アニばら観察日記
間髪入れずにやって来るポリの刺客にオスカル様危うし!?
受難の紅軍服が血に染まる時あの人が・・・!?
第17話 「今、めぐり逢いの時」
第17話です。前回に引き続きオープニングはこの人、ロザリーちゃん。だいぶレギュラーとしての貫禄が備わって来たな・・・というところで、はい!ジャルジェ邸バラ園の中で定番の回想シーンです。あんたの経歴はもう分かったよ~と溜め息が出ますが彼女は事あるごとに視聴者に復讐、ではなく復習させることがひとつの使命であるようです。
で、朝の打ち合わせコースなのかオスカル様とアンドレが徒歩にて登場です。
この二人、今回は特に聞かれてやばい話とかではないのでいいんですが、ケッコー開けっ広げです。舞台進行上何かと都合が良くてこーゆー流れなんでしょうが・・・説明臭いのぅ。それにポリニャックときたらこの時点で120%悪役確定、って言うか妖怪入ってます。憎々しさ満点で物語を煽って下さるのはいいんですが、母さんの仇!覚悟ーーー!!!
と言うわけで「今、めぐり逢いの時」です。
幼い頃観ていた時、この「めぐり逢い」と言う響きがとてもロマンチックに思えて「これは誰と誰のことなの?」なんてマヌケな事を思ってました。
ロマンチックでもなんでもありません。汚い下町娘が母さんの仇と再会!
これが17話の本題であり全てです。
しかし、それではあまり盛り上がりません。そこで重箱の隅をつつく感じで細かく観ていくと・・・意外にこの回は笑えます。オスカル様が面白いんです~。
やはり彼女はロザリーに対してちょっと変なんですね。この時期、宮廷はまぁまぁ平和な時を過ごしていてオスカル様はそれ程忙しくありません。なので帰宅してお夕食を召し上がったら、ひとっ風呂浴びる前に毎晩ロザリーの勉強をみて差し上げてる様子なのです。で、それはいいんですが・・・おや?と思うのは唐突に「自分は貴族の娘なんです!」とぶっちゃけるロザリーと、思ったより驚かないオスカル様で、恐らく急速に美しくなるロザリーにタダゴトじゃなさを感じていたオスカル様は「もともと貴族の娘だったりしてね!」と薄々考えていたと思うんです。
しかし、やはり育って来てしまった環境には如何ともし難いものがあるわけで、言葉使いというレディーを評価する際の大事なポイントが彼女はいまひとつなのです。マイフェアレディーではありませんが王妃様を前にした晴れの席で、この間のようなハプニングがあっては困るのですね。で、「ロザリー、発音の稽古をしよう。って言うか発音の稽古をして下さい」な感じ。凄い告白だったわりに女同士でトントン拍子に話がまとまり、ロザリーは王妃様に逢いに行くことになりました。
オスカル様とロザリー、この二人のコンビネーションはロザリーが人知れず単品でどんなにテンパっていようと常に淡々としています(笑)
というところでやって参りました!ベルサイユ。
妖怪に片足突っ込んだ母ポリと若干11歳の娘シャルロット嬢は今宵も勝気で依存的、これからの自分たちがどーなるかなんて事は知る由もない無邪気&威圧的な態度で宮廷を闊歩するも・・・まるで絵のように輝くオスカル様ご一行の到着により、一気に精彩を欠きます。
この場面で特筆すべきはアンドレでしょう。原作とアニメでは時系列が微妙に異なる為、ここでの「なんて美しい人たち」の賞賛はジャルジェ家で独占です。
正真正銘第三身分の従僕でありながら堂々とオモテに登場し、スポットライトと感嘆の声を浴びまくってなんとなく微笑む男アンドレ!
ベルサイユ宮ってそんなに悪いところじゃないよなぁ?と思う瞬間なのですね。
そして物語は今週のハイライトに向けて緊張感を高めていきます。
ひとの会話に割って入るポリ夫人の厚かましさはそれだけで刑罰が下っていいと思うのですが(だってだって身分の低い者は自分より身分の高い者に絶対に声を掛けてはならないという決まりは、どーなったのです!?)冗談抜きで危うく仇討ち原理主義者のロザリーに刺し殺されるところです。
ロザリーよ、いくらなんでもその場で討ち取ろうとするのはどうかと思うぞ。オスカル様の立場も考えておくれ~・・・ちゅうか、あんた一体どこに凶器を仕込んでいる!?一度はローズベルタンのお店で働こうとしたくらいなので自分でドレスを改造したのでしょうか?あれ、あの時は台所の下働きでの仮採用だったんだっけか?とにかく峰不二子も真っ青の隠し芸で突っ込んで行こうとする娘にオスカル様も苦労が絶えません。
あんな静まりかえった場所で「待て!ロザリー」そして挙動不審に騒ぎ出すポリを黙らす耳元での小声の一喝。・・・聞こえるだろー普通?これはもう聞こえていようがいまいがもぅいいんです。要は皆が「触らぬ神に祟り無し」と思って聞こえないフリをした。という事だと思うんですね。それまでの出来事でポリ夫人とオスカル様の確執は嫌でも知れ渡ってるでしょうしアントワネット様自身、あまり深く知りたくない世界だったんです。だから「ポリ夫人、もう面倒な事は起こさないで・・・オスカル、何があったか知りませんけど、ワタクシに免じてこの場は我慢してちょうだい」な雰囲気に見えるのです。でないと公衆の面前で「貴族の娘じゃない」って何事ですか(怒)!?アンドレを「貴族の息子じゃない」と言うなら分かりますが。でも「それが何か~♪」と彼は微笑むだけでしょうね。
脱線しましたが帰宅して、ロザリーはまず着替える余裕があったようです。それから改めて「よよよ~~~」とやりますが・・・オスカル様も負けてはおりません。金八先生入ります。
「どうしてもっと自分を大切にしないのか」「おまえはもうジャルジェ家の一員だ」「明日のことだけ考えて精一杯生きるのだ!」って、どれもこれも今更~な感がありながら、熱く恋慕う人の口から出た言葉となれば説得力は抜群です。
金八オスカルの説得劇場、終了したところでアンドレがタイミングよく名簿を抱えて入って来ます。
名簿!?そんなものがあるんですか!?ちゅうわけで今度は徹夜で調べ物。
朝日が差し込みいい感じのモーニングですが、アンドレの「いつの間にか夜が明けてしまったな~」って引っ掛かります。「おまえはな」と私だったら言ってしまいそうですが・・・オスカル様はそんな事は言いません。顔色が悪めなところを見ますと、恐らく一人で完徹したと思われますが「あと少し、頑張ろう」などと笑みまで浮かべて下さるのだから泣けてきます。
自分がスッキリしてるからって速攻ロザリーを起こそうとするアンドレを軽くたしなめる、そーゆー配慮だってオスカル様はできるのですね・・・感動!!!
そりゃそうとアンドレ、あんた相当早く寝ただろ?
ちゅうわけで、この回最も好きな場面が次に来ます。
アニばら風蒲田行進曲、愛の階段転げ落ちです。
この場面、どーゆー状況なのか全然分かりません。何故アンドレだけが気付いたのか?あんなにザァザァ砂ちゅうかなんちゅうかが降って来てるのに、音だってかなりギィギィいうとるのに。オスカル様は前進します。で、「オスカ~ルッ!!!」と叫んで飛び掛かるアンドレ、美味しー!!かなり美味しかったです。リアリティとかこの際どうでもよく。長過ぎる転げ落ちアクションがなかなかどーして拍手ものなのですネ♪
そして、同日夜・・・ポリはよほどオスカル様が目障りだと見えて間髪入れずに刺客を送って来ます。そして一番の問題点は・・・昼間えらいめに遭ったはずのオスカル様&アンドレにまったく緊張感が無い事です。アンドレってばよ~・・あんた冒頭で散々「気を付けろ」言うてたやん!?オスカル様はアンドレが傍に居ると反応が鈍くなるんです。まぁ安心してしまうんでしょうね、だからさぁ「近道をしてるのかもしれんぞ。ははっ~」じゃないだろが。まったく困ったボディガードです。てか、こーゆー緊張状態の折に見知らぬ馬車になど乗るものではありません。ちゃんと自家用があるのだからして・・・~美しい人たち、しっかりして下さいよ~(泣)
なんていってる間に事態はとんでもないとこまでいってしまうのです!オスカル様が背後から刺されましたーーー!!
きゃ~(激怒&号泣)そーゆー場合、次はどーなる!?
はいっ、この人っ!!
《Mr.ご都合主義》こと北欧の貴公子ハンス・アクセル・フォン・フェルゼンが、帰って来ましたーーー!!!
復讐と陰謀の乾燥地帯と化したフランス宮廷ベルサイユ。ぼくちゃんが帰ったからには~・・・慈雨を降らせます。
17話の観察日記、実際どうやって書こうかと思いましたが・・・意外な程長文です。読んで下さってありがと~!!つづく。
妄想の起爆剤、フェルゼン伯爵再登板!!
潤いたい女性たちの為・・・僕ちゃん、カラッカラのベル砂漠に舞い戻って参りましたっ♪
第18話 「突然、イカルスのように」
お待たせしました。ベル界だけにとどまらず、その功績たるや世界史上でもすっかり有名になった感のあるベル妄想の起爆剤、許されざる愛のモーレツ着火装置、北欧のスーパーチャッカマンこと・・・ハンス・アクセル・フォン・フェルゼン様のお帰りで~すっ!!きゃーーー♪ぱふぱふ♪♪
浮かれ調子でお出迎えしましたが、状況は物凄いのです。
あ~れ~オスカル様が、オスカル様が・・・!!!今まさにトドメを刺されんとしています。絶体絶命の大ピンチ・・・しかし、そーゆー時こそこの男!正義の味方とはとても呼べませんが、スウェーデン印のチャッカマンはやって来るのです。
アニメでは・・・馬車に乗っていますね。絶妙のタイミングで身を乗り出し、と言うか、これは馬車を動かす従者か誰かが「フェルゼン様!前方に何やら、えぇと修羅場発見っ!!ひぇ~~~~えらいこっちゃーーー!!」とかなんとか叫んだのだと思われます。まぁ何にせよ、この人は偉いっ!!
オスカル様にとっては正真正銘『命の恩人』です。
偶然(いや、必然なんでしょう)通りかかり、馬車の窓から「オスカーーール!?」と叫び、結果として敵陣を追い払う事に成功したフェルゼン伯。瀕死(?)のオスカル様に一番に駆け寄り、静かにその体を抱き起こします。そして朦朧とした意識の中で感じる懐かしい匂い、温かな感触、力を振り絞って瞼を開いた女性の目に映ったのは「・・・フェルゼン・・・?」、あまりの事にオスカル様は本格的に気を失ってしまいました。
罪なチャッカマンです。
てか、アンドレ、あんた何やってんの・・・?
敵が逃げてからオスカル様に駆け寄るまでの間、腰でも抜かしていたんでしょうか?
まったく。これからオスカル様のお心は200%フェルゼンへと向かってイクというのに、呑気な男です。あんた、覚悟しなさいよ。という感じだよ・・・
というわけで、第18話「突然、イカルスのように」です。
この回からアニばらは愛と悲しみの『禁断の泥沼ステージ』へとレベルアップします。まずは予告編から注目してみましょう。
「フェルゼンが帰って来た。ギリシャの神が突如空から舞い降りたように。その翼が4年間の空白の中に置き去りにしていたオスカルとアントワネットの愛の炎を燃え立たせる」って、どんだけぇ~~~!?
もはやフェルゼンは『神』扱いです。アニばらにしてはパリパリに乾燥してしまっていたこの4年間、人々を湿らせに戻って来たフェルゼンは、まさしく神。オーマイゴッド!!なのでありましょう。嗚呼!こんな事ならもっと早くに雨乞いすりゃ~良かったっ!!
そんなこんなでこの意味ありげなナレーション・・・アントワネット様のみならず、どうやらオスカル様の中にもフェルゼン愛が潜伏していたらしいのです。って、そーなんですか(驚っ)!?
4年前、確かに思いが複雑に交差する事はあったでしょうが、それでもまさか、まさか!隊長までもがフェル・キャリアだとは思いませんでした。しかもそう、それはアントワネット様のように「ただただ・・・好き!」という直球な想いでない分、重いのです、深いのです、愛・・・なのです。そしてそれはお互い様。アニばらを観ていると思うのですが、フェルゼンはオスカル様が好きなのです。殆ど相思相愛と言っていいくらいに、田島オスカル様と那っ智フェルゼンは愛のオーラで包まれています。・・・くっ・・・志垣アンドレ!ど~するんだよぉ~あんた。と言ったところで、Aパートを眺めていきましょう。
女の身でこのような痛手を受け、意識を失い横たわるお嬢様を前に、とにかくやかましく嘆きまくるばあやさん。後悔は出生の時まで遡り、そりゃも~大騒ぎです。まぁね・・・たいして役に立たなかったどころか殆どデクノボウだったアンドレが、内海パパと目配せして「まぁまぁおばあちゃん」なんて言う場面は確かにイラッときますよ。私だってそこに居たら「このばかちんがぁーーー!なにやっとんねん!?」と余裕で叫んでいる事でしょう。しかし、患者さんを前に大声出し過ぎです。もともとジャルジェ家はこんなものかもしれませんが。
それにしてもフェルゼン伯「騒々しい家だなぁ~おい」と思ったと思います。オスカル、君、苦労が絶えないね・・・と。
なので、そーゆーうるさい人たちは退場させます。
えー・・・怪我、病気関連の場面で定期的に登場するなかなかの燻銀役者、ラソンヌ先生が診断する「右腕の筋が半分切れている」・・・ばあやさんに聞かれたらアンドレは確実に片腕を切断されていたことでしょう。と言ったところでラソンヌ先生&アンドレも退場。
んで待ってました、二人の世界。あたりが静かになった途端にオスカル様は目を覚まします。これもチャッカマンのタイミング効果のひとつですね。
「確かに顔を見たと思ったが・・・フェルゼン、戻って来たのか・・・」と、オスカル様はわざわざ起き上がり、弱々しいながらも熱のこもったお声で話しかけます。夢ではなかったのだな...と。
うお~・・・こんな劇的なシュチュエーションが他にありましょうか?
「危ないところをありがとう」「礼には及ばん」「ああフェルゼンっ・・・逢いたかった!」「僕もだよ、僕も、逢いたかったよ・・・オスカ~ル!!」と、トントントンと事が運んでもおかしくない程に、この場面の二人はセクシーなのです。
ベッドがあり、二人っきりで、こーゆー時の田島令子様のお声の調子・・・フェルゼン、《よく押し倒さずにいられましたで賞》を差し上げます。ちゅうかですねぇ、仇討ち原理主義者兼足手まといのロザリーちゃんが入ってきちゃうからいかんのです!お願いだから~微妙な空気から某かを察しておくれよ。
いえ、私は何もオスカル様とチャッカマンをくっ付けたいわけではないんです。
ただ、セクシーなオスカル様を1秒でも長く観ていたい・・・その一心なんですね。
しかしです、邪魔が入ったものは仕方ありません。今度は3人の不思議な関係に注目してみたいと思います。
記憶力がいいのです!この娘、流石のやり手ガールです。一瞬の出来事を必要に応じてハイパワーで検索できる能力はタダゴトじゃありません。そして、それと同等にお見事なのは、パッと見すぐに「あ、あなたは・・・」と回想できるフェル伯でして。
あの時盲腸でまだ出演してなかった那っ智の「お怪我はありませんか!?おじょーさん!」の台詞、改めて聴けて良かったです。やっぱり那っ智の声はええのぅ。
ちゅうわけで、この場面・・・最も凄いのは勿論オスカル様です。
和やかに話が合うフェルゼン&ロザリーを見て、つべこべ言わずに「そうか、以前会っていたのか」って。この人のこの受け入れ態勢の見事さには毎度感心しておりますが、マジ半端ありません。特にロザリーが絡むと「そうか、そうだったのか・・・」の一言で何でもかんでも100%納得して下さるので泣けてきます。
もっと話的に重要なところで萌えましょう。ポリ云々は飛ばして「アントワネット様には会わないのか・・・?」から始まる大人な世界。これ、どこからが独白なのでしょうね?
