応だったに違いない。
ってところでハイッ銃を持ってない者発見っっ!!
これには流石のオスカル様も声を荒げてみたものの「なくしました・・・」「記憶にありません・・・」「いいっすよ。体罰でも懲役でも、いいっす・・・」って、この隊員背中丸めるだけで埒が明かないので・・・てか、誰だっけ、こいつは?なオスカル様。「名前は?」と本人に尋ねる姿は原作様にはみられない光景ですね。そう、アニメのオスカル様は隊員の名前を覚える事に重きを置いてはおりません。この時点で覚えているのはアラン・ド・ソワソンとアンドレ・グランディエと・・・その二人くらいなんじゃ(笑)?隊員の名前を覚えてる暇があったらパリの市街図を路地一本空き地いっこに至るまで頭に叩き込んでおかなきゃ~命取りになるような、そんな状況にいらっしゃいますんで、なんせまぁ、そーゆー事なのです。
で、明日になりました。フランス王家の紋章を掲げて特殊任務に飛び出して行く衛兵隊B中隊。あの~隊長・・・確かブイエ閣下は「どの隊にも皇族をきちんと扱える者がおらん。それであえて君に頼むんじゃ」とかなんとか言ってませんでしたか?ならば“護衛”の指揮こそ貴女がとらねばならないのでは・・・?いえ、なんでもないです。。。
イロイロあって『複数あったらよりハードな方を選択せよ!!』というのが強くアタマにインプットされてる模様のオスカル様。なので、ここは当然“遊撃隊”に回りますわね・・・ちなみに遊撃とは【戦列から離れ、時に応じて敵の攻撃や味方の援助に回ること。またその軍隊】らしいです・・・う~わ~~~、先が思いやられる~・・・・・
場面転換。そちらの状況、どうですか?は~い、こちらテロリストどものアジトで~す。
こっちのボスも部下を侍らせ自分だけ着席にて、相変わらず残忍な事をほざいております。いや~でもね・・・ブイエが大仏ならばサン・ジュストは弁天様のような色気が漂いますね。美しい女人のようです。目つきとかすんごく悪いですけど。。。てか、テロリストを仏様にたとえてる場合ではないかな、どうもすいません(合掌)
要はサンちゃん、女王様なのね。って事を言いたかった。
これに群がる部下は理屈ではない彼の魅力にとりつかれているんでしょう。呪縛ってやつですか?だってね、実際サンちゃんはたいした腕ではありません。キレるようで、キレてな~~~い(昔こーゆー剃刀のCMなかったですか?)基本リサーチ不足ですし、行き当たりばったりでヤバくなったら同志は見殺し、テロった先に何か壮大な野望とかもなさそうだし、なんか不安なんだよね・・・って思わないのかな?でも、新興宗教の教祖なんかも見るからに怪しい人物多いですもんね。
限られた一部の人に発揮できればいいのかも、カリスマ性というのは。
という事で、女王様・・・っていうか、とにかくビッチなサン・ジュストは予定変更を何より嫌がるのでGO!GO!!
アルデロスファミリー襲撃しにレッツ・ゴーーーッ!!
やぁ~視界が開けました。一面に咲く、これって菜の花ですか?黄色い絨毯、なかなか壮観です。しかし「綺麗ねぇ」なんて言ってる場合ではないので。テロリストは何処から仕掛けて来るか分かりません。あの無人の古城、見るからに怪しいんでねえの?JFKはこーゆーところから狙撃されたんじゃなかったっけ?というわけで私は調べに行きます。念の為に用心棒も連れて行くとしよう。アンドレ、アラン!付いて来い。
って・・・あの~オスカル様、外国の皇族をおもてなしするのにアンドレは殆ど唯一の戦力なのでは?他はケダモノとかチンピラなので、せめて彼だけでも護衛隊の方に回した方が良かったのではないかな・・・?って、その前に、もう遠ざけるの止めたんですか?
仲直り、したんですか!?いつの間にっ!!
そう簡単に嫁にはいかんと現状を伝えただけで彼らの間に特に進展はないと思われますが、“いつも一緒”な部分はどうやら元に戻った様子のお二人。というか、直ぐに名前を思い出せる隊員がアンドレとアランだった。ってのが同行の理由じゃないですよね・・・?
はーーー・・・ビッチなリーダー、サン・ジュスト。敗因は同志がオスカル班に割り振られた事にありますね。敗因って言っちゃうけどね、早々に。まぁいいです、先を見ていきましょう。
薄暗い古城の中を点検して歩くオスカル様、アンドレ、アランの3人。男二人は地下へ、オスカル様は塔の上へと向かいます。そして忍び寄る足跡・・・また、こいつかよ~・・・手伝ってくれなくていいから命令に従っておとなしく待機してやがれ。と若干イラッとさせられたオスカル様。菜の花の絨毯を眺めてちょっと気分転換・・・の暇もなく聞こえる物騒な物音、引き金引いたか~?で案外ゆっくり振り返ります。
おまえ・・・テロリストの仲間だったのか?
こんな至近距離でライフル使う?・・・バカじゃないの?
って事で、ヌリカベはミッションに失敗。ただの懲りない奴で終わってしまいかねない彼の無謀なアタックですが、ここの場面って非常に「男の世界?」な雰囲気でカッコいいのです♪
凶弾をかわし、逆にヌリカベの肩口を撃ってやったオスカル様。テロリストのリーダーは誰かと尋ねます。でもね馬鹿もそう簡単には後に引けないようで、丸っきり勝ち目ないのにまだ向かって来るんですよ。このままでは本当に死んでしまうのでオスカル様は困っています。まさに、“お優しい女隊長さん”なのですね・・・
リーダーの名を言えばお前の処置に手心を加えてやってもよいとおっしゃっていますが、じゃ~言わなかったら殺すのかと言えば、そんなつもりは無いはずだし。この場で吐かなくても後でじっくり拷問にかければ喋るかもしれないしね。ところが、銃声を聴いて駆けつけたアンドレとアランは迷うことなくヌリカベを射殺しました。危険だから殺した。ついさっきまで仲間だった男を、一切躊躇する事なく撃ったこの場面。オスカル様は「撃つなーっ!!」と叫んだのに・・・なんか物凄くドライでイイ感じ。
実際、どんな条件を提示してみたところでヌリカベは口を割らなかったでしょう。こんな奴ですが「新しい時代の為だ・・・俺なんかどうなったって構やしねぇ」の台詞は熱かったですしテロリストの一味になって時代を変えられると思っているあたりどうしようもない愚か者ですが、酒場でビッチなサン・ジュストに催眠術でもかけられたと思えば多少同情の念も沸こうかと言うものです。とにかく、あいつはもぅ駄目だという事でひと思いに射殺してやった男たち・・・男たちって言うかアランが主でアンドレは本当よく撃ったなー・・・と思う。この1ヶ月で精神的に強くなったんでしょうね。多少荒んだ・・・ってのもあるかもしれない。そして何より、万に一つでもオスカルが危ない!という危機感が彼に引き金を引かせたのでしょう。
響き渡る銃声といい、こーゆー男の心理?ネガティブな場面ではありますが原作にはない良さが滲み出ていて私は好きです!!
