アニばら観察日記
忘れないよ・・・!!
デュバリー夫人、最後にして最高の演歌の花道を!!!
第9話 「陽は沈み、陽は昇る」
はい、第9話。私の大好きな浪花節デュバリーの退場劇です。
今回は彼女の最後にして最高の演歌の花道。この場面に関してだけは「原作を超えた」と言い切っていいでしょう・・・ホントによく出来たエピソードです。うっうっうっ・・・
のっけから凄いモノがでますよ~。160万リーブルの首飾り。
ジャンヌが大暴れする悪名高き『首飾り事件』はまだまだ先ですが・・・後に宝石商べメールの回想の中で「ルイ15世とその愛妾」の肖像画風の絵が出て来ますから、ここは結構美味しい伏線です。ちなみに「衛兵隊の隊長」という単語もちょっとピクッとなるところ。子爵クラスがつとめる位のようです。
それにしても、ルイ15世の治世にはまだ国庫にはかなりの余裕があったとみえます。160万リーブルの無駄遣いをデュバリーに許す寸前だった。それだけでもベルサイユは大いに糾弾され、ルイ15世は断罪されるべき・・・・・というわけで、天然痘に感染しちまいました。原作の凄まじいホラー描写はないものの国王陛下、かなり苦しそう・・・アーメン!
ところで、この回は単に敵役の退場を描くものではありません。
私が見どころだと思うのは・・・なんと言ってもオスカル様。
元娼婦との心の交流を通して描かれる彼女の人間性の素晴らしさなのです。
オスカル様の言葉を越えた気遣い、優しさ、思いやり・・・
第9話はそれらを衰退してゆく権力者との絡みの中で見事に表現していきます。
ところで、前回の「我が心のオスカル」の一件で、アンドレとジェローデルの間には何かあったのでしょうか?彼らは目に見えてギクシャクしています。もともと『仲良し』なはずはないでしょうが・・・この険悪ムードは一体。
そう、ジェロはたぶん嫉妬しています。
一生懸命平静を装ってはいるものの内心「隊長に命がけで守られやがって・・・黙って見ておれば益々態度もデカくなる一方だし、この平民めが!」という思いがあるのかもしれません。
考えてみて下さい。
アニメではジェローデルだってアンドレの命の恩人なのです。
アンドレが逮捕された事、まず第一にジェロがそれを報告に来なければアンドレは人知れず連行され(さすがのフェル伯も単独では動いてくれないでしょうからねえ)すぐさま首ちょんぱっ!だった可能性は高い。
「今現在わたくしが生きていられますのはオスカル隊長の命がけのご厚意と、それ以前に副官ジェローデル様の速やかなホウレンソウ(報告・連絡・相談)のお陰です。嗚呼~ありがとう・・・ありがとう!」と、感謝するべきなのです、アンドレは。
更にジェロはオスカル様に危険が及ぶ事に対して相当過敏になっているようです。
本職の従僕を押し退け「お供します!」な彼。なんていじらしい・・・
せっかくなので連れてってやればいいのにね!と、ちょっと可哀相な場面です。でもまぁ、そうは言っても、イラついている時のオスカル様の取り扱い・・・大変なんでしょうね。お察し致します。
嗚呼さて!そーゆーわけで、デュバリー夫人の捨て身のお願いをオスカル様は取り付く島なく断ります。若干気の毒な感じもしますが、この女には殺されかけた事もあるのです。当然の結果でしょう。そして圧巻は・・・あっという間に本性剥き出し、暴力に訴えようとするデュバリーに構わず突き進んでいくオスカル様です。こーゆー人なのですね、非常にらしくて素敵です。ただ、美しいお顔に一筋の傷・・・だから言わんこっちゃない!とジェロ&アンドレがこの後大騒ぎした事は容易に想像できるのです。
話を戻しまして天然痘。これは世にも恐ろしい伝染病なので皆とにかく逃げます。「国王陛下から一歩でも遠くへ!」それがフツーの感覚なのです。そんな中、最後まで陛下にひざまずき、結果として彼を励まし続けたデュバリー夫人と言う女性。彼女は本当に権力への執着心のみでそれをしたんでしょうか?たぶん執着心のみでしょう。でもその中にほんの少し、情という理屈を越えた感情があったのではないだろうか?と思うわけです。そしてオスカル様は恐らく、彼女のそーゆー部分を感じ取られたに違いないのです。
99,9%の醜い執念と残ったほんのわずかの愛情の形。
それは幼い子供が親に泣いて縋る姿となんら変わらない・・・哀れな哀れな場面なのでした。
こうしてアニばら世界は、どうしようもない女に最後ひとかけらの《救い》を見出し、ラストの素晴らしいお見送り場面へと続けていきます。
誰もが手のひらを返し、暴力と屈辱だけを与えてデュバリー夫人を追放しようとした時、オスカル様だけが彼女を救います。
直前に部下(ジェローデル)の超ドライ発言を聞き、すこぶる感傷的になっていたオスカル様。
そーゆー背景も関係しているのかもしれませんが凄い、本当に凄い・・・当時完全にお子様向けだったはずのアニメで、ここまで繊細かつインパクトのある演出が出来た事に、私は拍手喝采したいのです!