あの頃と少しも変わらない・・・フェルゼンの深い海のような目を見て・・・いま自分が感じているときめき以上に、あの方は喜ばれるに違いない。決してお幸せではないあの方に・・・この男は言葉にならない歓びを運ぶに違いない。
己と重ね合わせるからこそ、深く深く解ることなのでしょう。
今更言うのもあれですが、アニメのオスカル様の女度には目を見張はるものがあります。
原作のこのあたりだと「女でありながら女心が全然分からん!?」と軽パニックに陥る姿もなかなかだったりするのですが・・・アニばらはパラレルワールドなのでこれでいいのです。
秘めた女らしさ全開で妖艶に悩みまくるオスカル様、堪りません。
貴女をオカズにドンブリ飯がざくざく進みますよ。
場面変わってポリ邸です。バッターン!とドアを蹴破って入って来たシャルロットちゃん。血相を変えて、歯ぎしりをして、恐らく初めて母にはむかってみたのではないでしょうか。大好きなオスカル様の為に。
ここへ来て初めてシャルロットという女の子の全貌が明らかになりつつあります・・・最初は【ただ我儘なご令嬢】という役割で、主役の身内に喧嘩を売るだけのエキストラだと思ってましたが・・・彼女は次回の『主演』です。オスカル様への溢れ来る愛情に泣き崩れる姿を、視聴者はしっかりと覚えていなければいけません。
ああさて、長くなっておりますが~、観察日記はようやく王后陛下アントワネット様の元へ参ります。
4年の歳月を経て、フランス宮廷はフェルゼンを忘れたようです。嗚呼「ひとの心なんてそんなものさ・・・」と、誰かが言ってましたね。ジェロ、貴方は今どーしているの!?
いきなり脱線しました。アントワネット様です。彼女は忘れておりません・・・名前を聞いただけで、気分はパラダイス。虹色の水玉と白鳥(つがい)を飛ばしながら妄想の国の住人です。こんなに待ち焦がれてくれるひとが居るなんて・・・フェルゼン、貴方はやはりベルばら一のモテ男ですね(泣)
しかし当のモテ男、オスカル様の危機を救った場面は見事でしたがその後は結構グダグダです。と言うか、彼はオスカル様の前でのみ、いつだってグダグダ&めじょめじょなんですね。
とにかく、その甘えっ子っぷりときたらオスカル様の中に眠る母性を容赦なく揺り起こし、翻弄します。
だいたい今回フランスにやって来た理由も【婚活】ってどうよ?
国に落ち着き、年老いた父を安心させたいのなら国内で嫁探ししたらいいのにね。とにかく目的が婚活なのでお見合いなどに奔走しなければなりません。そのうえ大概プライベートやろ?ってな話をオスカル様に漏らしまくります。これもテクのうちなのかと思いますが、散々愚痴って、仕舞いにゃ「愛さえあれば結婚できるのか?どーなんだオスカル!?」で怪我人ゆっさゆっさ・・・じゃないだろがっ!?と思うのですが~・・・彼なら許せてしまう。それがモテ男というものです。
そしてそして、ワタシ的に最も腰が砕ける場面が・・・スウェーデン軽竜騎兵の制服を着て奥様たちの談笑の場に現れるところです。原作ではそれなりに意味のある行動なのかもしれませんがアニメだと100%コスプレに見えます。見たいと騒がれホントに着てみせちゃうノリの良さ!こーゆー時の勝負服として婚活中でも(婚活中だからこそ、か?)持ち歩いているんでしょうか?・・・同性の友達ができにくいタイプですね・・・。
で、コスプレ衣装のまま、辛抱堪らず「ワタクシゴトですが結婚話が~」とブチかますフェルゼン。王后陛下を泣かし、オスカル様には怒られます。しかしそこはフェルゼンですので・・・愛してしまったとどうして言える!?と逆ギレです。こーゆー感じ、オスカル様はすっかり慣れたご様子でして、そこがまた切ないひとコマでもあります。
あ~ぁ、声を荒げた後はいつも通り自責の念に苛まれ、肩を震わす男ですが・・・今回のフェルゼン、そればっかりや(笑)
18話の彼にはもたれ掛かれるアイテムが必須です。『嘆きの友』とでも言いましょうか?壁、木、銅像などですね。本当に行動がワンパターンですから・・・故に安定感のあるキャラクターであると言えましょう。
そんなこんなで・・・はい、オペラ会をフケたアントワネット様&フェルゼンが二度目の運命の出会いを果たします。この場面・・・ある程度一気にやる事やってしまった雰囲気ではないですか?
アニばらの二大カップルは自然に囲まれて積年の想いをとげる・・・非常にナチュラルかつワイルドに合体!というシュチュエーションがお好みのようです。
片や武装したシトワイヤンに囲まれた郊外の森、季節は夏。
片やいつスクープされてもおかしくない庭園内の木立、季節は秋。
どっちも勇気がいりますが、煮え滾る情熱があれば壁や屋根は要らないのです。ふたりの目にはお互いの姿しか映りません。何をどうスッパ抜かれようとも、そんなこと知るもんか~!!!
なんて言って勝手に興奮しましたが、18話のここはキス止まりなのかもしれませんし・・・皆様の想像力次第です♪
というわけで、これまでの観察日記と比べて格段に長くなりましたがこの先はだいたいこんな感じか、場合によっては更に長くなっていく可能性があります。読んで下さってありがとうっ!!字が細かくてごめんなさいっ!!
監督不在の数話がこれで終了致しました。次回からはいよいよ~・・・♪♪♪
アニばら、本格的な開花の時がやって来ました。
これぞレボリュ~ション!【18禁】の札を引っ提げ、物語は加速します。
くっー・・・振り落とされんなよ~っ!!
第19話 「さよなら、妹よ!」
かっ~・・・とうとうやって参りました。いよいよ、いよいよ~・・・アニばらはここからが本領発揮、対象年齢がグッと上がった【18歳未満お断り】な世界へと突入していきます。
第19話、これは紛れも無くアニばらの『ターニング・ポイント』です。
と言うところで、ひとつ初心に帰って・・・ベルばらってどんなお話でしょうか?
池田理代子先生がお描きになった少女マンガの金字塔、ベルサイユのばらとは何をテーマに描かれたお話ですか?「王妃マリーアントワネットの生涯」「フランス革命」「女性の自立」「男装の麗人オスカルとその恋人アンドレの身分を越えた世紀の愛情物語」ですか?
ベルばらの魅力はとても一言で表現できるものではありませんが、少なくとも先に挙げた中に原作の本筋にあたる部分があるんだと思います。
では、アニばらとは・・・?
そういったベルばらの本筋、王道、あまりにも有名な場面からは一本も二本も逸れた横道にこそ、アニメ・ベルサイユのばらの魅力は溢れているように思います。
時にメインキャラを差し置いて、原作読んだだけならエキストラにも満たないような人物あるいはまったくの創作キャラに、アニばらはとてつもない役割を与え、画面いっぱい妖しく激しく動かします。そして、新しく命を吹き込まれた彼らは目を見張るような存在感でもって、物語をがっしりと支ていくのです。その結果、アニばらは原作に忠実または従順な従来のアニメ化作品ではなくなりました。故にアニばらは原作原理主義のお局様方から叩かれ続け、、、場合によってはマジで弾圧されそうな場面もあったと聞きます。しかし、原作があるからアニばらが生まれたのだし、アニばらがあるから原作があるのです。世間的にはまったく同じタイトルを持ち、内容的にはこれ程までに美味しく突っつき合う事ができる・・・このように活発かつ素晴らしい相互作用をもった作品を、私はベルばら以外に知りません。
真剣に観れば観ただけ、アニばらで相当量の脳トレが出来ますし大量のアドレナリンを放出できます。そして原作原理主義の石頭と永遠に続く甘美なる軋轢・・・・・これはも~ベルばら世界を活性化している大きな要因のひとつだと私は思うのです。
ちなみに~あまり広げ過ぎてもアレなのでヅカばら&パチンコ等の媒体は一切合財割愛してお送りしております。ヅカがお好きな方、すみませんねぇ・・・私、ヅカばらならネッシー様のフェルゼンが永遠の№ワンだと思っております。
というわけで、第19話・・・この度、新しく出崎統監督がチーフ・ディレクターとしてアニばらのマウンドに登板する事になりました。
この人、やってくれるよ~~~・・・(嬉泣)・・・
2009年上半期にハマッたものの上位に『Genji~源氏物語千年紀』がありまして、出崎監督の不屈のヲタ道っぷりを堪能させて戴きました。
が、彼、一部では『原作クラッシャー』と呼ばれてるらしいです。
原作クラッシャーーー・・・笑&納得。
彼の破壊活動ぶりには流石の寵姫デュバリー夫人も、そりゃ裸足で逃げ出すわな・・・という、伝説的破壊魔によるアニばら後半部。しかし、まだ物語は辛うじて前半の19話です。
19話・・・凄い出来映えですよね。アニばらファンにとって19話、続く20話は・・・一足お先にやって来た『大革命』です!!!!!まさにアニばら・レボリューションっっ!!出崎のアニバリズムが早くも炸裂っ!もう昨日までのアニばらではありません・・・心を研ぎ澄ませて下さい。鬼の出崎フィルターを通して、水分たっぷりのアニばらは更に見事な蒸留水へと磨きあげられ、これから凄まじい変貌を遂げてイキます。
皆様、どうか目をこらして・・・アニばら世界を見つめていて下さいねー!!!!!!
で、第19話。観てすぐ「絵が変わったな」と思うと思います。格段に美しくなったと思いませんか?
【出崎の変】まだまだ序章に過ぎませんが、気合いの程はハッキリと画面上に見てとれます。目の描写が細かくなりましたね。ここから先は数話ごとにキャラクターの容貌に変化がありますので、ここは【出崎編・第一章】のお顔です。当時ここまで美しいアニメはなかった・・・アニばらが間違いなく最高だ!と、命をかけてもいいくらいに19話は美しいのです
出崎監督はご自分の登板と共に各ポジションの指揮官を変えています。
19話はまだ前半の雰囲気も残しながらの背景作りですが、美術監督が窪田忠雄、川井憲両氏から水谷利春氏に交代していますので、アニばらが別世界へと移行していくのは自然なことかもしれません。
はい、イントロはシャルロットちゃん。この人のどアップから出崎編はスタートです。
思えば今回の「さよなら、妹よ!」、出崎監督でなかったら・・・オスカル様不在だけど飛ばすのはちょっと難しい、お涙頂戴なだけの退屈エピソードで後味の悪さだけが残ったかもしれません。それくらいにこのあたりの展開は微妙です。クリエイターの手腕ひとつで面白くなるか詰まらなくなるか・・・出崎氏は見事に魅せました。ちょっとこの後の展開が空恐ろしくなる程のアニばらワールドがここにはあります。
「さよなら、妹よ!」これを母の犠牲になる可哀相な女の子の話で終わらせなかった出崎氏よ!あなたの中で、関わり始めたばかりのベルばらは一体どんな姿をしていたのでしょうか?
19話の見どころは二人の少女を取り巻く環境の対比とリアル背景です。
揺れ動く二人の少女。共にオスカル様に恋をする、ロザリーとシャルロットは同じ母から生まれた姉妹でもあるのです。そして、残酷な現実を突きつけられ苦悩する両者の姿が交錯するように描かれます。が・・・
私が一番注目して戴きたいところはやはりオスカル様です。
オスカル様の目に映る少女たちの葛藤や絶望、それに対して自分が何をしてやれるのか?また何をしないでおくべきなのか?
19話は『アニメのオスカル様』のひととなりを、とても繊細かつシビアに表現していて『アニメオスカル入門の巻』と言っても過言ではない。そのくらいによく出来たオスカル様のご配慮物語でもあるのです。
まずAパートから・・・湧き上がる闘志を乗馬にぶつけ、驚く程の進歩を見せるロザリー、その光景をを眺め「知らぬ間に随分と腕をあげたな・・・」と呟くオスカル様。彼女はとても寂しいお顔をしてらっしゃいます。傍らにいるアンドレも同様ですが、彼らはロザリーを突き動かすものが負のエネルギーである事に心を痛めているわけで、それによっての上達が喜ばしいはずがありません。
アニメ世界でロザリーを擁護するのはオスカル様とアンドレ、常に二人で・・・という印象を受けますが、彼らは決して過保護な関わり方はせず、むしろ『見守ることが精一杯』という状態なのです。助けが必要な時はすぐに手を差し伸べられるよう傍には居ますが、今はその時ではない・・・言外にどうしようもない【無力さ】すらを漂わせながら、言葉少なく確認し合うオスカル様とアンドレ。そのうしろ姿がなんともいいわ~~~止め絵も含めて、このあたりから滲み出るアニばらの哀愁はとんでもなく味わい深かったりするわけです。
そして!オスカル様の白ブラウスに黄緑色の普段着姿ですが、この場面が見納めとなります。第1話から、軍服以外は大抵これをお召しになっておられました。アンドレは薄茶の同様のスタイルで、二人は馬に跨り、二人にしか分からぬ空気で会話をする。アニばらのこのムード・・・ああ・・・オスカル様とアンドレは、つくづく一心同体なんだな。と思う瞬間なのです。
で、この場面・・・コミックス・アニメ版で確認しようと思ったら丸々飛ばされててですね~改めてこの作りはよくないなぁと思った次第です。馬が出る場面はカットしちゃいかん言うてるだろが!!編集者よ、見どころを分かれ(怒)
いろいろとストーリーは前後しますがオスカル様、アンドレの魅力を続けていきたいと思います。
アニメのアンドレ、あちこちに顔が利きます。
特に今回のコネは特筆に値するもので『王立図書館に(オスカル様の知らない)知り合いがいる』というのです。こーゆーところ、こだわりのある視聴者は絶対に見逃しません。独立した男を感じさせてアンドレよ、カッコいいんではないかひ?
長く記憶に留めておきたいアニメならではの大きなセールスポイントなのですね。
で、アンドレ、知り合いに頼んで、今度はホントに徹夜して調べあげたようです(やりゃ~できんじゃん)。
が・・・つかんだ情報を大声でオスカル様に伝えてしまう前のめり&迂闊ぶりときたら~・・・はい、毎度のことながら困ったものです。あの子にはまだ聞かせたくないって言ってるのに、開けっぴろげな二人は隠し事が出来ません。吹き抜けの素晴らしい音響効果も加わって、しっかりロザリーに伝わりました。あの後、多少気まずかったでしょうがね、二人(O&A)でひとしきり「びっくりしたなぁーもぉ!」とやってるうちに、意外に冷静なロザリーちゃん登場!で、「全部聞こえました、オスカル様」。
ま、どの道伝えなければならない事なので、結果オ~ライ・・・思えばアニばらの情報伝播方法のうち『立ち聞き』というのはかなり多いですよね。。。
で、今頃になりましたが今日のヒロイン、シャルロットちゃん!なんと彼女は11歳なのです。え!?そんな若かったの?ちゅうか単なる子供です。
ド・ギーシュ公爵のような明らかに尋常ではない趣味嗜好の持ち主が「国王の信頼も厚い」というのは理解に苦しみますが(だってローアンが絶対NGなアントワネット様が、犯罪的ロリコンは許すんですか?)場合によっては信頼も金で買うという事なのでしょうか・・・?
とにかく宮廷で噂になる程の弩変態に、娘を生贄として差し出そうとするポリ夫人の救い難さは半端ありません。
シャルロットちゃんよ・・・弩変態にとっては目の前で気絶し、ダラリとなるカラダは生唾ものなのです。自力では逃げも隠れもできない幼女を弄んで、飽きたら棄てるという、極悪非道な行為を愉しむド・ギーシュ公爵。彼のシャトーでの晩餐会を見れば、奴は恐らく同様の趣味を持つ金持ちを集め、幼女への猥褻行為等を組織的に行っている様子です。晩餐会というよりも、あれはド・ギーシュ公爵主催の変態サークル。哀れな犠牲者はその都度こうして見世物にされるのでしょう。シャルロットちゃん、自分が今後どういう扱いを受けるのか・・・ハッキリ分かっちゃったんでしょうね。待ち受ける未来は地獄です。絶望感の中で既に半死半生の彼女が「助けて・・・」と、心で叫んだのはオスカル様のお名前。
オスカル様、もちろん助けてやりたかったと思います・・・しかし、これまた絶望的に、割り込めない事というのがあるわけで。いっそのことロザリーがポリを撃ち殺す→目撃者が居ないという事で殺人を隠蔽→婚約は破談になりシャルロットは解放→大団円♪なんちゅうシナリオはどうか?と思わなくもないですが、それではドラマになりません。
ポリニャック夫人、アニばら内でただ憎々しいだけなのはこの女のみです。
復讐の鬼と化したロザリーに、背中を向け「私は死にたくない!撃たないで!撃たないで!!」と言う彼女の情けなさ・・・その姿はもはや哀れですらあり、ロザリーは母の仇を撃ち殺すことが出来ません。
そして、そこまでやらせてやるオスカル様・・・これ程の優しさがありましょうか?
