読書について

 

<作品寸評>
日本の文芸作品
 芥川賞作品

海外の文芸作品

エッセイ・雑文

<注目する作家>

大江健三郎

カズオ・イシグロ
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高橋和巳
多和田葉子
野間宏
村上春樹

トルーマン・カポーティ

<1968-1972>
1968に関する本
1972に関する本

 

<文学史・文壇史>
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<批評>
作家論
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<最近読んだ作品>

五木寛之

怨歌の誕生

 

大下英治

悲しき歌姫

 

沢木耕太郎

流星ひとつ

 

新海均

カッパ・ブックスの時代

 

岡崎武志

蔵書の苦しみ


石原千秋

漱石と日本の近代


梯久美子 著
島尾ミホ伝『死の棘』の謎


ノルベルト・フライ 著1968年 反乱のグローバリズム

 

<トピックス>

高橋たか子死去

第7回大江健三郎賞
公開対談


英語で読む村上春樹

 文學界2013年9月号には藤野可織の芥川賞受賞を記念して堀江敏幸との対談や自身のエッセイ、円城塔の彼女の小説についての解説が載っている。
<芥川賞記念対談・この世界を正確に書きうつしたい/藤野可織、堀江敏幸>
 冒頭二人は彼女の小説が、ホラー小説というレッテルを貼られている事について話しをしている。彼女はそう言われているのは知っているが、自分はそのつもりでは書いてはいないという。ついで受賞作など彼女の創作等についての話しとなる。章立てに添って話されている事を記す。
二人称という選択
三人称で書いていたが六割方のところで進めなくなり、二人称で書き直しを始めた。
ベランダという外の世界
普段、彼女は余り外に出ないのでベランダは外の世界になる。だから、ベランダが良く彼女の小説に出てくる。
一枚の絵から生まれる
爪の形をしたマニキュアの薄片を目に入れるラストシーンが先にあって、それで終わろうと決めていた。
大学院で学んだこと
美学芸術学を専攻していて、修士では木村伊兵衛が1940年に刊行した『Four Japanese Painter』という写真集について論文を書いた。その時に先生から正確に言い表すように言われた。
小説を学ぶ?
日本では小説を学ばないが、アメリカではクリエイティブ・ライティング・コースで勉強して作家になるのが一般的と聞いてびっくりした。
祖父の目
祖父が死んだ時に、二日ぐらい前からずっと目を開けっ放しだった事、そして息を引き取った瞬間から10分くらいの変化がすごくて印象的であった事、それをじっと観察していた事が語られる。
人間でないものに対する愛
人間じゃない生き物に興味がある。たとえば恐竜も好きである。好きな恐竜はティラノサウルス。植物は基本的には気持ち悪いなと思っている。
今までと、これからと
殺人事件とか、実際の事件を取材して書いてみたい。基本的には文章自体があまり強烈な個性にならないように気をつけている。平易な文章の集まりが、小説全体として印象的なものになればいい。
前兆の文学
とくに前触れを書こうと意識していることはない。全部創作であるが、実際に目の前で起こっていることの観察記録というか、単に記録をつけているつもりで書くようにしている。

<受賞記念エッセイ・傷つくことと傷つかないこと/藤野可織>
 ゾンビの話しで終始している。

<レンズの向こうー藤野可織の小説について/円城塔>

 藤野可織の小説は、対象との距離がとても近い。ほとんど顔を接するような描写が印象的で、小さな子供や視力の弱い人を思わせる。あるいはカメラを覗き込み、ピントを合わせていく感覚に近い。カットとカットの間はぼやけて見えない。わたしたちはレンズを通して物を見る。実はレンズによって血しぶきから守られている。