アニメのオスカル様は元娼婦を決して蔑みません。
それどころか敬意すら感じさせる眼差しで、静かに彼女を送り出すのです。
あの目は、同情だけではない。この場面の二人からは「女性とはこれ程までに強く優しく逞しいのだ」と言う揺るぎなさを感じます。
デュバリー夫人は権力というまやかしを全て失って、オスカル様を好きになりました。
この時のオスカル様の眼差しを・・・彼女は永遠に忘れる事はありません。
お暇な方は「アニばらワイド劇場」の第9話部分を読んでみて下さい。
「オスカル・・・あなたって不思議なひとね・・・」の台詞があまりに素敵なので、晩年のデュバリー夫人物語を勝手に書きました。
私は【女と絡んだ時のオスカル様】、これに昇天しそうな程、萌えるのです~・・・つづく。
新キャラクター続々登場!ヒール天国アニばらのクイーン、
ジャンヌ姉さんの豪華業火なこの暴れっぷりよ!
第10話 「美しい悪魔ジャンヌ」
今回はサブタイトル通りジャンヌが主役。オスカル様の出番は悲しい程にチョコっとなので、印象としては暗いです。つーか、怖ひ。「こげな場面、チビッ子に見せてよいのだろうか?」の連続なのです。さすが美しい悪魔ジャンヌ・・・松金よね子さんの粘り気のある声もいい感じで、ヒール系キャラは益々生き生きと!
嘘泣きに暴力に放火に詐欺にとやりたい放題!!
・・・ホントにジャンヌ、アニばらでのこの扱いの良さにはびっくりですね。
と言うわけで第10話。ルイ15世陛下のご逝去により、いよいよルイ16世陛下の誕生です。それにより勿論、アントワネット様は妃殿下から王后陛下へとレベルアップするわけで・・・ベルばら本番へ向け、物語が加速していく感じがワクワク致します。
今回初出の重要キャラクター、戴冠式で祝辞を述べるロベスピエールと悪魔の手先ニコラス、そして何故か金髪、気持ちの悪いローアン大司教ですが、どいつもこいつも嫌な奴です。特にロベスピエール、アニばらにおいてはこいつは悪の総統、完全にヒールグループに属しているので皆さん、騙されないように気をつけて下さい。とは言っても、まだ監督が長浜さんなので清廉潔白、そこはかとない野暮ったさが漂うもののまだ彼は切れる若者風です。ここでいったん存在をアピールしておいて、次の出番はアラスまでお預け。フランスの情勢について、せいぜいガリ勉してて下さいという感じです。
さて、今回主役のジャンヌ姉さん、本当に酷い事をします。妹に対する暴行、恩人に対する殺人及び遺言書偽造による財産ドロ。ニコラスという頭の足りない男をいいように利用して悪徳三昧、一気にデュバリーを超えました。恐ろしい・・・これからの貴女が本当に恐ろしい・・・そして非常に頼もしいです。悪役が良ければ物語は盛り上がる。ヒールな人材が豊富に揃ったアニばら世界。ジャンヌの台頭でこの先は常に厳戒態勢なのか?と思いきや、この人も今日出たらまたしばらく消えます~。。。
さて、オスカル様の事を語りましょう!
この回のオスカル様、出番は少ないですがオスカル様らしい優しさで物語を包んで下さいます。「あたしを一晩買って下さい」なロザリー・・・
よくよく考えると「ここってそんなに大爆笑するような場面なんだろうか?」と言う疑問が沸いてくるのですが・・・要は大袈裟に笑い飛ばすしかなかったくらいに凄惨な、正視に堪えないパリの現実なのです。
考えてみて下さい、オスカル様はついこの間、追放されるデュバリーと「明日のパンを心配することがどんなにみじめで辛いものか・・・」とやり取りしたばかり。気持ち的にはデュバリーの幻影がまだ色濃く残っていると思うのです。そんな中で売春婦という仕事がパリでは珍しくないどころか、このような幼い者がまさに明日の食料の為に体を売ろうとしている。これは物凄い衝撃だろうと思います。
オスカル様の心中を思うと・・・つくづく胸が痛みますね。
それはそうと、アニメのオスカル様はアンドレから金を借りません。借りたのかもしれませんが、少なくともそーゆー台詞はありません。1話正味23分かそこらで、細かい会話は割愛されたのかもしれませんが、私としてはアニメのオスカル様は自分でお金を持っていた方がいいと思います。だってスタンドプレーが多いですからね。何をするにも現金は持っていた方がいい・・・金が無いと心許なくて行動範囲が狭まります。たとえオスカル様でも。。。
というわけで、・・・ジャンヌの人となりの悪さを十二分に見せつけて・・・第10話は終了。
次回へつづく!