というわけで、改めて言いますが計画は失敗だよ~☆ 物陰から様子をうかがっていたビッチ・・・そりゃ~3発も4発も銃声聴こえちゃ~ね~~、野郎しくじったな。って解るでしょうとも。
それにしてもヌリカベ、すんごい形相で死んでますね・・・腐った武蔵坊弁慶か、お前は。オスカル様もまじまじ見ちゃいますよね。
ってな事があって、待機中の隊員に一人減った理由、どう話したのか気になりますがコンボイ遊撃隊に休んでいる時間はありません。アランクール村とやらに急がなくては。
てか、なんで地方をご旅行されるって予定をキャンセルにしなかったんでしょうねぇ。我が国の治安対策は万全だと見栄を張ったんでしょうか?近衛は他の事で手がいっぱいだっつ~のに・・・
ジェローデルよ、気付け薬のひとつも飲んで早いとこ復活して貰いたいものです。
で、夕暮れ~・・・。
とっぷりと陽が暮れてからケツアゴがアンドレにかます台詞がなかなか聞き捨てなりません。
あの女はやめとけ。って・・・それってアンドレにとっちゃ~「人間やめとけ」って言われるのと同じくらいの無理難題だよ。絶対止められないんですけど。
てか、あんたっ!たった1ヶ月かそこらでオスカル様の何が分かるって言うんですか!?
つっても、ケツアゴアランは結構観察力があるらしく、早々にアンドレの嘘を見抜いたようにオスカル様ののっぴきならない転職事情にも何となく感付いたようなのですね。余裕はないけど当初思っていたよりかは全然デキる女隊長。昼間危うく狙撃されかけた動揺もまだ癒えないだろうに地方の村で野獣どもと野営しなくちゃなんないこの過酷な職場。そんでも顔色ひとつ変えないで、一体どんな女なんだ、おい?そーいった台詞にアンドレは終始無言で聞き入ります。ケツアゴさんよ~オスカル様が大失恋しちゃって今こんな状況にあるって事まで気付いたのかしら?とにかく【巻き添え上等】がアンドレの座右の銘だって事までは解ってないみたい。まだまだだわね。
で、勤務中だってのに酒ですか?しかも間接チッスでそれを飲めと?ケツアゴの一連の独白(?)でオスカル様とのあれこれを妄想し始めていたアンドレは、急に投げてよこされた・・・これ何て言うんでしょうか、水筒みたいなやつ。を巧くキャッチできずに視力低下を暴露。それを拾ってやって蓋を開け、あくまでも間接チッスを強要するケツアゴ兄貴。彼が発する威圧感ときたら!「あ・ありがとう・・・」とか言ってていいのか、アンドレ?
でもまぁ、これはいいタイミングでした。ケツアゴは台詞の通りアンドレの目のこと直ぐに気付いていたんでしょうから・・・B中隊の任務は危険が付き物ですし、一度本人に「大丈夫か?」って尋ねておきたかったのかもしれないですね。オスカル様とアンドレの関係性の細かいところまでは解らなくても、もしこの事実を承知なら隊長として放置するはずないよなって事なんかも気になっていたんでしょうし・・・短い会話でしたが今夜の事はケツアゴ的には結構収穫だったんじゃないでしょうか?
そーゆーわけでアンドレはオスカル様のことがヤケッパチブルース大熱唱♪というくらいに好き。でもアンドレは目が悪い。ナニかから懸命に逃れようとしているオスカル様はそんなことは知らない。それでもアンドレがあの女の傍に居続けられるよう俺がサポートしてやらにゃ~~~という図式が彼の中で成立し、なんとなく応援モードに突入するケツアゴアランなのでした。
ぼやき声:ここの場面すごいイイと思うのに絵が雑・・・っていうか誰が描いてんのか分からない程キタナくて、非常に残念です。
という出来事が起きている間、はい。こいつ虎視眈々とその時を狙っていたようで・・・合図。こんな暗がりで双眼鏡とか無い時代だろうにビッチの部下は目がよくていいね。
ドッッカーーーーーンッ!!!
単純な爆竹に見えますが一体どーゆー威力なのか?きのこ雲が上がっちゃうくらいの凄まじい大爆発を起こしてのテロ本番です。
きゃ~~~~~~っ!!大変っ!!アルデロス公ご一家を守る為にどんだけの民間人と兵士が犠牲にならなきゃいけないんでしょうか?これはセイビング プライベート ライアンも仰天するくらいに理不尽な大事件ですよ!
ってところで要らん突っ込みかもしれませんが、ビッチ・サン・ジュストが付けている仮面。あれって息できなくね?更に、紐やゴムの類が見えないけど両面テープでも付いてるの?否、あれは奴が懸命に吸ってるんでしょうね。吸ってるからああやって顔面に張り付いてるんでしょうね?カッコ付けてはいるけどあーゆーところで無理してるから脳味噌酸欠気味で詰めが甘いんだろうな~・・・・・
で、本当に殺したけりゃそれこそ銃を使うとか部屋に爆弾投げ込むとかすればいいのに悠長に短剣振りかざしてたりするもんだからオスカル様に発見されアタフタ逃げ出すビッチテロリスト。
駄目なリーダーだなぁ。。。
で、夜のアランクール村を舞台にこれはSASUKEか?屋根の上をびゅんびゅん飛び越え逃げるビッチと追う女隊長(しかも一瞬映る屋根が瓦でいかにも日本的・笑)。下でその光景を目撃したケツアゴとアンドレ、あー・・・スカートだったら今パンツ見えたのに!!とかって残念がってる場合じゃありません!これだけ多数の犠牲者を出したのだからもぅ~許せんっ!タイミングよく馬を連れて来て共にビッチを追跡。非常に役に立つ部下たちです。ついでですが、ここで「アンドレ」としか呟かないオスカル様もなんだかイイ感じ。どっちかっつ~とケツアゴの方が咄嗟に判断して頑張ってるんだと思うけど、ここはひとつ「アンドレ」ってだけ呟いてて下さい!