ショックの真っ只中にいる人を、言葉では救えません。
引き金に手をかけたロザリー、ポリニャックの態度次第では撃ったかもしれない。そして、撃てばロザリーは再起不能です。どうする、ロザリー?撃つか?撃たぬのか?・・・オスカル様だってすんでのところでどっちに転ぶかなんて分からないと思うのです。それを止めずにじっと見守っていたのは凄い。彼女は凄い精神力の持ち主です。
そしてオスカル様は崩れ落ちたロザリーに「撃てるはずがない。おまえのような優しい娘が、本当の母を撃てるはずがない・・・」と言ってやるんですよね。この一言がなければロザリーは決して救われません。「それでいいんだよ」と言ってあげたのです。ひとを肯定し支える一言、同時にそれは簡潔に無理なくポリ夫人に真実を伝える言葉でもあったのです。
オスカル様という人の偉大さを感じます。
ロザリーとシャルロット・・・同じ腹から生まれた姉妹でありながら、保護者に決定的な違いがありました。
オスカル様に見守られていたロザリー、貴女は何度も命拾いをしています。オスカル様へのご恩、決して忘れちゃいけませんよ。
ついでですが、BGMについてです。19話でしか聴けない曲がありますね。未明に拳銃を持ち出そうとするロザリーと上記の場面でかかる曲がそれです。レトロチックでサスペンス風な旋律が出崎調のオリジナリティーをうまく表現していると思います。とにかく貴重な一曲ですから・・・御覧になる時はよく耳を澄ませてみて下さい。
長くなっておりますが19話、特筆しておくべき箇所がもうひとつあります。
それは【カエルの噴水】この気色悪い噴水はフランスのベルサイユ宮殿に実在します。
よくぞ、こーゆー使い方をしましたね!!たかが子供相手のアニメーション、誰も見てねえ背景なんて適当に描いちまえ!で、ホント適当に描いてしまうアニメーターもいると思うんです。
でもアニばらの背景屋さんは真剣です。実在という部分を大事にするのです。子供相手だからといってナメた真似はしません。こーゆー実在のものが出る場面を例えばフランスの人が観たら・・・驚き嬉しがると思います。日本産のアニメにベルサイユの、よりによってカエルの噴水。・・・クリエイターのヲタク魂に震えて欲しいな~!!
そんなこんなで話は尽きない19話ですが~・・そろそろ〆にいかなければ、長過ぎますよね、すいませんっ!
私的にはアニばらのターニング・ポイントとなる回に、ちょい役とはいえジェローデルが出ていて「良かったねぇ・・・」と思いました。このあたりになると、彼は隊長に対して失敬な発言をすることはありません。もう完全にオスカル様の実力を認め、彼は彼女に従順、熱心な崇拝者と化しています。
原作と違い、この健気かつ凡庸な彼っ!!いいわぁー・・・
最後になりましたが、シャルロットちゃん・・・ついに心が壊れました。発狂でございます。
本当に、この人生の終わり方はないですよね・・・あんた、どーやって塔に登ったのよ?
突っ込むのもはばかられる程に彼女の最後は哀しく、壮絶なまでに美しかったです。
オスカル様から奪った白いバラ、ドレスの翻り方からみて相当な風が吹いていたと思われますが・・・バラは吹き飛ばされることなく最期まで少女の傍にありました。せめてもの救いなのでしょう・・・これもまた相当ドラマチックな演出です。
遺体となった娘にに取りすがり泣きわめく母、こんな悲劇を目の当たりにしてまで頑なに突っ張ろうとするもう一人の娘。アニメのオスカル様にはシャルロットの死が予測できたかのような冷静かつ達観した雰囲気があります。当事者でないからこそ・・・オスカル様には悲劇の行き着く場所が読めていたのかもしれません。
作中、いろいろな人が死にますが・・・シャルロットのこのダイブは本当に見事でした。
彼女のしたことって自殺であって自殺でない。
だから、無事に天国へ辿り着いて欲しいです。天国で、オスカル様のような素敵な人を見つけて、幸せになって下さい。アーメン。・・・続く!!
折り返し地点の20話・・・掟破りの出来映えに見直す度に
私は何度でも腰が抜けます。めっちゃガクガクやでーーーっ!!
第20話 「フェルゼン名残りの輪舞」
キーボード叩く指が緊張のため若干引きつっております。とうとうここまで来ました・・・
第20話はアニばらの心臓部です。超見どころ満載で、涙なくしては観れません。
誰も死なないんですよ・・・誰も死なないんですが、死を喚起させる空気がそこら中に漂っています。
王妃とスウェーデン貴族の道ならぬ恋、ベルサイユ中で囁かれる中傷の数々。不倫スキャンダルはいつの間にか全国民に知れ渡り、王室は神聖なものではなくなりました。そして・・・噂の渦中にいるひとが選んだ道は、戦争です。
惚れたはれただけではなく、ベルばらを観れば歴史を学べます。
この時語られる【独立戦争】がフランス革命に及ぼした影響は計り知れません。お話の中ではそこまで深く掘り下げて関連をどーこー言うのは難しかったでしょうが激動の18世紀、史実を絡めた物語の流れがタダ事ではない濁流となって一気に加速していく予兆がビンビンに感じられます。そして・・・こちらが勿論このアニメの本題、オスカル、アンドレ、アントワネット、フェルゼン(敬称略)の心のヒダがよ~・・・悶絶しそうな程に素敵に描かれます。
こりゃーまさに『全人類必見、必携』の巻っ!!
嗚呼、とにかくアニばら20話・・・・・世の中にこれを観ずに生きている人が何人いるか知りませんが、何が面白くて生きてるんでしょうか?
まったくもってこの回、ちょっとヤバいくらいによく出来た内容なので、今私は本当に緊張、そして興奮しています。そこで読者の皆様「サクランボのやつ、なんか妙なことを言っているな」と思われた場合には、遠慮なく突っ込んで下さい。私ひとりでは力不足だと思われる箇所がこの先どんどん増えていきます。アニばらを愛する皆様・・・20話、そしてそれに続く怒涛の出崎編を、とことん模索致しましょう。
と言うわけで気を引き締めて、20話世界へいざ!漕ぎ出したいと思います。
まずは~はい、予告編から注目していきましょう。私、アニばらの予告編がなんとも言えず好きなんです・・・なかなかどーして、いいこと言うんですよ。こてこてだねぇと恥ずかしくなる時もたまにはありますが、渋い・・・絶妙に渋い名文句を聞ける回もあるのです。ちなみに私のイチオシは37話分の予告編なのですが~、それはその時が来たらじっくり語らせて下さいませ。で、今回の予告ですが、これも「お。」と一瞬唸らせるものがありました。これはもう確信的な【ドロドロ愛憎劇】なのです。しかも主役は4人マリー・アントワネット、フェルゼン、オスカル様、そしてアンドレです。
アンドレ、ここへ来て彼は完璧に『主演』の顔をしています。原作ではこの頃ってまだ「へのへのもへじに毛が生えた程度」の適当系キャラのはずですが・・・流石完全にストーリーが分かってからの配役、アンドレってばよ~美味しいとこ持ってイキますよね。堂々たるメインディッシュぶりに目を見張ります!!
そんなこんなで対象年齢や放送時刻を殆ど無視し掟破りの大人モードで突っ走ろうとする崖っぷち(一応)少女アニメ=ベルサイユのばら。
特に効果音や背景の妙では同時代の作品で群を抜いていると思います。
例えば20話導入部、濃ゆく立ちこめる朝もやの中、その音は鳴ります・・・何かを弾いたような、音楽ではなく音なのです。和音ではなく一音づつ、張り詰めたような音色はたまらなく緊張感を煽ります。この効果音、これまでもこれからも要所要所で使われますが、どれもこれも注目度MAXの場面です。動物の神経の中には不安スイッチというのがあると思うんですね、とりあえずそれを押しまくる音なのです。しかし、それは雨音にも似た安らぎを予感させる音でもあり・・・不思議です。この効果音が鳴る時、それは緊張と安らぎが隣り合わせで状況的にも気持ち的にも非常に切迫した状態であること。そーいった雰囲気を雄弁に物語る最小限の音なのです。あーーードキドキするぅ!!
と言ったところで、不倫中のこのカップル・・・美しいです。
恋をしながら罪を犯している人々の、禁断のこの美しさよ!絶妙に芝居がかった嘆きの台詞やちょっとした動作のひとつひとつが・・・も~・・・嫌味なくらいにキマッてます。
流石は世紀の美男美女ですね。ぎこちないながら精一杯の笑顔を見せ、北欧の貴公子の熱い抱擁から走り去るアントワネット様。ドレスの翻り方が実に綺麗です。それに負けじとばかりに拳を握り、「くっ・・・」と唇を噛み締め、劇的に止め絵化するフェルゼン伯爵。あんた~・・カッコええなぁ!止め絵はあんたの為にある!このキング・オブ・スケコマシが!!と、彼を見れば誰だって大声で囃し立てたくもなりましょう。それ程にハンス・アクセル・フォン・フェルゼンはカッコいいのです。そしてもうひとつ、彼の魅力は、弱さです。
「どうしてこんなところに!?」という意外性と独自の超ご都合主義ぶりで今までも遺憾なく活躍し物語を支えて下さった彼ですが、それもこれも起点は・・・とにかくこの人って人懐っこい。
フェル伯って、寄って来るんですよ。誰かが寄って来てくれるのを待つのではなく、寄って行くんです、自分から積極的に。
楽しい時、嬉しい時、寂しい時、苦しい時・・・
彼は感情を常に誰かと共有して生きていきたいタイプのようです。そしてフェル伯にとってはオスカル様が誰よりも『共有してくれるひと』でした。
自覚しているしていないに関わらず、彼はオスカル様が大好き。ひょっとするとアントワネット様は感情(喜怒哀楽)のサーフィンを楽しむ為のビックウェーブなのであって、生きる為に必要不可欠で根本的に大事に思う人物というのは・・・他にいるのかもしれません。
余所の国へ来て無謀な波乗りを愉しむ渚のシンドバッド、フェルゼン。
支えてくれるサーフボードは・・・そうオスカル様です。
彼、分かってるんでしょうか?20話のオスカル様は貴方の全体重を受け止め、涙の海で今にも溺れてしまいそうになっているというのに・・・
早朝、ベルサイユを背に不倫の気だるさは最高潮!アンドレが言うように何をしていいか分からず、むやみに馬を駆り立てそこら中走りまくったかもしれません。で、全然すっきりしないながらも一旦は帰宅し熱いシャワー(!?)を浴び、ヤクルト400(!?!?)なんかを一気に飲み干したら・・・今度はいてもたってもいられなくなり、来ちゃうんですよね。彼が逢いたいと思うのはいつだってオスカル様です。また彼女は逢ってもいい人ですからね、逢っていて【背徳の香り漂う~】みたいな緊張感が無い分ドラマ性は薄いので、あるいは己の気持ちに気付きにくかったのかもしれません。
はい、ここまで読んで戴いて、私は妙なことを言っておりますね。私の中では「実のところフェルゼンが一番愛しているのはオスカル様」という考えが絶対なのです。ところがこんな事を言っていてはベルばらというストーリーを何も分かってないことになってしまうのも事実です。ご安心下さい。これはアニメ世界だけの・・・てかサクランボの頭の中だけの妄想です。しかも「一番愛しているのはオスカル様」というのにはやはり問題がありまして、なんというか・・・語弊がありますが~・・・マザコンが近いです。
フェルゼンにとって、オスカル様はフランスに居るもう一人のママみたいなもんなんです。この息子はとっても育ちが良いので成人後も全く捻ることなく、ママに何でもかんでも報告しますし、とにかく素直。こんな事を報告したらママはどんなにか困惑するだろう!みたいなことはまず考えずに、どんどん苦しみを持ち帰っては頼りきり、頼ります。ああーバカ息子。しかし、これは喩えなのであってオスカル様はママではありません。フェルゼンだって世話のやける放蕩息子ではないのです。ふたりは赤の他人ですので垣根がある。フェルゼンは「今朝もビーナスの茂みで不倫して来てよ~・・・こんなことしてていいわけないけど、俺・・・もうどうしていいのか分かんねぇよ。正直きついよ・・・苦しいよ・・・でも俺、マジ彼女に惚れちまったんだよねネ」とか言ってるわけではない。言ったらアホです。いかにフェルゼンといえどもそこまでではありません。ただ全身からバレバレなだけで。ちゅうか半分はアンドレに分析されたのです。共通する『恋するオトコの苦渋バロメーター』というのがビリビリ震えて、言わずにはいられなかったんでしょうね・・・安酒場には付き合ってくれないくせに、アンドレ・・・フェルゼンにはあんまり優しくありません!恋敵ですから当然ですね~、ヒヒヒー♪ああオモロ。
話が逸れましたが、フェル伯にとってのオスカル様とは何であったか?です。
《大切な友達》であることは間違いないのですが、それは性別を越えて・・・というものではないですね。彼は最初こそオスカル様を男だと思っていたようですが、女であることを知ってからは120%女性視していますよ。むしろオスカル様が女性と分かってからの方が・・・物凄く懐きっぷりがいいです。これは女好きとかいう下世話な感情から来るものでは勿論なく、もっともっと原始的な・・・女性ならではの包容力に魅せられているのです。実際オスカル様はフェル伯に母性本能を刺激されまくっておりますからね。
フェルゼンからガンガン女性視されることによって、彼女のオンナ力は半端ない程に鍛え上げられ、洗練されていったのです。
相互作用におけるこの二人の関係性は凄いですね。ごく・・・
と言うところで、聖母オスカル様の服装についてです。貴女パーポーのブラウスを着ていらっしゃる・・・何故!?この回だけのスペシャルです。しかしこれは勝負服というより、どちらかと言うと欲求不満が服装に出たのかもしれません。この人も結構分かりやすいとこありますよねー・・・、泣けてきます。んで、貴重なこのパーポーオスカル様。かなり本格的にフェル伯のことを愛し始めているようで、故に対応が微妙にギクシャクしておられます。18話ではあれほどまでに声を荒げ「愛してもいないのに結婚するのかフェルゼン!」などと積極的に詰め寄ったりもしていたオスカル様ですが・・・今回は無口です。前回どうしても納得がいかなかった点については、不倫がいいわけはありませんが彼はとにかく「愛しいと思う心に忠実な男」となりましたので、もうとやかく言えるものではない。それにオスカル様は「不倫はやめとけ」なんちゅう正論を頭ごなしに言えるような人ではないのです。とにかく気遣いのひとですからね・・・分かりきった台詞で相手を執拗に追い詰めるような事は彼女はしない。何を求めて彼は自分のもとへやって来るのか?そのあたりだって既に分かっているでしょうから、ホントに辛い立場だと思います。
で、やって来た彼を丁重に扱ってはみますが、お互い核心に触れる事を避けたやり取りをしているので空気は重く、特にフェル伯はまともに目を合わす事さえ出来ないのですから・・・アンドレでなくても「甘えんなよ、こら」となりましょう。しかしアンドレ・・・一体何個りんご食う気なんでしょうか?むしょうに手持ち無沙汰でりんごを弄んではみますが、すぐに食ってしまう為、何個も必要になるのです。こーゆー時に「りんごは美味いなぁ」なんて思ってるわけもなく、言いたいけど言えない思いを、自分の中で精一杯孤独に噛み締めているのでしょう。ああ苦々しい、このりんご。「おまえも食うか、ほれ」と苦いりんごをオスカル様に向かって放り投げ、パリの安酒場になんか行ってみろ。と達観してる風のアンドレ。これだけ見透かされているとオスカル様は益々何も言えません。まだ明るかった陽射しが夕暮れのそれになり、夕焼け空の下をあてもなく疾走するフェル伯の姿を脳裏に浮かべるオスカル様。
どれくらい長い時間、オスカル様とアンドレはそれぞれのやりきれない想いを抱きしめて窓辺にいたのでしょうか。彼が最後に漏らした台詞に、たまらなく振り返ったオスカル様・・・そう彼女はアンドレの気持ちに既に気付いているのです。そして自分がフェルゼンを想っていることをアンドレに知られている事にも気付いている。こーゆーのって明らかに37話の伏線ですね。
お互い、どうにもならない事を最後まで言葉に出すことはしませんが・・・気付いていて全部飲み込まねばならない辛さ、これは想像を絶すると思われます。振り向いて、オスカル様は何故「剣を取れ」と言ったんでしょうか?更に「たまには手加減抜きだ」「いいとも・・・俺も今日はそのつもりさ」とは一体・・・両者ともに「今まで自分はおまえに対して手加減をしてやってたんだ」と言うことなんでしょうか?