純白から紅へ!!我らがオスカル隊長、快進の出世パフォーマンスは
王后陛下からの最初の贈り物。
第11話 「フェルゼン、北国へ去る」
第11話です。
王后陛下におなり遊ばして念願だった『やりたい放題』を意気揚々と実行&満喫されるアントワネット様。しかし国王陛下に真っ先に願い出られたのはオスカル様の昇進だそうです。アントワネット様がどれだけオスカル様を好きなのか、こういうエピソードでシンプルに伝わりますね。おかげでオスカル様、大尉から大佐になり、近衛隊長から近衛連隊長になりましたが・・・この連隊長というポジションはもともとあった地位なのでしょうか?それともオスカル様の為に新しく用意したのでしょうか?細かいことはよく分かりませんが、とにかく素晴らしい出世ぶりのようでジャル父の機嫌も良く何よりです。
それにしてもオスカル様とアンドレの剣の手合わせ風景、こーゆーシーンはアニメならではですね。
夕日のデカさもさる事ながら、オスカル様のサービスの良さときたら!どれだけアクロバティックなんだ?確かにとんでもない身軽さに、相手はもれなくやる気を失くす事でしょう。
てか、そんな事して手の皮剥けませんか・・・?心配です。
そんなこんなで今回から軍服の色が変わります。
大佐で近衛連隊長で真っ赤な軍服。これを『歩く威圧感』と言わずに何と呼ぼう。と言うくらいの押し出しの強さですが・・・
でもそこはアニメのオスカル様。派手は派手なんでしょうがド・ゲメネ以外には偉ぶりませんし、基本は益々謙虚に女性らしくおなりです。
ああオスカル様・・・レベルアップされたオスカル様。
ド・ゲメネ公爵と軽くメンチきったり、フェルゼンに帰国をすすめたりする時も、彼女は決して声を荒げません。あくまで冷静に淡々と・・・がアニメのオスカル様の大きな魅力なのです。
そう言えば、この回からフェルゼンが野沢那智さんになりました。
堀さん、悪くなかったけど重低音効きすぎ~な感じがしましたので、那っ智が入ってくれて嬉しい。この時代のアニメ、色男はとりあえず那っ智と言うパターン多かったですね。確かにまだブルースおぢなんかで崩れる前なので・・・いい声してま~す。
その美声フェルゼンに話をつけ、鶴の一言で帰国を承諾させたオスカル様。
お優しいひとですので胸の内は相当な葛藤があるようです。
で、なんだアンドレ、おまえも来てたのか?というところで、前回に引き続きチビっ子には刺激の強いシーンです。ここのド・ゲメネの悪さときたら【キングオブひとでなし】の称号は間違いなく彼のものだという程に、むごたらしい場面です。
そして、こんな現場を目撃してしまったらさすがのオスカル様だって冷静沈着ではいられない。血管ブチ切れんばかりに怒って馬車を飛び出します。で、止めるアンドレが・・・私にとっては非常な萌えなのですね。
アニメの彼は単純な正義感では動きません。
これでいてアンドレは意外にもとても現実的な人なので、どうしようもない社会の『力関係』というものをよく分かっているんです。ショックを受けるオスカル様に「おまえひとりの力でどうなる相手じゃない!」と怒鳴りつける行為は極めて常識的と言えますし、カッコいいです。嫌な相手というのは大概身分が上で、簡単には断罪できないところに居るわけで。だから尚更許せない。権力を振りかざして弱き者の人権を蹂躙するクソったれを次々出す事で、アニばらは身分制度そのものを批判していく感じなんだと思います。
さて、帰宅されてから怒り泣きされるオスカル様。
こーゆー時の田島令子さんの声入れ、本当にお上手です(感動)
怒っている、悔しがっている、悲しんでいる、苦しんでいる・・・これらの感情がすべて伝わるオスカル様の静かな静かな泣きっぷりなのです・・・!!!
単純に声を張り上げて終わりの人じゃなくて良かった。オスカル様の声が田島令子さんで良かった!と、声フェチの私はしみじみ感じ入る、ホントに絶妙なうまさなのですよ皆さま。
で、ド・ゲメネの件でかなり印象薄くなりましたが・・・フェルゼン、北国へ去りました~・・・
ああフェルゼン伯爵、元気でね!!と言うところで、つづく。
マジっすか!?拳銃の弾さえはね返す・・・
オスカル様、『鬼の冷静沈着』を目撃せよ!!
第12話 「決闘の朝、オスカルは・・・?」
第12話です。大佐に昇進し近衛連隊長となられたオスカル様。そりゃ~いでたちも格段に派手になりましたので、いろいろと風当たりも強くなったようです。
朝っぱらからあからさまに喧嘩を売る態度の【ひとでなし・ド・ゲメネ】ムカつくなぁしかし。
そして律儀に喧嘩を買おうとし『あわや刃傷に及ぶかプレイ』でアンドレに上からたしなめられるオスカル様・・・私はそんな彼女が愛しい。
「放せ」って・・・放せるかよ?