はい、それからチキチキマシン猛レースっていうかダービー状態なテロリスト&コンボイB中隊の先鋭3名。も~逃げきれるだけで今日のところはいいや!って事でテロリストは例のとんでもない兵器を飛ばして来たからサァ大変っ!!
爆発。炎上。暗転・・・・・・・
一番ノリで目を覚ましたケツアゴアラン。目に映ったのは土手に手を繋いで(?)倒れるアンドレとオスカル様の姿でした。「・・・ふ~・・ん・・・なんだかイイねぇ」なニヤケ顔でこっそりアンドレを激励しラジオ体操を始める男、ケツアゴ。その爽やかな空気を感じて目を覚ました二人。
あの~3人ともビックリするくらい軽傷みたいで、不幸中の幸いでしたねぇ!
てか、気絶してる間にテロリストを逃がしちゃった事とか村に帰ったらきっと何人も隊員が死んでる事とか、そーゆーマイナス要素を全て忘却した非常にスッキリした清々しい朝!
ちょっと「おいおい」と思いますけど、これはこれでまぁいいか♪
んで、なんだか久しぶりの雨・・・最近降ってなかったですよねー
いやぁ、涙雨ですかね・・・亡くなった隊員たちを悼んでの(哀)実際問題ずいぶんと犠牲を払った今回のこの任務、口先だけ労って貰ってもねぇ、あれなんですよ、ブイエ閣下。と思うのですが、彼は間髪入れずに嫌な仕事をね、任せてくるんですよ。パリの古道具屋に銃を売り払った男、ラサール・ドレッセルを憲兵隊に突き出せと言うんですね。もちろんまだ人物の特定にまでは至ってませんがオスカル様の脳裏には「な、なくしました・・・」と背中を丸める彼の姿がビンビン浮かぶわけで。体罰や懲役じゃ済まないの?・・・銃売ったくらいで銃殺って、重過ぎやしないか?
あーーー、弱りました。どうしたもんかな・・・と再び悩めるオスカル隊長。
で、事が起こったのってその日の夜なんですか?なんでそんなに早くバレたんですか?オスカル様のせいにしようと誰かタレこんだ輩がいるんじゃないの!?
もー・・・大変なんです、ラサールが連行されてしまった・・・
そして今日大活躍のこのコンビが司令官室へとやって来ます。
いっそのことドア蹴破って怒鳴り込んで来るとかなら良かったんですけどね~、何を思ったかケツアゴはオスカル様の人間性を「は?」というやり方で試そうとします。
「もしもよ~このアンドレが俺の妹と一緒になりてぇって言ったら、あんたどうする?」って、この質問に一体どう答えればケツアゴはご立腹せずに済んだんでしょうか?「そんなこと言うはずないだろうが」と一笑するか、あるいは「ちょっとアンドレ!それ・・・本当なの!?あたしを忘れて他の女を嫁に迎えようって言うの!?」とパニクってみせるか、さもなくば「ほーーー、ではご祝儀は弾むとしよう!おめでとう、アンドレ・・・」と涙ぐんでみせる、とか?どれをとってもあまりイイ展開は期待できなさそうだ。。。
で、実際オスカル様は「なんのことだか分からんが、アンドレがそう思いそうするのはアンドレの自由だ」という、これってベストアンサーなのでは?というお答えを返したのですが・・・え?逆鱗に触れた・・・?なんで??
そりゃ~ね~オスカル様のこの冷静さ、寂しくないはずはないですよっ!でもね~最初に「なんのことだか分からんが」って言ってるじゃないですか!なんのことだか分からんもんマジで。こんな事でオスカル様のアンドレに対する思いを判定されるなんて心外も心外!!ケツアゴ、あんた言いがかり付けるにも程があるわよっ!ってブラウン管に向かって叫んでると・・・ビンタきた?今ビンタきたーっ!?唖然そして、激怒(活火山)
もはやケツアゴがどーのこーのではなく!ボケアンドレっ!!
貴様こーなる前に何かもっと、もっと行動できたんじゃないのか、ゴラァ~!?という風に・・・少なくとも私は思いました。
あぅ~~~・・・ギャラリーが見守る中ケツアゴに胸ぐらつかまれて大雨の練兵場へと放り投げられるオスカル様・・・・・
「兵営に咲くリラの花」ってサブタイトルでこんな激しい展開があるなんて、一体誰が予想できたでしょうか!?
お~の~れ~ケツアゴ、貴様の今の行動、それこそ直ちに極刑でも良さそうですがオスカル様は「私を信じろ!」と必死に叫ばれるのです・・・(涙)
信じろよーっ!!てめぇ~~~ブタ野郎・・・後で見てろよーーーっっ!!
・・・ぐすん、ぐすん・・・と、少なくとも私は思いましたね。。。
はぁ~~~~~~・・・オスカル様ぁ・・・・ハードな任務の連続で疲労感たっぷりなところにこんなワケの分からんインネンまで付けられて、本当においたわしい。もう、やっちゃって下さい。
次回、ケツアゴなんかは串刺しの刑に処せられ、むさ苦しく散ってしまえーーーっ!!!
己の怒り以上に視聴者の怒りを買って大ひんしゅくのケツアゴ。
この回、てっきり男性の脚本かと思いましたが・・・女性でした。
いやー・・・緊迫感MAXのこの場面で『つづく』にするのって、巧いですねっ!!
つづく。・・・ドキドキドキドキ・・・
出崎監督を偲んで一足早く弔鐘が鳴るアニばらですが、こちらはまだプレリュードの段階です。
って・・・どんだけ激しいプレリュードなんだ?
第32話 「嵐のプレリュード」
今から1ヶ月ほど前、2011年4月17日にアニばら後半部のチーフディレクターをおつとめになった出崎統さんが亡くなってしまわれ・・・大ショックを受けました。
67歳という若さで天国へ・・・。
あと10年、いや今だったら20年は長く生きられたはず!