・・・手加減、してやって下さい。まだ道半ばの20話ですから。そんなに熱くなられては身が持ちません。
・・・っかーーー!!「忘れちまえ!フェルゼンのことなんか!!いや、忘れて欲しい・・・お願いだ・・・」ってよ~・・・ほぼ一貫して態度のでかい20話のアンドレですが、こーゆー従僕がいたら骨まで萌えちまうなぁーーー♪
長くなっておりますが魂の20話という事で大目にみて下さい。
はい!やっと出ました出崎の超オリジナルキャラ。ある意味アニばら随一のムードメーカーです。
吟遊詩人のおっさん。この人、本気で重いです・・・片足だし。でも、なんかいいんですよね~。まさかアコーディオンの流しで生計立ててるわけじゃあないと思うのですが、この人の歌でテンション下げたい人はパリの街に結構いるとみえて、定期的に現れては画面を暗く汚して去ってゆくという・・・初登場20話では珍しくファンの人に囲まれながら弾き語っておられます。このおっさんのサイン欲しいなぁ・・・。ってか、手相とか見て貰いたい感じです。めちゃくちゃ当たりそうだからねぇ。
なんかこの人の歌をバックに映し出される下層階級の人々の暮らしぶり、松本零士の作品に出てくる人たちみたい。機械の体を買えずに老いぼれていく我が身を嘆く生身の貧乏人&機械の体を手に入れたはいいけど、結局永遠に死ねない命はむなしいばかりで空虚に放電するしかない下級機械化人。私、もともとが非常にマイナー思考の持ち主らしく、こーゆー雰囲気がたまらなく好きなんです♪
ああさて、ところは麗しのベルサイユ。ようこそ昼食会へ。
・・・昼食会ってなんだろう?優雅に生演奏(この時代は生しかなかろう)を聴きながら、適当に何かをつまんで、どうでもよい噂話に花を咲かせ暇を潰そうという、有閑貴族のランチイベントのようですが、こんな場所にまでのこのこ現れてしまうんですね~フェルゼン伯爵。
言葉を交わさなくても逢引の誓いは固いようです。そんで、その日の夕暮れ間近・・・電話もメールもない時代のドタキャンは一体どうすればいいのか?はい、アントワネット様はオスカル様に恥を忍んで泣きつきました。アントワネット様の「あなただけが頼りなのです」、この間まではポリニャックに言っていた台詞ですよ。何故今回はオスカル様なのでしょうか・・・ポリはシャルロット嬢の件で打ちひしがれている為頼めないちゅうわけではなく、フェルゼンとのことは「何を今更」ですが本当に秘密にしおておきたい事なのでしょうね。憂さ晴らしの賭博や無駄話は取り巻きの誰とでもできますが、本当に大切な部分は触れられたくないはずです。だから、ベルサイユで唯一信頼しているひとにアントワネット様は頭を下げました。
オスカル様、損な役回りです。別に味方ってわけではないのだけど・・・断れるわけがありません。
そもそもこの不倫カップル、オスカル様というクッション材があるから成り立っているのです。
しかし当のオスカル様は・・・決してそのようには思ってないわけで。不倫だろうが何だろうが愛し愛される二人の間にはなんぴとたりとも立ち入ってはならない。頑ななまでにそう思っていらっしゃるんですね。とにかくどんな理由があろうと、そこに口を突っ込む事は許されない、言語道断だ!と思ってるのです。この人とことん真面目(?)だからよ~。うっうっうっ・・・
で、川べりでひとしきり悩んで語って涙して、一応の心の整理がついたところでやって来ましたフェルゼン邸。こんな土砂降りではオスカル様の伝言がなくとも逢引は無理だろ~と思うのですが、恋に盲目になっているフェル伯はアホみたいに朝まで待ってしまうかもしれません。てか彼、オスカル様に【ただアントワネット様の密使としてやって来た】以上の事を感じて猛烈胸に引っ掛かっているではないですか!?後に振り返る時、彼はアントワネット様とオスカル様を同じ比重で思い出し、語りかけている風ですし、なんなんでしょうか?・・・モテる男は辛いよねぇ・・・。
そして皆様、いよいよ20話のハイライトです!!
雨の中、雨の中・・・蛇の目ならず雨ガッパを持って、お迎えアンドレ登場ーーー!!
ここで彼が来たらなぁ・・・って、皆さん思いました?・・・実際は思う暇なかったでしょ!?私は初めて観た時ビックリしましたよ・・・まさかと思いましたから。そして心底グッときました。アンドレって凄い。
オスカル様にはちゃんと思い悩む時間を与えてあげないことには駄目なんです。でも、心が完全に折れてしまう前に彼は来るんです。
本当に絶妙なとこで迎えに来ますよね・・・
あああ~・・・オスカル様も視聴者も、彼にすがりついてドバッと泣いてしまいたい気分です。
アンドレよ・・・20話の真の主役は間違いなく貴方だ。
というわけで「何もかもお見通しだな・・・」ですよね。オスカル嬢は困ったような救われたような、なんとも言えない笑顔で応えます。
この時優しく見つめ返したアンドレの瞳を、オスカル様は何年か後の動乱の中で強烈に・・・強烈に思い出したことと思います。
あと20話って、馬を使った演出が素晴らしいんですよー・・・フェルゼンもオスカル様もアンドレも、悩む際には馬に乗り、懸命に何かを振り切ろうと大地を駆け抜けます。彼らの並々ならぬ想いはきっと馬たちに伝わっていますよね・・・こーゆー疾走感のある演出が大好きです。
で、場面は『来週』の夜になり・・・アンドレの見せ場パート2です。
馬車の用意なんて聞くと、ちょー下働き!と思わなくもないですが、アニメの彼はそーいった事もお仕事のひとつです。特に最近は雨が多くて(!)車輪の点検は手が抜けません。お疲れ~アンドレ。ちゅうところで「馬車の用意なんかしてくれるな」とオスカル様。「仮病を使って、私は今宵、舞踏会をサボります」と報告にやって来たようです。
どうしてわざわざそんな事言いに来たのかと言うと・・・
アンドレに背中を押して貰わなければ、動けないからです。
本気で行かない気なら何も言わずにただ行かなければいい。だからオスカル様はもともと行く気で・・・でも自分は凄く行きたくない!フェルゼンがアントワネット様とあーだこーだなんちゅう現場なんて見たくない!どいつもこいつも我儘ばっかり・・・私の気持ちはどうなる!?もうどうしていいか分からない!!と、誰かに大声で嘆きたかったんです。こういう事ってありますよね。凄くリアルな感情ですよ。そして、なんだかんだ言ってオスカル様とアンドレはいい関係なんだろうなぁーと思います。ちゃんと気持ちを汲み取ってあげてますからね、うまいこと操縦してます。「あははは~そいつはいいや!やってみようか」って、これまた絶妙に適当な返答がオスカル様を元気にしてます。「ふふふふ・・・・・こりゃー重装備で行かねばなるまい・・・畜生見てろよ~!あとどんくらいかかるの!?馬車の用意。今すぐ着替えてくるから早く表へまわせ」と、オスカル様はすんなり動けるようになるのです。
アンドレの力は計り知れません・・・
彼はオスカル様専用人間トランキライザーですからね!
重装備=初めての礼装というバリバリイレギュラーな格好で現れたオスカル様、「恐れながら、風は西からも東からも吹きそよぐものでございます」ってアニメのオリジナルですが・・・プロの脚本家さんは流石うまいこと言いますね。非常にアニメのオスカル様っぽい台詞なので間違いなく名言だと思います。
んで、そろそろ〆に参りたいと思いますが、20話のラスト。
これはもう・・・筆舌に尽くし難い程に泣かせる展開となっております。このアイデア、アニメの神様が降臨されたのでしょう。有り得ない程によく出来てます。朝もやで始まって朝もやで終わるアニばら20話。奇跡のように繊細な水っけが画面から本気で滲み出しています。
オスカル様の背中をさすって撫でて、優しく押してやるのがアンドレならば、フェルゼンにそうしてやるのはオスカル様なのです。
彼はハッキリと決断しました。遠く数千マイルの海の彼方、命の保証のない世界へ私は逃げるぞ!という・・・女たちの心を半永久的に人質に取り、まったくとんでもねえ~スタンドプレーに出た恐怖の色男ハンス・アクセル・フォン・フェルゼン!!!
ド、ド、ド、ドラマチック過ぎる~~~(号泣)・・・フェルゼン、あんたってヤバいよね。。。。。
早朝の川べりシーンからラストまで途切れずバックに流れる『優しさの贈り物』という音楽・・・見事でした。
アントワネット様もオスカル様も、フェルゼンが出発してしまう哀しみは号泣してどうなる類のものではありません。彼のつけた【けじめ】は残された人々の心に大きな大きな穴を開け、これから7年間、彼は常にその穴の中を吹き渡る特別な風であり続けるのですから、たいしたもんです。
ブラボーアニばら!天晴れアニばらっ!!
もう、どうにでもして・・・という心境だよ!!!!!!
「アメリカか・・・思い切ったな、フェルゼンも。送りに行かなくていいのか・・・遠征軍の出発は今日だぞ」
あまりの展開に今度ばかりはオスカル様の背中をうまいこと押してやることが叶わなかったアンドレ。強烈に後ろ髪を引かれながら、席を立つのが精一杯でした。
みんなみんな・・・可哀相ですね。こんなに複雑な人間関係ってあるでしょうか?
死ぬな、フェルゼン!!!何が何でも生きて帰って来て下さいよーーー・・・てか、長っ!!読んでくれた皆様、ホントに感謝致します。実はジャルジェ家は意外と南国趣味ちゅう脱線した話題もあったのですが・・・また今度にします。いえ、窓際にソテツがあるんだもん。ありゃ熱帯・亜熱帯に生育する植物です。
熱いのーーー!そりゃあの熱さですからね。ソテツでも椰子の木でもバリバリ育ちましょう。アニばらの熱さ万歳・・・ つづく。
アニばら後半戦に突入~!で、主演女優が一旦交代です。
ロマンの絶頂から・・・ようこそダークな世界へ。
第21話 「黒ばらは夜ひらく」
はい!アニばらワールド、この回から後半戦となります。
第21話「黒ばらは夜ひらく」・・・タイトルからして、いかにもよくない感じですね。原作を知らない人が聞いても「あー、なんか嫌な予感がするね」ってなもんです。で、想像通り、よくない要素てんこ盛り盛り~で後半戦の火蓋は切って落とされるのです。
首飾り事件勃発・・・ひえぇぇぇ~~~~~・・・
あーさてさて、涙涙のグランドロマンから物語は一気に暗転。超デンジャラスモードで己が『少女モノ』であることをガンガン忘れて突っ走っていく『アニメ・ベルサイユのばら』・・・大丈夫なんでしょうか・・・?
まず、主演女優が一旦“白ばら”から“黒ばら”へ。つまりはオスカル様からジャンヌ姉さんへとバトンタッチされます。
この二人、両者ともに激しい星のもとで逞しく生きる美しい女人ではありますが、いかんせんタイプが違います。
ちなみに原作だと二人の年齢、どういう設定なのかよく分かりませんが、アニメでは同い年です(必殺断定)。
どっちが年上でどっちが年下ということはない。オスカル様とジャンヌ姉さんはタメです。同じ時間を全く異なる環境で生きてきた女たちの、これから苛酷な戦いが始まります。もちろん、アントワネット様も含めてでございますよ~!
ジャンヌというキャラクター。私は彼女が大好きです!
当然彼女はヒール。ことごとく真っ当な生き方を選ばないので彼女に近寄った者は長生きできません。ある者は踏み台にされ、またある者は道連れにされ~うっかり僕となったものは漏れなく、その人生を蝕まれます。
危険極まりない・・・そう!ジャンヌは“美しい悪魔”なのです!
それなのに、ああそれなのに!!私はベルファンの間で「わたしジャンヌって嫌い」と言う人を知りません。ジャンヌ・・・恐ろしい女です。どうしようもない悪女であるにも関わらず貴女にたまらなくシンパシー・・・チンパンジーではありません。シンパシー=同情、共感です。
くだらない事を時々織り込んで、息抜きしながらやりましょう。でないとここから先のアニばらはTooヘヴィ~・・・とても身がもたないんですけど出崎さん。という展開なのです。
で、ジャンヌです。ここから先何話かは、まさしく彼女のためのヒールの花道・・・「レディ~ス アンド ジェントルメ~ン!ジャンヌ・オン・ステーーージ!!!」と叫びたくなる程の画面は黒ばらモード。
神をあざ笑い、道徳を無視し、君よ走れっ!!!
調子よく盛り上げてる場合ではありません。オスカル様に怒られます。
しかしですね、ジャンヌのこの存在感、人気の高さは怒ってどうなるものではありません。この人は人を惹き付ける。どう見ても彼女は魅力的です・背徳の香りに包まれ、眺める物語はジャンヌこそがヒロイン・・・(束の間の)
という事で、その魅力についてぼちぼち検証していきましょう。
まずは21話導入部、こーゆー妖しくアンニュイなムードは前回、前々回から引き続いての感がありますが、出て来る人に雲泥の差があります。アントワネット様にのぼせ上がってしまったのは同じですが、哀しいかな、このキャラクター設定の落差よ!
フェルゼン伯遠征につき、今回からローアン大司教を投入します。
テンション下がりますね・・・そりゃ当然、無理もありません。
しかし、この男・・・こいつってアニばらを議論する上では相当重要な人物なんですよ。
ベルばらというストーリーの中、与えられた役割は同じはずですが・・・こいつってば原作のそれじゃない。どんなに滑稽な仕草もアニメのローアンは怖いです。全然笑えない。
首飾り事件、原作から受ける印象だとサスペンス半分、ユーモア半分。ローアン大司教ってコロコロとした結構可愛らしいキャラクターですよ。ところがどっこいアニメのこいつは病的です。女帝陛下が毛嫌いしたくなる気持ちも分かるわぁ・・・
ぁ~あ、らんぱっぱ♪らんぱっぱぁ♪
ルイ・ド・ローアンよ!あんた、ユーモアのすべてを何処へ置いて来た?