というわけで、第12話は勧善懲悪を描いたド・ゲメネへの復讐エピソード。ではありません。
オスカル様は相手が公爵だろうが鬼畜だろうが妖怪だろうが対立する時は潔く、そして命をかける時には真摯に悩みまくる・・・そーゆーお人なのです。
そう・・・今回もオスカル様はいろいろな事で心を痛めてらっしゃいます。そしてその悩み、心遣いのすべてがとにかく女性的。
これが原作オスカル様と大きく違うところなのです。
アニメのオスカル様は何故アントワネット様が惚けるように遊びまくってしまうのかその理由を理解、納得できています。
「フェルゼンの居なくなった寂しさを紛らわす為」これがもう自然に理解できている。身も心も女性だからです。
そしてそんな哀れなアントワネット様を強く批判する態度に出るアンドレに、それとなくアントワネット様の心情を説明する台詞「太陽をなくしたバラは、何に向かって微笑みかけたらいい?星も月もない海原で、船乗りは何を目当てに船を進めたらいい?」とおっしゃいます。なんて詩的な・・・(涙)フェルゼンは太陽、星、月・・・アントワネット様には彼こそが光のすべて、なくてはならない人物であるのを既に知っているかのような口振りです。そして「分かってあげて欲しい」の一言が本当に本当に・・・優し過ぎるオスカル様なのです。
この優しさ、間違った行為を正さねばならない立場の側近としてはどうなのか?良いはずがありません。
私はオスカル様のこの優しさは残念ながらハッキリと仇となったのだと思います。
こーゆー場面、後々まで数多く見られますのでアニメの名物のひとつとして是非注目して下さい。
さぁ、今回の山場、ド・ゲメネと公衆の面前で派手に口論されるオスカル様です。
彼女、普段はとても無口な方ですが、その気になったら口はかなり達者なようで、口喧嘩むちゃくちゃ強いです。
そして私は田島令子さんの怒り方がとっても好きです。
彼女の怒りは、ただ単に怒声を張り上げ表現するのじゃありません。大声で怒鳴るのではなく冷静になる。決して女のヒステリーにはしない理知的なアフレコなのです。
この時のオスカル様もとっても丁寧かつ辛辣にド・ゲメネを言及し・・・その理路整然とした口調が相手を余計イラつかせているのでしょう。ついに手袋を投げさす事に成功します。って別に意図した事ではないでしょうが。
とにかくピエールぼうやの敵討ちが実現するところまで漕ぎ着けたオスカル様。見守る男たちが面白いのです。
父、ジェロ、アンドレ。
意外にも面白がって「やれやれ~」な父、一方オスカル様を信じながらも心配が止まらない下僕な男2名。
アンドレがジェロの問いに対してかなり得意気に「それがオスカルらしいところです。いつも自分に厳しい云々・・・」と答えるところなんか実に彼らしい。
あんたがえばるとこじゃないよーwww
まぁそんなこんなで場面は卑怯者たちの密談現場に移ります。
あーは言ってみたものの内心ビビりまくりのド・ゲメネ。それを更に脅したうえ、セコく見返りを要求しつつ不正を約束するオルレアン公。
オスカル様相手にこいつらの悪だくみはうまくいった試しがありません。
が、今回の作戦はちょっとばかり不安になります。
そして場面は再びジャル家の庭へ。眠れずに思い悩むオスカル様はアンドレに気持ちを吐露した事でようやく少しラクになったようです。
それでこそアンドレ。アンドレとはオスカル様の精神安定剤に他なりません。
アニばらではアンドレ=人間トランキライザーと思って頂いて間違いはないと思いますよ。
それにしても7歳のオスカル様・・・宝物は鉛の独楽と赤いナイフとクマの人形だったらしいですが、お子様ながらなかなかどうしてバランスのとれた品物をチョイスしておられると思います。アンドレは何を入れたのだろうか?見ているだけだったのだろうか?
二人のタイムカプセル、実際掘り起こす事はあったのだろうか?ちょっと妄想が膨らむ場面です。
そして決闘の朝、オスカル様は・・・?
順調に悪事を進める悪いおっさん二人組ですが、オスカル様の状況把握能力を見くびっていたようです。おまけにド・ゲメネ公爵は勝利を確信するあまり余計な一言を。お蔭様でアニメならではの珍プレーにて、見事オスカル様は難を逃れます。人として許しがたい大罪を犯した上に卑怯な手を使って自分を殺そうとした男。そんな奴の息の根なんかもう止めてやってもいいのでは?と思いますが・・・オスカル様はそーゆー人ではありません。チビっ子が多く観ているアニメですし、実写のカトリオーナさんとは違うのです。オスカル様は凄腕のスナイパーよろしく「子供を撃った憎い手」にだけ制裁を加え、静かに銃をおろします。
ちょっぴり街の掃除屋、冴羽遼チックでした。
なにはともあれ、勝ってもオスカル様の心には深い傷が残ると心配していたであろうアンドレは、さぞかしホッとした事でしょう。
ああ、それと今回、ジェローデルのフルネームが明らかになると言うオマケがありました。アニばらをそれ程好きじゃない方にもこの『ヴィクトール・クレマン・ド・ジェローデル』と言う素敵な名前は、すっかり浸透定着しています。偏執的なアニばらファンである私サクランボ、この事実がむしょうに嬉しかったりするんですね♪ ←後に原作ジェロの名前はフローリアンという事が判明。そこで両者は完全に別人として取り扱われるようになったそうな。と言うところで、つづく。
永遠のスピリチュアルスポット、アラスに泣け!!
魂の還る場所から革命は始まり・・・・・
第13話 「アラスの風よ応えて・・・」
アラスです。アラスと言えばアニばらファンにとっては滅茶苦茶萌えどころの、まさに究極のスピリチュアルパワースポット!!
オスカル様、アンドレの二人にとってアラスとはどんな場所だったのか?
アラスで見た素晴らしかった朝日とは一体どんな輝きだったのか?