なんでどうして67歳なんだーーーっ!?と、携帯のニュースフラッシュを見て心で叫び、呆然となりました。。。
出崎監督、それはそれは偉大な方でした。アニばら作ってくれたから。
もうそれだけで私にとっては両親に次ぐ「アナタが居なかったら私も今この瞬間この世におりません」なお人です。
オーバーでもなんでもいいの・・・とにかく出崎監督に最大限の感謝を込めて、これから先の観察日記を書こうと思います。
で、やっとこさ32話「嵐のプレリュード」。
ところどころ『出崎統』Wikipediaから解説文を引用などしつつ、イッてみたいと思います。
嵐のプレリュードのプレリュードって、はい「前奏曲」という意味です。
アニばらって第1話からしっかり革命の前奏曲してますんで、これも「何を今更っ!!」と一応突っ込んでおこう。いや、前奏曲の中でもねAメロとかBメロとかあるんでしょうから・・・ここからいよいよサビの部分っていうか、ドカーーー・・ンと響くのです。
もうねぇ、32話つったらそれこそネタ満載ですよ。前半のデュバリーVSアントワネットを何話にもまたがって延々やっちゃうんならこの32話を、できることなら各エピソードをもっと詳しく3話4話かけてじっくり煮込んで欲しかった。
当初の予定から大人の事情で大幅に話数が削減されたゆえ、アニばらの詳細は妄想族のアタマの中でのみ煮詰められる事となり、吹きこぼれた分をワタクシは今日こうしてホームページ上に晒しているわけなのですが、この先ますますダダ漏れ状態で参りますっ☆
どうぞヨロシクお付き合いお願い致しますネ。
出崎監督は絵コンテをとても重要視された方で、その理由のひとつとして「作品は一人の人間の思想で貫かれるべきだ」とあるインタビューにお答えになった・・・と、Wikiにはあります。
なるほど。私はこれまで池田理代子さんが一人で創作された原作と異なり、アニばらという物語は監督や脚本家さんや声優さんや・・・その他いろいろなスタッフさんそれぞれの想い入れが複雑に絡み合って生み出された、それはまさに美しい織物のようだ!との認識でいたのですが、出崎監督的にはそーゆーモノではなかったのかもしれない。
いや、しかしアニばらは前半長浜忠夫さんのという別の方がチーフディレクターをつとめていらっしゃったので・・・やはり全体として「一人の思想で貫かれた作品」ではないわけで。
でもまぁそれはそれ!19話で驚くべき変貌を遂げたアニばらはアタマとシッポで趣がガラリと変わりつつも恐らく出崎監督が嫌ったストーリーものでありながら各話で監督が入れ替わり遠くから眺めた際に単発エピソードの羅列のようでなんだかなぁ~・・・
という散漫な出来栄えでは決してないのです。
更に当初漫画家志望であった出崎監督なのでこんな逸話も残されています。
『出崎にとってアニメーションフィルムとは漫画や映画の延長線上に存在するものであり「全ての場合において絵が動く事がアニメーションの基礎である」という考え方とは一線を画す演出スタイルを取っている』
『出崎の絵コンテにおけるカット割りは、必ずしも動きの繋がりを重視しない。また、視覚的効果を上げるだけでなく、ときにキャラクターの心理までも表現する大胆な画面レイアウトも大きな特徴。多くの場合「何が描いてあるかわからない」と言う者もいるほど筆致が粗い。安定したレイアウトを用いて完成画面の構成や動きが容易に想像できる絵コンテを制作する宮崎駿とは、この点で対極にある』
どれもこれも膝を打って「はいはいはい!」な感じ。特に「何が描いてあるかわからない」ほど粗い絵コンテ・・・ぎゃは~!アニばら後半部のなんてまさにそれなんじゃないの!?週刊マーガレットに連載されてたベルサイユのばらをアニメ化するよーって言われて集められたスタッフさん達、後半に来て「嘘だろ!?てんで何が描いてあんのか分かんねぇーっ!?」だったんじゃないの~~~(笑)・・・そしてこのように続きます。
『(戦友小林七郎氏は)出崎の絵コンテを「指示を出すためのものではなく、粗削りで可能性の塊、たたき台」「様々なスタッフが集まって議論、検討して(出崎の絵コンテから)何かを引き出そうとした」とも語っており、実際に『エースをねらえ!』(劇場版)では、絵コンテのイメージを徹底するため、全カットにおいて原画家によるレイアウトを元に作画・美術・撮影の主要スタッフを集めて打ち合わせを行う、前代未聞の作業を敢行したとのことである』
・・・そうですか・・・そうですか・・・・。
エースをねらえ!ではなくアニばら、劇場版ではなく連続テレビアニメですが、アニばら制作現場でもこのような前代未聞の作業が日々行われていたのだっ!!と思うことにして、監督のそのイキ過ぎた情熱にここは大いに泣こうと思います。
というわけで、こんな感じの物凄いヲタッキーdeクラッシャーーーで最高のアニメ職人・出崎監督が残してくれたアニメ版ベルサイユのばら。まずは32話の予告編から観察していきます。
(前段階、ほんとに長い、長過ぎるねコレ・・・)
「今、燎原の火のように燃え広がり始めた市民の怒りの中で云々・・・」
むずかしい表現するねー・・・笑。もうねぇ、このフレーズ担当してるのはどなたかな?お子様向けじゃないね、完全にね。「燎原の火」って大人でもこの言い回しはそうそう使いませんよ。てか聞いたことないひと多数ですよ。燎原の火のように・・・って日常では使う機会もないからね。
燎原の火=防ぎようがないほど勢いが激しいことのたとえ です。
思えば・・・アニばらは前半部から、容赦なく難しい言葉を投げ掛けて来ては「視聴者よ、辞書を引けっ!」といってるようでした。愛と死のどとうの運命のどとうってなんだ?とか、たいはいといんぼうって・・・とか、時代のすうせい・・・てろ、さんぶかい、そしてほたる・・・。
怒涛、退廃、陰謀、趨勢、テロ、三部会、蛍・蛍・蛍・・・・・・・
あぁんアンドレ~・・・って、あんた、今回どうにかなっちゃうの!?
うー・・む、前回、欲しくないのに売られた喧嘩de疲労感MAXのオスカル様を見て胸を痛めた視聴者、そこへこの予告編は更なる爆弾を投下して来るのだからイヤんなっちゃいます♪
いやね、蛍まではまだ道のり長いですよ。長いんですが、アンドレは既にオスカル様にとって必要不可欠な存在なんじゃないかい?そういったことはたとえ原作読んでなかったとしても十分伝わって来てますんで~・・・その男の身に何かあるのであればそれはもぅ一大事っ!!プレリュードの意味なんかは知らなくたって全国のアニばら好きなチビッ子はテンション上げて次回を心待ちにしたことでしょう。あ、アニばらの前ではとりあえず老若男女みんながチビッ子ってことで。
で、やってきました放送日。本日のつかみは雨の練兵場、インネンつけたケツアゴとつけられたオスカル隊長の、ガチンコ対決の火蓋がついに切って落とされるのであります。
(剣を)抜けよと迫るケツアゴに何を言っても無駄のようだと呟き決闘に応じるオスカル様・・・
自ら挑発したわけじゃないこの始まり方って結構よくないですか?