アニばらの冗談通じない世界観が、ローアン大司教には如実に表れています。ゆえに、萌え。
こーゆーダークな画面が好きで、私は舐めるようにアニばらを観ております。
賭博場を近衛の制服で歩き回るという、まったくTPOをわきまえないダメダメな夫を従え、「勝負!!」と一発気合いのジャンヌ姉さん。OP映像をはさんで、ローアンとの密談はあろうことかステンドグラス美しい神聖な教会内です。こんな煩悩じゅくじゅくのお願い事を、神様が聞き入れてくれると思ってるんでしょうか?こんな男が“僧侶としてフランス最高の地位にある男”と言うのだから、世も末ですね。
場面変わりまして~・・・涼やかな潮風を感じて、やって来ました。
ここって何処!?ノルマンディーです。
ノルマンディー・・・ジャルジェ家はここに別荘があるらしく。
この設定はアニメのオリジナルです。
何故ノルマンディーなのでしょうか?これについては1979年のアニばら放送開始の少し前、公募で実現されたルパン三世『ベルサイユに愛は燃えた』が大いに関係していると思うのです。あの作品で相当印象的な形でノルマンディーは出て来ましたから。同じ制作会社ですからね、いろいろと関連することがあるのでしょう。
で、ノルマンディーですが・・・ネットでチラッと調べました。
そしたらですねーけっこう複雑な意図があるのかもしれませんよ。海、確かに海を出したいのならノルマンディーは都合が良かったかもしれません。パリからまぁまぁ便利で近い距離に位置しています。フェル伯が軍艦ジャゾン号に乗り出征したブレストの港よりも、別荘は至近にあるという事になります。
更に、ノルマンディーという名前からも分かるように、この地は北欧と深い関係があるのです。長くこの地を領有していたノルマンディー公は北欧のバイキングの末裔だそうですよ。それとここは地形的、気候的にぶどうが収穫しにくい地域らしく、代わりに『りんごのお酒』が名産ということで!・・・ビンゴ。
別コンテンツの劇場にて、勝手にこじつけ、妄想しちゃいました♪
で、まとまった休暇でも取れたのでしょうか、やって来たノルマンディー。「オスカル様、お茶が入りました」の声で、なんだお前も居たのかロザリーよ。ややガッカリしますが、そりゃそうですね。傷心のオスカル様とアンドレを、こんなところで二人っきりにしては大変なことになりましょう、大変なことになるのはもうちょっと後に取っておきましょう。てか、今は駄目です・・・オスカル様の頭の中にあるのはフェルゼンのことのみ。どんな気分転換を試みたところで、ふとした瞬間に、彼女のココロは遠く数千マイルの彼方へブッ飛ぶのです。
ひゅ~るり~~ひゅ~るり~~らら~~・・・・・
それはそうと、海岸を馬で駆けるオスカル様とアンドレ。
・・・これこれ、これですよ・・・(涙)
やや逆光の海岸線を馬で疾走するオスカル様とアンドレに、早くも目頭が熱くなります。
ホントにロザリーが邪魔じゃのう(怒)
ってところで、前方に負のオーラ全開で佇む黒い女発見。
ジャンヌ姉さん!?髪質変わっての登場です。
賭博で儲けたお金で縮毛矯正でもほどこしたんでしょうか?見事なストレートヘアーです。ブロンドもいいけどブルネットもええなぁ~。で、ベルサイユからわざわざ賄賂をお届けに来ました。なジャンヌ姉さん、自分では持てないくらいの金貨の量なので、ロバにしょわせています。渋いのう!でも、まったく歓迎されず鞭でブッ叩かれてしまうのだからロバも気の毒です。フガッ~~~(啼き)!!
この場面、いいですねぇ・・・明るい陽のもと雄大な自然をバックに、ジャンヌの堂々かつエレガントな賄賂贈呈。拒否するでしょう・・・そりゃ当然オスカル様は拒否するでしょう。しかし「お上品ですこと・・・」から始まるジャンヌの捨て台詞もなかなか魅力的です。「貴女みたいな人はよくいるけど、あたしが一番魅力を感じない種類の人だわ」って、贈賄に失敗した姉さんはバカ笑いです。開き直るの早っ!!
その後も魅力的なジャンヌの独壇場は続きます。
まずは久し振りに再会したロザリーに・・・・・姉さんってば酔っ払ってるんでしょうか?燦燦と降り注ぐ太陽などものともしない気だるさぶりにロザリーはタジタジです。「お腹を空かせたあのみじめな昔を思えば、あたしたちが何をしたって神様は許してくれるわよ」って、やり手姉妹の愛憎劇に溜め息が出ますね。
場面は転換し、次はカモの本命、ローアン大司教がお相手です。面白いほど簡単に騙される男なので、あまり騙し甲斐もないような気もしますが・・・こんな奴にオスカル・フランソワは金で動く人間だと誤解されるのは、流石に腹が立ちますね。
まぁ・・・しばらく様子をみることにしましょう。
ジャンヌ・・・彼女ほどの器量があれば、もっと正攻法で、裕福な男を捕まえてフツーに優雅な暮らしができたはずです。しかし要はギャンブラーなのでしょう。常にスリリングな展開を求めてやまないのです。
で、そのパートナーは安定していますね、ニコラスです。
この男のどこがそんなに使えるのか分かりませんが、ご夫婦のことですから。きっといろいろと、離れ難い理由があるんでしょうね。悪態つきながらもピッタリ一緒に居る二人を見ていると“ベストカップル”と思わなくもない。髪を結い上げながらオスカル様をソフト罵倒するジャンヌ姉さん、とってもセクシーでございました。
はい。次はマークされてるらしいオスカル様のご登場、近衛の訓練風景が見られます。
こっちがマークしてるっちゅうねん。
あの男=ニコラスに注目するオスカル様。ジェローデルに軽くプロフィールを訊いて頷きます。ニコラス、ジャンヌ、ローアンが~・・・はい、繋がりました。
オスカル様の中で、亡きブーレンビリエ侯爵夫人の葬儀の時に感じた嫌な予感が、再び鎌首持ち上げた音がしましたね。
ところでニコラス・ド・ラモット氏、妻の作戦が失敗し注目だけ浴びる結果になりましたが、これも恐らく想定の範囲内だと思います。
ジャンヌは悪事を働く際にあまりコソコソしませんし、むしろ賄賂の一件は宣戦布告だったといっていい。ニコラスは何が起きようと何も分かってない男なので、まぁどうでもいいんですけど~。
その後もオスカル様の名を語り、ジャンヌはがんがんローアンを騙していきます。ヒール人口も増え続け、偽レターを書きにレトー登場!貴女のためなら何でも致しますな面子の見栄えが明らかにオスカル様のそれより劣るジャンヌ陣営ですが、レトーの気持ち悪さも私はキライではありません。けっこう仕事人みたいですしね。
とんとん拍子に騙され、じゃんじゃん金を放出するローアンにジャンヌはなんだか退屈そうです。ウォッカをラッパ飲み~で豪快&色っぽい彼女ですが・・・そろそろスリルが欲しくなってきましたね?そんな時、アホなローアンが行動してくれましたので、次のステップに進む良い機会となりました。てか、「は?」なオスカル様ともっとお話していれば・・・あるいは首飾り事件は避けられたかもしれません。「は?」なオスカル様、なんかいいですよねー(萌え)
さて、次のステップへの準備をしましょう!妻の豪快さにビビッてつべこべ言うダメ夫を連れて・・・てか、こんな時にも近衛の制服で来ちゃうニコラスってどうなんでしょうか?他に服持ってないのかよ~バカですね。そりゃまぁいいとして、扉を開けて、衝撃のご対面です!
ようこそ!いらっしゃいました。どうぞゆっくり遊んでらして下さい。一晩でたったの10スウ。先払いが決まりです。それだけを人形のように繰り返す盲目の娼婦はなんとアントワネット様そっくり。大変痛ましい場面ですが、ドッペルゲンガー!?な鮮烈さで物語のなかなか美味しいスパイスです。
そして経つこと4週間。いよいよ、後戻りできない段階へとジャンヌは突き進みます。
アントワネット様の扮装をさせた娼婦にローアンを引き合わせ、決定的にローアンの財布を骨抜きに・・・ってところで、邪魔者登場ーーー!
オスカル隊長です。流石のジャンヌも焦ったようですよ・・・走った先が行き止まりと分かると、ニコラスと偽王妃だけを逃がし、自分は近衛連隊長に挑む覚悟で引き返していきます。しかし残念、ここで詰問する理由が(あまり)ありませんでした。
運河で水音がしたようだが・・・
さぁ?魚でも跳ねたんじゃ?
おのれ、隠し事すんなっーーー!!
でいきなり拘束は、いくら天下の近衛連隊長といえども過剰反応だと責められましょうから。
オスカル様を責めないで下さい。いきなり短剣で襲われなかっただけでも、この場面はよかったです。
しかし・・・ラスト止め絵のジャンヌの怖さときたらっ!!
ホラーです。ナイトメアーなんとかのキャラクターです、これじゃ~。
どきどきどき・・・首飾り事件にきて若干テンションが下がるかと懸念しましたが・・・やっぱアニばらは面白いです。次回以降も張り切って突っ込んでいきますので、皆様後半もどうぞよろしくお願い致します。つづく!!
恐ろしい・・・恐ろしい程に展開が速いです。無情に流れる年月よっ!!
キャラクターみんなの青春はどうなるのだ~!?
第22話 「首飾りは不吉な輝き」
今回のタイムスリップ度は~、凄いです。
いや、実際には王后陛下が王太子殿下をお産みになられたのは1781年との解説がありますので、主要キャラはまだ25、6歳というところでしょう。ならば、フェルゼン伯が遠征されてから3年ちょいくらいしか経っていないわけで。3年間の空白ならばそれ程騒ぐ事ではありません。過去それ以上に時間をすっ飛ばした事もありました。
と言うか・・・原作からして「ベルサイユのばら」とはそーゆー物語です。
例えば、あだち充氏の「タッチ」なんかだと「たった数秒の出来事にあんたどんだけページをさくつもり?」と、ストーリー展開のそのキメ細かさ、長ったらしさに思わず白髪が生えそうになりますが、我らがベルばら世界は、適当です。
ストーリーは高校3年間の恋愛と兄弟愛、そしてTHE甲子園よりも明らかに複雑で壮大な“人生まるごと”をテーマにしていながら、巻数たったの10巻。うち1巻は外伝であり、更にオスカル様は8巻半ばで逝ってしまわれる。なので・・・早い!早い!!とにかくボーーーとしている時間がありません!その展開の速さときたら音速を超え、殆ど光の速さで地球を7週半。それくらいに、ベルばらは巻いて巻いて~ひたすら着地点目指して突っ走るのです。
というわけで、つべこべ言いましたが・・・今回の展開、速いです。何故それ程までに速く感じるのか!?冒頭でちょっと書いちゃいましたが、ってか皆様当たり前に御承知の事なのですが、母になられるのですね、アントワネット様が。
それはまぁいいんです。問題はお子様が~・・・複数いる!?
王太子殿下の誕生が重要なことは分かりますがマリー・テレーズ様の誕生がこうまで綺麗さっぱりスルーされていた事には、やはり驚いていいんじゃないでしょうか?
というわけで、驚愕のうちに始まった第22話。「首飾りは不吉な輝き」です。
冒頭、懐かしい方々が登場しますね・・・ルイ15世陛下とデュバリー夫人!回想の絵画となられても、この方々の不敵な笑みは健在です。いやぁ~無茶苦茶ですね・・・諸悪の根源であるこの“首飾り”。ルイ15世が急逝していなければ、デュバリー夫人の手に渡っていたというのですから庶民の怒りも再燃!といったところです。そう言えば、思い出して下さい。13話の冒頭で登場した場違いなまでに立派な首飾り!・・・今思えば、あれがこれなのですよ!と言えばストーリー的にもうまく繋がろうかと思うのですが残念ながら別物でした。デザインが全然違います。
あの時代からフランスの財政には相当な翳りが射していたと思うのですが、ルイ15世ときたら高価な品をホントに次から次へと、性格の悪い愛人に買い与えていたんですねぇ・・・
というところで、お侘びをひとつ。13話の観察日記で私は別物の首飾りを堂々と「160万リーブルの首飾り」と間違えてます!
お恥ずかし~~~(赤面)思い込みとは恐ろしいものですね・・・どうもすいませんでした(土下座)!自戒の意味も込め、恥ずかしいコメントはそのままにしときます。時を経て・・・バカじゃん!と、どうか皆様、突っ込み罵って下さいませ~☆
で、気を取り直して・・・本物の首飾りです。
160万リーブル、今の日本円でざっと192億円って事ですが、そんな高額な首飾り、一介の宝石商で用意できたっちゅうのがまず不思議です。だってべメールですよ。この人、見るからに貧相・・・とてもね、そんな商才があるようには見えないです。192億円というのはボッタくりに違いない。悪い奴め!貴様も今日からヒールグループだ!
で、192億円という、法外も法外。目の玉が何度飛び出しても足りないというくらいにお高い首飾りでございます。うぬぬぬ~・・・こんなものを買う余裕があったら、他にいくらでも着手しなけりゃいけない公共事業がありましょう。まず、ベルサイユ宮殿とパリの街に、お便所を完備して下さい。全てはそれからです。
というわけで、アントワネット様。流石にお買い上げを断念されました。
OP映像を挟んで、はい今回のサブタイトルの入り方はちょっと変わっています。すぐに出ないんですね。まず王后陛下ご懐妊の報せがあり、王太子を無事出産!喜びの花火と共に~・・・はい、不吉なサブタイトルは打ち上げられます。
ひとの幸せを一緒に喜んであげられる人というのは、いい人ですね。
この時、フランス中の人がいい人でした。
王位継承者が誕生し、安定した国家が築かれるというのは国民にとって、そりゃー嬉しいことかもしれませんが・・・それで嬉しがれるのはまだほんの少し、気持ちに余裕があった証拠です。
オスカル様もパリ市民も、この時ばかりは浪花のひと。阪神優勝時の、ここはまるで道頓堀の喧騒ようだ。これでもかと沸き立つ束の間の、幸せな幸せなお祭り騒ぎなのでした。しかし、なんだかオスカル様の目が虚ろ気味。酔っ払って目が据わっているだけなのか、はたまた・・・一旦忘れはしても、いろいろと心配事が山積みなこの時期です。無理もないですね・・・今だけ飲み干しちまって下さい、オスカル様。
で・・・BGMは勿論この人!
「飲もうぜ、みんな。今のうちだ・・・もうすぐ俺たちはビールの代わりに銃を持たなきゃならない。飲もうぜ、みんな、今のうちだ。味気のないスープも、重い税金も、みんなみんな飲み干しちまえばいい・・・」
・・・・・暗いっ!預言者兼吟遊詩人のおっさん・・・祭りの最中だというのに、一切キャラ崩しません。暗いです。
今日は一人のギャラリーもなく地下水路みたいな場所で何やってんでしょうか?ま、これがこのおっさんのスタイルなので、暫しほっときましょう。
場面変わりまして、美しい母子の交流です。
二児の母になられて、アントワネット様はすっかり『子育て原理主義者』と相成りました。
子供との時間を大切にする事は素晴らしいことには違いありませんが原理主義は戴けません。あなたは一国の女王なのです。子供と戯れる以外にもお仕事はありましょう。
・・・そんな説教、する人が悪いと言わんばかりの、ここは幸せいっぱい、穏やかで心安らぐ場面ですね。お召しなっているドレスなどもすっかり落ち着いて、優しい“ママン”って感じです。
しかし!それはそれ、これはこれ!アントワネット様はやはり御自分の立場というものを分かってらっしゃらない!!
裕福な旦那に養われ自分の家庭だけを守ってりゃいい一般的な専業主婦だったとしたら、アントワネット様は素晴らしい程の変貌を遂げられました。しかし、公務を全面的に放り出す事態になるとは・・・子供が生まれた事が良かったのか悪かったのかさえ怪しくなります。とは言っても人間ですからね、少しの期間、育児休暇を戴く程度にしとけば良かったのに。それでは済まないアントワネット様は政治的な責任を全て放棄して、トリアノンへ引き籠もります。
さて、貴族のたしなみとして楽器のひとつやふたつ、皆様演奏できて当然。なのかどうかは分かりませんが・・・オスカル様は気持ちがささくれ立って来ると鍵盤をブッ叩きます。
アニメのオスカル様はヴァイオリンではなく、ピアノを弾かれるのですね。ここの変更、「オル窓じゃなし、なんであんたピアノ弾いてんのさ」などと安易に突っ込んではいけませんよ。これはアニばらの演出上なかなか深い意味があっての事なのです。
ヴァイオリンでは出来ないカッコいい演出が、この先待っています♪
楽しみにしていましょう。
そのオスカル様の、テンポはいいけど鬱々とした演奏をバックに、アンドレはあえて良くない状況報告をして聞かせます。・・・どうです?背景屋さんのこの仕事!燃えるような夕焼け空を何層にも連なった重たい雲が流れていく・・・
これぞアニばら世界の妖しさっ!美しさよっ!・・・合掌。
「やめてくれアンドレ!聞きたくない、そんな話は・・・」ってところで、ガッーーーン!!!とピアノに八つ当たり(注:ここでは夕焼け空の下での会話を思い出しているんですね)。恐らく、アニメのアンドレはピアノの調律ができるのでしょう。このあたりになるとオスカル様はピアニスト化して辛い感情を表現される事が多くなり、故に音律狂いがちでしょうから。・・・お可哀相なお嬢様・・・うっうっうっ・・・。
演奏をやめ、窓辺に立ったオスカル様。ガラスに映った表情はなんとも複雑です。
「お子達と無邪気に遊ばれるお姿を見たか。久しくお目にかかった事のない明るい笑顔をなさっている。それだけでも喜ばしいことではないか」・・・この台詞!