アニばらファンならアラス妄想をおかずにドンブリ飯30杯は食えなきゃ駄目だと言われるあのアラスの登場です。
アラスの風よ、応えて・・・ガットギターの音色が素敵に似合う素朴な風景ですね。
その前に主題歌前の滑り出し、つかみのコーナー。おばあちゃんの猛攻から必死で逃げ回るアンドレですが、この三人(オスカル様、アンドレ、ばあや)って、妙に台所が似合うと思いませんか?私のイメージではアニメのオスカル様はお料理ができる人です。人手が足りなければ、ばあやの為、そっとジャガイモをむいておいてあげる。そんな心遣いだってできそうなのです。なにしろ女らしいですからね~彼女は。場合によってはアンドレと二人、彼の鼻歌でも聴きながら台所のお手伝い・・・そんなフォークソングじみた微笑ましい場面すら想像できてしまう。とにかく彼女は女らしいのです。
場面を戻しまして、ガットギターの調べに乗ってやって来ました、ジャルジェ家御領地。休暇で新婚さんのオスカル様とアンドレはひとつ羽を伸ばしに思い出の土地を訪れます・・・って全然違います。
オスカル様は前回の件で景気よく謹慎処分をくらい出勤停止中。
いい機会だからとアンドレを連れて、ご自分のうちの領地を視察に来たのです。
・・・きっと心配になったのでしょうね。立て続けに目にしたパリでの惨状。生活に窮し体を売ろうとする少女、飢えて盗みをはたらき射殺された子供。一体世の中どうなっているのだろうと思われたに違いない。
「そうだ・・・我が家の領地、アラスは今どうなっている?」と居ても立ってもいられない思いがあったのかもしれません。
癒しを求めて、そして一方では堪らない不安に駆られて、オスカル様の頭には恐らく半分半分の思いがあったかと思われます。そこを努めて明るく、オスカル様にしてはなかなかのポジティブシンキングで不満を口にするアンドレを励まし「お腹すいたよ~!!」と駆け出す二人。それがなんだかとっても新鮮で愛しいのです。涙。。。
で、到着しました。今夜のお宿。前もって予約も何もせず突然いらっしゃったようで、アラス亭オヤジはビックリなようですが、それよりビックリなのは・・・この人が居た事でありましょう。
マクシミリアン・ド・ロベスピエール。
まだ若いです。この人が残酷な変貌を遂げるのはもうちょっと先のことなので、この時はまだ爽やかさの残る青年風の姿をしています。で、早速興味を示したオスカル様、アンドレを放置して彼とお喋りを始めます。しかしこのロベスピエール、オスカル様に向かってなかなかどうしてな台詞を吐きます。最初から「近衛兵の中に美しい人がいると思って見惚れていた」ですよ!?
この人は何の説明もないうちから『オスカル様=女』だと分かっているようなのです。史実ではこの男、生涯童貞を守り通したしょうもない化石野郎らしいですが、アニメのこいつに限って言えば、甘いボイスと歯の浮くようなつかみでオスカル様をいきなり油断させるテクニシャン。アンドレも「なんだよ~もう・・・」ちゅうとこかもしれません。
それはそうと、ロベスピエール先生のような人、いますね。
物腰も言葉使いもそつが無く丁寧ですが、自分の言ってる事が正論だと前のめりになるあまり、核心への迫り方が攻撃的なのです。このての人は相手を怒らせてから初めて自分のアプローチの悪さに気がつきますが、主張している事は決して間違いではないので対峙した人は衝撃を受けます。オスカル様も思ってもみない話の展開に、へこみます。お腹すいてたのに食欲も著しく減退してしまったようで。二人っきりの胸躍る楽しい旅行が最初のディナーでこのような形で躓き、アンドレはさぞや残念がった事でしょう。
そんな中、更なる衝撃がオスカル様を襲います。来る途中、だいぶ嫌~な予感を漂わす陰気な親子がいましたが・・・その子供が発病!いきなり死ぬ寸前だと言うのだからサァ大変!!
これは一大事と本格的に夕食を切り上げ、急いで駆け付けたオスカル様。そこでリアルに悲惨な民衆の姿を目の当たりにします。
同行したアンドレなどは貧困に喘ぐ家族を前に「食った食った!うまかったな~~」な己を猛反省し、罪悪感でいっぱいだったかもしれません。そりゃ、台詞もないでしょう。そしてショックの中、オスカル様は泣きながら行動するのです。
「もうこれ以上、幼い命を失いたくない」と言う魂の叫びが聞こえるようではないですか・・・
さてこの回、ベルサイユ宮では新たな悪役が誕生しています。ポリニャック夫人・・・この人は嫌いなのであまり面白いコメントが出てきません。なので置いときます。
話を戻しましてスガンの息子、ジルベールはオスカル様の助けにより無事一命を取り留めました。
良かった・・・本当に良かった。と喜ぶオスカル様ではありますが、知ってしまった民衆の現実に堪らず駆け出す姿がなんともおいたわしく・・・またも派手に落馬する運命が痛い痛い~~~のであります。
この回の最後に、アニばらは原作よりもフランス革命そのものへ着眼が凄いと思います。つまりは極めて【残酷】なものと捉えている。やがて起こる時代のムーブメントが決してポジティブなものではないと言う表現をするのです。
子供相手のアニメでこの手加減のしなさ加減は見事です。カッコいいです。
平和な田舎町であるはずのアラスからやがて始まる激動の時代をビンビンに予感させて、画面いっぱいに暗い色をした鳥たちが飛び立ちます。
「そうか、風か・・・」のオスカル様の呟きと共に流れるナレーション、・・・めっちゃいいわいっ!!!
アラスの風よ!!そして総監督長浜さんよ!!
中盤随一の感動を、心からありがとう・・・!!つづく。
やってきました。永遠の名台詞
「文句があったら、いつでもベルサイユにいらっしゃい」を吐きに。
ポリ・・・まじムカつく~!!
第14話 「天使の秘密」
諸事情による長浜監督の降板によりこれから先何話かは総監督不在のエピソードになります。何があったんでしょうか!?ちょ~今更ながら、気になります。
裏の話はまぁ置いときまして、大切なのは表です。総監督と言う存在、具体的に何をするのかよく分かりませんが・・・とりあえず14話~18話の間のお話、アニばらにしてはまぁまぁ・・・「原作に忠実っぽい」と言っていいんじゃないでしょうか。ゆえにそこまで強烈なサプライズも無し。今回は特に地味な印象を受けました。仕方ありません、長い行程のうちにはこーゆー時もあります。どうにかして突っ込みどころを探しましょう。
と言ったところで冒頭、アラスからパリへ帰って来たオスカル様とアンドレの会話です。
思わず「懐かしい」と口走るほど、ふたりはどこへトリップしていたのでしょうか?