アニメのオスカル様は血気盛んな方ではありません。無駄な争いは好まないのでこーゆーのは本当に嫌なんだと思います。
が、コノヤローわけ分かんないこと言ってるからブスッと突いちゃって下さいっ、アゴの割れ目あたりを!と、視聴者の期待を一身に背負ってオスカル様が(剣を)抜きます。
心配のあまり「オスカル・・・」と呟くアンドレの雨に濡れたお顔がなかなか整っててカッコいいので見逃さないでちょっと萌え・・・てる間にケツアゴの構えが通常のそれではないので「なんだこいつは?」な我らがオスカル隊長・・・何が起こるのかワクワクします♪
さぁさぁ、鞘と剣の二刀流で挑む男ケツアゴ。咄嗟の闘いでこの戦法はかなり無理がありますからコレは実戦用ではなく、あくまでギャラリーを意識した決闘用特別サービスだと思うのです。
やれやれB中隊の連中ときたらそれぞれに独自のスタイルがあるようで。その中でもケツアゴは最強らしいので、さぞやお茶の間では皆さん「お~・・・」と唸られたことでしょう。
そーゆーわけでオスカル様もいよいよ本気で応えなければなるまい。
といったところで・・・えっ!?どっちの剣が折れたの!?
Aパートです。本日最初の止め絵は二人の剣のどアップから。で、折れたのはケツアゴの剣だったようです。鞘ではなく、ちゃんと剣を折ってやったんですねオスカル様!!
って、剣って折れるんだ・・・?
おいおい、一体全体どんなサイボーグ女なんだ!?としみじみ物思う第32話・・・。
お優しい女隊長さんとは前回派手に玉砕したヌリカベもどきの言葉ですが、本気を出せば隊で一番の猛者の剣をもへし折れるんですからね、ちょっと吃驚はしたけど(苦笑)売るのは論外として、へし折って使い物にならなくしちゃうのだって損失、ですよね隊長?いえ、なんでもないです。とにかく、これで勝った!・・・と思わせといてドッコイ男ってのはなぁ~いつもここからが勝負なんだよ!って一体・・・。
あぁ・・・絶体絶命の大ピンチ!な状況でどう出るかってところで、男の真価が問われるってことなんですかね?
ならば29話で猛烈ストーカーと化したアンドレって男はなかなかイイ線いってたんじゃない?って他のこと考えてる場合じゃありません。ケツアゴ、明らかに不利な立場であるにも関わらず全く引く気配なく不敵な面構えで仁王立ち。これには流石のオスカル様も血相変えておられます。「使える・・・コレほどまでに使える男に出会ったのは初めてだ。ほとんど女ターミネーターである私に剣を折られてもなお、余裕すらある・・・」、そうでしょうとも!剣を折ってやってんのにあいつのあんの態度は~ホント凄いですよね、オスカル様っ!?
で、これどう収拾つける気なんだろう?と思っていたら、何・・・今度はなんですか?
どこでどう隙をつかれたのか分かりませんがオスカル様、腕を「えいやっ!」ってやられちゃったみたいで・・・剣を落としてしまいました。てか、これもぅ剣の闘いじゃないぢゃん!?
かくなるうえは、オスカル様さえよかったら剣を失った者同士、次は素手で勝負だーっ!!って感じで第2第3ラウンドに突入して戴きたかった。それならば更に男っぽい世界が楽しめたはず(遠のくマーガレット、いざサラバ!)・・・しかしながらオスカル様はお手てが痺れてしまっているようで、素手にてデスマッチは叶わず・・・残念!!
てか、内心よかった・・・天下一武道会にならなくて。
いえね、よかった・・・なんて言ってられるのはオスカル様が勝ったからなんですよ。
なんと、ケツアゴの自己申告でオスカル様が勝ちました。
これデスマッチじゃなかったんですね・・・そりゃ、そうですよね。でも、ケツアゴ、あの程度の怪我なら申告しないでオスカル様に勝つことだって出来たでしょうに。それをしなかったというのには何かわけがありそうです。舞台進行上オスカル様が負けるわけにはいかないという理由以上に、この場面にはわけがありそうですよね?てか、あって欲しい。
で、その理由というわけではありませんが、時間的制限のあるアニメなので隊員たちの貧しい暮らしぶりを細かく描いてる余裕はありません。なので負けてこんなこたぁー言いたくねぇケツアゴ氏にそのあたりの状況を口頭で説明して貰い、なるほどねぇ・・・という展開です。脚本家さん、巧くまとめますね。
というわけなので、オスカル様はラサール君の為にブイエのもとへ出かけられ、アルデロス公という全然知らないスペインのおっさん一家を何故あれ程までに犠牲払って守らなきゃならなかったんだ?という微かな疑問も解ける感じ、かつ気の短さも織り交ぜレニエとの似た者親子な関係をアピールしつつの命乞いを敢行。全体的に上司にものを頼むにしては結構な態度のデカさが素敵です。もとい、オスカル様にしてはなかなか上手におねだり出来ましたねっ!!