・・・この場面の田島令子さんの巧さには泣けます。
アンドレからの警告を途中で遮り、なおかつこんな事を言って・・・言い方次第では「護衛の先頭にいるあんたが何ゆるいこと言ってんの!?」と思われ呆れられても仕方のない場面です。しかし、田島令子さんが巧いのでそうはなりません。
オスカル様だって分かっているのです。わざわざアンドレに言われなくても・・・と言うか、アンドレにすら不信感を抱かせるまでになっているアントワネット様の振る舞いに、彼女は心底胸を傷めているのです。
だから・・・追い討ちをかけるような事をそれ以上言うな!と。
アントワネット様を愛してますから・・・オスカル様はアントワネット様を愛してますから、想いは複雑です。刻一刻と事態は悪くなりますからね、ゆっくり見守っている時間はないのです。そーゆー暗澹たる想いを、空は汲み取ってか取らずか・・・窓ガラスを雨が叩きます。
そして場面はオーストリアへ。こちらも雨が降りしきる中、マリア・テレジア様が息を引き取ります。あれは玉座でしょうか?愛する娘の身を案じつつ、物凄い毅然とした死にっぷりに頭が下がりました。アーメン・・・
母を想って涙を流すアントワネット様に・・・
母の死に際の想いは、直ぐには届きません。残念ですね・・・残念です。
さぁ!気を取り直して次へ行きましょう!!出た。首飾りです。
ここでのベメールの台詞から、イントロの場面とAパートの部分の間には4年の歳月が流れていたことが改めて判明しました。しかし、貧相さに進歩や改善はなし。ベメールは宝石商の意地で何がなんでもアントワネット様に首飾りを売りつけたい様子ですが、じゃ~値下げしろよ。90%OFFくらいにしたってまだ法外なこの首飾り。よりによってジャンヌの元へ運んで来るのだから、こいつってば貧相な上に最悪です。そしてそれを立ち聞く夫ニコラス、まだ近衛に在籍できているんですね。そりゃまぁいいんですが、あくまで軍服大好きな男です。
んで、呼び出しました、ローアン大司教。あれ以来4年間騙され続けているんですから~、まぁたいしたもんです。例によって教会の暗闇で・・・密約成立★
192億円の保証人を下心満々意気揚々と引き受けるローアン、4年間コンスタントに偽レターを執筆していたであろう廃人レトー、“意地で押し売る”が座右の銘な崖っぷち商人ベメール、国外にも十中八九近衛の制服で逃げたであろう‘ノンTPO野郎’ニコラス。
どうしようもない男が4人も集まれば、物凄い犯罪が成立するもんです。
場面変わりま~す♪はい、こちら。地味ですが、キレた貴族に絡まれるオスカル様のこーゆー風景・・・なんだかとってもイイと思いませんか?
責任放棄したアントワネット様のおかげで、近衛連隊は宮廷の人柱です。
恐らく毎日、何十人何百人という貴族から、詰問され怒鳴られ唾を飛ばされ【お客様相談室】で必死にクレーム対応しているかのごとく疲労困憊気味なオスカル様とジェローデル・・・何故かそーゆー妄想に萌えてしまう私は超マイノリティです。つっても、やはり天下の近衛連隊ですから、頭を下げるのはある程度まで。度を越して居座ったり凄んだりするお客様には「お引取り願う」の一言で摘み出します。放せっちゅ~の!近衛連隊長自らが「まぁまぁ、気分転換に外で一杯♪」とか言うのなら・・・気分よく帰ってやってもいいものを。そうじゃないのなら、も~知らん!二度とベルサイユになんか来るもんか!!とまぁ宮廷は大変なことになっています。
嗚呼さてさて。22話の萌えシーンはこの後も続々と登場します。
今回のBパート、見どころ豊富!いいわぁー・・・・・
又も夕暮れの場面からピアニストオスカル様の流れで・・・今回はアンドレ、良い報告をします。なんとイギリスがアメリカの独立を認めた!というではありませんか。遥かなる米大陸からパリの街へ!続々と遠征軍が帰ってきていると言うのです・・・当然、オスカル様はフェルゼン伯に想いを馳せます。しかし、意外にも言葉にされたのは「明日、トリアノンへ行って、王妃様にご進言してみる」と言う単なる業務連絡でした。フェルゼンの帰還に備えて、あるいは拗れた状況を少しでも改善しておいた方がよい。との思いがあったのかもしれません。何はともあれ、オスカル様はトリアノンへ伺候されました。
そこで、オスカル様は何をされましたか?言いましたか?・・・何も・・・。です。
そう・・・カラダの98%位を“気遣い”で形成されていると思われるアニメのオスカル様は、案の定何も言えずに、すごすご帰って来てしまいました。
辛い辛い辛い・・・オスカル様がヘコんでいる姿を見るのは辛い。身を斬られるような痛みを覚えます・・・。
アンドレだって同じでしょう・・・この時彼は間違っても「おまえさ~、一体何しに行ったんだよぉ」とかは思ってないわけで、二人に圧し掛かるこの空気感、明らかに地球の重力を越えて重たいです。ずど~~~・・・ん。
ちゅうところで、更にこんなん出ましたけど。泣きっ!
遠征軍の生き残り・・・俺だけ帰って来ちまって、申し訳ねえ・・・申し訳ねえぇ・・・という哀の雰囲気むんむんで佇む男。戦友の形見を遺族に届けてやらなきゃならねえもんで・・・という、禁句をガンガン出して、この人はオスカル様を決定的に追い詰めました。
後ろに控えるアンドレ、これはまずいと馬を降り、丁寧に道案内をしてあげます。足を負傷した兵隊さんを自分の代わりに馬に乗せてあげたみたいですしね。当たり前の行動かもしれませんが、なかなか出来ないことです。
・・・うぁあーーー!!飲まずにいられないっっ!!!!!!
ちゅうことで、アニメのオスカル様には大変珍しいことです。
やけ酒かっくらいにやって来ました。
フェルゼンが過去連れて行って貰えなかったパリの安酒場でございます。
飲まれるのは・・・おビールなんですね?とりあえずビールなのではなく、なんだかビールのみを大量に流し込んでおられる模様。ああ~・・・せめて枝豆を差し入れてさしあげたい・・・涙。
せっかく飲んでもねぇ、アンドレの一言が又たまらなく酔いを醒ますのです。つっても素敵なんですよ。この心遣い、なんで今オスカル様がこんな所でこんな酒をこんな風に飲んでなきゃならねーのか?彼は全てを分かって、傍らに居るのです・・・
そして「何を言っている?何の話だ?いきなり・・・」この喋り方!!!
ここ死ぬほど聴いて下さい。
田島令子さんのお芝居に寒イボ立ちます。
サクランボの“アニオスベスト”で相当上位にランクされるのがここでして。気を入れて5回位リピートすると・・・もぅ、田島令子さん以外のオスカル様は受け入れられなくなります。それ程にこの瞬間の演技は凄い。オスカル様のどうしようもない精神状態が、何てことない台詞に全部表れてます。ぶるぶるぶる(震撼)
というわけで魂の表現者、田島オスカル隊長。その素敵な飲みっぷりに感動したオヤジが一名、カウンターからフラフラと寄って来ました。この後サンドバッグになるのも知らないで・・・くわばらくわばら♪
機嫌よくすすめたビールを、渋く「結構」と断ったオスカル様にカチンときちゃったオヤジは、意外なことにケッコーな詩人です。「見れば見るほど驚きだ。ゼウスもヨダレを垂らしそうな程お美しい兵隊さんだぜ、こりゃ」とかなんとかオツな事をほざきながら髪の毛つかんで無理強いしちゃったから、サァ大変!!
バッキーーーッ☆★☆!!
右手で手をはらい、左手で構えたかと思ったら、何故か結果は右ストレート!な神業パンチで、アッという間にテーブルの向こうへにブッ飛ばされてしまいました~♪
きゃぁぁぁーーー・・・ス・テ・キ(ポワァン)!!
オスカル様とは絶対夫婦喧嘩したくないですね。今回セコンドのアンドレは「あ~あ・・・」ってなもんです。しかし、どこまでも理性的な田島オスカル様ですからね、怒髪天突いてはいても台詞の調子はあくまで品がよく、凶暴という印象よりかは・・・
アナタって何しても色っぽいのよねっ♪
ちゅうところで、こちらも甘いです!魅惑のボイス・・・森功至さんってホントに素敵な声してますね~。一瞬「藤堂さん!?」かと思って振り向きましたら・・・うっ。・・・この人、アラスから今日まで、一体どんな辛酸舐めて来たのでしょうか?甘いのは声だけ・・・おぼこい面影はすっかり消え失せ、座る男は“THE・ミドルエイジど真ん中”です。
・・・ロベスピエール・・・
どっかで見たことのあるような新聞記者を連れ、安酒場で一杯引っ掛けていた甲斐がありました。
てか、貴様が余計な一言をほざくから乱闘騒ぎに発展したんだろうがっ!!
まったく酷い弁護士が居たもんです。
こーゆー場合、奴はどんな罪になるのでしょうか?こちらも弁護士を雇って、訴訟のひとつも起こしてやろうかってなもんです。
そーゆーわけで、はい。パリの酒場でヤケクソde大乱闘とくれば・・・原作ではその後「きゃっ~!」な名場面がありますね。それ、アニメでは割愛だから。アンドレくん、残念でしたーーーっ!なのですが、物足りない箇所があれば勝手に妄想して付け加えればよいのです♪それが“自由”でなくて何なのだ!!
けれど、ここの雰囲気もね、私はこれだけだったとしても決して物足りなくはないんです。渋い、い~い味出てますよ・・・アニばらのこーゆームード、私は大好きです。
馬がいて・・・彼らはいつも一緒なんですよね。この場面観ていて「なんで乗らないのかな?」って思うんです。怪我して足を引きずるようにして歩くくらいなら、少し痛いの我慢して、馬に乗ってとっとと帰ればいいじゃないですか?でも、そうしないんですよ。たまらなく人肌恋しい想いがあるんじゃないですかね・・・アンドレもオスカル様も。切ないっーーー!!
あたしゃチッスの100倍切ないですよ・・・(嗚咽)
と言うわけで、盛り上がった第22話後半戦。〆は首飾り事件にアテンションプリーズという事で。ベメールのからの催促状なんかは燃やしてしまいましょう。
証拠隠滅でもなんでもありません。ベメールなんか心底相手にされていないのです。
意地で押し売りする事の怖さを・・・
彼は次回、嫌と言うほど思い知ることになりましょう。ほほほ~★ つづく!!
再び、ジャンヌが暴れます。今回のステージは泣く子も黙るパリ高等法院!!
ああ姉さん・・・!嘘の数々、ついてついてつきまくれ~っ!!
第23話 「ずる賢くてたくましく!」
直球なタイトルです。
そう、ジャンヌはずる賢くてたくましい・・・クレバーでタフで、とにかくしょうもない彼女のこのバッドガールっぷり!!しかし「こんな悪人の生き様、なんの参考にもならないわっ!」などと吐き捨ててしまってはいけません。
大丈夫ですね?アニばら好きの皆さんは既にお分かりでしょう・・・
ジャンヌのこの不屈の精神力、地獄の間欠泉のごとく無限に溢れくるバイタリティー。
これこそが生物が生きていくうえで実は最も大切なことなのです。
ああ人生はサバイバル。そう、ジャンヌの方向性はどう好意的に見たって間違ってます。こんな人、許していいわけがない。それでも貴女と共に踊りたいっ!!人生のサッバイバル・ダ~ンス♪サッバイバル・ダ~~ンス♪♪
うははー悪女はおもろい。こんなところで熱狂し、テンション上がりまくってしまう私は、この世に生を受ける前からアニばらファンだったのです、きっと☆
という事で、冒頭からガッチリつかんで行きましょう!
前回160万リーブルの首飾りをビタ一文値引きせず、マリーアントワネット様に意地で押し売ったパリの宝石商ベメール。
こいつの断末魔の叫びから第23話は始まります。
うざいですね、ハッキリ言って。「あんた自業自得っ!」の一言で近衛連隊の皆様には大事になる前にとっとと摘み出して戴きたかった。
160万リーブルもの契約を、いくら保証人がいるからといって契約者ご本人に一切の確認もせずに成立させたあんたのミスです。
潔く破産しておしまいなさいよ。と、オスカル隊長には啖呵のひとつもきって戴きたい!
それなのに~・・・残念。ベメールが破産して済む問題ではありませんでした。
ことはフランス犯罪史上あまりにも名高い首飾り事件へと発展してしまうのです。
って、ホントにそんな有名なんでしょうか?フランス人の知り合いがいたら真っ先に尋ねてみたいものです。だいたい【首飾り事件】って・・・物凄い安直なネーミング。子供心に「も、もうちょっとひねれば?」と思いました。
ねぇ・・・首飾り事件ですよ?まぁいいけど。
ってところで、世に言う首飾り事件(しつこい)。
その火蓋が本格的に切って落とされたのは1785年、8月15日の事だそうです。事件が発覚しローアンが拘束された日。という事でしょう。
ちょっと待って下さい。1785年!?もうそんなになるんですか!?するって~と、オスカル様は29歳・・・まさにアラサ~、崖っぷちです。
アンドレに至っては30とか31とか・・・すっかり大人ですねぇ。
はぁーーー・・・フェルゼンとお別れしてから、思えば随分と時間が経ちました。彼がいないとベルサイユは乾燥します。乾燥したまま皆さん御年を重ねられ、なんだか切ないものがありますね。つっても、無駄なことは何ひとつありません。こーゆー空白期間こそが美味しいのです。
20代の美しき日々・・・表には出ないけれど、あんなことやこんなこと、あったでしょ~・・・
皆さん、妄想しましょう・・・妄・想、しましょうねぇ。
つって、惚けてる間にOPが流れ、本日のAパートです。
離宮で呑気に遊んでるところ宮廷に呼び付けられ激怒するアントワネット様。
その弩アップから始まる今回。
うっ・・・この作り方だと「ずる賢くてたくましい」のはまるで彼女みたいですよねー。いや、単にサブタイトルが弩アップにカブって、そう錯覚するだけです。ちなみに、なんのお遊びなのかこの時アントワネット様は手袋をしてたりしてなかったり。久々のイリュージョンですね。お暇な方は確認してみて下さい。
それにしても・・・ローアン。ようやく騙されていた事に気が付きましたね。
ここで分かりますが、ジャンヌ姉さんは結構適当でですね~「使わない事は誰もが知ってるはず」の『マリーアントワネット・ド・フランス』などというサインを廃人レトーに使わせていたんですよ。しかも一目で王妃の筆跡ではないと言われてます。
・・・レトーってなんだったんでしょうか?
比べて、第7話で登場&呆気なく殺害された偽手紙専門業者のラザーニ氏は、今思えばいい仕事してました~。オスカル様に「まぎれもなく妃殿下の筆跡だぞ!」と言わせしめ、フェルゼンを窮地に追い込んだのです。
ああラザーニ、あんたの方が断然凄い、今更だけど。
まぁギャラが違うんでしょうね。あの時は依頼人が天下の鬼寵姫デュバリー様でしたから。軍資金が違いましょう。って、いらん回想で行数使ってすいません。
んで、泣く程に怒り絶頂なアントワネット様・・・よせばいいのに自分で自分の首を絞め殺す展開へもっていってしまいます。浅はかですよねーーー・・・どうしてこれがローアンの仕返しだと思うんでしょうか?冷静に考えればローアンには何の得もありません。ここで一件落着にしておけばローアンといえども160万リーブルの返済はラクじゃないでしょうから、家財道具などを整理して本当に表舞台から姿を消したかもしれません。それをそれを~怒りで我を忘れた人には何を言っても駄目。アントワネット様・・・後どうなっても知りませんよ。
ってところで、場面展開。パリの街です。ローアンが拘束されたと聞いて、流石のジャンヌ姉さんも脳内半鐘ごんごんごんごんっ!!!だった事でしょう。お察し致します・・・で、やって来ましたよ、証拠隠滅に。
扉を開けて、一晩でたったの10スウ、先払いが決まりです★なニコルちゃん。彼女を短剣ふり上げて刺し殺そうとします!
きゃーーー・・・逃げてぇ~!!
・・・できない・・・何故?かつてはロザリーさえ標的にした姉さんが!!ロザリーには直接手を下したわけではありませんがね。
でもまぁ、ジャンヌ姉さん。“悪巧み一筋29年”、そーとー頑丈な筋金が入ってはおりますが、いざという時には案外情に流されます。
と言うか、逃亡資金“ザッと100リーブル”を持って来ているのですから、殺せない事は分かっていたのでしょう。テンパるニコルちゃんに一方的に「一刻も早くパリを出ろ」と告げ、静かに売春宿を後にします。ってところで、はい!意外とアッサリお縄を頂戴しちゃいましたっ!