誰も見てない二人っきり!!その状態で10日間。もちろん、ご領地アラスへの視察です。
しかし、10日間はもの凄く長いと思うので。できることならここは・・・時間の許す限り妄想していたい。皆さん、アラス妄想の是非でアニばらの真価が問われると言っても過言ではないので!この10日間。ことあるごとに舞い戻って『ふたりの絆in永遠のスピリチュアルパワースポット、アラス』を噛み締めたいものですね!むっはーーーーーーーーー・・・・☆
一方ベルサイユで急激な台頭を見せつけるのが・・・ポリニャック夫人です。この人、天使のような外見らしいのですが、武藤礼子さんの声色が初出の時から明らかに意地悪していますので全然優しく見えません。惜しかったです。
王后陛下は彼女の何がそんなに気に入って夢中になったのか?よく分からないまま彼女はロザリーの母を轢き殺し、お決まりの名台詞を吐き、去ってゆく。
残念なことですが、このポリ夫人。デュバリー夫人やジャンヌのような深い掘り下げが見当たりません。原作でのキャラクターの悪さを三割り増しくらいにして、ひたすら嫌なおばさんで終わってしまう。
19話でややドラマチックな場面がありますが、そもそもこのポリ夫人、正真正銘貴族なんですよね。屈折した過去があり、辛酸なめて来たことには違いありませんが・・・どうにもこうにもアニばらスタッフはオスカル様以外の『貴族の女』には関心が薄いようで。
逆に言うと下層階級で這いつくばる女、極貧から成り上がって来る女への洞察&評価は凄い。
総じて『平民より』のアニばらの、このへんは大きな特徴と言えるでしょう。
ところで、前後しますが、ジャルジェ家でもほぼ原作通りの展開でバトルが勃発。ただこちらのオスカル様は帰宅してすぐに自ら挨拶に行ったようでして。更に見たところ非常に殴られ慣れているリアクションが泣けて来ます。うっうっ・・・しかしどうもこの場面、納得しにくいのです。ド・ゲメネとの決闘時、この父親は知って止めるどころか、むしろ誇らしげに「やれやれ~」的な態度だったはず。それと謹慎中の無断外出を咎めるのは次元の違う話かもしれませんが・・・偉そうに「おまえが決闘騒ぎを起こした相手は云々」などと説教されたくありません!なんとなくイラっとします。
ついでですがオスカル様が悔しがって最後「公爵がなんだ!」と言うのも・・・ここではやや八つ当たりな感がありました。当然です。公爵がなんだってんだ!?子供の正論にグーの音も出なくなり、しまいには「そんな暇があったら剣の腕でも磨くがよい」ってよ~・・オスカル様、そりゃ消化不良になりますよ!お可哀相に。。。
と言うわけで、それぞれの運命の糸がお互い知らぬ間に手繰りよせられ、ベルサイユというステージに向かい始めます。ロザリーとオスカル様の再会・・・短期間のうちに民衆の残酷な現実を次々と見せられたオスカル様が、即座に彼女を引き取ろうとなさるのは無理のない展開でした。
この時のオスカル様って精神的に【平民の気の毒なひと】に対して、とにかく受け入れ態勢万全なのです。
ロザリーよ・・・貴女は本当に、幸せな星のもとに生まれたねぇと、母を亡くしたばかりの彼女に言うのはあんまりでしょうか?
それはそうと、母さんの仇!覚悟~~~!!と突進してくるロザリー。結構気合入ってましたよね?残念ながら子犬一匹余裕で殺せそうな迫力だったと思うのですが。しかし、そうは言ってもあの程度の気合、オスカル様にとっちゃ~蚊ぐらいなもんなんでしょうね。と言うわけで、オスカル様とひとつ屋根の下。ドキドキワクワクでいながら猛烈切ない・・・月9もビックリな同居ドラマの始まり始まりで~す!!と言うところで・・・つづく。
オスカル様っ!!もっとしっかりして下さい・・・
ポリの奴、調子こきやがって、今にみてろよ~・・・!!
第15話 「カジノの伯爵夫人」
前回のオスカル様とロザリー、運命の再会!《涙キラキラde前向きムード満点》な場面から一転、今回は冒頭から怪しい雰囲気・・・ドロドロな内容を激しく予感させます。
恐ろしげな彫刻たちが目を光らせアントワネット様に「お世継ぎはまだかぁ~~~」と詰問する場面。これはアントワネット様が毎夜みる夢なのかもしれません。悪夢です・・・お可哀相に。こーゆー状況って古今東西、王位継承者のもとへ嫁がれた女性のうえに重く圧し掛かる問題なのでしょう・・・物凄い重責です。ましてやアントワネット様のような【もともと政略結婚、役に立たなきゃお払い箱】みたいな立場のプリンセスには「子供を身ごもれない」はまさに死活問題であります。同じ女として、ここは全く同情すべき状況&心理状態であるわけですが・・・
しかし、そうは言っても、それとこれとは別問題。アントワネット様の常軌を逸した愚かっぷりときたらーーー!見てられません、イライラします。自分の苦しみの前でまともな判断力を失い、悪女の罠にいいようにハマって行くもどかしさ。
デュバリーとやり合ってた頃の誇り高い彼女と同一人物だとはとても思えません。
閑話休題。久し振りに職務復帰されたオスカル様、感慨深げにしみじみとベルサイユを眺めて歩かれる場面ですが、ジェローデルと何やらい~いムードです!!この二人は・・・かなりお似合いだと思うのですよ!!
