暇人の雑記帳
観るー女優、監督などを切り口とする映画、ドラマなどについての寸評
<映画寸評>
日本の作品
欧米の作品
アジアの作品
ATG作品
文芸作品(原作もの)
<ドラマ寸評>
日本の作品
<注目する女優>
イングリッド
・バーグマン
コン・リー
ジャンヌ・モロー
ジーン・セバーグ
ニコール・キッドマン
フェイ・ダナウェイ
芦川いづみ
栗原小巻
黒木瞳
関根恵子
高峰秀子
中谷美紀
真木よう子
宮沢りえ
<注目する男優>
石原裕次郎
<注目する監督>
イム・グォンテク
小津安二郎
熊井啓
<最近観た映画>
<最近観たドラマ>
コントレール〜罪と恋〜
(NHK ドラマ10)
ガラスの家
(NHK ドラマ10)
<トピックス>
木下惠介監督というと何を思い浮かべるかというと、私は「二十四の瞳」である。そして、「陸軍」で出征する息子を追いかける母のシーンである。あるいは「カルメン故郷に帰る」だったりする。
どんな傾向の監督かということも知らず、特に注目してはいなかった。
どの作品を見たのかとフィルモグラフィーを見てみれば、「二十四の瞳」、「喜びも悲しみも幾歳月」、「スリランカの愛と別れ」だけである。
昨年(2012年)は、監督(1912年12月2日生まれ)の生誕100年に当たるため、昨年から今年にかけて映画祭が開催された(オーディトリウム渋谷/2012.12月〜2013.1月/15作品、池袋・新文芸坐/2013.6月/19作品)。
2013年6月には、同監督を敬愛する原恵一監督が、木下惠介の運命を変えた実話を基にして製作した作品「はじまりのみち」が公開された。
二十四の瞳(1954年作品)
上記生誕100年祭の初日にデジタルリマスター版を見た。
多分、文部省推薦映画という事で、小学校1年生の時にクラス全員で映画館に行って、一度見たのではないかと思う。しかし、スチール写真で良く見受けられる様に、小豆島の新任教師と12人の教え子達との交流を描いた物語程度にしか記憶はなかった。
既に多くの方が論評しているので更めて詳細な説明は差し控えるが、これはきわめて反戦的なあるいは厭戦的な映画である。原作は壺井栄。プロレタリア作家であるので、そのような内容であるのは当然であるかも知れないが、読んでないので原作と映画の脚本がどう違うかは分からない。多分、原作に比較的忠実に表現しているのではないかと思われる。大石先生と12人の学校での生活は、彼女が大けがをしてしまったため、比較的短い。しかし、貧しくて身売りされた子を探す場面や一家で夜逃げに追い込まれた子が亡くなる場面、反戦的な雑誌を持っていて校長に脅される場面、男子生徒が出征し亡くなって帰ってくる場面、戦争が終わり戦争で失明してしまった男の子を交えた同窓会の場面など、民衆にしわ寄せが来る社会に対してきわめて批判的である。これが、木下惠介の最も言いたい所である。
花咲く港(1943年作品)
木下惠介監督のデビュー作である。原作(同年作)は菊田一夫。
15年前、造船所を作ろうとして人々に尊敬されていた男の遺児を名乗る2人の男が南九州の小島にやってくる。彼らはペテン師で、造船所再開すると言って出資者を募集する。しかし、予想外に金が集まって怖じ気づく。そんな中、日本が米英と開戦する。逃げるに逃げられず、船ができあがるまで島に居残ってしまい、そして、自分たちの浅ましさを悟り、自首する。ある種、コメディドラマだ。
この映画の狙いは何なのか?1943年の作品であるから戦意高揚か?それとも、歴史の偶然か?(造船の話をしている内に開戦。そして島民のカツオ船が撃沈されて、島民の気持ちが一つとなり、船を増産する話しが出てくる)。
後の木下監督の作品を見ると余計に意図が分からなくなる。
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