って、ふざけるつもりはありません。何を聞こうが動いてくれない人は動いてくれませんから。
この人が隊長の時に捕まって良かったな、ラサール。
そして場面転換。ここからの部分、とても美しいです・・・私は大好きです。
グッと来て、涙が出ます・・・
雨がやんで明るい陽射しの中、今日は面会日でした。「兄しゃぁ~・・ん!!」と叫んで駆けて来る可憐な娘・・・ケツアゴの妹、兵営に咲くリラの花、ディアンヌちゃん。
ガクッと落ち込む出来事があった後ですが、この娘はそーゆーこと何も知らないわけで、部外者のひとが持って来る空気はとても新鮮で爽やか、触れれば何よりの気分転換になりましょう。あまりの眩しさに兄しゃんも目を細め「なんだか今日は目がキラキラしてるぜ」なんちゅ~こっぱ恥ずかしい台詞もきっと自然に、ホントに自然に出て来るに違いないのです。そしてキラキラの理由、平凡に生きる女性、万国共通の願いといっていいでしょうか、わたし近々大好きな人と結婚することになりました!という事らしいです。
ケツアゴ、一瞬「・・・え・・・!?」って感じでしたが意外なくらい物分りがよく「駄目だ駄目だ駄目だーっ!!」とかは言いません。兄妹特有の照れもあるんでしょうが妹の幸せな報告を一緒に喜んでやり、早々と「お父さん(じゃないけどさ)今までお世話になりました」と礼を言う妹に一抹以上の寂しさを感じ心の底から「くぅーーー・・・っっ!!」というムード。近寄って微笑みながら肩をぽんぽんとやってあげたい感じです。
で、ここからが私が思う本日一番のハイライト、帰るディアンヌと帰って来たオスカル様の短い語らいの場面です。こちら、いいようのない程に美しい空気が流れていますよ。あぁ、アニばらが大好きだ・・・と、こーゆー何気ない場面で思います。
ブイエ将軍のもとから恐らく希望を持てる返答を戴いて戻って来られたのでしょう。いつになくオスカル様は穏やかな表情と雰囲気です。そして面会から帰って来た娘を見てアランの妹ディアンヌだと気がつき「兄さんに会えましたか?」とお声をかけられるのです。
アランに、でも兄上に、でもなく、兄さんに会えましたか?と。
特別なことは何もないフツーの台詞です。
でも限りなく優しい・・・
わざわざ「兄さん」と言ってディアンヌの心境に寄り添って下さるところが、この場面なんだかとても優しいのです。
そしてその問いかけに嬉しそうに「はい」と答えて去る娘。そのまま行くのかと思ったら娘は思いついたことがあるようで、オスカル様に向かって話しかけます。それに対し乗ってる馬ごと振り向いて「一体何を話してくれるのか?」という表情で静かに見つめて返してくれる新しい隊長さん。
もの哀しい音楽に乗せてディアンヌが語ったのは「兄が申しておりました。オスカルとはヘブライ語で神と剣を意味するんですって。神と剣と、そして素敵なブロンドの髪・・・まるでフレスコの画に描かれた神々のよう・・・」というオスカル様にとっては意外な台詞。その後うっとりとなる自分に気付き我に返った娘はそのまま返事も聞かずに挨拶だけして走り去ってしまいます。
風に翻ったディアンヌのスカート、見送るオスカル様のブロンドの髪も初夏の明るい風になびいて・・・陽射しの暖かさや花々の微かな香りまでも伝わってきそうな、本当に美しい場面です。
嵐のようなエピソードの間にあって、ここほど魂の安らぐ場面はありません。このようにたおやかで綺麗な女人が二人、何故こんな殺伐としたところに居てるのだろうか?と、安らぎと同時に堪らない切なさも画面からひしひしと伝わって来るではないですか・・・・・・
あーーー・・・・アニばら。こーゆー演出、まじ泣きそうだ。
てか泣く。泣き崩れてやる。ふえーーー・・・ん
再び場面展開。窓辺に立ち夕日を眺め一人たそがれる男、ケツアゴ。
27話のあの場面の、ここは逆バージョンみたいなもんで、愛する者が去ってゆくのを憂えている男に無邪気に話しかけていくもう一人の男。まぁ今回は妹なので酒場でショボくれていたアンドレよりは乗り越え易いショックなわけで。
そんなこんなですが、元気出せよ~っていうアンドレの台詞がなんかいいです。
「どうした?恋人よその男に取られたような顔して」って、・・・こんなレベルじゃなく、あんたマジで恋人よその男に取られたような顔してたもんね・・・既に懐かしいけどねぇ、アンドレ青いレモン!!!つってるところに、あの坊やがご帰還!いや、実際は結構いい年なのかもしれませんが、坊やって呼びたくなる感じなんです彼は。
いやーーー妹が売れてしまうのは、おめでたいことです。喜んであげなきゃ兄しゃー・・ん!!で、寂しい部分はこいつで埋め合わせましょう、弟だと思って。自分で洗ってる暇がねえ大量の洗濯物も今度はこいつに洗わせればいいじゃないですか。
ラサールが憲兵隊から前代未聞の無罪放免、五体満足で戻って来たというから傷心のケツアゴ兄しゃんのテンションは急上昇!本当かよ~~~っ!!って経緯を尋ねたら、あの女隊長がブイエ将軍を通じて助けてくれたって言うではありませんか。自分でタレ込んだんであれば「やっぱ返して下さい」とかは絶対言えない事なので・・・犯人、オスカル様じゃなかったじゃん。あんた、このオトシマエどうつけてくれるのさ?と視聴者が凄む必要はありませんよ・・・見てごらんなさい。アンドレの恐ろしい目つきを。任侠も吃驚、これぞ無言の圧力。てめーオスカルにビンタしたよな?俺なんか第1話でグーで殴った経験ありだけど・・・それはそれ。てめー、成人後のオスカルにビンタしたよなぁ!?ゴラァーーーッ!!と、あの目にいろいろ妄想を巡らせてみて下さい☆
いやぁでもホントにね、釈放される際にラサールはオスカル様の頑張りで無罪放免なのだよという事を誰かから聞いてるわけです。特例ということで、もしかしたらブイエ将軍が直々にやって来て「君は君の新しい隊長に感謝したまへ」と言ったのかもしれない。それ聞いてラサール君は何度でも大号泣できるくらいに感動をしオスカル様を自然と愛するようになるのです、きっと。そーゆーところまで想像することによって・・・ここは皆さん、しっかり溜飲を下げておきましょうネ。
んで、アンドレに睨みつけられなくともこれはマズい。一体どう言い訳すれば・・・もう平謝りするしかなかろう。という心境ではないとみえて・・・司令官室へ、今度は単独でやって来たケツアゴの様子は、軽いです。
たいそうな勘違いをして殴るわ放り投げるわ「えいやっ!」ってやるわでオスカル様に少なからずダメージを与えたわけですから、それが誤解だったと分かった今、おまえが刑務所送りだってーの!でもね、この男の性格を考えて、こーゆーフレンドリーな謝り方が最上の「感謝」の表現だったのかもしれません。神妙な面持ちで「殴って、す・・・すまなかった」とか言われても逆に困るしねぇ・・・
ちなみに「もし俺がつかまったら、その時も頼むぜ」というのはオスカル様を完璧隊長として認めたようなニュアンスなので、この一件でようやくオスカル様はフランス衛兵隊B中隊隊長の地位を確かなものにされたという事で・・・涙。
しみじみと「良かったなぁ」と思うのでした。
しかし、これなぁー・・・決闘騒ぎの時ダグーちゃんは休暇か何かで居なかったんだと思うのですが、もし居たら!ケツアゴには相当厳しい処分が下ったと思いますね。事情が事情なだけに、オスカル様が奴を庇う理由なんてないしね。とにかくダグーちゃんにしてみたら何が起きたのか分からないわけで、出勤して来たら兵士たちの隊長を見る目が変わってるので「え?なんでなんで?」って感じなんですよね、きっと。
(密告者=ダグーちゃんという妄想はくれぐれもNGでお願いします)
そして・・・ダグーちゃんの「?」よりも更に「!?」なのが・・・
なんでアンドレを連れて行くんですか・・・?