頑固で少々偏屈な性格は勿論のこと、趣味や嗜好も恐らく似ているだろうし・・・近衛でありながら宮廷のケバケバしさや貴族の自堕落ぶりに批判的なところ、もうそっくりです。
それに流石はブルボン王朝自慢の麗しき近衛連隊ツートップ。二人並んだ姿が文句なく美しい・・・
さて、この二人に憧れ、毎年【近衛連隊採用試験】には若者が殺到します。
オスカル様が入隊後の平均競争倍率は30倍。オーバーなようですがフランス全土から美形が集まり、腕っ節どーこーよりも何かのオーディション会場ですか?と思うくらいの華やかでいて熾烈を極める激戦が繰り広げられるわけです。
そんなこんなで小さな子供でも容姿に多少の自信がある貴族の男の子ならば物心ついた途端に軍人を目指すようになりました。「将来なりたい職業」のトップは常に近衛兵。平和な時代だからこそ、そんな風潮のベルサイユ・・・オスカル様のおかげで軍人の立場が格段にアップしたわけです。
「女性とは偉大であるなぁ・・・」と、陸軍総司令官ブイエ将軍などは超難関と化した近衛の様子を溜め息混じりに眺め、毎日のように感嘆の一言を呟いていた事でしょうね。
アニばらのこのあたり、私はそーゆーイメージで見ておりますので、どうぞご理解をお願い致します。
しょうもない妄想でやや脱線しましたが・・・
隊長のオスカル様が本質的な部分で女性的優雅さに溢れたお方なので、副官のジェロは自然と『ジェントルマン』に磨き上げられてゆくのでありましょう。
そうそう、たまに貴族やベルサイユの在り方を痛烈に皮肉ったりするところ、あれはあれでオスカル様の癒しになっているはずなのです。
私がジェロ好きなばかりに細かいところであーだこーだ言っておりますが、とにかくこの二人、とても居心地のいい関係なのは間違いないと思うのです。
『アンドレ抜きで謹慎明け職場デート』のひとコマ。非常に萌えます。ってところに突っ込んで来やがった糞ビッチ、ポリニャック(下品でごめんなさい)!おめーーー何すんねん!?マジ許せん、この女・・・怒りがふつふつと沸いてきます。
と言うわけでこの15話。早くもポリニャックは本性丸出し!悪役汁を垂れ流してベルサイユの人々を翻弄します。んで、幼い頃は今回のエピソード「オスカル様が可哀相だ」と心底胸が痛んだものです。が、しかし今になって冷静に見てみると・・・情けない。残念ながらオスカル様は情けないと思うのです。せっかく現行犯で押さえてるのに!近衛連隊長としてあんな脅しに金縛りにあっている場合ではないでしょう。貧しい国民から無理やり搾取した血税60億円がかかっているのです。「卑怯な・・・」と地団駄も踏まずにやりこめられてる場合ではないのです。オスカル様、もっと割り切って下さい~~~!と歯ぎしりしている間に計画はポリの思い通り、とてもスムーズに運んでしまい・・・はい、見事ハメられてしまったではないですか。
これはある意味自業自得と言っていいような。気の毒は気の毒ですが、オスカル様が生温かったのが一番の敗因だと思います。
と言うわけで、非常に後味の悪いこの度の【王妃様インチキ懐妊エピソード】、人の弱みにつけ込んだ最低の悪巧みでした。しかしこれはアニばらの本筋とはまるで関係のない単なる繋ぎですから・・・多少グダグダでもまっいいか!と思う事に致します。・・・つづく。
オスカル様のテンションが安定しません・・・
吹き荒れる春風ロザリーにジャル家は微妙な空気・・・?
第16話 「母、その人の名は・・・?」
前回の有り得ない【王妃さま妊娠&流産エピソード】で、オスカル様はちょっと壊れてしまったのでしょうか?それか宮廷で起こるあれやこれやのしょうもない出来事に、流石に疲れてしまったのだと思われます。今回のオスカル様はややテンション不安定、いろいろな部分で過渡期であるなぁーと思うのです。
てか、アニばら内で原作に忠実な事をやろうとすると、いつも無理が生じるのです。
今回の冒頭、ONからOFFにスイッチしたオスカル様は子犬をジャラかすようにロザリーを構って面白がっておりますが、こーゆームードはアニメのオスカル様には似合いません。なんなんですか?とってつけたようなあのお姫様抱っこはよ~!?はい、私は壱ファンとして、こーゆー無くていいイチャイチャシーンにはただただ嫉妬するのであります。。。
ボ・ボ・ボ・ボ・ボ~~~~・・・怒
それにしてもオスカル様、気のせいかロザリーとの会話は棒読みっぽくないですか?
なんちゅうか、年下の女の子と接する経験があまりなかったオスカル様ですから、ぎこちない感じがあるのです。こちらが片手間で相手をしていても子犬は常に真剣勝負。ちょいちょい突っついて「しっかりしろよ~」と笑っていると、のりしろの無い子犬はマジで泣いて「ひどいわ・・・よよよ~~」なのです。ま、新鮮で可愛いんでしょうが・・・らしくない事は程々にして下さいよ、オスカル様。
しかし、本物の剣でやらせてるんですか!?そんな素人さんに、危なくないですか!?
