>

映画の思い出について

 

<映画寸評>
日本の作品
欧米の作品
アジアの作品
ATG作品
文芸作品(原作もの)

 

<ドラマ寸評>
日本の作品


<注目する女優>
イングリッド
     ・バーグマン
コン・リー

ジャンヌ・モロー

ジーン・セバーグ
ニコール・キッドマン
フェイ・ダナウェイ

浅丘ルリ子

芦川いづみ
栗原小巻

黒木瞳

関根恵子

高峰秀子

中谷美紀

成海璃子

樋口可南子

真木よう子
宮沢りえ

吉永小百合

若尾文子

 

<注目する男優>

石原裕次郎

<注目する監督>
イム・グォンテク

チェン・カイコー

大島渚

小栗康平

小津安二郎

黒澤明

木下惠介

熊井啓

イングマール
    ・ベルイマン

<最近観た映画>

無伴奏

キャロル


 

<最近観たドラマ>

コントレール〜罪と恋〜
(NHK ドラマ10)

ガラスの家
(NHK ドラマ10)

 

<トピックス>

八重の桜の史実と創作

「三國連太郎」で逝く

 コマキストを自認する私は、朝日新聞に掲載された栗原小巻ひとり芝居「松井須磨子」ペアチケットご招待の案内に応募したものの、見事に外れ、500円引き(4,000円/人)の優待割引券を手にした。金額的に躊躇うところがあったが、これが彼女を見る(彼女の声を聞く)最後になるかも知れないと思い。一人で亀有(リリアホール)まで出かけた。
 しかし、優待のせいか席が後ろから3番目の列で、彼女の顔をはっきり見ることはできなかった。4年半前に池袋の新文芸坐でのトークショーに行った時には、もう少し顔が良く見えた。語弊があるかも知れないが、その時の感じで、顔はぼんやりしてた方が良かったかも知れない。声はよく聞こえた。
 80分間ほぼ出ずっぱり。時にタンバリンを持って踊り、時にカチューシャの歌やゴンドラの歌、さすらいの歌を歌う。セリフの発声は強く、大きく、若い時ほどではないが高い(時に嗄れたようになるのは致し方ないか)。歌もプロ並みというのは言い過ぎかも知れないが、悪くはない。74歳にしてこの演技に感服した。亀有まで出かけて良かったと思った。
 ただ、一人芝居を見るのが初めてだったせいかも知れないが、芝居の筋が分かりにくかった。ホールに集まった人たちは、ほとんどが高齢者。松井須磨子の名は知っているだろうが、果たしてどこまで詳しいだろうか。加えて、残念なことにメリハリがなく、盛り上がりに欠けた。須磨子の演技(劇中のセリフ)の再現が多く見られると思ったが、なかったような気がする。せっかくの熱演が感動を呼ばない。一人芝居では致し方ないことなのかも知れない。
 これで小巻さんに会えるのは最後になるかと思うと寂しかった。

 別のところに書いた(日刊スポーツ記事の転記)が、小巻さんは、1994年に師匠とも言える千田是也が亡くなってから俳優座出演が少なくなり、2002年を最後に途絶え、2013年には退団を余儀なくされた。1995年からは、現在所属しているプロダクション・エイコーン を中心にした活動に移行しているが、マスメディアで取り上げられるほど活発ではない。
 小巻さんは、若い時、テレビドラマで有名になり、映画にも多く出演した。しかし、ドラマは2014年の「月に行く舟」、映画は2004年の「ミラーを拭く男」での出演が最後。いずれも若い時の美しさや迫力ある演技は見られず、若き日の彼女を知るコマキストの私にとってみれば、演技者としては、もう終わりなのかと感じた。
 ただ、今回の演技を見ると、舞台ではまだまだイケるのではと思う。なぜ一人芝居をやらざるを得ないのかは分からない。彼女自身の希望なのか、それとも他の演技者や劇団(演劇集団)との関係なのか、プロモーションの問題なのか?何れにしても、彼女の演技をもっと我々が見ることができる機会を多く持って欲しい。
 エイコーン発行の「松井須磨子」のパンフレットを見ると、今年「愛の讃歌ーピアフ」という一人芝居を演じている。機会があるなら、この演技も見てみたい。(2019年5月14日 記)

*エイコーン パンフレットより
 ・加来英治脚本(一景〜十景)解説
   (水落潔「栗原小巻の松井須磨子に期待する」より抜粋)

 ・栗原小巻 Kurihara Komaki  主な舞台と役名

*公演販促パンフレット

date

hana

 

*公演パンフ(横須賀はまゆう会館2021年11月)…コロナ禍のため行けず