わざわざ外出先であるパリのオペラ座にアンドレを伴ってお礼参りに行くと言い出すオスカル様。よくよく考えてみると、謎です。本当はブイエなんかどうでもよくて「今宵、どーしてもオペラが観たいんだ・・・で、観たら誰かとあの場面はあーだこーだと感想を言い合いたいのでアンドレを連れて行こう。他にオペラ理解できそうな奴いないし」とかいう意図が、あったのかもしれないしなかったのかもしれない・・・
とにかくオスカル様のこの行動はすこぶるミステリー・・・ではあるのですが、要は気分がいいのです。相変わらず気難しいお顔をされてはおりますがオスカル様は内心とてもご機嫌であったはずなので、そーゆー時にはアンドレ連れてお出掛けのひとつもしたくなるのです。ブイエ将軍にお礼を・・・なんてのは口実口実!(よう分かりませんが、とりあえずはコレで不可解な行動を納得)
さて、その頃宿舎では・・・ラサールの一件でオスカル様を見直した隊員たちが群がっていつも通り小銭を賭けながら倹しくトランプ遊びに興じており、そこで相棒の姿が見えない理由が「隊長のお供でギンギラギンdeまったくさりげなくない貴族の馬車に乗ってパリへ行ったから」だと聞いて「危ねぇな・・・」と呟くケツアゴ氏。
あぅ・・・今夜はオスカルとデートでオペラ座に行くんだ~♪と一言みんなに自慢でもしてりゃー、あるいは電車男のように“パリへ行く際の正しい服装と安全な交通手段”等について適切なアドバイスを貰えたかもしれないのに。いや、自慢したのでアンドレが居ない理由を仲間は知ってたんだろうけど、残念ながらB中隊の連中は2ちゃんねらーのように親切でもお節介でもなかったようで、結果TPOがなってなかったようです。
で、怒ったのはデートのお相手・・・ではなく、誰だ、こいつ?
出崎さんの他作品から特別ゲストですか?
原作でもこの辺りはとっても重要で印象的な場面なのですけど、だからってアニばら、こんなにしちゃいますか。ここまで強調しちゃいますか。。
特別ゲストなこのおっさん、止め絵にしちゃいますか。。。
Bパートです。
アニばら32話に恐怖のドヤ街が出現!!暗黒の世界にうっかり足を踏み入れてしまった男女の行く手に群がる黒い人影・・・二人の運命はいかに・・・!!
バイオ@ザードを彷彿とさせる凶暴なアンデッドどもに囲まれてしまったオスカル様とアンドレ・・・密やかなデートから一転、目を覆いたくなるほど激しい集団リンチへと発展してしまうのだから全く息つく暇がありません。
今回冒頭で猛者のサーベルをへし折るという荒技を披露しサイボーグ並のパワーを視聴者に見せつけたレディオスカル。そんな彼女もこれには仰天、10分先にこんな展開が待ち構えていたなんて・・・愛と死の怒涛の運命にも程があろうが。
酷いわぁ・・・・・・馬車から引きずり出す時はせめて扉を開けてくれよ~小窓からだと痛いから。と図体の大きいアンドレを見ていて思いました。これねぇ、この囲んでる奴ら、アンデッドではなくパリ市民なので返り討ちにしてやるわけにもいかず、ホント大ピンチだと思いますよ。「アンドレは貴族じゃない!その男には手を出すなー!!」と叫ぶオスカル様、我が身よりアンドレの命が優先のご様子に何やら胸が熱くなりますが・・・一体どうなっちゃうんでしょうか?
はい、そーゆー時に登場するのはこの男!オスカル様のお供がアンドレならばブイエのお供は何故か北欧の貴公子ハンス・アクセル・フォン・フェルゼン!!オペラ見物にどうして一個小隊を引き連れて来てるのか分かりませんが、それこそがこの男の持ち味、感動するくらいのこのご都合主義っぷりはオスカル様と決別した後も健在だったようで嬉しくなります!!
オペラ見物を中止し暴動の鎮圧に向かうフェルゼン伯、被害に遭った馬車の紋章が『剣を持った青獅子』と聞いて血相を変えておりますが・・・そうなんだ、ジャルジェ家の紋章って『剣を持った青獅子』なんだ?ではグランディエ家の紋章は『雑巾を絞る青い檸檬』だろうね、きっと♪言うてる場合かーーーっ!!もはや一刻の猶予もありません!隙をついて逃げる余裕(?)がなくもないオスカル様はともかく、アンドレはまじヤバめ・・・殴る蹴るの暴行を受けた後とどめは公開絞首刑の最悪コースをまっしぐら!
きゃーーー・・・やめてぇ~~~!!ってところで、間に合いました。まずはオスカル様ひとりを助け安全な場所へと避難させるフェルゼン伯爵。意識が戻ったオスカル様は彼を見て一瞬「・・・!?」となったご様子ですが、それどころじゃないとみえてすぐさま「アンドレ!」と叫んで飛び出して行こうとするのだからアンドレでなくとも泣けてきます。
今行ったらまたやられるっつ~の!!と静止するフェルゼン、仕方ない言動ですがその冷静さ、なんか冷たい気も・・・。で、放せ戻せのオスカル様が絶叫!!
本日の名言「私のアンドレが危ないんだっ!!」です。
これ深く考えなくても彼らくらいの主従関係なら普通に口をついて出て来る台詞だと思うのですが、言われたフェルゼンも言ったオスカル様もハッ!としておられる。
これはこの二人だから、フェルゼンとオスカル様だから“特別”な発言であったわけですね。少し前まで彼女は彼に死ぬ程の片想いをしていて、それを知った彼は愛してはいれど恋と友情は違うもの・・・という複雑な感情から泣く泣く別れを決める。そんな辛過ぎる出来事からわずか数ヶ月、こんな過酷な状況であまりもドラマチックな再会場面。なのに、彼女の意識は彼には向かず、従僕の名前を呼び再び死地に赴こうとするんだから~
フェルゼン大ショック・・・!!!