哀れジャンヌ姉さん・・・泳がされてたんですね~・・・
しかし、ここで思う事があります。近衛連隊の皆さん
いつの間にこんな厳つくなったんでしょうか?
なんちゅうかなんちゅうか・・・おっさんです。オスカル様が14歳で近衛隊長に就任された時には隊員の皆さんも若くて、あんなにハンサムだったのに。あれから約15年、みんな一緒に年を重ねて来てるんです。青臭かったあの頃の面影はもうありません。ヅカばらのように「俺ったちっは陽気な近衛兵~♪」と歌い踊るは夢のまた夢。アニばらの近衛兵さん達は一切浮かれません。ああ、加齢によるこの変化・・・残酷ですが、なかなかリアルでもあり、面白いです。
あ、きっとね、若い子もいると思いますよ!毎年春には新人を採用しますから。ただ首飾り事件中、そーゆー子は目立たないだけです。うっうっうっ・・・
公文書偽造、窃盗、詐欺そして王室侮辱罪の罪によりジャンヌ姉さんがついに拘束されてしまいました。
よくぞ今まで野放しでいたもんだ・・・
と思いますが、一気にこの有様。どうなるんでしょうか・・・心配で私とロザリーは心底胸を痛めておりますよ。ってところで、なんであんたオスカル様のピアノいじってんの?気が付けば10年以上同居している事になりますが、なんとまぁ大胆になったことよ!
「普段私が八つ当たりでブッ叩いてるピアノだから音程が狂ってるだろうが・・・いいんだよ、弾きたいなら好きな時に弾いて」と、完全版のオスカル様の台詞は恐らくこうなります。「こら。ひとの部屋に勝手に入るでない」とか言わないオスカル様。本当にお優しい・・・そして、だいぶお疲れ気味のご様子です。
そのせいでしょうか・・・トンデモ告白に又も寛容過ぎる態度をお見せになるオスカル様。「ジャンヌ・バロアというのは私とパリの下町で一緒に育った姉さんなんです」という秘蔵ネタをぶちまけるロザリーに・・・この人ってば驚きません。
いや、一応「え・・・」と目を見開いて振り返りはしますが、「なにっーーー!?」という感じではなく、相も変わらずオスカル様の物分りの良さは超一級なのです。
ああ、「隠してるつもりはありませんでしたが...なんとなく、今まで言いそびれていました」というロザリーに、オスカル様の「そうだったのか・・・」は大層優しく響いたことでしょう。ってゆ~かロザリー!疲労困憊するオスカル様にこの気の使われよう。羨ましいを通り越して、一体どうなってるんでしょうか!?「ぅ・・だが、裁判はこれからだ、まだロザリーの姉さんが犯人だと決まったわけではないんだよ?」とか言ってオスカル様の方があたふたしちゃってます。
ああオスカル様、貴女ってば善意の塊みたいなお人だ・・・アーメン。
そんな若干たじろぎ気味のオスカル様を前に、どうにもこうにも勢いづいたロザリー嬢。
この人も、改めて数奇な人生を歩む人ですね・・・そう、たとえ何が起きても貴女が悪いんじゃない。涙ながらに“何かのついででいいので、姉さんに会える機会があれば・・・母さんの形見の指輪を渡して欲しいんです”という事を彼女はオスカル様に懇願します。そして善良で責任感にアツいオスカル様。一切つべこべ言う事なく「引き受けた。必ず渡そう」とだけおっしゃり、ロザリーの手を握ります・・・ぎゅっ・・・!
握られたい!!ロザリ~よ!本当だね・・・貴女は今、十分過ぎるくらいに幸せだわさ。
場面変わりまして、『RES ECURIES』です。
ここはカフェなのかレストランなのか酒場なのか・・・細かい事はどうあれ、今はロベスピエール氏のアツい演説の場としてなかなかの盛り上がりを見せるこのお店。素晴らしいことに、ここは実在します。このままぐぐってみて下さい!するとフランスはパリへひとっ飛び~!!!
まさに・・・まさに『RES ECURIES』、時代を経てそれなりの様変わりをしてはおりますが、雰囲気は・・・確かにここなのでしょう。記事はフランス語ですからよく分かりませんが、泣ける店内写真なども多数見られます。ああアニばらスタッフのこーゆー演出!ニクい、ほんまにニクいよ・・・あんた(感涙)
ってところで、革命家御三家の皆さん・・・いい感じで勢揃いしています。
この三人にはヒジョーに贅沢な配役がなされており、ロベスピエール=森功至、ベルナール=野島昭生、サン・ジュスト=古川登志夫。誰をとっても聴かせます。まさに耳を離せない・・・サイコーのスピーチトリオなのですね。
フケ顔ロベピ先生の演説を至近距離で聴き、特にサンちゃんなどは喝采されることの気持ちよさに目覚めてイッたのだと思われ、この先、一体どーなるの!?
ってところで、糾弾される側。貴族のオスカル様ですが大雨にも関わらず律儀で善良な彼女は、恐らくロザリーから預かった翌日かそこら出来る限り早い段階で届けにやって来たものと思われます
“あたし達の母さんの・・・形見の指輪”
あの~物凄くサイズでかいんですけど。とても指輪とは思えない、ちょっとしたドーナッツくらい見えます。ごくっ・・・そんな突っ込みいらんとして、この場面、ここの会話も秀逸ですよ。
あくまでロザリーなんて知らん。とシラをきるジャンヌ姉さん。「それに、安物は身に着けない主義なの、悪いけど」って、ちょっとした憎まれ口を叩く事も彼女は忘れません。
それに対するオスカル様の「どうして安物だと分かる?見もしないで」って、いいじゃないですか・・・(涙)
意地を張ってないで、手に取って見てみなさいジャンヌ。君は知っているだろう?この指輪、思い出が染み込んでいるだろう・・・?うっうっうっ・・・・・・・
たとえ王室といえども、その内部には干渉する事を許されないパリ高等法院。
いよいよ初公判!数多のひとが見守る中、ジャンヌの底力が大炸裂する瞬間がやって参りました。
最初はとりあえず、とぼけにとぼけ、ローアン一人に罪をなすり付ける作戦でいたようですね。それにしてもジャンヌ姉さん、こんな時でも彼女は物凄く綺麗です・・・真っ赤なマニュキュアに母さんの形見の指輪。視力2.0くらいはあろうかと思われるオスカル様はその姿を確認し、隣のロザリーに囁いてやるんです。が、ジャンヌ姉さんがどんなに自らを奮い立たせてみたところで~・・・証人ニコルちゃんの登場でアッサリ窮地に立たされ~の、母さんっ!ヘルプミーーー!!!
「参ったな・・・」って、いいですよね☆
さてCM挟んで(DVDですがね)Bパートです。
ジャ・・・ジャンヌ姉さん・・・・・窮鼠、虎を噛み殺す勢いで、物凄いパフォーマンスを見せてくれますよ~~~
この時のジャンヌ、半端に着飾っている時の何十倍も、美しいです。
恐らく、ジャンヌほど空気の読めるひとっていません。彼女は大衆の心を掴みにいったのです。
そう、傍聴人にとって“事実”なんてものはどうでもいいのだ・・・何をしてもしなくても、どうせ絶体絶命ならば大衆の望み通りにしてやろう!王妃を、ベルサイユを道連れにしてやろう!と。
ジャンヌはこんな嘘で無罪になれるなんて思ってません。地獄の底をのた打ち回って来た自分、今ものた打ち回って苦しむ民衆たち・・・その上はるか高みに君臨する女王を、自分たちと同じ場所に引きずり降ろそうとしたのです。しかし残念ながら・・・そこにはプライドも、民衆に対する愛情の欠片もなかった。と私は思います。でも、いいんです。だいぶ強引ではありますが、人々の中に燻る【革命】スピリットを叩き起こしたジャンヌは凄いっ!!
「素晴らしい裁判ですね」と胸を熱くするサン・ジュスト、ベルナール、そしてロベスピエール先生、彼らの様子が退廷するジャンヌの画と共に次々と止め絵で表現されるのが印象的です。
ああ~出崎の世界・・・アニメでありながら、コテコテの劇画ムードも併用し、我らアニばらワールドは怒涛の後半戦をひた走るのです。 ムッハーーーーーーーーー・・・!!
裁判所からの帰り道。馬車の中でのジャルジェ家の会話、これ、いいです。
ひたすら泣いて「すみません・・・すみません!」なロザリーちゃん。実の姉があんな嘘ついちゃって・・・一体どのツラ下げてオスカル様に向き合えましょうか!?しかし、オスカル様は既に「近衛連隊長オスカル・フランソワはレズビアンだっ!!マリーアントワネットのいかがわしい趣味の御相手の筆頭なのだっ!」と叫ばれた事などは問題ではなくなっています。そんなことより、自分があらぬ言い掛かりで激しく侮辱された、そんなことより!ジャンヌの“生命力”にひたすら震撼し、額に汗を滲ませるオスカル様。
「たくましい・・・たくましい生命力だ。絶えず断崖絶壁の上に立ちながら、怯むどころか大胆で、しかも余裕すらある。ジャンヌ、私が今まで見たこともないような女性だ」
この意味深長で複雑なオスカル様の台詞。これは勿論ですがジャンヌを好評価しているわけではありません。でも、胸のうちにあるのは怒りや軽蔑などではなく・・・畏怖の念に近い。女性として「なんと強く逞しいことか」と、震える程の想いでいることは確かなのです。
抗えぬ運命により男装して近衛連隊長を勤める自分。その特異さを逆に利用され王室を地に堕とした女性、ジャンヌ。考えてもみなかった結果にオスカル様のお心は混乱しているのでしょう。
いいですよね~・・・ここで、単純に怒るオスカル様であって欲しくない。こーゆー出来事はすべて、彼女にとってクライマックスへの一種の布石となってゆくのです。
そして、判決です。
1786年、5月31日、水曜日。今の日本の状況からすると・・・猛スピードで結果が出た事になりますね!?
ニコラス=見つけ次第、終身漕役刑(中世フランスにおいて最悪の待遇であった船乗りと言う仕事。誰もやりたがらなかったので囚人に命じてこき使っていたそうです)。
レトー=鞭打ち50回の後、35年間の国外追放(鞭打ち中に恐らく死んでしまうのでは?)
ジャンヌ=両肩に“V”の字の焼きゴテを押した後、終身禁固の刑(ぎぇ~~~~・・・)
ニコルちゃん&ローアン大司教=無罪。 ちー・・ん
嘘が自分の中で真実になったとみえるジャンヌ姉さんは、裁判長にくってかかりますが、王室とはやはり治外法権のようでして。泣きじゃくって悔しがるアントワネット様は、それはそれで悲劇なんでしょうが、この人・・・もう愚か以外の何者でもないのでどうでもいいです。それとは別にポリ夫人(怒)久々に出て来てよ~相変わらずろくな事を言いません。今回のこの大きい独り言?次回の大きな伏線となりますので、皆様しっかりムカついておいて下さいませ~。
で、1ヵ月後。ジャンヌの刑執行の日です。
・・・こえぇーーーーー!!!
ここ、ギロチン並に怖いです。アニばらよ、こんな怖くして一体何処へいこうとしてるんでしょうか?ぶるぶる・・・っ
哀れな姉さん・・・・最後まで物凄いパフォーマンスっぷりでございました。Vの字の焼きゴテタトゥーが入り、人気は絶頂!投獄されたサルペトリエール牢獄には連日貴族を含むファン達(ちゅうか野次馬)が長蛇の列をつくり、彼女を応援しているそうです。その旨を聞き「解せぬ、分からぬ」なアントワネット様。恐れながら「その貴族たちは王后陛下の離宮への出入りを許されずに宮廷を去った者たちでございます」なんちゅう控えめな言い方ではオスカル様、王后陛下は分からないままなのですよ。もっとハッキリ!この事態をやばいとお思いなら、即刻宮廷に戻られ自分の仕事を再開なさって下さい、今直ぐに!!と御進言しなくては。
長くなっててすいません!23話ラストです。
今や時のひと、ジャンヌ。寒々として薄汚い獄中で彼女は独り呟きます・・・。
「面白かったなぁ・・・久しぶりに、ゾクゾクするくらい。あたし、子供の頃こんなイタズラごっこ、したかったなぁ・・・みんなと」
・・・どーゆー事なのでしょうか・・・?
面白かったのは分かりますが、子供の頃にしたかった?みんなと??・・・しみじみ考えさせられますが、単純には答えを出せない台詞です。ひとつ言えるのは『ジャンヌにやられたっ!!!』という事だと思います。ああ・・・彼女に一目逢えたら!
かける言葉はありませんが・・・面会したいです。。。 つづく。
定期的に訪れますが、今回も過渡期であるなぁ~としみじみ・・・しとる場合かーーー!
ジャンヌの最期の花道。皆さん、喝采で見送りましょう。
第24話 「アデュウ、わたしの青春」
はい、今回のこのタイトル「アデュウ、わたしの青春」ですが・・・なんちゅう物悲しい響きなんでしょうか(涙)
アニばらを愛する皆さんは既にお気づきの事と思いますが、これには実に深い意味がこもっています。ロザリーが発した台詞の一部を単純にサブタイトル化したわけではありません。
「アデュウ、わたしの青春」と思ったのは何もロザリーだけではない。オスカル様もジャンヌも、みな同じ心理状態です。
そう、第24話は壮絶なるアニばらターニングポイント、第19話「さよなら、妹よ!」に次ぐ、すこぶる重大な転換期なのです!!
注目してっ、みんな注目してぇ~!!ヒロインたちが「さよなら・・・」って言ってる時はとにかく注目してぇ~~~!!!!!
てか、ロザリーってこうして眺めるとホント重要キャラですよね?ぐぬぬぬ~・・・あなどれん。
と言うわけで第24話。一見地味系だからといって適当に流して観ていてはいけません。ここで波に乗らないと、これ以降完璧に愉しむ事ができませんよ、気をつけて下さい!
そういえば本放送時、一部地域ではこの回を最後に(実際は無理矢理作った「燃えつきたバラの肖像」とかいうタイトルの怪しい総集編があったそうですが)打ち切りになっているんだそうです。
何故ーーー!!こんなところで?
・・・殺伐とした空気が荒涼とした大地を吹き抜けていく感じのエンディングです。いくらなんでも酷過ぎる(泣)しかし、この時代ってばガンダムもヤマトもみな打ち切りの憂き目にあっているのですよね!?
アニメ共倒れの79年(と言ってから・・・ヤマトは確か74年だよなぁ?)
なんというか、大人の鑑賞に耐え得る良質なアニメーションと言うのが「世の中に受け入れられるか否か!?」の、これも厳しい過渡期でもあったと思います。
「大人の鑑賞に耐え得る」というのは、裏を返せば「あまりお子様向けではない」という事ですから。
そりゃ~・・・ガンダムもヤマトも我らがアニばらも、チビッコに安心して見せていられる作品かどうかはすこぶる疑問に思うところです。世界名作劇場のような単純明快な内容ではない。どれもこれもギリギリ命をかけたキビシ~戦闘ドラマです。アニメを単なる情操教育の教材として見る向きの方には、これらは超難解、過激すぎたのかもしれません。
とにかく時代を先取りしたかのようなセンセーショナル&エモーショナルなJAPANアニメーション!!パンパカパ~ン♪『機動戦士ガンダム』『宇宙戦艦ヤマト』そして『ベルサイユのばら』
以上を黄金期の代表三部作に認定します。打ち切りは勲章でした・・・アーメン!
ほぼ知ったかぶりで書いてますので「おかしい!」と思われた方はガンガン突っ込んで下さい。お願いします。
というわけで、早く本題にイキましょう。アニばら第24話「アデュウ、わたしの青春」です。
冒頭はサルペトリエール牢獄、ジャンヌ以外の囚人は廃人です・・・い、いやだなぁ~~~こんなとこ、ヘコむわ、マジで。ちゅうところに謎のお助けマン登場~!!