内海ラオウから無茶苦茶な指導を受けてお育ちになったであろうオスカル様はご自身も結構なスパルタ教官であるようです。そしてこのロザリー、なかなか素質があるようで、この後メキメキと腕を上げてしっかり子犬ちゃんを卒業して行きます。
と言うところで、はい!次はOPを挟んでのオスカル様とアンドレの会話です。
「今日から一週間、おまえの時間をロザリーにやってくれ」って・・・アンドレよ、大変だねぇーーーおまえの時間がどれくらいあるのか分かりませんが、自由時間をすべて返上してロザリーの面倒をみてやってくれという事なのでしょうから、大変です。
アニメの場合、オスカル様が単独でロザリーを慈しんでいるわけではありません。そしてその存在は「妹」なんかでは決してないのです。アニばらの中を流れる空気はもっともっとシビアです。
養育者を【敵】に殺された幼子を、同じく【敵】の立場であるはずの者たちが、静かに戦地から引き取って来るようなものです。幼子にとって引き取られた先は夢のような空間でも、一歩外に出れば四面楚歌の別世界。自分を連れ帰ってくれた恩人の立場が自分のせいで悪くなるのです。アニメのロザリーはこーゆー部分でこの先ずっと苦しむことになるわけで・・・エンディングの「苦しめば苦しむほど~」と言うのは、彼女の心境にも当てはまるものがあるのではないか?と思うわけなのです。
あーもうねー・・・アニメの彼女は一瞬『貴族と平民の橋渡し』のような雰囲気で存在するも、最終的には100%平民の姿でオスカル様に対峙し、その力強さを見せ付けるのですから、本当に子犬ちゃ~んなんつって馬鹿にしてたら駄目なのですよ。誰も馬鹿にしてませんが、とにかくこのロザリー、オスカル様とアンドレ、この《ふたり》に見守られて、青春のひと時を生きていきます。残念ながら監督不在のこのあたりの描写は単純で、特筆するべき場面はありませんが・・・とにかくアニばらでは「可憐」よりも「逞しさ、力強さ」というキーワードでもってロザリーに注目していて欲しいと思います。
閑話休題ですが、オスカル様のお部屋の壁紙って、こてこてなのが貼ってありますね~。なかなか重厚なムードなんですが、少々くどいのでひとつ爽やか系へリフォームして差し上げたいです。
さ、続いての場面がエリザベス夫人の舞踏会です。初めて観た時まず「おや?」と思いましたのが・・・貴婦人たちの反応です。前回の一件で地に堕ちたかに見えたオスカル様人気ですが、あれは既に無かったかのような勢いでグルーピー(死語)たちがざわめく場面には思わずホッと胸を撫で下ろしたものです。
良かった・・・無かった事で。
一方ヒールはどうしているかと言うと・・・ローアン大司教を利用して順調にのし上がって来ているようで。
ジャンヌという女は非常に熱くクリエイティブな人だと思うのです。
方向性は著しく間違ってますが、とにかく理想を描き、それに向けて具体的な目標を掲げ、鮮やかに実現していく様は爽快です。
アニばらのスタッフがそのように位置付けたのでありましょう、この女を!!小さい頃から私にとってジャンヌはオスカル様の次に魅惑的なキャラでしたが、大人になってから見ると益々その魅力に翻弄されます。
そんな女の僕となって、いいように使われる男ニコラス。つくづく近衛の制服が似合わない野郎です。こげな奴が伯爵のわけがない。それに彼の台詞に若干引っ掛かる箇所が「税金も払わねえで伯爵を名乗ったりして、もし憲兵隊にでも知れたら・・・」とかなんとか言いいますよね?私はてっきり【税金を払わないのが貴族】だと思ってたのですが(汗っ)・・・ち、ちがうんですかね?
そー言えば、ちょっと脱線しますが聞いて下さい。実家に犬がおりまして、ダルメシアンなんです。もうすっごく可愛くて、家族全員ダルメシアンマニアな為雑貨でもなんでもダルメシアン柄があると買ってしまうんですね。それでビデオの類もよく観るんです。で、ディズニーアニメの「101匹わんちゃん」の日本語吹き替えがですね~ポンゴ=池水通洋、パーディタ=松金よね子(敬称略)なんです。こんな愛と勇気に満ちた善良極まりない夫婦(犬ですが)の吹き替えが・・・ニコラスとジャンヌなのは何故なのか?偶然に決まってますがチョット気になります。キャスティングした人、アニばら観てたりして。
と言う事で、要所要所でいい演出、あるにはありますが~今回もあまりパッとしません。ラスト近くで口論になるオスカル様とポリ夫人も、なんだかなぁーな感じです。
と、その前に・・・アントワネット様との空気感。この和やかさ!なのでこの間の事はホントに解決したと考えていいのでしょう。
オスカル様の心に大きな傷が残るようなことをアントワネット様にはして欲しくありません。
「いい機会だ!完膚なきまでに叩きのめしてやろう!!」と思ったのに・・・アッサリ誤解が解けてしまって悔しい。だから意地悪言って立場を悪くしてやるとポリ夫人は思ったのでしょうね、きっと。そーゆー事にしておきます。
最後に、どんなに疲れていても「母さんの仇!!」と呟きさえすれば即復活する女の子、ロザリー・・・
彼女のおかげでジャル家はそこら中が剣の練習場です。
「はぁーーー・・・物騒な世の中になったもんだねぇ」と、ばあやさんが溜め息まじりに小さく嘆いたとさ。つづく!!