大ショックではあるのですが、ここから始まるフェル伯の一連の言動や表情をみて、その感情は嫉妬や喪失感などではなく(むろん一抹の寂しさってのはあると思いますが)、一瞬我を忘れるくらいに大事な人がオスカルには居るのだなっ!?私ではなく!!という静かな歓喜というか・・・
報われない恋に身をやつし干乾びていく己と違いオスカルには有意義な時間を共に過ごせる相手がいるのだーーーっ!!と、感動したのだと思う。フェルゼンにしてみたらオスカル様とアンドレの間に横たわる身分差なんて障害のうちに入らないと思うし、不毛でもなんでもないさ!俺がこの恋、成就させたるわーーーっ!!!と、大切なひとの役に立てる喜び?こんなものに突き動かされ血祭りの舞台へ一人勢いよく舞い戻る男。28話で涙し、打ちひしがれ、去っていった彼がこんな形で再度レスキューに現れようとは・・・これだからフェルゼン!あなたってば隅に置けないのよねぇ。
で、舞い戻った暴動現場なんですが・・・
血祭りは佳境を迎えているようで、激やば!アンドレ激やばです!!
「吊るせーーーっ!貴族を吊るせーっ!!」って、吊るし上げってまさにこーゆーこと?撲殺とか刺殺とかでなく、首吊りさせて殺そうっていうのだから暴民たちのする事は凝ってます。なんでこんな風になっちゃったの・・・花の都パリはどこに行ってしまったの?俺、ここでこんな死に方するなんてなぁ~・・・呆然。という表情のアンドレを救わんとフェルゼンは空へ向け発砲。注目を集めたところで「我が名はハンス・アクセル・フォン・フェルゼン!」と高らかに宣言。
フェル伯の決死の行動で一命を取り留めたアンドレではありますが注目がフェルゼンに移った瞬間高いところから落とされてるんでー・・・最後にどっか折れたかもね・・・泣。でも、骨の一本や二本なんだ!馬で逃げる人間を走って追いかけられると思うほどにパリ市民の怒りは加熱しているわけで、あと数秒遅ければあの世に逝ってましたって・・・。
助かって、本当に良かったね・・・・・オスカル様、アンドレ・・・
ということがあり、混沌としたまま休暇、っていうか自宅療養のお二人です。
ばあやさん、大惨事だったわりにこの方は意外とダメージ少ないようで・・・てかオスカル様が軽傷で済んだので、孫の状態に関してはそんな感じでいいんですね・・・(しかしオスカル様の発言に対してファイティングポーズとるの早くないですか?)で、ばあやさん退場。ひとりになったところであの時の自分の言動を反芻しもの思うオスカル様・・・そこへ作画が乱れて余計ボコボコに見えるアンドレ登場。ここではフェルゼンの無事を伝えるだけで贅沢にも彼はオスカル様の「一緒にショコラを」のお誘いを断るんですが、やせ我慢しているだけで多分物凄い痛いんでしょうね。痛くてショコラどころじゃないのよマジで・・・って感じなんでしょうね。。。
というのを察してか特にそれ以上すすめないオスカル様、降りしきる雨を眺めながら再びご自分の世界に戻って『以前とはどこか違うわたしの不・思・議』について、想いを噛み締めます。
いやー・・・観察日記は恐ろしい長さになっておりますが32話ってBパートがやけに短く感じますよね?ここから本日最後の衝撃エピソードです。
傷が癒え久々に出勤してみたら・・・ケツアゴが無断欠勤している。ということで、心配になったアンドレは給料を届けに行きたいと言い、その前に規則違反してるんだから何やってるんだとハッパをかけに行かないといけないんでは・・・なんですが、本来そーゆーいい加減な事をする奴ではないのでやっぱり心配が先に来ます。
で、給料を届けに・・・と言う優しい男アンドレについて「私も行くー」なオスカル隊長。なんか一気に“いつでもどこでも二人一緒”な関係に戻った感じですか?
この場面、アニばらご覧になった人は皆さん同じ感想を持たれると思うのですが、微笑ましいです。隊長としてではなくあくまでアンドレの後をついて行くオスカル様。アランの友達はアンドレなのだからして、私はその~ついでなんで、道案内やご近所さんとのやり取りも基本アンドレに任せますな態度で一歩後ろに下がって非常に大人しいオスカル様。原作にはまずないアニばら特有のムードが二人を包みます。
血祭りに上げられたことで何よりも強い絆を思い出した二人。気まずい雰囲気はすっかり払拭されたようでイイ感じ~♪とか言ってる場合じゃありません。鼻壊れそうなこの悪臭・・・蹴破って強引に、とかしなくてもドア開いたので入るぞアラン。
・・・マイナスオーラ全開で出迎えたのはアランのお母さん。なんか、すごく嫌な予感・・・・・
アランや~い、どこですか~・・・で奥の部屋のカーテンを開けて凍りつくアンドレ。
なん・・・なん・・・なんなんでしょうか・・・?あまりにキレイなお姿なのでお母さんの解説がなければそれが屍である事が信じられないほどです。
シャルロットの時もそうでしたが、若い娘の芸術的なまでに美しいこの死に様よっ!!
ゴールデンタイムのアニメだからドロドロの腐乱死体はNG。っていうのの他にディアンヌちゃんのこの美しさには理由があるんでしょう。着ているのは花嫁衣装なのでしょうか?首を吊って死んでいるのを発見し下ろしてあげたアランは花嫁衣装と同じくらい白く冷たくなってしまった妹を見て、その場を動けなくなってしまったようです・・・アランの記憶の中にあるディアンヌちゃん。可憐だったそのままの姿で悪臭を放つ異様な光景。衝撃的です。
こんな時になんなのですが・・・こちらのオスカル様はアランに殴りかかってボッコボコにするとかいった隊長らしい(?)事は致しません。いや、ケツアゴは別に狂っているわけではないので殴る必要ないんですけどね。でもまぁ、万が一狂っていたとしてもアンドレが正気に戻すんじゃないかなぁ。オスカル様は記憶に新しい首吊り用のロープとかを目の当たりにするだけで愕然となってしまいそう・・・。オスカル様が殴る前に、アンドレがやるでしょうね・・・あ、純粋にアランを思ってですよ。誤解してオスカルをビンタした恨み~・・とかではなく。
くだらない事を言ってる場合じゃありません。第32話、重いです。嵐のプレリュードって、これでまだ前奏曲なんだ?革命本番になったら一体どうなっちゃうんでしょうか・・・?
んで、ラストのナレーションがこれまたヘヴィーです・・・。
オスカルはふと予感した。愛する者 美しい者 生きねばならぬ者が
ある日突然 帰らぬ人となる。ひょっとして 新しい時代とはそんな哀しい時代ではないんだろうか・・・と
言われてみれば、三部会を望む民衆のデモ行進はどこか鬱々として葬列のようだ。
って、暗・・・!!ゼエゼエ・・・・・・
つい先を慮って動悸が激しくなりますが、しっかり目をこらして見届けましょう。
・・・ヒィーーー・・・長い・・・つづく!!