・・・あんたオルレアン公でしょ?・・・
哀しいかな一発で分かります。
舞台進行上、正体を明らかにするのは避けていますので、ここで「こいつはオルレアン公だ!」と断定するのはナンですが・・・DVD-BOXのリーフレットのキャスト部分に“オルレアン公”としっかり書かれていますもの(笑)
でもまぁ、たとえ“謎の男”と書かれたところで市川治氏の声で丸分かりなんですがね。市川さんの悪い美声、マスクでもしながらのアフレコだったのでしょうか?息苦しい感じが絶妙です。そして・・・なにやらチン(犬)みたいな顔をした珍妙な男を連れています。あの~・・・相棒のひとでなし・ド・ゲメネはどうしたんですか?片手を負傷し、使えなくなったので彼は捨てられたんでしょうか?ザマーミロですがド・ゲメネの所在、若干気になるところです(何気に好きだったド・ゲメネ)
OP映像を挟みまして、今回のAパートは花の都とは程遠いパリの街。吟遊詩人のおっさんはあの物凄い階段を上るつもりなんでしょうか?迂回路はないんでしょうか?
ああ、障害者に厳しいパリの街・・・
すいません、論点がズレました。しかしこーゆー俯瞰で描かれるパリ地形図、これはちょっと頭に入れておいた方がいいですよ。この先・・・第36話、第38話あたりで、このへんの景色を思い出せると物語をより大きく楽しめますからね!
場面変わって、ロザリーの演奏するアンニュイなメロディーに乗ってジャルジェ家の前に止まる不審者をズームアップしていきましょう。
・・・ポリ!?・・・・・嫌な奴が出て来ました・・・憂鬱です。
ロザリーはジャンヌの脱獄に相当のショックを受けている様子です。もういいのか悪いのか分からない・・・悶々と解決しない問題を抱えて、彼女は深く思い悩みます。そんなところへ不審者登場、いや、ポリですが。ポリニャック夫人!あんた、そろそろ出て来る頃だろうと思ったよ・・・予感が当たっちまってガッカリだけど。
しかし、こーゆー場面、アニばらでは相当魅せます。ここ、馬出てますよね?馬が画面にいる場面はとにかくいいです・・・本気で嫌気さし気味のロザリー、しかしまだ、というか永遠にでしょうが・・・情が残っています。そんな隙間に付け込んで泣き落とし作戦な母ポリニャック。結構健闘しているところがなんとも言えず・・・うまい場面ですよね。
はい、又も場面変わって、おや?吟遊詩人のおっさん?階段やっぱり上り切れないでいるんですか?途中で腰をおろし、アコーディオン奏でております。なんちゅうか・・・すんごい暗いけど、いいわ!こーゆーの。
アニばらの演出は見事です。場面は転換しても決して細切れにはしてません。よく観て下さい。それぞれの状況で、登場するキャラクターは無駄な動きをしていません。彼らは意味があってそこに居て、流れるように行動しているのです。
凄いよ!これはどこの管轄ですか?絵コンテの時に決定されるのなら“さきまくら”というのは出崎監督のことですから・・・出崎っ!凄いね、あんた!←気安くてホントにすいません。
で、ついに出版されました!オールマイティ~に才能を発揮するジャンヌの処女作(?)『ジャンヌ・バロア回想録シリーズ』です。
初版は価値がありますからね!私もこの日にタイムスリップして買っときたいわっ!10冊くらい。後々神保町で売りさばきます。で、アンドレも買ったのね~。これ買うために彼は朝一番でパリへ行き、ゲットした暁には話題の新刊を早速オスカル様に朗読して聞かせます。甲斐甲斐しい男だなぁ~・・・まったく。
王妃の恋人たちの目録、出てる出てる♪男装の麗人、オスカル・フランソワ・ド・ジャルジェ大佐。ポリニャック夫人の次に出てるぜ~・・・「ちょっと待て。どうせならトップで出たかったなぁ。二番手ではどうも・・・ああースッキリしない」と物思ったかどうかは分かりませんが、オスカル様は静かに耳を傾けていらっしゃいます。そんなところへロザリー登場。貴重な初版を引っ手繰ってどうするつもりなんでしょうか!?しかし返せ~戻せ~!!と全然焦らないアンドレ、流石にオトナの余裕を感じますね。ステキ・・・
冗談はさておき、オスカル様はロザリーが走り去った後「私のことなどどうでもよい。問題はその内容を信じ込む民衆の気持ちだ。王室に、そしてマリーアントワネット様に対する・・・」と言ってます。あえて声に出して確認したんでしょうね。セカンドとは言え(悔しいのう)自分は王妃マリーアントワネットの恋人なのだと民衆は信じ込んだんだってさ~。フェルゼンの出る幕ないぢゃん。まったく困った世の中だ・・・汚名返上にはさぞかし骨が折れるだろう。と言うような事を。そして!それを聞くアンドレ!!
この時の彼めちゃくちゃイイ顔しています。
何故こんなところでそこまでイイ顔しているのか理解不能なくらい、彼ってばハンサムに描かれています。もはや遺影に使いたいくらいです・・・・・縁起でもない事言ってごめんよ~アンドレ!でもココ遺影に決定だからさ☆
話を戻しまして、貴方・・・怒り狂うでもヘソを曲げるでもないオスカル様を見て、感動してるのよね。そうそう、ヘコんでる場合じゃないよ、オスカル!って思ってるのよね。
何気に、い~い場面です。
というわけで、王室の危機を感じた重臣たちの会議風景なんです~治安大臣、あまり仕事はできない様子ですが、渋くて結構タイプです。あと、この部屋の壁がめっちゃ気持ち悪くて面白いので是非注目してみて下さい。
つ~事で、近衛連隊に出動要請です。嗚呼ガチンコ対決は間近であった・・・
そしてサベルヌです。ニコラス、いつフランスへ戻ったんでしょうか?
愛する妻の両肩にVの字タトゥーが入り、さぞや衝撃を受けた事と思いますが・・・なんせ軽い男なのでここでは本の売れ行きがいい事を呑気に喜んでます。そして、そんな夫をいつものようにジャンヌはたしなめて(?)おり、安定感のある場面ですね。
ジャンヌ・・・ちゃんと指輪をしています。そしてオスカル様の発せられたお言葉をしみじみと思い出している様子です。
オスカル様を通して姉妹の想いが交差する・・・
地味ながらしんみりと、ここも味わい深い名シーンですね。更にこの場面は上手に展開しながらひとつのシークエンスを作ります。
ベルサイユの重臣たちに問題を丸投げされた近衛連隊長オスカル様・・・いたたまれない空気が充満した彼女の出勤風景です。今日から遠征なのでしょう。ジャンヌのバックには相当な権力者が付いているはずですから、何が起こるか分かりません。軽く命がけ~な出動要請にばあやさんもロザリーも不安で一杯、思わず非難めいた言葉が飛び出しそうになりますがオスカル様は「そこは言っちゃ駄目だよ、ばあや」とばかりに目を伏せます。
気遣いのひと、オスカル・フランソワ・ド・ジャルジェ大佐・・・本当にお気を付けて!
お見送りが終わり足早に部屋へ去ろうとするロザリーを、ばあやさんが引き止めます。ばあやさん、やっぱり彼女はいい人です。オスカル様に降りかかる災いについては真剣に心配しますが、こーゆー配慮も忘れません。“J”から届いた謎の封書をちゃんと秘密にしてロザリーに手渡してくれました。そして・・・届けられたのはちょっとしたドーナッツ。ではありません。
例の指輪ですよ、指輪。
まるで『ロード・オブ・ザ・形見リング』です(ただ戻って来ただけだけど~)
そしてやって来ました化け物が!ポリ夫人が再び登場!泣き落としが失敗に終わったので、次なる手段は恐喝です。オスカルを犯罪者にしたくなかったら我が屋敷に来いと、それなりに筋が通った脅しなのでロザリーは逆らえません。うまい具合に小道具も用意されていて、邪悪なカラスが捨てられた人形を啄ばむ描写は強烈でした。
さて本日のBパートです。こちら別の意味で強烈です・・・ジャンヌ捕縛のためプチ遠征に出られたオスカル様の奮闘ぶり。近衛連隊長自らこのような捕物劇を展開せねばならぬとは~・・・おいたわしい。副官のジェロはどうしたんでしょうか?こーゆー時、一体彼は何をやってるんでしょうか?という事で、別件の妄想劇場ではこの辺を勝手にどうにかしてみようと思ってます(読んで下さる方、UPの暁にはどうか期待感ゼロでお越しください)
それはそうと、王室の翻弄されっぷりには観ているこちらも疲労感が溜まります。「また偽情報に引っ掛かったか」って・・・何度こーゆー無駄な出動をさせられてるんでしょうか?民衆は明らかに王室を撹乱する姿勢でいます。多勢に無勢・・・いつまでこのような状況が続くんでしょうか。アンドレめ、偽情報で良かったんじゃないかって、ちょっとはそうなのかもしれないけどまだまだ単純思考は否めません。水面下で何が起こっているか、彼に大声で知らせてやりたいですね。
で、何が起こっているのか?ポリ夫人の脅しがいよいよロザリーの運命を変えます。
これはもう仕方ないですね・・・ロザリーはジャルジェ家に長く居すぎました。理由はどうあれ、お別れする時期が来た。という事だと思います。しかし、疲れ過ぎてワインを持ったまま寝てしまわれたオスカル様・・・色っぺ~です。見つけたのがアンドレだったら、えらい事になるとこですよ。無防備過ぎます。狼男と同居しているという事を、もっともっと自覚して戴きたい。
というところで場面展開、謎の男は別に誰と会うとかでなくても覆面して過ごしてます。バレバレなのに、お疲れ様ですね~オルレアン公様。
そして、ロザリーのお引越しの日がやって来ました。
なんというか・・・原作と比較するとアニメのオスカル様とロザリーのリレイションシップはシンプルでした。しかしそれは人間関係が希薄だという事とは意味合いが異なります。アニメのオスカル様もロザリーも、人に依存して生きるタイプではないのですね。長く一緒に暮らすうちに何日も顔を合わせなくても相手が理解できるようになっていた。深く想い合う事とベタベタするのとは一緒のことではありません。性格が違えば関係の築き方は変わります。
だからこの時オスカル様は「何も聞いてない!何も聞いていないぞ私は!!」と叫んだのです。
「私の知らないところで何があった!?」と。何も言わずとも理解できている気でいたのに、一体何故なのだ!?という思いでいるのでしょう。しかしながら、知らせてこなかった事をしつこく訊く事はしません。こういう二人なのです。心にある事をなんでもかんでも言葉に出来たらラクですよね。そして、ラクをしないのがアニばらのキャラクターなのです。ちなみに壁から自画像を外して「持って行け」な原作オスカル様は、いかにも豪快なオスカル様らしくてステキだと思いますが・・・アニメのオスカル様はもっと一般的なモノをあげてお別れします。女の子だから常に身に着けていられるアクセサリーの類は嬉しいと思いますから。
さよなら、あたしの青春。さよなら、あたしの幸せ。
さよなら・・・あたしのオスカル様・・・!
出ていくロザリーも、出ていかれるオスカル様も・・・共に青春が終わった瞬間でしょう。
男女の別れとはまた違った・・・切な過ぎる名場面でした。
ところで24話、打ち切り話もあり作画で手を抜いた部分があります。「ジャンヌの居場所はサベルヌか・・・」の場面のオスカル様、あんた誰なんですか?もう見なかった事にします。皆様も目を瞑って声だけ聴いて下さい。
ってところで渋メン治安大臣からお呼び出しです。
あ~・・ぁ、ですが・・・これで行動に移せます。
ロザリーからの密告ではなく第三者の密告。だからオスカル様は動けたのです。この人間性・・・どうか分かって下さい。アニばらの素晴らしいところはこーゆー部分の創作です。絶対に見逃せない・・・見逃してはいけない重要ポイントなのです。
それはそうと!面白い発見をしました。謎の男&チン従者が近衛小隊の出動を確認する場面!ここ・・・普通に眺めて「どうやってあの崖っぷちに登ったのだろう?しかも馬車ごと」と思うのですが・・・あれオープニングでオスカル様がキメている崖っぷちと同じですね。撮影現場の使い回し発見!どーでもいいですが。
はいっ!再び絶体絶命のジャンヌです。せっかく気持ちよく酔っ払ってたのに・・・拡声器無しで「自首しなさいっ!!」と叫ぶオスカル様のお声が~聴こえたのか聴こえなかったのか分かりませんが、とにかく酔いは一気に醒めました。
先ずはひとりで攻め込むオスカル様、しなくていい配慮をしてハザードレベル上げ上げだっちゅーの!!しかし、貴女はそーゆーお人です。
思い入れがある人だから(ニコラスはどーでもいいけどな)強引な捕獲はなるべくしたくないのです。プライドを持って、自ら出て来て貰いたい。その一心で危険を冒しまくる人なのです。
そして「ここ・・・この場所を教えたのはロザリーかい?」と尋ねる姉さんの恐ろしさよ。でもねオスカル様の「ロザリーではない。断じて」の一言で表情は和らぎます。
ここ、私は思うのですが、ジャンヌにとってロザリーが教えた教えないはもういいのです。だって・・・実際教えたんですからね。彼女はオスカル様の人間性を確認したので納得したんです。
たった一人の妹ロザリー、そして彼女を引き取って長年傍に置いたオスカル・フランソソワ。憎っくき貴族の女です・・・回想録では嘘八百並べ立て侮辱の限りを尽くしました。その人が、自分を気遣っているのですよ・・・。だって何も知らない人なら「教えたのはロザリーかい?」だけでは話が通じるはずがないのです。せいぜい「は?」という感じでしょう?だからこの女はすべて知っている。謎の男は確かに密告したかもしれないが、恐らくロザリーだって秘密を漏らしているはずだ。でも、もうそんな事は問題じゃないんですね。
最期を迎える時、人が欲しがるものってなんでしょうか?
うまいこと説明できませんが、オスカル様の人間性はほんの少し、これを与えることができるのかもしれません。
デュバリーの時もそうでしたから・・・。
ってところで、本日のオスカル・セクシーダイナマイツシーン第2弾です!
背後からニコラスに殴られ「あ・・」と漏らしてプチ気絶。軍人としてこーゆー時油断し過ぎなのは困りもんですが、超色っぺ~・・ので許します。ってか、やば・・・・☆★☆萌えてる場合かっーーー!!!
真剣な話・・・激やばです(号泣)!!
妻が最後の感傷に浸ってジー・・ンとしているところ、この男は何やってんでしょうか?
救いようの無い馬鹿やろーです。空気読めよっ!お願いだから~。
ああ出来ることならニコラスの野郎を先に金属バットで殴り殺してやりたい。オスカル様、一体どうなってしまうのでしょうか!?ってところで、テレパシー?アンドレがオスカル様のか細い『SOS』をキャッチしました!
こーゆー時、オスカル様はやっぱりアンドレの名を呼ぶんですね・・・(涙)
そして一目散に駆けつけたレスキューアンドレ!!結果としてオスカル様は・・・ジャンヌに命を救われた事になります。嗚呼ジャンヌ姉さんっ!!今宵の彼女はいい気持ちで、なんというかマリア様が降臨していたのかもしれません。てか、この期に及んで無駄な殺人に手を染めるつもりはなかったのでしょう。(馬鹿夫はいいんです。彼の脳ミソではひとり残されてもどうせ生きていけませんからね。一緒に連れて行ってやるのが彼の為です)それに・・・彼女にオスカル様は殺せなかった。そう思いたいです。
そうは言ってもですね~・・自殺に爆死を選ばれると巻き添えくらって結局は死んでしまいます。アンドレが来なかったらオスカル様は当然巻き込まれていたはずなので・・・姉さん?
このへんはあまり深く考えない方がいいかもしれませんね。
というわけで・・・なんとなく星野鉄郎の時間城潜入を思わせたサベルヌ修道院。アンドレが見たところから意外なくらいに長く導線は続いていたようで、良かった。心底どうしようもない二人でしたが、最期のラブシーンは感動的。ニコラスの「いいよ・・・」は結構グッと来ます。更に「おめぇ最高にいい女だったぜ」とは・・・馬鹿万歳っ!!あんたと同じ事を視聴者みんなが感じていますよ~!!!ご臨終に際しラストラブシーンをたっぷり愉しませてあげたいので導火線、長ければ長い程いいです。オスカル様とアンドレの逃げる時間もありますしね!!
で、本当に最期の瞬間です。えらい強力な爆薬を使ったもんですね・・・修道院は全壊です。
それに何故そこに爆薬があったのか?
細かいことは全て・・・首飾り事件の真相と共に永遠に闇の中へ!!
さぁ皆さん、次回はあの人が帰ってきます・・・・・むふふ~・・楽しみですね♪ つづく!!